1月24日(木)
【1月23日の海外相場および市況】
*23日のNY外国為替市場では、Nダウ高を背景にドル買い・円売りが進行し、109円台後半に上昇した。109円57〜67銭。米主要企業の好決算を背景にNYダウが上昇し、ドル円は一時110円00銭と、2018年12月31日以来約3週間ぶりに110円台を付けた。しかし、110円を付けた後は、米政府機関の一部閉鎖が1カ月余り続いている上、米中通商協議の行方や英国の欧州連合(EU)離脱問題など不安材料が懸念され、利益確定売りが出て上値は抑えられた。
*23日のNY金は、ほぼ横ばいだった。1284.00ドル(+0.60)。トランプ政権が今月末に予定される米中閣僚級協議に向けた準備会合を拒否したとの報を受け、前日は通商摩擦の緩和期待が後退。しかし、その後に米政府高官が同報道を否定したため、この日はリスク回避姿勢が後退し、世界的に株価が持ち直した。米企業の好決算を受けてNYダウが高寄りする中、金は一時1277.70ドルまで下落した。しかし、外国為替市場でドルがユーロに対して弱含みに転じると、割安感から金は反発に転じた。米連邦政府機関の一部閉鎖が長期化し、経済成長を下押しするとの懸念が広がり始めているほか、世界的な景気減速リスクから、安全資産である金には押し目買いが入っている。
NY白金は金に連れて3日ぶりに反発。796.40ドル(+5.20)。
*23日のNY原油は続落。52.62ドル(-0.39)。ロイター通信の暫定版調査によると、18日までの1週間の米原油在庫は前週比40万バレル減と、3週連続の取り崩しとなる見込みという。また、米エネルギー情報局(EIA)が前日、今後数年のうちに米シェールオイル生産の伸びが鈍化するとの見通しを発表したことから需給引き締まりへの期待が強まり、当初は堅調に推移していた。しかし、NYダウが下落に転じると、株と並んでリスク資産とされる原油にも売りが波及し、相場はマイナス圏に沈んだ。また、フランスのルドリアン外相はこの日、米国によるイラン制裁を回避する形でイラン産原油を取引するため、ドル建てでない欧州支援型の取引システムを「数日中に」構築する見込みだと表明。これを受け、対イラン制裁に伴う供給逼迫観測が一部後退したことなども下押し材料となった。米ガソリン価格下落と米産油量の増加も、原油相場を圧迫した。トランプ米政権はこの日、ベネズエラの野党指導者を暫定大統領と認知すると発表するとともに、同国の生命線である石油部門に新たな制裁を発動する可能性を示し、マドゥロ大統領への圧力を強めた。市場筋によると、米国がベネズエラの原油輸出に制裁を発動した場合、最大の買い手である米国の製油業者が打撃を受ける見込み。石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるベネズエラは、中国やインドなどアジア諸国向けの輸出増を強いられる可能性がある。
*23日のシカゴトウモロコシはまちまち。378.75セント(-0.25)。民間調査会社のIEGバンテージ(旧インフォルマ・エコノミクスIEG)は、2019年の米トウモロコシ作付面積を9150万エーカーと予想。18年の8910万エーカーを上回ると見込んだ。
シカゴ大豆は反発。915.00セント(+5.75)。ロイター通信がまとめたアナリスト調査によると、2018〜19年度のブラジルの大豆生産高予想平均は1億1706万トンで、11月時点の予測(1億2080万トン)から下方修正された。
*23日のNYダウは、米主要企業の好決算を受けて反発した。2万4575.62ドル(+171.14)。コンピューターサービス大手IBMが発表した2018年10〜12月期決算は、純損益が前年同期の赤字から黒字転換し、19年通期の1株当たり営業利益見通しをアナリスト予想を上回る水準に設定した。総合電機大手ユナイテッド・テクノロジーズが発表した10〜12月期決算は売上高、純利益とも2桁の伸びとなり、特殊要因を除いた1株当たり利益は市場予想平均を大幅に上回った。家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の同期決算も増収増益で、一連の好決算を受けて一時300ドル近くに達した。しかし、ハセット大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が、政府閉鎖が3月末まで続くと、第1四半期の米成長率がゼロになる可能性を示唆。世界的な景気減速懸念を背景にエネルギー株や素材株が売られたことが重石となった。
【24日の経済指標】
09:30 (豪) 12月 新規雇用者数 3.70万人
09:30 (豪) 12月 失業率 5.1%
14:00 (日) 11月 景気先行指数(CI)・改定値 99.3
14:00 (日) 11月 景気一致指数(CI)・改定値 103.0
16:00 (南ア) 10-12月期 四半期 南ア消費者信頼感指数 7 10
17:30 (独) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値) 51.5 51.5
17:30 (独) 1月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値) 51.8 52.5
18:00 (欧) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値) 51.4 51.3
18:00 (欧) 1月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値) 51.2 51.8
21:45 (欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利 0.00% 0.00%
22:30 (欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数 21.3万件
22:30 (米) 前週分 失業保険継続受給者数 173.7万人
23:45 (米) 1月 総合購買担当者景気指数(PMI、速報値) 54.4
23:45 (米) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値) 53.8
23:45 (米) 1月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値) 54.4
24:00 (米) 12月 景気先行指標総合指数 [前月比] 0.2% -0.1%
第196回 『おしえて陳さん』
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