テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2018年06月

【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は上昇した。メキシコ中央銀は21日の政策決定会合で、政策金利を7.50%から25ベーシスポイント(bp)引き上げて7.75%とした。声明では、ペソ急落に伴うインフレリスクの高まりを抑制する狙いから利上げしたとした。これを受けて先週に1年半ぶり安値を付けていたメキシコペソは小幅上昇。ただ、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や7月1日のメキシコ大統領選を巡る懸念から上値は重かった。

22日には、石油輸出国機構(OPEC)加盟国が22日に小幅増産で合意したことを受けた原油高が好感され、メキシコペソが急上昇となった。メキシコは主要な原油輸出国の一つ。また、この日発表された2018年4月国内総生産(GDP)は前月比0.6%減だった。ただ、前年同月比では4.5%に拡大した。

*今週のメキシコペソ円は、7月1日の大統領選挙を控えて保ち合いになりそうだ。新興左派政党「国家再生運動(MORENA)」を率いるロペス・オブラドール元メキシコ市長(64)が選挙戦をリードしており、政権交代の可能性が高まっている。ペニャニエト大統領の任期満了に伴う選挙戦には4人が立候補している。任期は12月1日から6年間。

直近の世論調査(18日)によると、オブラドール氏が支持率50%で優位に立ち、中道右派の野党「国民行動党(PAN)」のリカルド・アナヤ前党首(39)が27%、中道右派の与党「制度的革命党(PRI)」のホセ・アントニオ・ミード前財務公債相(49)が20%という。

今回の大統領選挙の最大の争点は、治安と汚職といわれている。2012年12月から続くエンリケ・ニエト現政権において政府と麻薬カルテルとの間で2006年から続く「麻薬戦争」の激化によって治安が悪化し、汚職スキャンダルも後を絶たずで、現大統領の支持率は2018年2月時点で21%と低迷、政権与党PRIに対する国民の失望感は大きい。

オブラドール氏は、国民の蓄積された不満の受け皿となり、国家による経済介入の拡大、年金増額や奨学金制度拡大といったポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策で支持を集めている。トランプ大統領の反メキシコ的な言動を受けて、メキシコのナショナリズムが刺激され、オブラドール氏は「外国のいいようにはされない」と対決する構えを見せている。

しかし、一方では「米国とは対話を行い、正気を取り戻してもらわなければならない」とし、大統領選での勝利を見越して北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉などでは話し合いを継続する考えを示している。経済政策に関しては現実路線をとると見られている。マクロ経済における公的支出の役割に重点を置き、インフレや金利、国際収支や財政収支などのマクロ経済指標のバランスを重視し、均衡財政を維持して債務を拡大させないことを大前提においているという。なお、メキシコ中銀は、大統領選挙における通貨安を警戒しており、適切に対処するとしている。


【メキシコ経済指標】
25日月曜日
22:00 4月小売販売前年比前回1.2%  予想0.8% 結果-0.6%
24:00 4月外貨準備 前回$177.60B  予想$178.5B

26日火曜日
10:00 5月失業率 前回3.4%  予想3.2%

27日水曜日
10:00 5月貿易収支前回$-0.289B  予想$-2.0B

29日金曜日
28:30 5月財政収支

peso0625

*予想レンジ:5.0円~5.4円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。


【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は小反発した。24日の議会・大統領選で政治的不透明感が高まるとの懸念から上値の重い展開が続いた。経済低迷などから政権への不信感が高まり、エルドアン大統領が1回目の投票で再選を決めるかは不透明になった。

野党共和人民党(CHP)の立候補者インジェ氏は、「国は崩壊している」とエルドアン大統領を批判し、支持を広げている。CHPなど野党は、エルドアン氏の強権統治への危機感から選挙協力で合意。決選投票になった場合、野党側は一致して野党候補を支持する方針で、インジェ氏がエルドアン氏と争う可能性が出てきた。

*今週のトルコリラ円は、堅調に推移しそうだ。トルコ大統領選は24日、即日開票され、開票率98%の段階でエルドアン大統領が得票率52.5%を獲得し、再選を果たした。経済の急速な悪化で苦戦を強いられたが、最大都市イスタンブールで「国民は私に大統領の任務と義務を託した」と勝利宣言した。エルドアン大統領は5年の任期を務める。新たな憲法の下では、2023年の次回大統領選で再選を目指して出馬することも可能。シムシェキ副首相は選挙結果を受けて「改革加速への準備が整った」と強調した。

トルコは、1923年の建国以来、議院内閣制だったが、今回の選挙後、大統領に権限が集中する大統領制に全面移行する。トルコ建国の父といわれたアタチュルク初代大統領は15年在任したが、エルドアン大統領はそれを上回る長期強権政権となる。

同時に行われた総選挙(一院制、定数600)でも、エルドアン大統領率いるイスラム系与党・公正発展党(AKP)が、政党連合を組む極右・民族主義者行動党(MHP)と合わせて過半数を制する見通しで、事実上の勝利となった。

最大野党の共和人民党(CHP)は敗北を即座には認めず、大統領選が決選投票に進む可能性もまだあるとの見方を示したが、その後「結果にかかわらず」民主主義への取り組みを継続すると表明した。これを受けて、週明け25日のトルコリラ円は上昇し、前週末の23円半ばから後半へ一時1.0%強上昇。13日以来1週間半ぶりの24円乗せに迫った。

エルドアン大統領は、大統領選で勝利した場合、非常事態宣言を解除し、閣僚数を大幅に減らし意思決定を迅速化する方針。市場は、大統領と改選後議会が安定的関係を構築するとの見通しを好感しているが、エルドアン大統領の金利政策を巡る最近の利下げ発言について懸念もしている。

引き締めを嫌うエルドアン大統領は、再選後に金融政策への影響力を強める姿勢を示している。このため、トルコの物価上昇率が12%台にあるにもかかわらず、中銀が利下げを強いられるとの懸念が高まっており、金融政策を見極めるまではトルコリラの上値にも限界があろう。


【トルコ経済指標】
25日月曜日
20:30 6月景気動向指数[季調済] 前回106.7   
20:30 6月設備稼働率 前回77.9%

6月28日木曜日
16:00 6月経済信頼感 前回93.5

6月29日金曜日
16:00 5月貿易収支 前回-66.9億USD、予想-77.0億USD

lira0625

*予想レンジ:22.00円~24.50円


情報提供:(株)みんかぶ
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【南アランド円相場、先週の動き・今週の展望】
*先週の南アランド円は下落した。米中貿易戦争への懸念から、新興国通貨全般に売り圧力がかかった。南アランド円は昨年11月13日以来の安値となる7.84円まで大幅下落した。経済指標では5月消費者物価指数(CPI)が前年比+4.4%と前回+4.5%、予想+4.6%を下回った。

最近のランド安、原油上昇、付加価値税(VAT)引き上げ等で、市場はインフレ率上昇を予想していたが、サプライズとなった。インフレ低下を受けて、利上げ観測が後退した。

フィッチ社は南アフリカの格付けを「BB+」に据え置き、見通しを「安定的」とした。同社は声明で、過去10年で南アフリカ経済はほとんど成長しておらず、国内総生産(GDP)は大きく悪化し、過去9年で最悪の結果となっている。今後、経済の大幅に改善する可能性は低いとした。

*今週の南アランド円は、上値の重い状況が続くだろう。米中貿易戦争の激化が懸念され、依然として売り圧力が続くだろう。

28日に5月生産者物価指数(PPI)、29日に5月貿易収支と財政収支が発表される。先週発表された消費者物価指数(CPI)は予想外に低下していたが、1-3月期国内総生産(GDP)がマイナス成長(前期比年率-2.2%)に陥り、4月小売売上高も弱かったため、今週の経済指標が悪化していれば、地合いが悪いだけに一段安の可能性もあるだろ。

先週末、南アフリカ国会議員国家委員会が、白人の所有する土地の収用を補償金なしで収用できるようにキャンペーン行い憲法改正を試みると会議を行ったそうだ。こうした動きが広がれば、投資家はラマポーザ政権に対して失望感を強めるだろう。

【南アフリカ経済指標】
28日木曜日
18:30 5月生産者物価指数前年比 前回+4.4% 予想+4.4%

29日金曜日
15:00 5月マネーサプライM3前年比 前回+6.39% 予想+6.31%
15:00 5月民間部門信用前年比 前回+5.07% 予想+5.28%
21:00 5月貿易収支 前回+11億ZAR 予想+60億ZAR

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*予想レンジ:7.80円~8.20円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、米中間、米欧間の関税報復を背景に下落基調が強まりそうだ。週明け25日、米財務省は、中国資本が25%以上を占める企業に対し、「産業上重要な技術」を保有する米国企業の買収を禁じる規則を策定しているとのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を受けて、中国企業による米国のハイテク企業への投資が禁じられることが懸念され、リスクオフモードが強まり、ドル円は一時109円41銭まで下落した。

トランプ大統領は3月、ムニューシン財務長官に対し、米国にとって極めて重要な技術分野の投資を巡る懸念に対処するよう指示した。トランプ政権は国際緊急経済権限法(IEEPA)を発動して中国による投資を制限する見込みで、「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」で特定された航空宇宙やロボット工学、新エネルギー車などの分野が制裁で重点が置かれる見通し。米財務省は29日、中国による知的財産権侵害問題で、米通商法301条に基づき米政府が講じる措置の一環として、輸出規制強化に加え、中国の対米投資の制限を公表する予定。

7月6日には中国からの輸入品340億ドル(約3兆7300億円) 相当への関税を米国が発動させる見込み。さらに意見公募期間終了後に160億ドル相当の輸入品に追加関税が課される。中国が同額の計500億ドルの米産品への報復関税を課す意向を表明すると、トランプ大統領は米通商代表部(USTR)に対し、10%の追加関税を課す中国からの輸入品2000億ドル相当の品目を特定するよう命じた。米国が対中制裁関税を発動する7月6日までに双方が落としどころを見つけるのか警戒感が高まっている。

トランプ大統領は先週22日、欧州連合(EU)内で組み立てられた全ての自動車に対し20%の関税を課す考えを示したが、EUも報復激化を辞さない方針を示唆している。欧州委員会のカタイネン副委員長は、トランプ大統領が示唆した通り欧州の自動車に新たな関税を賦課した場合、EUは「対抗する以外に選択肢はない」とで述べた。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続見通しはドルの下値をサポートしよう。20日に欧州中央銀行(ECB)が開催した年次フォーラムで、パウエルFRB議長は、緩やかな利上げを継続するとして、先の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で明らかになった年4回の利上げ見通しについて改めて言及した。ファンドはこれを受けてドル買い・円売りポジションを拡大させている。

cftv0623

*CFTC建玉6月19日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万5562枚(前週比+4万0614枚)と増加し、途転ドル買い越しとなった。総取組高は15万4641枚と前週比1万2236枚の減少。

<主なイベント・経済指標>
25日は米5月新築住宅販売件数、26日は米6月消費者信頼感指数、27日は米5月耐久財受注、米5月中古住宅販売成約、28日は米新規失業保険申請件数、米第1四半期GDP前期比年率、29日は米5月個人所得、0米6月ミシガン大学消費者信頼感指数。

yen0625

*予想レンジ:108.00円~110.50円


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6月25日(月)
【6月22日の海外相場および市況】
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*週末22日のNY外国為替市場のドル円相場は、110円近辺で小動きとなった。トランプ米大統領は22日、欧州連合(EU)との貿易関係について、関税や障壁がすぐに取り除かれなければ「EUから米国に入ってくる全ての自動車に20%の関税を課す」とツイッターに投稿。これを受けて、米中間に加え、米欧間でも貿易摩擦が激しくなるのではないかとの懸念が再燃し、円買い・ドル売りが一時先行した。ただ、石油輸出国機構(OPEC)がこの日の総会で増産を決定したものの、実質的な増産幅が市場が想定していたよりも小規模だったことで、原油相場が急反発し、NYダウも反発し、リスクオンモードが高まったため、安全通貨の円が売り戻されたことから、円高は抑えられた。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを加速させるとの警戒感も根強いため、引き続きドルの下値も堅かった。CFTC建玉6月19日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万5562枚(前週比+4万0614枚)と増加し、途転ドル買い越しとなった。総取組高は15万4641枚と前週比1万2236枚の減少。

*週明け25日、トルコリラが上昇。24日に投票が行われた大統領選と議会選で、現職のエルドアン氏と与党・公正発展党(AKP)が勝利宣言を行った。事前の世論調査では接戦が予想されていた。前週末までの市場では与党が過半数を割り込んだり、僅差なら双方の陣営が投票時の不正を主張するなどして、しばらく政治が停滞する可能性があるとの懸念が出ていた。しかし、現在の開票率は9割超だが、不正がなく集計結果が正しければ明確な投票結果と言えるため、選挙後の政治的混乱回避の見通しが好感されたようだ。トルコ リラ円は、前週末の23円半ばから後半へ一時1.0%強上昇。13日以来1週間半ぶりの24円乗せに迫った。

*週末22日のNY金はほぼ横ばいに推移した。石油輸出国機構(OPEC)はこの日、2017年1月から実施している産油量制限の緩和を決定したが、想定内の規模にとどまったことを好感し、原油相場が大幅上伸。
金相場もこれに連動して買われた。6月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景況指数)速報値が54.8と、前月の54.1から上昇し、民間企業の成長回復が示されたことを受け、ユーロ相場が上昇。ドルがユーロに対して軟調に推移したため、ドル建て金は割安感も強まった。ただ、米中間の貿易摩擦激化に対する警戒感を背景とした「質への逃避」買いが一服し、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続姿勢が強いため、金利を生まない資産である金には売り圧力が高まった。CFTC建玉6月19日時点:ファンドの金買い越しは9万6512枚(前週比-2万3728枚)と減少。総取組高は46万8345枚と前週比1万9650枚の増加。

*週末22日のNY白金は原油高に影響されて反発。CFTC建玉6月19日時点:ファンドの白金売り越しは5161枚(前週比-8722枚)と途転売り越しとなった。総取組高は8万8852枚と前週比2966枚の増加。

*週末22日のNY原油は大幅反発し、1カ月ぶりの高値をつけた。この日の石油輸出国機構(OPEC)定例総会で決定された増産量が市場の想定範囲内だったことなどから、買い安心感が広がった。OPECはこの日、ウィーンで定例総会を開き、7月から原油の生産を増やすことで合意した。OPEC非加盟のロシアなどと協調して日量180万バレルの減産目標を堅持してきたが、約1年半ぶりに政策を転換する。OPECは声明で具体的な増産量を明示しなかったものの、実際の増産規模は80万バレル程度とみられる。実質的な増産量が市場の想定範囲内にとどまった上、減産体制そのものは維持されたことなどから、原油買いが殺到し、一時68.82ドルまで値を伸ばした。直近1週間の米国内石油掘削リグ稼働数は前週比1基減の862基と、小幅ながらマイナスに転じたことも支援材料となった。OPECが増産目標を具体的に明示しなかったことは市場関係者の一部を混乱させたものの、増産規模が日量100万バレルを下回るとの見方が相場を押し上げた。イラクによると、産油量が減少している国々は増産割り当てを達成するのに苦戦を強いられ、他の産油国には穴埋めする力がない可能性もあることから、実際の増産幅は日量77万バレル前後となる見通しという。CFTC建玉6月19日時点:ファンドの原油買い越しは58万0947枚(前週比-1万4346枚)と減少。総取組高245万8404枚と前週比6万6035枚の減少。

*週末22日のシカゴトウモロコシは小幅続伸。気象予報によれば、今後数日間の米産地の天気は引き続き生育に好ましいと予想されている。CFTC建玉6月19日時点:ファンドのトウモロコシ買い越しは26万4922枚(前週比-2万1728枚)と減少。総取組高は199万2169枚と前週比2万8936枚の増加。

*週末22日のシカゴ大豆はショートカバーで反発。CFTC建玉6月19日時点:ファンドの大豆買い越しは5万8179枚(前週比-3万3477枚)と減少。総取組高は91万7545枚と前週比5617枚の減少。

*週末22日のNYダウは9日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)はこの日、ウィーンで定例総会を開き、原油の生産を増やすことで合意した。ただ、増産量が市場の想定範囲内にとどまったことなどが好感され、原油価格が急反発。原油高による収益改善への期待から、エネルギー株に買いが集まった。トランプ大統領はツイッターへの投稿で、欧州連合(EU)が米国からの輸入品に課している関税や貿易障壁を批判し、EUから米国に輸入される全ての自動車に20%の関税をかけると警告。EUの報復関税によって影響を受けるとの見方から二輪車大手ハーレーダビッドソンなどが売られたが、相場全体への影響は限定的だった。


【25日の経済指標】
17:00 (独) 6月Ifo景況感指数 102.2
23:00 (米) 5月新築住宅販売件数 66.2万件 67.0万件
   (米) 5月新築住宅販売件数 (前月比) -1.5% +1.2%


第170回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/



6月22日(金)
【6月21日の海外相場および市況】
ny0621

*21日のNY外国為替市場では、低調な米経済指標をきっかけに円買い・ドル売りが進み、110円を割り込んだ。フィラデルフィア連銀の製造業景況指数が市場予想を下回ったことを受けて、ドル売りの動きが加速した。NYダウや米長期金利の低下もドル相場を圧迫した。中国が米輸入車に報復関税を適用する方針であることを理由に、独自動車大手ダイムラーが通期の業績見通しを下方修正。米中貿易摩擦が実際の企業活動に影響し始めたと受け止められ、リスク回避モードが強まった。

* メキシコ中銀は21日の政策決定会合で、政策金利を7.50%から25ベーシスポイント(bp)引き上げて7.75%とした。利上げはペソ急落に伴うインフレリスクの高まりを抑制する狙いがある。先週に1年半ぶり安値を付けていたメキシコペソは小幅上昇。ただ、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や7月1日のメキシコ大統領選を巡る懸念から、ペソの上値は重かった。

*21日のNY金は3日続落。米中「貿易戦争」突入への警戒感が強まる中、欧州連合(EU)も米国に対する報復関税を22日から発動すると発表し、通商摩擦問題が世界規模に拡大するとの懸念が広まった。金需要の見通しが悪化し、金の買い控えムードが強まった。また、米利上げペースの加速観測を背景としたドル指数の上昇も圧迫要因となった。NY白金は金に連れて反落。

*21日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)定例総会を22日に控えて増産決定に対する警戒感から反落した。OPEC加盟国は22日、ウィーンで定例総会を開く。総会では増産を協議し、合意する見通し。これまでの事前協議で、OPECを主導するサウジアラビアによる増産提案に対し、当初難色を示していたイランが小幅な増産であれば容認する可能性も示唆。サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は日量100万バレル程度の増産が必要と言及している。今総会で最終的に増産が決定されるかどうかは依然不透明な部分も残っているが、ある程度の増産は決定される可能性が高いとの臆測が広がった。また、米中間の貿易摩擦激化に対する警戒感も引き続き相場を下押しする要因となった。ただ、ドルが対ユーロで下落し、ドル建て原油に割安感が生じたほか、受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫減少の見通しが示されたことから、下値は限定的だった。

*21日のシカゴトウモロコシは続伸。安値拾いの買いや、過度な降雨により米中西部西域の一部で冠
水し、作柄に打撃を与える可能性が懸念された。シカゴ大豆は、米中貿易摩擦による需要減退懸念から反落。

*21日のNYダウは、世界的な貿易摩擦への警戒感が重石となり8日続落した。独自動車大手ダイムラーは前日、中国が米輸入車に報復関税を適用する方針であることを理由に、通期の業績見通しを下方修正した。米中貿易摩擦が企業活動に実際の打撃となり始めたことが確認され、業績期待が後退し、売りが優勢となった。6月地区製造業景況指数や、調査会社コンファレンス・ボードの5月景気先行指標総合指数がともに市場予想を下回ったことも弱材料となった。また、22日からの石油輸出国機構(OPEC)総会を前に、エネルギー株には手じまい売りが出た。 米中両国は強硬な姿勢を崩しておらず、貿易問題は引き続き相場の懸念材料となっている。


【22日の経済指標】
08:30 (日) 5月全国消費者物価指数 (前年比) +0.6%
      (日) 5月全国消費者物価指数 (生鮮食品除く:前年比) +0.7%
16:30 (独) 6月製造業PMI・速報 56.9
16:30 (独) 6月サービス業PMI・速報 52.1 
17:00 (EU) 6月製造業PMI・速報 55.5
17:00 (EU) 6月サービス業PMI・速報 53.8


第170回 『おしえて陳さん』 
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【22、23日はOPEC総会】
22、23日と2日間に渡って石油輸出国機構(OPEC)総会が開催される。現在の協調減産に参加しているOPEC加盟国の14カ国とロシアなど非加盟国の14カ国の合計28カ国の産油国が参加して、現在の協調減産について話し合う。

減産は2017年1月から実施され、日量180万バレルの協調減産計画に対して、減産順守率は現在では150%を超えるレベルに上昇している。ベネズエラとリビアの大幅減産が影響し、米国による経済制裁で今後のイラン産原油輸は最大で日量100万バレル減少する可能性があると見られている。こうした背景からNY原油は5月に73ドルに接近し、北海ブレント原油は80ドル台に上昇した。しかし、産油国にとっては、原油価格の上昇はもとより望んだところだが、上がりすぎるのも問題だ。

原油価格高騰により世界経済の成長が鈍化すれば、いずれは需要減少という負の側面が強まる。さらに長期的には、代替エネルギーの開発促進を招く可能性が高まる。そして、トランプ大統領が、米国内のガソリン価格の上昇を受けて、減産している産油国を非難した。トランプ大統領は日量100万バレルほどの増産を産油国に要求した。

安全保障の面で米国に依存しているサウジアラビアにしては、アメリカの意向を無視して減産を継続することは難しくなったということだろう。ロシアにしても経済再建のために上昇している原油価格を前にして稼ぎたいということではないか。

サウジアラビアやロシアの最近の要人発言発言から、日量100万~150万バレルの増産が決定される見込み。イランのザンギャネ石油相は、協調減産合意に基づく目標以上に減産した産油国が目標水準まで増産することにイランが同意する可能性を示唆した。エクアドルのペレス炭化水素相は20日、OPECと非加盟産油国による日量50万─60万バレルの増産合意もあり得ると述べた。関係筋によると、順守率を現行の水準から100%に戻す場合、市場に供給される原油は少なくとも日量100万バレル増えることになる。

NY原油は65ドルを挟んだレンジを形成しており、上下どちらにも動く可能性がある。テクニカル的には、150日移動平均線にサポートされ、50日移動平均線がレジスタンスになっている。移動平均線の状況から見れば、依然として上昇トレンドは継続しているため、下落しても62~63ドルレベルでサポートされそうだ。一方、反発して場合は67~68ドルレベルになりそうだ。


oil0621

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比590万バレル減と、市場予想の190万バレル減を大幅に上回る取り崩しとなった。米国内の需給不均衡に対する警戒感が後退した。ただ、ガソリン在庫は330万バレル増と、予想の20万バレル増を大幅に上回る積み増し。ディスティレート(留出油)在庫も20万バレル減の予想に反して270万バレルの積み増しだった。夏前の行楽シーズンにもかかわらず、石油製品在庫が潤沢であることが明らかになった。


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