テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2018年05月

【5月31日(木)国内終値】
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5月31日(木)
【5月30日の海外相場および市況】
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*30日のNY外国為替市場では、イタリアなどの政局に対する過度の懸念が和らぐ中、米長期金利の上昇などを背景にドル買いが優勢となり、ドル円は108円台後半に上昇した。前日はイタリアやスペインの政局不安を背景に安全通貨である円買いが加速し、一時は約1カ月ぶりの安値となる108円10銭台まで下落した。この日は両国の政局に対する過度の警戒感が後退。米長期金利も上昇に転じドル買いが活発化した。2018年1〜3月期の米実質GDP(国内総生産)改定値と5月ADP民間雇用統計ともに市場予想を下回ったが、市場の反応は限定的だった。1〜3月の米実質GDP改定値は季節調整済み年率換算で前期比2.2%増と、速報値の2.3%増から小幅下方修正された。米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した12地区の連銀景況報告(ベージュブック)は、おおむね市場の想定範囲内だった。

*30日のNY金は小幅上伸。5月ADP民間就業者数は市場予想を下回った。また、2018年1〜3月期の米実質GDP(国内総生産)改定値も速報値から下方修正された。低調な統計内容を受け、金が買われた。ドルがユーロに対して軟化したことも、ドル建て金の割安感を強めた。1〜3月の米実質GDP改定値は季節調整済み年率換算で前期比2.2%増と、速報値の2.3%増から小幅下方修正された。NY白金は金に連れて続伸。

*30日のNY原油は大幅反発。30日に発表される米石油協会(API)や31日に発表されるエネルギー情報局(EIA)のそれぞれの在庫統計では、原油在庫の取り崩しが予想され買戻しが入った。サウジアラビアを筆頭とする石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国は、昨年1月に開始した協調減産を計画通り今年末まで維持する方針だが、供給不足が発生した場合は段階的に調整するという。協調減産に参加している産油国はこれまでの成果に満足しているとし、原油市場の安定を維持する目的の達成に向け減産合意の期間が延長される可能性もあるが、必要となった場合、いかなる増産も「段階的で慎重」に実施されると述べた。原油市場は均衡化に向かっており、市場のファンダメンタルズは昨年と比べて改善したと指摘。ただ、「減産合意を完全に解消するには至っていない」とし、「OPEC加盟、非加盟国は年内、さらにその先も協調を継続する。こうした協調は一時的なものではなく、原油市場の安定を目指す長期的なものとなる」との認識を示した。ただ、「供給不足が発生すれば産油国は緊密に連携し、直ちに必要な措置を取る」とし、「OPEC加盟、非加盟国の合意は維持されるが、供給不足が顕在化した場合、減産規模が調整される可能性がある」と述べた。

*30日のシカゴトウモロコシは、作柄良好で続落。米中間の貿易摩擦の激化も圧迫材料となった。米農務省が29日発表したクロップ・プログレスによると、トウモロコシの作柄状況は「優」「良」の占める割合が79%と市場予想を上回った。作付け進捗率は92%となり、過去5年平均(90%)を上回った。シカゴ大豆は、米中貿易摩擦を懸念して続落。米農務省が発表したクロップ・プログレスによると、大豆の作付け進捗率は77%となり、市場予想平均や過去5年平均を上回った。

*30日のNYダウは、混迷するイタリア政局への過度な警戒が和らぎ反発した。イタリアの欧州連合(EU)懐疑派政党による組閣作業が、マッタレッラ大統領が閣僚人事案を拒否したことで頓挫し、再選挙の可能性が高まったことで前日は大幅下落。ただ、その後に新政権樹立に向けた新たな動きが報じられたこともあり、過度な警戒感は和らぎ、買いが活発化した。政治混迷によるイタリア国債の利回りの急上昇も一服したことも支援材料となった。この日は、NY原油が急反発したことも好感された。


【31日の経済指標】
08:01 (英) 5月GfK消費者信頼感 -9
08:50 (日) 4月鉱工業生産・速報 (前月比) +1.4%
10:00 (中) 5月製造業PMI 51.4
10:00 (中) 5月非製造業PMI 54.8
10:00 (NZ) 5月ANZ企業景況感 -23.4
14:45 (スイス) 1-3月期GDP (前期比) +0.6%
   (スイス) 1-3月期GDP (前年比) +1.9%
17:30 (英) 4月消費者信用残高 +3億GBP
18:00 (EU) 4月失業率 8.5%
18:00 (EU) 5月消費者物価指数(HICP)・速報 (前年比) +1.2%
18:30 (南ア) 4月生産者物価指数 (前年比) +3.7% +4.4%
20:30 (米) 5月チャレンジャー人員削減予定数 (前年比) -1.4%
21:00 (南ア) 4月貿易収支 +95億ZAR 
21:30 (加) 1-3月期GDP (前期比年率) +1.7%
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 23.4万件
21:30 (米) 4月コアPCEデフレーター (前月比) +0.2% +0.1%
   (米) 4月コアPCEデフレーター (前年比) +1.9%
21:30 (米) 4月個人所得 (前月比) +0.3% +0.3%
21:30 (米) 4月個人消費支出 (前月比) +0.4% +0.4%
22:45 (米) 5月シカゴ購買部協会景気指数 57.6 58.0
23:00 (米) 4月中古住宅販売保留件数指数 (前月比) +0.4% +1.0%


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【5月30日(水)国内終値】
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【 白金は3200円を軸としたレンジで保ち合いが続きそう】
*先週の東京白金は、NY白金の上昇に連れて堅調だった。日足チャートでは3143~3300円のレンジが形成されている。2018年における世界の白金需給は昨年より緩和するとの予想が複数発表されているため、ある意味、弱材料は織り込まれていると言えそうだ。

そのため、今後は強材料に反応する展開が予想される。白金は自動車の排気ガス除去の触媒に使用される。そのため、自動車販売台数が材料視される。アジアの4月新車販売台数は、前年同月比でタイが+25.2%、インドが+16.4%、インドネシアが+14.1%、中国が+11.5%、マレーシアが+10.2%、日本が+3.2%といずれも堅調。また、最大の生産国である南アフリカでは、鉱山会社のリストラが進められている。白金鉱山会社の合理化が進めば、白金生産量の減少を招き、生産コストの上昇につながる可能性も出てこよう。CFTC建玉では、ファンドの買いが激減しており、内部要因的には軽くなっている。この値位置から一段安に下落するよりは、値固め局面に入ったと見た方が無難だろう。

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*CFTC建玉5月22日時点:ファンドの白金買い越しは1462枚(前週比-6734枚)と減少。総取組高は8万0393枚と前週比253枚の増加。


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*白金と金の逆ザヤは、4月26日に1429円と過去最大幅を記録した。その後は売られ過ぎからやや縮小している。


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

【 東京金は下値探り続きそう】    
*先週のNY金は上昇した。米中貿易摩擦懸念、米朝首脳会談の動向が材料視された。トランプ大統領のツイッターや発言で振り回される展開となった。イタリアでは反欧州連合(EU)的な政権が樹立するとの懸念が強まり、安全資産である金の支援要因となった。23日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、次回6月会合での利上げを支持する参加者が多かったものの、利上げペースの加速を示唆する文言がなかったことでハト派的と受け止められ、金を押し上げた。

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さらに、トランプ大統領が6月12日に予定されていた米朝首脳会談を中止すると発表し、北朝鮮をめぐる地政学的リスクが高まった事も「質への逃避先」である金買いとなった。15日に200日移動平均線と節目の1300ドルを割り込んだため、一段の下落が警戒されたが、21日の安値1281.2ドルから反転反発している。節目の1300ドルを越えたものの、週明けの時間外では再び大台割れとなっており上値は重い。米長期金利は低下しているものの、米朝首脳会談に向けての両国の話合いが進展しているため、地政学的リスクが低下していることが背景にあるようだ。金ETFは減少を続け、850トンを下回った。NY金は200日移動平均線の下で、底値を固める展開が続きそうだ。

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*NY金予想レンジ=1280~1320ドル

*CFTC建玉5月22日時点:ファンドの金買い越しは9万0957枚(前週比-1486枚)と減少。総取組高は50万2942枚と前週比1万7016枚の増加。

*29日のNY金時間外は、米朝首脳会談開催への期待感から地政学リスクが後退し、1300ドルを割り込んでいる。一方、ドル円相場は下落し円高が進行している。これは、NY原油時間外が大幅続落し、NYダウの下落が予想されたことからリスクオフの強まりから「ドル売り・円買い」が進んだことが原因のようだ。東京金は2つの逆風に遭っている格好だ。直近の安値だった4550円を下回り、下値探りの展開が続きそうだ。

先週公表された5月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、6月の利上げがほぼ確実視されていることが示唆された。今週は1日に5月雇用統計が発表される。予想は非農業部門就業者数+19万人(+16.4万人)、失業率3.9%(3.9%)、平均時給+0.2%(+0.1%)(カッコ内は前回)。予想は前回を上回り、これに沿った内容であれば、6月のFOMCに向けて米長期金利が上昇し、ドルが買われていく展開になりそうだ。NY金には下押し懸念が強まるだろう。東京金も下落基調が続く可能性があり、テクニカル的には相対力指数(RSI)が30%を下回るレベルまで下落基調が続きそうだ。

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*東京金予想レンジ:4480~4580円。


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5月30日(水)
【5月29日の海外相場および市況】
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*3連休明け29日のNY外国為替市場では、イタリア政局不安などを背景にリスク回避の円買い・ドル売りが加速し、ドル円は108円台後半に下落した。イタリアでは3月の総選挙以降、政局の混迷が続いている。「ユーロ離脱」を掲げた新興政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」が連立政権の樹立で合意。強硬な反ユーロ主義者を財務相候補にしたが、マッタレッラ大統領が反対。両党はその後、再選挙を志向する流れとなり、金融市場では、再選挙を行うと反ユーロ主義にむしろ勢いが付くとの懸念からユーロ売りが加速。ドル円も連れ安となった。「五つ星運動」と「同盟」による連立政権の樹立は不調に終わったものの、歳出拡大や減税などのばらまき政策を掲げるEU懐疑派へのイタリア国民の支持率は高い。こうした中、イタリア暫定首相に指名された国際通貨基金(IMF)元高官のカルロ・コッタレリ氏による組閣も難航しており、数日以内に議会を解散するとの観測が浮上。今夏にも実施される可能性が出てきた再選挙の結果で、EU懐疑派政党が政権を掌握すればEUとの衝突は避けられず、場合によってはユーロ圏離脱などにつながる恐れもあるとの警戒感が広がった。このため、リスク回避姿勢が強まり、安全通貨である円が買われ、一時108円12銭まで下落した。また、トランプ政権が同日、対中貿易制裁を継続する方針を明確に示したことで米中間の貿易摩擦激化に対する懸念が再燃したことも円買い要因となった。

*3連休明け29日のNY金は、ドル高・ユーロ安の進行に伴う割高感などに圧迫されて続落。イタリアの政局混乱を受けて、ドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て金に割高感が生じたため、売りが優勢となった。ただ、イタリア政局に対する先行き不安などを背景に世界的な株安となる中、安全資産である金はある程度、サポートされた。イタリアでは、3月の総選挙以降混乱が続いている。イタリアのマッタレッラ大統領は28日、再選挙に備え来年度予算を通すため、国際通貨基金(IMF)の元高官を首相に指名した。市場は同国の再選挙に懸念を持っている。再選挙により、ユーロ懐疑論の政党をさらに勢いづける可能性がある。NY白金は反発。

*3連休明け29日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)の産油制限緩和をめぐる思惑が重石となり、5日続落した。ロイター通信は25日、OPEC盟主のサウジアラビアとOPEC非加盟の主要産油国ロシアが現行の協調減産合意を緩和する方向で検討を始めたと報道。日量100万バレル程度の増産を目安に協議が行われているという。加えて、ロシアのノバク・エネルギー相も、6月22、23日にウィーンで開かれるOPEC総会で段階的な緩和を決める可能性があるとの見方を示したと伝えられた。これを受け、対イラン制裁に伴う中東地域の供給停滞やベネズエラの産油量減少を背景に台頭していた最近の需給引き締まり期待が一段と後退し、相場は一時65.80ドルまで下落した。米国内でのシェールオイル増産の動きも圧迫材料。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが25日に発表した国内の石油掘削リグ稼働数は計859基と前週から15基増加し、2015年3月以来の高水準となった。

*3連休明けのシカゴトウモロコシは反落。米中貿易摩擦懸念が再燃したことが嫌気された。トランプ政権は、中国が米国の知的財産権侵害をめぐる問題に対処しなければ、中国から輸入する総額500億ドルの製品に制裁関税を課す方針を改めて示した。シカゴ大豆も米中貿易摩擦懸念が再燃して反落。

*3連休明け29日のNYダウは、イタリアの政局混迷を嫌気し大幅続落。イタリアでは3月の総選挙以降、欧州連合(EU)への立場をめぐり、協調派と懐疑派の対立が深刻化。夏にも再選挙が行われる可能性が浮上しており、市場では、同国がEU離脱に向かいかねないとの警戒感が広がった。トランプ政権が、知的財産権侵害を理由に中国製品に追加関税を課す貿易制裁の継続方針を打ち出したことも、投資家心理を悪化させた。ダウはほぼ全面安となり、ダウは下げ幅を拡大し、一時505ドル安を付けた。


【30日の経済指標】
07:45 (NZ) 4月住宅建設許可 (前月比) +14.7%
10:30 (豪) 4月住宅建設許可 (前月比) +2.6%
16:55 (独) 5月失業者数 -0.7万人
16:55 (独) 5月失業率 5.3%
18:00 (EU) 5月経済信頼感 112.7
18:00 (EU) 5月消費者信頼感・確報 0.2
21:00 (独) 5月消費者物価指数・速報 (前年比) +1.6%
21:15 (米) 5月ADP全国雇用者数 +20.4万人 +20.0万人
21:30 (米) 1-3月期GDP・改定 (前期比年率) +2.3% +2.3%
21:30 (米) 1-3月期個人消費・改定 (前期比年率) +1.1%
21:30 (米) 1-3月期GDPデフレーター・改定 (前期比年率) +2.0% +2.0%
21:30 (米) 1-3月期コアPCEデフレーター・改定 (前期比年率) +2.5%
21:30 (米) 4月卸売在庫 (前月比) +0.3%
23:00 (加) 加中銀政策金利発表 1.25%
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)


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【5月29日(火)国内終値】
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5月29日(火)
【5月28日の海外相場および市況】

*昨日は、ロンドン休場(スプリングバンクホリデー)、NY休場(メモリアルデー) 。

*本日の東京市場のドル円相場は、109円台前半で小幅な値動きにとどまりそう。

*ユーロ情勢が懸念されている。イタリアの次期首相に指名されたコンテ氏が就任を断念。政権の右傾化が避けられるとの期待感からユーロは反発したが、欧州時間には改めて政局不安が台頭し、ユーロ売りが強まった。

米朝首脳会談の実現に向けた進展も期待と不安が入り混じっており、様子見姿勢が強まっている。

*トルコ中央銀行は1週間物レポ金利を倍以上の16.5%に引き上げることを決めた。6月1日から適用する。

現在、資金供給で採用している金利と同じにし、新たな主要政策金利とする。

トルコ中銀は今回の措置を、複数の政策金利から成るトルコの金融政策の枠組みを簡素化する取り組みの最終ステップと説明した。

翌日物貸出金利と翌日物借入金利は1週間物レポ金利のそれぞれ上下1.5ポイントに設定する。 現行の9.25%と7.25%から、それぞれ18%と15%となる。

1週間物レポ金利は現在8.0%。以前はトルコ中銀の主要政策金利だったが、 2017年1月以降は使われていなかった。

トルコ中銀がこれに代わって適用していた緊急時の貸出金利である後期流動性貸出金利は3.0ポイント引き上げ19.5%とする。 一部について移行期間が設けられ、移行は6月7日に完了する。

この決定を受けて、28日のトルコリラは約3年ぶりの大幅上昇となり、同国の株と債券も値上がりした。

トルコリラは対ドルで3.4%高の1ドル=4.5627リラと2015年11月以来の大幅上昇。
トルコリラ円はおよそ3.8%上昇。
10年物国債利回りは57ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の14.11%。
イスタンブール100種株価指数も2.9%上昇。

*トルコ政策金利 
政策金利(1週間物レポ)8.00%⇒16.50%(6月1日)
翌日物貸出金利 9.25%⇒18.00%(6月1日)
翌日物借入金利 7.25%⇒15.00%(6月1日)
後期流動性貸出金利 16.50%⇒19.50%(6月7日)


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【29日の経済指標】
08:30 (日) 4月有効求人倍率 1.59
08:30 (日) 4月失業率 2.5%
22:00 (米) 3月S&P/ケースシラー住宅価格指数 (前年比) +6.80%
23:00 (米) 5月消費者信頼感指数 128.7 128.0


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【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は、堅調に推移した。ムニューシン米財務長官は21日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、米国、メキシコ、カナダの3カ国はなお重要な案件について協議する必要があるとの考えを示した。財務長官は、「まだかなり重要な懸案が残っている」と述べた。そのうえで、トランプ政権は議会の承認が必要となる新たな貿易協定の策定に引き続きコミットしているとしながらも、議会の承認が必要にならない「スキニー」な合意を検討する可能性もあるとの立場も示した。

23日に発表されたメキシコ第1四半期GDPは前年比+1.3%と、前回1.5%、 予想1.4%を下回った。景気減速が確認されたものの、メキシコペソはドル売りを受けて上昇した。NAFTA再交渉を巡る動きを示す報道もあって、メキシコペソは対ドルで約1%高まで上昇した。トランプ大統領はこの日、米自動車産業の労働者に歓迎される「大ニュース」が発表されるとツイートした。また、メキシコ経済次官が今週、ワシントンで米当局者との協議を継続していることが関係筋の話で明らかになった。また、キシコ隔週消費者物価指数前年比+4.46%と前回+4.69%より改善したものの予想4.1%より上回った。

*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しそうだ。メキシコペソは、北米自由貿易協定(NAFTA)見直しの協議が継続していることが支援要因になっている。ただ、NAFTA再交渉の早期合意への期待感は強いものの、なかなか合意に至らない状況が続いている。ムニューシン財務長官は「まだかなり重要な懸案が残っている」と述べ、トランプ政権は議会の承認が必要となる新たな貿易協定の策定を引き続き模索するものの、議会の承認が必要にならない合意を検討する可能性もあると指摘した。

メキシコ中央銀行は通貨ペソの下落が続いた場合、利上げかペソ支援強化に動く可能性があるという。メキシコ中銀は今月17日の会合で政策金利を7.50%に据え置いた。ただ調査によると、多くのアナリストが、ペソ安が止まらなければ中銀が何らかの手を打つと答えた。具体的な対応については、25bpの利上げと為替ヘッジ契約入札規模の拡大を挙げた。メキシコ中銀は変動相場を支持し、外為市場での直接介入を避けているが、昨年2月にペソが急落した際に200億ドルの枠を設けた為替ヘッジ契約入札を導入した。これまでの実施規模は55億ドルで、まだ大きな活用余地が残っている。


【メキシコ経済指標】
28日月曜日
22:00 4月失業率 前回2.9%   予想3%

6月1日金曜日
米メキシコへの関税除外措置期限


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*予想レンジ:5.50円~5.80円


情報提供:(株)みんかぶ
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【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は大幅下落し、23日には22円22銭と上場来の最安値を更新した。市場は、商いが薄い時間帯に大口の売りが出て、個人投資家のストップロスの売りが誘発されたことが原因と見ている。

トルコ中央銀行は23日、主要政策金利のうち後期流動性窓口金利を13.5%から300ベーシスポイント(bp)引き上げ、16.5%とした。トルコリラ急落に危機感が強まり、次回の政策決定会合(6月7日)を待たず、緊急利上げに踏み切った。これを受けてトルコリラ円は22円台から24円台に急反発した。しかし、25日には再び下落に転じた。急反発したものの、やれやれの売りが上値を抑えた。また、リラの押し上げには一段の利上げが必要との見方も強かった。

*今週のトルコリラ円は、安値圏で保ち合いとなろう。海外投資家はインフレ圧力が高いにもかかわらず金利低下を目指すエルドアン大統領の金融政策への不信感を強め、リラ売りを継続した。エルドアン大統領が先週、6月24日の大統領選後に金融政策への関与を強める考えを示すとさらにリラ売りが加速し、最安値を更新した。トルコリラの対ドルでの年初来下落率は約20%に達した。

これに危機感を抱いたトルコ中央銀行は、緊急に300bpと予想以上の利上げを行った。しかし、2桁台で高止まりしているインフレに対処するためには、継続的な利上げが必要であり、トルコ中銀が今後もエルドアン大統領の利下げ圧力をかわして利上げしていくかどうかが注目される。国内政治情勢や膨大な財政赤字などの根本的な問題もある。

6月7日のトルコ中銀理事会で追加利上げが実施されれば、市場はこれを好感し、トルコリラは上昇に転じる可能性がある。しかし、先週の利上げが単に6月7日の前倒しであるなら、失望売りが優勢となろう。

6月の大統領選では、エルドアン大統領が優勢と見られており、再選となれば再び利下げ圧力を強めることが予想され、これも市場には嫌気されるだろう。格付け会社フィッチ・レーティングスは「トルコの金融政策は以前から政治の制約を受けてきた。しかし中銀の独立性を低下させようとするあからさまな脅威は、政策決定環境と政策の有効性に対するリスクを増大させる」と指摘した。

【トルコ経済指標】
30日水曜日
16:00トルコ4月観光客数(年間) 前回34.83%
16:00トルコ5月経済信頼感 前回98.3

31日木曜日
16:00トルコ4月貿易収支 前回-58.6億USD  予想-67.0億USD

1日金曜日
16:00トルコ5月製造業PMI 前回48.9


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*予想レンジ:22.00円~25.00円


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