2018年11月
11月29日の海外相場および市況
*29日のNY外国為替市場では、米利上げの早期打ち止め観測を受けた円買い・ドル売りが続き、ドル円は113円台半ばに軟化した。113円43〜53銭。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日の講演で、利上げ局面の終了が近づいていると示唆したことを受けたドル売りの流れが継続。10月米個人消費支出(PCE)物価指数は、食料品とエネルギーを除いたコア指数が市場予想を下回ったこともあり、一時113円19銭まで下落した。公表された前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策金利について、複数の参加者が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に迫りつつあると言及していたことが判明。前日のパウエル議長の発言が担保された形で、来年以降の利上げは柔軟に判断されるとの観測が浮上したこともドル売り要因となった。しかし、週末に開かれる米中首脳会談で双方が貿易問題で歩み寄るとの期待からドルは徐々に買い戻された。
*29日のNY金は小幅高となった。1230.40ドル(+0.60)。前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて、米利上げが想定よりも早期に終了するとの見方が広がったことから、金利を生まない資産である金には買いが継続した。ただ、前日の上伸の反動からこの日は利益確定の売りも出やすかった。引け後に発表された11月7、8両日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、12月のさらなる利上げを支持する意見が多く出たが、複数の参加者は、政策金利が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に迫りつつあると言及し、利上げ局面の終了時期が近づいているとの認識を示した。ただ、まだ利上げがあるため、金買いにはつながらなかったようだ。NY白金は3日続落。820.90ドル(-5.40)。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)報告で供給過剰見通しが示されたことが嫌気された。
*29日のNY原油は、ロシアのプーチン大統領が協調減産の必要性を認めたとの報を受けて、3日ぶりに反発した。51.45ドル(+1.16)。米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した最新週の国内原油在庫は前週比360万バレル増と、市場予想の80万バレル増を大幅に上回る積み増しとなり、石油輸出国機構(OPEC)盟主であるサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が前日、サウジ単独での減産は行わないと表明していたことから、売りに拍車が掛かり、約1年1カ月ぶりに節目の50ドルも割り込み、一時49.41ドルの安値を付けた。ただ、ロシアのプーチン大統領は28日、原油価格について同国としては60ドルなら満足できるとの見解を示した上で、「OPECとは連絡を取り合っており、必要に応じて共同の取り組みを続ける用意がある」と言及。来週開かれるOPEC総会で協調減産が決定されるのではないかとの期待が広がり、買い戻しが入って相場はプラス圏に回復した。
*29日のシカゴトウモロコシはまちまち。373.25セント(変わらず)。米農務省発表の週間輸出統計が予想を上回る強い内容となったことが支援材料となり、大豆油安の影響を相殺した。
シカゴ大豆は反落。887.25セント(-3.25)。今週の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて行われる、米中通商協議を控えて、ポジション調整が行われた。
*29日のNYダウは、米中首脳会談を控えて様子見が広がり、4営業日ぶりに小反落した。2万5338.84ドル(-27.59)。前日の大幅高の反動で利益確定の売りが先行。米中両国は貿易問題を協議するための首脳会談を週末に予定している。公表された前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策金利について、複数の参加者が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に迫りつつあると言及していたことが判明。前日のパウエル議長の発言が担保された形で、来年以降の利上げは柔軟に判断されるとの観測が浮上し、ダウは徐々に下げ幅を縮小した。
【30日の経済指標】
06:45 (NZ) 10月 住宅建設許可件数 [前月比] -1.5%
08:30 (日) 10月 失業率 2.3%
08:30 (日) 10月 有効求人倍率 1.64
08:30 (日) 11月 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比] 1.0%
08:50 (日) 10月 鉱工業生産・速報値 [前月比] -0.4% ―
08:50 (日) 10月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比] -2.5%
09:01 (英) 11月 GFK消費者信頼感調査 -10
10:00 (中) 11月 製造業購買担当者景気指数(PMI) 50.2
14:00 (日) 10月 新設住宅着工戸数 [前年同月比] -1.5%
14:00 (日) 11月 消費者態度指数・一般世帯 43.0
16:00 (トルコ) 10月 貿易収支 -18.7億ドル
19:00 (欧) 10月 失業率 8.1%
19:00 (欧) 11月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比] 2.2%
19:00 (日) 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 (南ア) 10月 貿易収支 -30億ランド
22:30 (加) 7-9月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比年率] 2.9%
23:45 (米) 11月 シカゴ購買部協会景気指数 58.4
第191回 『おしえて陳さん』
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11月29日(木)国内終値
11月28日の海外相場および市況
*28日のNY外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの早期打ち止め観測が浮上する中、円買い・ドル売りが進行し、113円台半ばから後半に反落した。113円63〜73銭。パウエルFRB議長はこの日の講演で、米国経済の底堅い成長を理由に12月中旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに動く可能性を示唆する一方、政策金利が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に近づいていると言及し、利上げの停止時期が近いことも示唆した。この発言を受けて「FRBの利上げペースは大幅に鈍化する」との認識が広がり、ドル円は大幅に売られ、一時113円45銭まで下落した。ただ、翌29日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表が予定されているほか、11月30日〜12月1日には20カ国・地域(G20)首脳会議、それに合わせて米中首脳会談も開かれる見通しであるため、次第に様子見姿勢も強まった。
7-9月(第3四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.5%増加し、速報値と変わらずだった。一方、10月の新築一戸建て住宅販売は前月比8.9%減の54万4000戸で、2016年3月以来の低水準となった。借り入れコストや住宅価格の上昇で買い手控えが広がったようだ。
*28日のNY金は、米利上げの早期打ち止め観測の台頭を受けて買われ、4営業日ぶりに反発した。1223.60ドル(+10.20)。2018年7〜9月期の実質GDP(国内総生産)改定値は年率換算で前期比3.5%増と速報値から据え置かれたため、相場の反応は乏しかった。パウエルFRB議長の講演テキストが公表されると、相場は急伸。同議長は、米国経済の底堅さを理由に12月中旬の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ決定に前向きな姿勢を示す一方、政策金利が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に近づいていると言及、利上げの打ち止め時期が迫っていることを示唆した。これを受け、外国為替市場ではドルの対ユーロ相場が急落。ドル建て金に割安感が生じるとともに、利上げ局面の早期終了は金利を生まない資産である金にはプラスとの見方が広がり、一時1227.70ドルまで上昇した。NY白金は続落。826.30(-9.00)。
*28日のNY原油は、米国内の在庫積み増しを嫌気した売りに押され、続落した。50.29ドル(-1.27)。2017年10月上旬以来約1年2カ月ぶりの安値となった。米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週間在庫統計によると、23日までの1週間の米原油在庫は前週比360万バレル増と、積み増し幅は市場予想の80万バレルを大幅に上回った。また、ディスティレート(留出油)在庫は90万バレルの取り崩し予想に反して260万バレル増と大幅な積み増し。在庫増は製油所の保守点検シーズンが一因だが、米産油量も過去最高の日量1170万バレルに急増した。供給過剰懸念が再燃し、一時50.06ドルまで下落、50ドル割れが目前に迫った。ウィーンで来週開かれる石油輸出国機構(OPEC)総会に先立ち、20カ国・地域(G20)首脳会議でもサウジアラビアとロシアが有力産油国の協調減産について協議する可能性がある。ロイター通信によると、サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相とナイジェリアのカチク石油相はこの日アブジャで会談。ファリハ氏はサウジ単独での減産は行わない意向を表明した一方、カチク氏は情勢不安を理由に減産が免除されているナイジェリアが協調減産に参加するかどうかを示唆するのは時期尚早との見解を示したという。
*28日のシカゴトウモロコシは上伸。360.50セント(+4.00)。ドル安と大豆高が支援材料。
シカゴ大豆は続伸。890.50セント(+15.00)。一時、15日以来の高値となる895.00セントを付けた。
*28日のNYダウは、利上げ局面の終了時期が近づいていることを示唆したパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を好感し、大幅続伸した。2万5366.43ドル(+617.70)。パウエルFRB議長は講演で「政策金利は景気を過熱も冷やしもしない中立金利を若干下回っている」と述べ、利上げの停止が近づいていることを示唆した。これを受け、市場では「来年の利上げ回数は9月時点の見通しである3回から2回に減り、その後の利上げは打ち止めとなる」との見方が広がり、株価上昇に拍車が掛かった。また、アルゼンチンで開催する20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて予定される米中首脳会談では、通商摩擦で双方の歩み寄りがあるとの見方も支援要因となった。もっとも首脳会談が不調に終われば、トランプ政権は対中制裁関税を新たに発動する可能性が高い。
【29日の経済指標】
08:50 (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
08:50 (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
08:50 (日) 10月 小売業販売額 [前年同月比] 2.1%
09:00 (NZ) 11月 NBNZ企業信頼感 -37.1
09:30 (豪) 7-9月期 四半期民間設備投資 [前期比] -2.5%
15:00 (南ア) 10月 マネーサプライM3 [前年同月比] 7.00%
17:55 (独) 11月 失業者数 [前月比] -1.1万人
17:55 (独) 11月 失業率 5.1%
18:30 (英) 10月 消費者信用残高 8億ポンド
18:30 (英) 10月 マネーサプライM4 [前月比] -0.3%
18:30 (英) 10月 マネーサプライM4 [前年同月比] 0.9%
18:30 (南ア) 10月 卸売物価指数(PPI) [前月比] 0.5%
18:30 (南ア) 10月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比] 6.2%
19:00 (欧) 11月 経済信頼感 109.8
19:00 (欧) 11月 消費者信頼感(確定値)
22:00 (独) 11月 消費者物価指数(CPI、速報値) [前月比] 0.2%
22:30 (米) 10月 個人消費支出(PCE) [前月比] 0.4%
22:30 (米) 10月 個人所得 [前月比] 0.2%
22:30 (米) 10月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く) [前月比] 0.2%
22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
24:00 (米) 10月 住宅販売保留指数 [前月比] 0.5%
28:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
第191回 『おしえて陳さん』
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11月27日の海外相場および市況
*27日のNY外国為替市場では、クラリダ米連邦準備制度理事会(FRB)副議長による緩やかな利上げ支持の発言を受けて、円売り・ドル買いが優勢となり、113円台後半に上昇した。113円72~82銭。クラリダFRB副議長はこの日の講演で、政策金利が景気を過熱も冷やしもしない中立水準に「より近づいている」との認識を示しながらも、引き続き緩やかな利上げに動く必要があると表明した。クラリダ氏は16日の講演で「中立水準」に達した時点で利上げを停止すべきだとの見解を示していたため、この日の発言は幾分タカ派的と受け止められ、円売り・ドル買いの動きが優勢となった。ただ、28日にはパウエルFRB議長の講演、29日には連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表、30日~12月1日には20カ国・地域(G20)首脳会議やそれに合わせた米中首脳会談も予定されているため、次第に様子見姿勢が強まった。
*27日のNY金は、ドル高・ユーロ安の進行に伴う割高感などに圧迫され、3営業日続落した。1213.40ドル(-9.00)。11月14日以来約2週間ぶりの安値となった。米利上げの継続観測を受けてドルが対ユーロで上昇。ドル建て金に割高感が生じた。米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長が講演で、政策金利は景気を過熱も冷やしもしない中立水準に「より近づいている」との認識を示しながらも、緩やかな利上げを継続すべきだとの認識を示した。この発言を受けてドル高が進み、金利を生まない金は圧迫され、一時1211.40ドルまで下落した。市場の目先の注目材料は、翌28日のパウエルFRB議長による講演、29日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨。また、11月30日~12月1日には20カ国・地域(G20)首脳会議、さらにそれに合わせて中米首脳会談も開かれる見通しで、協議の行方も注視されている。米中の通商協議が進展すれば、ドル買いにつながり、金にとっては一段の重しなるとの懸念も浮上している。
NY白金はドル高を受けて反落。835.30ドル(-12.50)。
*27日のNY原油は、投資家のリスク回避姿勢の強まりやドル高の進行に伴う割高感などに圧迫され、小反落した。51.56ドル(-0.07)。 トランプ大統領は26日、ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)とのインタビューで、中国の習近平国家主席との首脳会談で貿易協議が不調に終わった場合、対中制裁関税の第4弾を発動する構えを示した。また、来年1月に予定する関税率の引き上げについても、中国からの凍結要求に応じる可能性は「かなり低い」と言及。このため、今週末には20カ国・地域(G20)首脳会議に併せて米中首脳会談も開かれる予定だが、両国による「貿易戦争」の収束に向けた協議の行方に不安が広がった。NYダウが下落したことから、同じリスク資産である原油にも売り圧力がかかった。また、外国為替市場では対ユーロでドル高が進行し、ドル建て原油に割高感が生じていたことも売り要因となった。このほか、サウジアラビアの11月の産油量が日量1130万バレル、米国内の同月の産油量も日量1170万バレルと、いずれも記録的な水準に達しているとの報も圧迫材料だった。ただ、石油輸出国機構(OPEC)が「12月6日の総会で減産に合意する」との見方から下げ幅は抑制された。
*27日のシカゴトウモロコシは小幅まちまち。356.50セント(+0.50)。大豆は上昇したが、小麦相場の下落が重石となった。黒海での政治的緊迫化により、ウクライナ産トウモロコシ相場が上昇し、米国産の競争力が増すとの観測が若干の支援材料になった。一方、ウクライナ農業省は声明で、同国の輸出は通常通りと指摘した。
シカゴ大豆は反発。875.50セント(+13.25)。市場は、G20が開かれるアルゼンチンでのトランプ米大統領と習近平中国国家主席の首脳会談に注目している。
*27日のNYダウは続伸。2万4748.73ドル(+108.49ドル)。トランプ大統領はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、貿易問題をめぐる中国との協議が不調に終われば、新たな対中制裁関税を発動する意向を表明。また、来年1月に予定する関税率の引き上げが凍結される可能性についても「かなり低い」と語り、市場では今週末から始まる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開かれる米中首脳会談の行方に警戒感が広がった。ダウは一時、下げ幅を224ドルまで拡大したものの、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が米中首脳会談は停滞する両国の協議を前進させる機会になり得ると語ったことで、過度の懸念が後退し、ダウはプラス圏に浮上した。
11月27日(火)国内終値
メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想
【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は小幅下落。移民を巡る国境でのトラブルが懸念され、鉱山株の下落が嫌気された。
米税関・国境警備局(CBP)は19日未明、メキシコ北西部ティフアナとの国境を一時、歩行者通路の一部を残して全面閉鎖し、鉄条網付きの障害ブロックを設置した。中米諸国から北上している移民希望集団「キャラバン」がティフアナに続々と集結しているのを受けた措置。メキシコの国境の町ティフアナでは、この移民に対して反移民デモが起き、ティファナ市長は移民を受け入れられないと述べた。
20日、鉱山開発の土地取得の際に、地元住民の同意を得ることを義務付ける法案が議会に提出されたことを受けて、メキシコの鉱山大手グルポ・メヒコとペノレスの株価が急落した。法案が通過した場合の影響を巡る懸念が売りにつながった。法案は、経済省と地元の土地の管理当局に地元住民との対話を義務付けるとともに、企業が開発計画の社会に与える影響を年報で公表しない場合は同意の取り消しを認めるとしている。
*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開が続きそうだ。12月就任予定のオブラドール次期大統領が発表した新空港建設中止がペソの下落をもたらしたようだ。新空港建設の是非について、オブラドール氏は国民投票の結果に基づき決定すると選挙公約で掲げており、この国民投票において反対票が約7割となったことで、建設中止が決定された。新空港の建設以外にも、製油施設や鉄道などに関するプロジェクトについて、国民投票を行う方針を発表した。金融市場では同氏が今後も大衆迎合的な政策を進めるとの懸念が高まった。このような大衆迎合的な政策が続けば、これまでペニャニエト現大統領が推し進めてきた構造改革に逆行し、財政赤字の拡大や格付け会社による格下げを招く可能性が懸念されている。
メキシコのジェロニモ・グティエレス駐米大使は、新北米貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の調印時に米国はメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム関税の撤廃を開始する、との見方を示した。トランプ政権は6月、安全保障を理由に、カナダやメキシコから輸入する鉄鋼・アルミに対して関税を適用した。米国、メキシコ、カナダは11月30日、アルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて新貿易協定に調印する見通し。協定発効には、3カ国の議会の承認が必要。
米国は25日、米カリフォルニア州と国境を接するメキシコ北西部のティフアナと米サンディエゴを結ぶ国境検問所を一時閉鎖した。ティフアナに滞在する中米からの移民集団の一部が国境近くまでデモを行い、複数のグループがメキシコ警察を振り切って国境フェンスに向かうなどして混乱が起きたため、米税関・国境取締局(CBP)は検問所を一時閉鎖して警戒を強めた。米当局は催涙ガスを使用して対応した。この混乱に対し、トランプ大統領は「必要なら国境を永久封鎖する」とツイートした。間もなく誕生するオブラドール政権がどう対処するかが注目される。
【メキシコ経済指標】
26日月曜日
23:00 9月小売販売前年比前回3.9% 予想3.0%
*予想レンジ:5.40円~5.60円
情報提供:(株)みんかぶ
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トルコリラ円、先週の動き・今週の予想
【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は堅調に推移した。ロシアのプーチン大統領は19日、トルコの最大都市イスタンブールを訪れ同国のエルドアン大統領と共に、両国を結ぶ天然ガスパイプライン「トルコストリーム」の海底部分の完成式典に出席した。プーチン大統領はプロジェクトの進展は「協力関係の証しだ」と強調、エルドアン大統領はロシアを「信頼できる」パートナーと持ち上げ、両国の蜜月を演出した。
エルドアン大統領が来年3月31日に行われるトルコ地方選の候補者を発表した。今回の地方選ではエルドアン率いる与党AKP(公正発展党)が苦戦すると思われていたが、地方選においてAKPとの同盟を解消するとしていたMHP(民族主義者同盟党)が、イスタンブール、アンカラ、イズミルの3大都市でAKP支援を表明した。エルドアン大統領はMHPのバフチェリ党首に感謝の意を表明した。今回の地方選もエルドアン陣営が有利になると予想されている。
*今週のトルコリラ円は、堅調に推移しそうだ。ここ最近の原油価格の大幅下落がトルコリラには好感されている。トルコはエネルギーの大半を輸入そており、原油価格の下落は貿易赤字の削減につながり、ひいてはインフレ率を押し下げる。こうした中、ロシアからの天然ガスパイプライン「トルコストリーム」の完成により、今後のエネルギー不足の解消が期待される。これが完成して稼働するとエネルギー依存度は、ロシアからの天然ガスが7割となるという。ロシア産ガスを輸出する「トルコストリーム」は黒海を930キロメートルにわたって横断し両国を結ぶ。輸送能力は年間315億立方メートルで、半分はトルコ国内に供給し残りは欧州に輸出する。トルコ国内の地上部分は2019年中の完成を目指す。トルコはアゼルバイジャン産のガスを欧州に輸出するパイプライン「TANAP」も建設しており、エネルギー輸送の「ハブ国」を目指している。
ロシアは事実上の戦争状態にあるウクライナを迂回するガス輸出の拡大を狙い、バルト海経由で天然ガスをドイツに送るパイプライン「ノルドストリーム2」の建設も進めている。トルコはまた、シリア内戦への対処などを巡り米国と対立し、ロシアとの関係を強化している。ロシアから最新鋭地対空ミサイルシステム「S400」の導入も進めている。プーチン大統領はシリア情勢を巡る協議のため10月末にトルコを訪れたばかり。
【トルコ経済指標】
26日月曜日
20:30 11月景気動向指数[季調済]前回91.1
20:30 11月設備稼働率前回75.4%
29日木曜日
16:00 11月経済信頼感前回67.5
*予想レンジ:19.50円~22.50円
情報提供:(株)みんかぶ
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南アランド円相場、先週の動き・今週の展望
【南アランド円相場、先週の動き・今週の展望】
*先週の南アランド円は上昇した。南アフリカ9月景気先行指数は104.7、前回104.9、予想104.6。予想よりわずかながら、いい内容で発表された。南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は22日、主要政策金利のレポレートを6.50%から25ベーシスポイント(bp)引き上げて6.75%とした。利上げは2016年初頭以来約3年ぶり。長期的なインフレ高進リスクが依然として根強く、利上げの見送りは困難と判断した。南アランドは利上げを受けて、対ドルで1.3%強上昇し8月10日以来の高値水準を付けた。S&P社による南アの格付けは、据え置きが維持されたこと好感されたようだ。
*今週の南アランド円は保ち合いとなりそうだ。S&P社による南アの格付けは、据え置きが維持されたが、今後発表されるムーディーズの格付も、格下げされないとの期待が出ている。今週末の米中首脳会談で、貿易協議で合意がなされるか否かがポイントになり、様子見が強まりそうだ。南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は先週、約3年ぶりに利上げしたが、今回の利上げは一時的となる可能性が高いとの見方が多い。ハニャホSARB総裁は、金融政策委員会メンバーの6人中3人が25bpの利上げを主張、残りのメンバーは据え置きを訴えたことを明らかにした。僅差で利上げが決まったわけだが、「調整を遅らせればインフレ期待が一層高止まりし、二次的影響を招くことになり、そうなればさらに強力な金融政策対応を余儀なくされる」と語った。
南ア中銀が示す来年の経済成長率見通しは1.9%。今年の推定0.6%から持ち直しが期待される。ハニャホ総裁は「経済を巡る足元の課題は主に構造的なもので、金融政策によって解決できない」と指摘した。消費者物価指数(CPI)見通しは平均で、今年4.7%、来年5.5%、再来年5.4%の見込み。中銀の目標レンジ(3.0ー6.0%)の中間点から引き続き遠ざかり、来年第3四半期にピークとなる5.6%に到達する見通し。総裁はインフレ期待を目標レンジの中間点付近に維持できるよう目指すとしたほか、通貨安や原油高の影響が物価の主要なリスクになると述べた。
【南アフリカ経済指標】
27日火曜日
19:00 第4四半期企業信頼感前回+38 予想+40
28日水曜日
16:00 第3四半期消費者信頼感前回+22 予想+15
29日木曜日
15:00 10月マネーサプライM3前年比前回+7.00% 予想+7.00%
15:00 10月民間部門信用前年比前回+6.26% 予想+6.40%
18:30 10月生産者物価指数前年比前回+6.2% 予想+6.3%
30日金曜日
21:00 10月貿易収支前回-30億ZAR 予想-50億ZAR
21:00 10月財政収支
*予想レンジ:8.00円~8.30円
情報提供:(株)みんかぶ
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ドル円相場、今週の展望
【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、堅調に推移しそうだ。連休明け26日は、前週末の海外市場で原油安やNYダウの下落を反映してリスク回避姿勢が強まり、上値が重かった。しかし、仲値に向けて、国内輸入企業によるドル買いが入ったことに加え、日経平均株価が上昇したこともあり、113円台前半に上昇した。とはいえ、NYダウが底入れしたと判断できかねる状況でのドル買いにも限界があろう。原油相場が一段安に下落した場合、ダウの更なる下落を招き、リスクオフモードが強まる可能性がある。
また、今週末には米中首脳会談が控えているため、動きにくくなるだろう。トランプ大統領と中国の習近平国家主席は、ブエノスアイレスで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、米中首脳会談を開催するため、次第に様子見が強まるだろう。両者の主張の隔たりは大きく、首脳会談で貿易問題に何らかの合意点に達するのかどうか不透明感も強い。トランプ政権は、米中貿易摩擦で問題となっている「不当」な慣行を中国は是正していない、との見解を示した。
一方、習主席は、発展の道筋に関する中国の選択やその利益を米国は尊重する必要があるとの見解を示している。
28日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演する。クラリダFRB副議長は16日、米金利はFRBが中立金利とみなす水準(3.0%)に近づいているとの認識を示し、他国の経済成長も注視する必要があると述べた。ダラス連銀カプラン総裁やアトランタ地区連銀ボスティック総裁も、世界的な景気減速への懸念から利上げペースの鈍化に言及しており、FRBは来年の早い時期に利上げを打ち止める可能性があるとの見方が強まっている。そのため、米長期金利も3.2%台から反落しており、今後はドルの上値を抑える可能性がある。
*CFTC建玉11月20日時点:ファンドの金買い越しは8896枚(前週比+1万8143枚)と買い越しに転じた。総取組高は52万5940枚と前週比1万3580枚の減少。
<今週の主な経済指標>
27日は11月米消費者信頼感指数、28日は第3四半期米国内総生産(GDP)、29日は11月FOMC議事録公表。
*予想レンジ:112.00円~115.00円
情報提供:(株)みんかぶ
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