3月29日(金)
【3月28日の海外相場および市況】
*28日のNY外国為替市場では、米長期金利の低下に一服感が出る中、円売り・ドル買いが優勢となり、110円台後半に反発した。110円62〜72銭。期末の円買い需要やリスク回避から110円台前半まで円高が進行していたが、110円割れが回避されたことで、NY市場では買戻しが優勢となった。米中通商協議の再開を受けてNYダウが反発したことや、NY3カ月物TB(財務省証券)利回りを下回って「長短金利逆転(逆イールド)」状態となっている10年債利回りも下げ止まりの兆しが見えたこともドル買い・円売り要因となった。
*28日のNY金は、ドル高・ユーロ安の進行に伴う割高感に圧迫され、下落した。1295.30ドル(-21.60)。外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て金は割高感から一本調子で下落した。2018年10〜12月期米実質GDP(国内総生産)確定値は季節調整済み年率換算で前期比2.2%増と、2月公表値(2.6%増)から下方修正されたが、市場の反応は限定的だった。
世界の中央銀行各行がよりハト派的な論調になっていることや、欧州中央銀行(ECB)がより長い間低金利を続けるとの見方が強まっていることを受けて、ドルは他通貨に対し上昇した。
NY白金はパラジウムに連れて下落。843.80ドル(-18.40)。
パラジウムは3日続落。1309.70ドル(-111.80)。景気減速が需要に打撃を与えるとの懸念が響いた。
*28日のNY原油は、トランプ大統領が石油輸出国機構(OPEC)に増産を求めたことを嫌気して売りが先行したものの、あと買い戻しが入り下げ幅を縮小した。59.30ドル(-0.11)。トランプ大統領はこの日、「OPECが原油供給を増やすことが非常に重要だ。世界市場は脆弱で、原油価格は高くなり過ぎている」とツイート。この投稿をきっかけにOPECによる生産拡大への警戒感が急浮上し、市場では売りが活発化。相場は一時58.20ドルまで下落した。しかし、売り一巡後は買い戻しが入り、下げ幅を縮小。米国によるイランとベネズエラに対する制裁措置で両国の輸出が制限されていることに加え、OPEC主導の協調減産で需給が均衡化するとの期待が相場を下支えした。このほか、ベネズエラで今週初めに発生した停電の影響により、同国内の重質原油改質装置4基が27日午後時点で依然稼働を停止しているとの報が流れたことも支援材料となった。
*28日のシカゴトウモロコシは、しっかり。374.00セント(+0.25)。米農務省が29日に作付け意向面積・四半期在庫報告を公表するのを前に、ポジションを解消する動きが広がった。南米で豊作が見込まれる中、米コーンベルト西部での洪水によって作付けが遅れるとの懸念が広がっている。市場予想では、トウモロコシの作付け意向面積は9133万2000エーカーに据え置かれる見通し。前年は8912万9000エーカーだった。
シカゴ大豆は反発。889.50セント(+2.00)。米農務省の作付け意向面積・四半期在庫報告を29日に控え、ポジションを解消する動きが広がった。中国が新たに米国産大豆を買い付けたことも支援材料になった。閣僚級の米中貿易協議が北京で再開される中、複数の中国国営企業が28日、計約150万トンの米国産大豆を購入した。また、アルゼンチンとブラジルで豊作が見込まれていることも大豆相場を支えた。既に在庫が積み上がっている中、両国の潤沢な供給は今後数カ月間、米国産大豆の輸出に逆風になるとみられる。
*28日のNYダウは、北京で再開した米中貿易協議の進展への期待から反発した。2万5717.46ドル(+91.87)。米中両政府はこの日、閣僚級協議を約1カ月ぶりに再開。双方の対立が続く中国による知的財産権侵害などが議論される。中国市場への依存度が比較的高いキャタピラーやスリーエム(3M)などの銘柄が買われた。ただ、この日発表された一連の経済指標が軟調だったため上値は重かった。2018年10〜12月期の実質GDP(国内総生産)確定値は前期比2.2%増と、速報値(2.6%増)から下方修正され、市場予想(2.4%増)も下回った。新規失業保険、住宅販売指数はいずれも予想を下回った。
【29日の経済指標】
06:45 (NZ) 2月 住宅建設許可件数 [前月比] 16.5%
08:30 (日) 2月 失業率 2.5%
08:30 (日) 2月 有効求人倍率 1.63
08:50 (日) 2月 鉱工業生産・速報値 [前月比] -3.4%
08:50 (日) 2月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比] 0.3%
08:50 (日) 2月 小売業販売額 [前年同月比] 0.6%
09:01 (英) 3月 GFK消費者信頼感調査 -13
16:00 (トルコ) 2月 貿易収支 -25.0億ドル
17:55 (独) 3月 失業者数 [前月比] -2.1万人
17:55 (独) 3月 失業率 5.0%
18:30 (英) 2月 消費者信用残高 11億ポンド
18:30 (英) 10-12月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前期比] 0.2%
18:30 (英) 10-12月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前年同期比] 1.3%
19:00 (欧) 3月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比] 1.5%
19:00 (欧) 3月 消費者物価指数(HICPコア指数、速報値) [前年同月比] 1.0%
21:00 (南ア) 2月 貿易収支 -131億ランド
21:30 (米) 2月 個人所得 [前月比] -0.1% 0.3%
21:30 (米) 1月 個人消費支出(PCE) [前月比] -0.5% 0.3%
21:30 (米) 1月 個人消費支出(PCEデフレーター) [前年同月比] 1.7%
21:30 (米) 1月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く) [前月比] 0.2% 0.2%
21:30 (米) 1月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く) [前年同月比] 1.9%
22:45 (米) 3月 シカゴ購買部協会景気指数 64.7 61.7
23:00 (米) 2月 新築住宅販売件数 [前月比] -6.9% 1.7%
23:00 (米) 2月 新築住宅販売件数 [年率換算件数] 60.7万件 61.7万件
23:00 (米) 3月 ミシガン大学消費者態度指数・確報値 97.8 97.4
第205回 『おしえて陳さん』
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/
*TOCOM TV 出演
https://youtu.be/LckFpKGtS74
https://tocomsquaretv.com/20190325/