テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2019年05月

【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。原油相場が反落に転じたことに加え、米中通商協議の不透明感が嫌気されて、売りが優勢となった。第1四半期国内総生産(GDP)は前年比(速報値)+1.3%、前回1.7%、予想1.4%となり悪化した。オブラドール大統領の新空港建設中止や、油田入札中止が経済成長に悪影響を及ぼし始めているとの懸念が高まった。

米国は7日から、メキシコ産トマトの輸入に17.5%の関税を課すとした。両国が米国による反ダンピング(不当廉売)調査の停止協定を更新できなかったため。メキシコのデラモラ経済次官は「17.5%の関税があすから適用される。メキシコの輸出業者の資金フローに影響が出るが、その影響は米消費者に直接転嫁される」と語った。関税措置は、新たに調査停止協定が締結されるまで継続するという。メキシコは年間約20億ドル相当のトマトを米国に輸出しているという。10日に発表された消費者物価指数(CPI)は前年比4.41%、前回4.00%、予想4.5%と予想より下落してたが、前回よりインフレが進んでいることが判明した。

*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開が続こう。米中通商協議が難航する状況で新興国通貨が買われることは想定しにくい。原油相場の上値が重くなっていることもペソの重石になろう。今週は16日にメキシコ中銀会合がある。先週発表された消費者物価指数(CPI)は前年比4.41%と前回4.00%を上回った。メキシコ中銀の目標3%から上方に乖離しており、利下げの見方は後退したようだ。

なお、今回のCPI上昇はアボガドが25.5%上昇したことが要因という。政策金利は8.25%据え置き予想。ロペスオブラドール大統領は10日の定例会見で、2022年5月に国内でガソリンの自給自足体制が整うと宣言した。80億ドル(約8760億円)を投じ、新たな精製施設を建設するほか、既存施設へも増産投資をする。ただ現在は需要の7割程度を輸入に頼っているだけに、大統領の目指す自給自足の実現性は不透明。多くの油田があるメキシコ湾に面するタバスコ州に新たに精製施設を造るほか、今年は125億ペソ(約710億円)を、既存の6施設の増強に投ずる計画。

ただ目標までに設備の新設や増強が進むか、資金調達面も含めて実現は困難と診られている。新たな精製施設の建設も政府の予算上限では不可能として企業が応札しなかった経緯があり、工費が膨らむ恐れがある。増産できても、結果として輸入の方が安上がりになる可能性もある。有力経済団体のメキシコ経営者連盟(COPARMEX)は「設備新設は採算性に乏しく、再考すべきだ」との声明を発表した。

【メキシコ経済指標】
16日木曜日
27:00メキシコ中銀政策金利前回8.25%、予想8.25%

peso0513

*予想レンジ:5.60円~5.90円


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【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。4月25日、トルコ中銀は金融政策決定会合を開き、政策金利である1週間物レポ金利を24%に据え置いたが、声明文では3月の金融政策決定会合の声明文にあった「必要があればさらなる引き締めを行う」との文言が消え、市場では利下げ観測が強まった。また、最大都市イスタンブール市長選のやり直しが決まり、先行き不透明感もあってリラ売りが強まった。

トルコ中央銀行は9日、通貨リラの下落に歯止めをかけるため、金融引き締め策を発表した。銀行への資金供給の一部を停止し、利上げに近い効果を狙った。通貨安が物価高につながるのを防ぐため、通貨防衛に動いた。トルコ中銀は「金融市場の動きを考慮する」との緊急声明を公表。主な政策金利である1週間物レポ金利(年24%)を使った市中銀行への資金供給を当面、停止することを決めた。これにより市中銀行はより高い翌日物金利(年25.5%)での借り入れが必要になる。 この対策を受け、トルコリラは一時は昨年9月24日以来の安値まで下落していたが、中銀の措置を受け下げ幅を縮小した。ただ、トルコ中銀は3月のリラ急落時にもレポ金利を使った資金供給を一時停止したことがあるが、通貨防衛策の効果は長続きしなかった。

*今週のトルコリラ円は、トルコの不安定な国政やトルコ中銀の利下げ姿勢を見込んで戻り売りが優勢となろう。トルコの最大都市イスタンブール市長選を巡り、選管当局は6日、野党候補の当選を無効とし、6月23日の再選挙実施を決めた。敗北結果の受け入れを拒否するエルドアン政権の与党・公正発展党(AKP)の圧力に屈した異例の決定で、トルコの民主主義や統治機構への信頼が後退している。イスタンブール市長に当選したはずの野党・共和人民党(CHP)のイマモール氏は、「明らかな独裁政治だ」とエルドアン大統領を痛烈に批判した。

イスタンブールは国内総生産(GDP)の3割を稼ぐ経済の中心で、オスマン帝国の首都でもあった特別な都市であり、エルドアン大統領への信任投票となった地方選では、イスタンブール市長選は最大の関心事だった。AKPは大物候補のユルドゥルム元首相を立てたものの、イマモール氏に僅差で敗れた。AKPは首都アンカラ市長選でも野党に敗北した。再選挙の結果、エルドアン陣営が再び敗れることになれば、長期政権の退潮と受け止められるだろう。エルドアン大統領は2日、アンカラで講演し、金利やインフレ率を引き下げ、通貨リラ相場も望ましい水準にするとの決意を示し、自由市場のルールの範囲内であらゆる措置を講じる意向を示した。

アルバイラク財務相は12日、トルコ経済は昨年の通貨危機がもたらした打撃を比較的短期間で克服できるとの見方を示した。アルバイラク氏は、2008年の世界金融危機当時にトルコが4四半期連続でマイナス成長に見舞われた点に触れた上で、「今回は期待を込めて2四半期のマイナス成長で乗り切れるだろう」と語った。昨年第4四半期のトルコの前年同期比成長率は-3.0%を記録。市場は、あと2四半期にわたって前年比マイナスになると予想しており、同氏の強気発言を懐疑的に見ている。

【トルコ経済指標】
13日月曜日
16:00 3月経常収支前回-7.2億USD、予想-10.0億USD

14日火曜日
16:00 3月鉱工業生産前年比前回-5.1%、予想-4.4%

15日水曜日
16:00 2月失業率前回14.7% 、予想15.0%

16日木曜日
16:00 住宅販売前年比
19:30 自動車生産前年比前回-17.1%、予想-20%

17日金曜日
20:30 3月住宅価格指数


lira0513

*予想レンジ:17.00円~19.50円

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【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は上昇した。米中通商協議の進展に期待が集まる中、南アランド円は8日の南アフリカ総選挙を待つ状況となった。アパルトヘイト(人種隔離政策)を知る高齢者は与党・. アフリカ民族会議(ANC)を支持しているようだが、若者世代は悪すぎる失業率や政権の腐敗に対しANCへの不満を高めている。投票前の世論調査によると野党第1党・民主同盟(DA)が、首都ヨハネスブルグがあるハウテン州でANCを打ち破るため、他の野党と連立する可能性を示唆した。

もしハウテン州で、ANCが破れると、ラマポーザ大統領にとって大きな痛手になるとの見方が強まった。今回の選挙でラマポーザが勝利し、エスコムの危機が回避され、ムーディーズから格下げされなければ、ランドは上昇に転じると予想された。南アフリカ4月景況感指数は93.7、前回91.8、予想91.7と、今年1月以来の最高の数字となった。

*今週の南アランド円は堅調に推移しそうだ。8日投票の南アフリカ総選挙(下院400議席)は10日夕(日本時間11日未明)、95%の開票が終わり、与党アフリカ民族会議(ANC)の得票率は57.73%となった。計算上はANCが半数を割り込む可能性はなくなり、与党の勝利となった。南アの大統領は議会で選出されるため、ラマポーザ大統領(66)の続投が確実になった。議会での再任を受け、ラマポーザ大統領は25日、就任宣誓を行う。開票率95%の段階で、2位は野党・民主同盟(DA)の20.65%。過激な言動で知られるマレマ党首率いる経済的解放の闘士(EFF)が10.51%で3位となっている。

与党アフリカ民族会議(ANC)が第1党を維持することが確実な情勢となり、政策の継続性に期待が高まっている。南アフリカは中国、インド、ロシア、ブラジルとともに有望な成長市場として新興5カ国「BRICS」を結成した。しかし、ズマ前大統領が2018年にスキャンダルで辞任するまで政権を率いた9年間の間に汚職や縁故主義が横行。経済は競争力を大きく失った。ランドの対ドル相場はこの9年間で半分近くまで下がった。成長率は低迷が続き、投資家や企業は南ア離れを加速した。非効率な経済の象徴ともいわれる電力会社エスコムは、ずさんな発電計画から、家庭や工場に十分な電力をとどけられない。

ラマポーザ氏はズマ時代の放漫財政を引き締め、ふたたび経済に活力を取り戻そうとしている。発送電分離など電力改革を通じて、エネルギーの安定供給を実現する改革も視野に入れている。しかし、足元の景気状況はきびしい。南アはアフリカ随一の経済大国だが、近年は景気低迷が続き、昨年の成長率は1%を下回り、失業率はおよそ27%で高止まりしている。汚職疑惑で昨年辞任したズマ前大統領の後を継いだラマポーザ氏は、腐敗一掃と改革推進に取り組むが、生活改善を実感できない低所得者層の不満は根強く、経済改革が行き詰った場合、南ア経済は混迷を深める可能性もある。


【南アフリカ経済指標】
14日火曜日
18:30南アフリカ第1四半期失業率


zar0513

*予想レンジ:7.50円~7.80円


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5月14日(火)
【5月13日の海外相場および市況】
ny0514

*週明け13日のNY外国為替市場では、中国が米国の制裁関税拡大に対して報復措置を講じると発表したことを受け、安全資産としての円買いが強まり、109円台前半に下落した。109円26〜36銭。中国政府は米東部時間13日朝、米国の制裁関税拡大に対する報復措置を6月1日に実施すると発表。これを受けて、貿易戦争が激化するのではないかとの懸念が広がり、リスク回避姿勢が強まった。米長期金利の低下も重なり、一時109円02銭まで下落し、108円台がに迫った。ただ、ムニューシン財務長官が、中国との貿易協議について「再開に向けた日程調整は進めているが何も決まっていない」としながらも、交渉は継続していると強調。また、トランプ米大統領が「残りの中国製品に対する制裁関税は決定していない」と語ったことなどから、過度な警戒感が幾分和らいだ。

*週明け13日のNY金は、米中貿易戦争の激化に対する懸念が広がる中、安全資産としての買いが入り、3日続伸した。1301.80ドル(+14.40)。中国政府は13日、米国が10日に実施した対中制裁関税拡大への報復措置を6月1日に発動すると発表。約600億ドル(約6兆6000億円)相当の米国製品に課している追加関税を最大25%に引き上げる。トランプ米政権も13日、中国からの輸入品すべてに追加関税を課す手続きを公表するとみられることから、米中貿易戦争が激化するとの見方が広がり、NYダウが急落し、リスク回避姿勢から金には「質への逃避」買いが入った。

NY白金は反落。854.90ドル(-10.70)。
ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)はプラチナ四半期報告第19号を発表した。旺盛な投資需要が自動車および宝飾品セグメントの需要の減退を相殺するため、2019年のプラチナ総需要が大幅に増加することが示された。投資需要の増加を牽引しているのは、ETF(上場投信)による保有の急増で、今年第1四半期に四半期としては最大の21トン増加した。第1四半期の需要は、2018年に累積していた精練業者のパイプライン在庫から精練プラチナが放出された堅調な鉱山供給を大きく上回りました。その結果、第1四半期の不足は、WPICが2014年にレポートの発行を開始して以来最大の17トンとなった。

パラジウムも反落。1316.80ドル(-33.90)。


*週明け13日のNY原油は、中東の地政学的リスクの高まりを嫌気して買いが先行したものの、その後は米中貿易戦争の激化懸念を背景にリスク回避姿勢が強まって売りが優勢となり、3営業日続落した。61.04ドル(-0.62)。サウジアラビア国営通信は13日、アラブ首長国連邦(UAE)東部フジャイラ沖でサウジ船籍の石油タンカー2隻が「妨害攻撃」を受けたと伝えた。攻撃主体は不明だが、中東では米国とイランの間で軍事的緊張が高まっているため、地政学的リスクに対する懸念が再燃し、1ドル以上も急反発した。しかし、9、10両日にワシントンで開かれた米中貿易協議が不調に終わったことを受け、中国は米東部時間13日朝、米国が10日に実施した対中制裁関税拡大への報復措置を6月1日に発動すると発表。これに対し、米国も中国からの輸入品すべてに追加関税を課す構えを見せていることから、米中双方が制裁と報復を繰り返す貿易戦争が一段とエスカレートするのではないかとの懸念が台頭し、NYダウが大幅下落したため、同じリスク資産である原油にも売りが波及し、マイナス圏に沈んだ。

北海ブレント原油は小幅安。70.23ドル(-0.39)。一時72.58ドルの高値まで上昇した。

*週明け13日のシカゴトウモロコシは4日ぶりに反発。356.50セント(+4.75)。米中西部での幅広い作付けの遅れが2019年のトウモロコシ生産を抑制するとの警戒感が強まった。

シカゴ大豆は米中貿易摩擦の激化が懸念されて4日続落。802.50セント(-6.75)。

*週明け13日のNYダウは、米中貿易摩擦の激化を嫌気した売りが膨らみ、大幅反落した。2万5324.99ドル(-617.38)。中国政府は13日、米国が10日に実施した対中制裁関税拡大への報復措置を6月1日に発動すると発表した。約600億ドル(約6兆6000億円)相当の米国製品に課している追加関税を最大25%に引き上げる。米政府も現在対象から外れている3000億ドル相当の中国製品に関税を上乗せする手続きに着手。市場では米中摩擦の激化で世界経済に悪影響が及ぶことへの懸念が高まり、一時720ドル近く下げた。幅広く売りが広がる中、とりわけ中国市場への依存度が高い銘柄の下げがきつかった。


【14日の経済指標】
08:50   (日) 3月 国際収支・経常収支(季調前)  2兆6768億円   
08:50   (日) 3月 国際収支・経常収支(季調済)  1兆9576億円   
08:50   (日) 3月 国際収支・貿易収支  4892億円   
10:30   (豪) 4月 NAB企業景況感指数  7  
14:00   (日) 4月 景気ウオッチャー調査-現状判断DI  44.8   
14:00   (日) 4月 景気ウオッチャー調査-先行き判断DI  48.6 
15:00   (独) 4月 消費者物価指数(CPI、改定値) [前年同月比]  2.0%  2.0%
16:00   (トルコ) 3月 鉱工業生産 [前月比]  1.3%   
17:30   (英) 4月 失業保険申請件数  2.83万件   
17:30   (英) 4月 失業率  3.0% 
18:00   (欧) 3月 鉱工業生産 [前年同月比]  -0.3%  -1.0% 
18:00   (独) 5月 ZEW景況感調査(期待指数)  3.1  5.0 
18:00   (欧) 5月 ZEW景況感調査  4.5   
21:30   (米) 4月 輸入物価指数 [前月比]  0.6%  0.7% 
21:30   (米) 4月 輸出物価指数 [前月比]  0.7%  0.6% 


第210回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


*TOCOM TV 出演
https://youtu.be/LckFpKGtS74

https://tocomsquaretv.com/20190325/


【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、上値が重く下値トライの動きが強まりそうだ。米中閣僚級協議が平行線に終わった10日夕、米通商代表部(USTR)は、「トランプ大統領は残るすべての中国製品の関税を引き上げるよう指示した。金額はおよそ3000億ドル(33兆円)分になる」と急遽声明を出した。産業界の意見を踏まえて発動日や対象品目を最終的に決める予定で、実際の発動には2カ月以上かかる見込み。これを受けて週明け13日は円買いが強まり、ドル円は一時109円50銭台まで下落した。米中貿易協議の溝が余りに大きく1カ月以内に解消されないとの懸念から、安全資産として円が買われた。

ただ、関税の詳細を見極めたいとの見方や実需のドル買いもあってドル円は下げ渋った。カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、中国は最終的な合意の履行を確実にする「非常に強力な」エンフォースメント(執行)条項に同意する必要があると強調し、中国がすでに合意した改革事項を法制化するのを拒んだことが障害になっていると指摘した。その上で、協議を継続する間、米国の関税は維持されると述べた。

一方、中国共産党機関紙の人民日報は13日の社説で「中国が自国の尊厳を放棄することは決してない。誰しも中国に対し、自国の根本的な利益を阻害する要求の受け入れを期待すべきではない」と指摘。中国は協議する用意があるが、重要な原則で譲歩することはないと強調した。米中通商協議が長期戦に入ったと予想され、グローバル経済の一段の減速要因になるとの見方から、市場のリスク回避は緩む可能性は低く、ドル円は徐々に109円割れにトライする可能性が高いだろう。

また、11日に発表された4月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%の上昇と市場予想の0.3%、及び、3月実績0.4%を下回った。 変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは3カ月連続で前月比0.1%上昇となった。衣料品が2カ月連続で落込んだ。インフレ率の低下もあって米連邦準備制度理事会(FRB)が年内の利上げを見送るとの見方が強まり、金融政策面からもドル円の上値は抑えられるだろう。


<今週の主な経済指標>
主な国内経済関連は、13日に3月景気動向指数、14日に3月国際収支、15日に4月工作機械受注、16日に4月企業物価指数、17日に3月第3次産業活動指数が発表される。米国など海外経済関連は、14日に米4月輸出入物価指数、15日に中国4月鉱工業生産、中国4月小売売上高、米4月小売売上高、ユーロ圏1-3月期四半期域内総生産(GDP、改定値)、16日に米4月住宅着工件数、ユーロ圏4月消費者物価指数など。

*CFTC建玉5月7日時点:ファンドのドル買い・円売りは9万1717枚(前週比-7882枚)と減少した。総取組高は20万1462枚と前週比1861枚の減少。ファンドのドル買い・円売りがピークとなるのは、10万枚を超えてからであり、まだドル買い余力が残っているといえそうだ。

yen0513

*予想レンジ:108.00円~111.00円


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5月13日(月)
【5月10日の海外相場および市況】
ny0513

*週末10日のNY外国為替市場は、米中貿易協議の決裂がひとまず回避されたことを受け、安全資産として買われていた円が売り戻され、ドル円は110円近辺に上昇した。109円90~110円00銭。米中による2日目の閣僚級貿易協議の結果を見極めたいとの思惑から、当初は109円台後半を中心に小動きに推移していた。ただ、ムニューシン財務長官は、中国との協議結果について「建設的だった」と説明。トランプ大統領も中国との対話を今後も続ける意向をツイッターで表明した。目立った進展はなかったものの、交渉決裂が回避されたことを受け、NYダウが急落から急反発に転じプラス圏に浮上したためリスク回避姿勢が後退し、安全資産とされる円を売ってドルを買う動きが強まった。

CFTC建玉5月7日時点:ファンドのドル買い・円売りは9万1717枚(前週比-7882枚)と減少した。総取組高は20万1462枚と前週比1861枚の減少。

*週末10日のNY金は、米中貿易戦争の行方に注目が集まる中、安全資産としての金買いが優勢となり、小幅続伸した。1287.40ドル(+2.20)。米中両国は前日に続きこの日も閣僚級貿易協議を行った。ただ、米メディアは9日の協議では「ほとんど進展が見られなかった」と報道。また、トランプ政権は予定通り10日に中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に課している追加関税を10%から25%へ引き上げを実施し、中国側も報復措置を発動する構えを見せているため、リスク回避姿勢が強まる中、安全資産とされる金買いが優勢となった。さらに、外国為替市場でドル安・ユーロ高が先行しドル建て金は割安感から買われた。イラン情勢をめぐる不透明感もサポート要因。ただ、トランプ大統領は10日のツイッターで、対中協議に関し「急ぐ必要は全くない」と表明。米中貿易交渉の行方を慎重に見極めたいとの思惑から上値は抑えられた。

CFTC建玉5月7日時点:ファンドの金買い越しは7万5411枚(前週比+9192枚)と増加した。総取組高は45万0039枚と前週比2万0028枚の増加。

白金は4日ぶり反発。865.60ド(+14.20)。
パラジウムも5日ぶりに反発。1350.70ドル(+67.70)。

CFTC建玉5月7日時点:ファンドの白金買い越しは2万8693枚(前週比-4629枚)と減少した。総取組高は7万4901枚と前週比897枚の減少。

*週末10日のNY原油は、米中貿易協議に対する警戒感が上値を抑える一方、世界的な供給逼迫懸念が下値を支えたことから、ほぼ横ばいとなった。61.66ドル(-0.04)。トランプ政権は10日、中国からの輸入品2000億ドル相当に課している関税を10%から25%に引き上げた。これに対し、中国は報復措置を取る可能性に言及。両国による貿易交渉は今後も継続されるとみられるものの、話し合いが難航を極めて交渉が長期化すれば世界景気が減速し、エネルギー需要の減退を招くとの懸念から、相場の上値は重かった。一方、米国による制裁強化を受けてイラン産やベネズエラ産の原油輸出が一段と減少し、供給が逼迫するのではないかとの懸念は引き続き支援材料。また、米国とイランの間で軍事的な緊張が高まっていることも相場を下支えした。10日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比2基減の805基。前週から減少に転じた。
北海ブレント原油は上昇。70.62ドル(+0.23)。

CFTC建玉5月7日時点:ファンドの原油買い越しは49万4336枚(前週比-2万9767枚)と減少。総取組高213万3539枚と前週比1万1109枚の減少。

*週末10日のシカゴトウモロコシは、3日続落。351.75セント(-1.50)。米農務省が2019~20年度の米国産トウモロコシの期末在庫が、予想を上回る規模に積み上がるとの予想が圧迫した。米農務省はこの日発表した5月の農産物需給報告で、19~20年度の米国産トウモロコシの期末在庫を24億8500万ブッシェルと、1987~88年度以来の在庫に膨らむと見込んだ。

CFTC建玉5月7日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは19万1048枚(前週比-1万7244枚)と減少した。総取組高は161万1629枚と前週比2万5046枚の減少。

シカゴ大豆は3日続落。809.25セント(-3.50)。一時は806.25セントと約定安値を付け、2008年12月以来の安値に沈んだ。トランプ大統領は10日、中国との通商合意を急いでいないとの認識を示した。米農務省は5月の需給報告で、2018~19年度の米国産大豆の期末在庫を9億9500万ブッシェルと、前月(8億9500万ブッシェル)から上方修正し、過去最高の水準に膨らむと予想した。

CFTC建玉5月7日時点:ファンドの大豆売り越しは11万7511枚(前週比-824枚)と減少。総取組高は75万2910枚と前週比2万5754枚の増加。

*週末10日のNYダウは、米中貿易協議の決裂が回避されたことを好感して反発した。2万5942.37ドル(+114.01)。トランプ政権は10日、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に課している追加関税を10%から25%に引き上げた。中国も報復措置を取る構えを示していたことから、市場では「貿易戦争」激化への懸念が強まり、ダウは一時358ドル安まで下げた。ただ、この日まで開かれた閣僚級貿易協議の終了後、トランプ大統領が「両国の通商関係の状況について率直かつ建設的に話し合った」とツイートし、今後も協議を継続することを表明したため、協議決裂という最悪の事態は避けられたとの安心感が広がり、ダウは急反発に転じた。


【13日の経済指標】
08:50   (日) 4月 外貨準備高  1兆2918億ドル   
14:00   (日) 3月 景気先行指数(CI)・速報値  97.1   
14:00   (日) 3月 景気一致指数(CI)・速報値  100.4   
16:00   (トルコ) 3月 経常収支  -7.2億ドル 


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5月10日(金)
【5月9日の海外相場および市況】
ny0509

*9日のNY外国為替市場では、米中貿易摩擦激化への懸念が広がる中、安全通貨の円が買われ、ドル円は109円台後半に下落した。109円71〜81銭。米中両政府はこの日、ワシントンで閣僚級の貿易協議を再開。妥協点を見いだせなければ、トランプ政権は10日午前0時1分(日本時間13時1分)、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に課している追加関税を10%から25%に引き上げる。中国も報復措置で対抗する構えを見せていることから、市場では貿易摩擦激化への懸念が強まり、NYダウが寄り付きから下げ幅を広げたため、円や債券など安全資産が買われた。また、債券買いに伴って米金利が低下したこともドルを押し下げた。ただ、トランプ大統領が中国の習主席から書簡を受け取ったことで協議が合意に至る可能性を示唆したため、ドル円は安値から引き戻した。

*9日のNY金は、米中貿易協議の行方に対する警戒感から小反発した。1285.20ドル(+3.80)。米中政府は9日に閣僚級貿易協議を再開する。ただ、米国は対中制裁関税の引き上げを正式に通告。これに対し、中国商務省は報復の構えを見せている。協議の行方は全く予断を許さず、米中貿易戦争が激化すれば世界景気が減速するのではないかとの懸念が再燃し、リスク回避姿勢が強まった。この日のNYダウは寄り付きから大幅に下げたため、金は安全資産としての買いが活発化した。ドル安・ユーロ高に伴う割安感もあって一時1289.20ドルまで上昇した。ただ、買い一巡後は利益確定やポジション調整の売りに押されて上げ幅を縮小した。トランプ大統領は中国の習近平国家主席から書簡を受け取ったことを明らかにし、今週中に貿易協議が合意に達することに期待感を示したため、過度な警戒感が和らいだ。

NY白金は3日続落。851.40ドル(-13.00)。
パラジウムも安い。1283.00ドル(-23.40)。


*9日のNY原油は、米中貿易協議の行方に懸念が広がる中で売られ、反落した。61.70ドル(-0.42)。9、10両日にワシントンで開催される閣僚級貿易協議の行方に警戒感が広がり、この日はNYダウが寄り付きから大幅に下落し、リスク回避姿勢が強まったことから、株と並んでリスク資産とされる原油も売られた。また、二大経済大国による貿易戦争が激化すれば、エネルギー需要の減退につながりかねないとの懸念も再燃した。ただ、トランプ大統領は9日、中国の習近平国家主席から書簡を受け取ったことを明らかにし、今週中に中国との貿易協議が合意に達することに期待感を示した。これを受けて、米中貿易協議の行方に対する過度の警戒感が後退したことから、NYダウが下げ幅を圧縮し、原油にも一部買い戻しが入った。

北海ブレント原油は、70.39ドル(+0.02)一時69.40ドルまで下落した。

*9日のシカゴトウモロコシは続落。353.25セント(-11.00)。米国産の低調な輸出需要に加え、来週作付けが進むとの見通しや米中貿易摩擦をめぐる懸念が弱材料。

シカゴ大豆は続落し10年半ぶりの安値をつけた。812.75セント(-14.50)。米国側が10日午前0時1分、中国からの輸入品2000億ドル相当に課している追加関税を10%から25%へ引き上げる計画を実行するとの予想が強まった。


*9日のNYダウは、同日から開かれる米中貿易協議を前に警戒感が広がり、反落した。2万5828.36ドル(-138.97)。米中両政府はこの日から2日間、ワシントンで閣僚級貿易協議を開く。米政権は中国製品への追加関税を、10日午前0時過ぎに10%から25%に引き上げると正式通知。中国も報復措置を取る構えを見せている。貿易摩擦激化への懸念と協議決裂への警戒感が高まり、一時450ドル近く下落した。ただ、トランプ大統領がこの日、中国の習近平国家主席から「素晴らしい書簡」を受け取ったと表明。大統領は週内に中国と合意に至る可能性が依然あるとの見方を示した。これを好感し、株価は大きく値を戻した。


【10日の経済指標】
10:30   (豪) 豪準備銀行(中央銀行)、四半期金融政策報告
15:00   (独) 3月 貿易収支  179億ユーロ   
15:00   (独) 3月 経常収支  163億ユーロ 
17:30   (英) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP、速報値) [前期比]  0.2%   
17:30   (英) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP、速報値) [前年同期比]  1.4%
17:30   (英) 3月 鉱工業生産指数 [前月比]  0.6%  
17:30   (英) 3月 鉱工業生産指数 [前年同月比]  0.1%   
17:30   (英) 3月 製造業生産指数 [前月比]  0.9%   
17:30   (英) 3月 月次国内総生産(GDP) [前月比]  0.2% 
21:30   (米) 4月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  1.9%   
21:30   (米) 4月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比]  2.0%   
27:00   (米) 4月 月次財政収支  -1470億ドル


第210回 『おしえて陳さん』 
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*TOCOM TV 出演
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5月8日(水)
【5月7日の海外相場および市況】
ny0506

*7日のNY外国為替市場では、米中貿易協議の行方に不安が広がる中、リスク回避の円買いが進み、ドル円は110円台前半に下落した。110円20〜30銭。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は6日、中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税を10日に25%へ引き上げる方針を表明した。9、10両日には米中閣僚級貿易協議がワシントンで開かれる予定だが、大筋合意に向け進展していたとみられていた交渉が頓挫するのではないかとの観測から決裂の可能性が警戒され、NYダウが急落したため、安全資産としての円買いが進行した。また、米長期金利の低下もドル売り要因となった。

*7日のNY金は、米中通商交渉をめぐる先行き不透明感の強まりを受け、3営業日続伸した。1285.60ドル(+1.80)。外国為替市場ではドル買い・ユーロ売りが進行し、ドル建て金は割高感から一時1279.10ドルの安値を付けた。しかし、NYダウが大幅安で推移すると、安全資産である金が買われ、反発に転じた。ただ、ドル高の影響で上値は重かった。

NY白金は3日ぶりに反落。873.40ドル(-7.50)。
パラジウムは続落。1323.40ドル(-4.70)。

*7日のNY原油は、米中貿易協議の行方に不安が広がる中、エネルギー需要の先細り懸念が重しとなり、3営業日ぶりに反落した。61.40ドル(-0.85)。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は6日、中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税を10日に25%へ引き上げる方針を表明。先週の北京での貿易協議後に中国が態度を硬化させたことが理由だと説明した。これを受けて、9、10両日にワシントンで開催される閣僚級貿易協議の行方に不安が高まる中、この日のNYダウが急落し、株と並んでリスク資産とされる原油にも売りが強まった。二大経済大国による対立が長引けば、エネルギー需要の先行きにも悪影響を与えるのではないかとの懸念が再燃した。これらに加え、ドル高や米国内での増産懸念が根強いことも相場を下押しした。ロイター通信の調査によると、最新週の米原油在庫は前週比120万バレル増となる見込み。また、米エネルギー情報局(EIA)がこの日、2019年の米産油量見通しを日量平均で1245万バレルと、前回の予想から143万バレル上方修正した。

北海ブレント原油は、69.88ドル(-1.36)。4月4日以来の安値だった。

*7日のシカゴトウモロコシは反発。366.50セント(+2.25)。米中西部での降雨による作付けの遅れにより、単収見通しが押し下げるとの懸念が浮上した。5日時点でトウモロコシ作付けの23%が完了。5年平均では46%。天気予報会社によると、プレーンズ中部や中西部、デルタ地域では今週、より広範囲での降雨が見込まれ、作付けの遅れが予想されている。

シカゴ大豆は小反発。830.75セント(+0.50)。 中国が米中貿易協議に絡み、劉鶴副首相が今週訪米することで安心感が広がった。大豆市場は、米中貿易協議に関するニュースを注視している。両国が合意すれば、中国による商品購入が加速し、大量の大豆在庫が減少する一助になり得る。大豆相場はこのところ、弱い輸出需要や世界的に大量の供給への懸念にも圧迫されている。

*7日のNYダウは、米中貿易協議の行方をめぐる懸念が拡大する中、大幅続落した。2万5965.09ドル(-473.39)。ダウの下げ幅は1月初旬以来約4カ月ぶりの大きさとなった。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は6日、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対する追加関税を、10日に10%から25%に引き上げる方針を表明。先週の北京での貿易協議後に中国側の姿勢が後退したと主張し、中国側の対応を「約束破り」と批判した。トランプ大統領も5日に追加関税の引き上げをツイッターで表明していた。米中両政府の協議中止も懸念されていたが、中国商務省はこの日、劉鶴副首相が9、10両日の貿易協議に出席するため訪米すると発表。ただ、交渉の行方は依然予断を許さず、場合によっては決裂の可能性があるとの見方が浮上し、ダウは大幅安となった。


【8日の経済指標】
未定   (中) 4月 貿易収支(米ドル)  326.4億ドル
08:50   (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨 
11:00   (NZ) NZ準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利  1.75%  1.75%
15:00   (独) 3月 鉱工業生産 [前月比]  0.7%   
15:00   (独) 3月 鉱工業生産 [前年同月比]  -0.4%  
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比] 


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5月7日(火)
【5月6日の海外相場および市況】
ny0506

*週明け6日のNY外国為替市場では、米中貿易協議の行方に不安が広がる中、安全資産としての円買いが優勢となり、ドル円は110円台後半に下落した。110円68〜78銭。トランプ大統領は5日、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に対する追加関税を10日に10%から25%へ引き上げるとツイッターで表明。米中閣僚級貿易協議が8日からワシントンで再開されるのを前に、中国に譲歩を促す狙いがあるとみられるが、ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、中国が協議の中止を検討していると報道。米側が追加関税を引き上げれば中国側が報復し、再び貿易戦争の様相を呈するのは必至との見方が広がり、欧州やアジアの株価が軒並み下落。リスク回避姿勢が強まり、ドル円は一時110円台前半に下落し、3月下旬以来約6週間ぶりの安値を付ける場面があった。NYク市場に入ってからは、米中貿易交渉の行方を見極めようとの思惑から買い戻されたが、ムニューシン財務長官らが米中貿易協議の行方が一段と不透明になっていることを仄めかしたことから、再び円買いが強まった。
*週明け6日のNY金は、小幅続伸した。1283.80ドル(+2.50)。トランプ大統領は5日、中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税を10日に10%から25%に引き上げるとツイッターで表明。これに強く反発する中国が協議中止を検討しているとの報道も流れ、二大経済大国による対立が長引けば、世界経済に悪影響を与えるのではないかとの懸念が広がり、世界の主要株価が軒並み下落。ただ、リスク回避の動きは金買いにはつながらず、この日はドル相場に振り回される展開となった。

NY白金は続伸。880.90ドル(+6.10)。
パラジウムは反落。1328.10ドル(-29.90)。


*週明け6日のNY原油は、米中貿易戦争に対する懸念再燃を受けて売りが先行したものの、イランをめぐる地政学的リスクの高まりを背景に買い戻され、続伸した。62.25ドル(+0.31)。トランプ大統領は5日、中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税を10日に10%から25%に引き上げるとツイッターで表明。米中貿易交渉の閣僚級協議が8日からワシントンで再開されるのを前に、中国に譲歩を促す狙いがあるとみられるが、10日にも大筋合意に達するのではとの期待も広がっていただけに、市場心理は悪化した。中国側が協議の中止を検討しているとの報も伝えられる中、米中貿易交渉が決裂すれば、原油需要にも影響が及ぶと懸念され、相場は一時60.04ドルまで下落した。しかし、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が5日、米空母「エーブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群と爆撃部隊を中東に派遣する発表。核・ミサイル開発やテロ支援の阻止に向けてイランを強く牽制する狙いだが、地政学的リスクが高まったことから、中東地域の原油供給が混乱するのではないかとの警戒が高まり、反発に転じた。

北海ブレント原油は、71.24ドル(+0.39)。一時は68.79ドルと、4月2日以来の安値に沈んだ。


*週明け6日のシカゴトウモロコシは反落。364.25セント(-6.50)。米中通商協議で緊張が再び高まり、米国産穀物の対中輸出増加につながる両国の合意への期待が後退した。トランプ大統領は5日、中国からの輸入品に対する追加関税を今週引き上げる
とツイッターで表明、米中貿易交渉の合意見通しがより不透明になった。

シカゴ大豆は大幅続落し、8カ月ぶりの安値をつけた。830.25セント(-12.00)。一時は816.75セントの約定安値を付けた。トランプ大統領が、中国からの輸入品に対する追加関税を今週引き上げると表明したことが嫌気された。アフリカ豚コレラの感染拡大によって中国でこれまでに家畜の豚1億5000万〜2億頭が死んだとの推定から、中国での大豆需要縮小も懸念された。

*週明け6日のNYダウは、米中貿易協議の先行きへの懸念が再燃する中、反落した。2万6438.48ドル(-66.47)。トランプ大統領は5日、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に対する追加関税を10日に10%から25%に引き上げるとツイッターで表明。貿易協議の大筋合意を懸けた閣僚級協議がワシントンで8日に再開されるのを前に、中国側に譲歩を促す狙いがあるとみられるが、ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、反発した中国が協議中止を検討していると報道。市場では協議決裂への懸念が強まり、ダウは一時471ドル安まで売られた。しかし、中国外務省が6日、貿易協議のため中国交渉団が訪米の準備を進めていると強調したほか、今回のトランプ大統領のツイートは、交渉術の一環との見方も多く、安値拾いの買いが入り、下げ幅は急速に縮小した。さらに、原油相場の上昇を受けてエネルギー関連株が買われ、ダウは一段と下げ幅を削った。


【7日の経済指標】
10:30   (豪) 3月 貿易収支  48.01億豪ドル  
10:30   (豪) 3月 小売売上高 [前月比]  0.8%   
13:30   (豪) 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表  1.50%  1.50% 
15:00   (独) 3月 製造業新規受注 [前月比]  -4.2%   
15:00   (独) 3月 製造業新規受注 [前年同月比]  -8.4% 
28:00   (米) 3月 消費者信用残高 [前月比]  151.9億ドル


第209回 『おしえて陳さん』 
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5月6日(月)
【5月3日の海外相場および市況】
ny0503

*週末3日のNY外国為替市場は、米雇用統計でインフレの低迷が示され、当面利上げが棚上げされるとの見方からドル円は111円台前半に下落した。111円05~15銭。4月米雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が26万3000人増加し、3カ月ぶりに好調の目安とされる20万人増を上回った。また、失業率も3.6%と、49年4カ月ぶりの水準に低下し、当初はドル買いが優勢だった。しかし、インフレの先行指標として注目された平均時給は前月比0.2%増、前年同月比3.2%増といずれも市場予想に届かず、米連邦準備理事会(FRB)は当面利上げをする必要はないとの思惑が強まってドル売りに転じた。また、4月米ISM非製造業景況指数も市場予想に反して低下したことから、ドル円は一時111円08銭の安値を付けた。

CFTC建玉4月30日時点:ファンドのドル買い・円売りは9万9599枚(前週比+5185枚)と増加した。総取組高は20万3323枚と前週比3993枚の減少。


*週末3日のNY金は、ドル安を受けて反発。1281.30ドル(+9.30)。4月米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比26万3000人増と大幅に伸びたほか、失業率は1969年12月以来の低水準である3.6%まで低下した。平均時給の伸びは穏やかに加速しているものの、前年比+3.2%と前回から横ばいだった。 賃金上昇率が依然として加速しておらず、インフレ懸念が低下したことから、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急がないとの認識を裏付ける結果だったことからドルが売られた。

CFTC建玉4月30日時点:ファンドの金買い越しは6万6219枚(前週比+2万8824枚)と増加した。総取組高は43万0011枚と前週比1万0037枚の減少。


白金は反発。874.80ドル(+20.60)。米雇用統計が堅調だったことで、世界経済の不透明感が後退し、工業用需要の下振れ懸念も弱まった。ただ、自動車の触媒需要がプラチナからパラジウムへ移行していることは引き続き圧迫要因。

パラジウムは反発。1358.00(+14.80)。自動車の触媒需要拡大が期待されるなかで1300ドル台は買いが優勢。

CFTC建玉4月30日時点:ファンドの白金買い越しは3万3322枚(前週比+2242枚)と増加した。総取組高は7万5798枚と前週比521枚の増加。


*週末3日のNY原油は小反発。61.94ドル(+0.13)。4月米雇用統計が堅調だったため、景気減速に伴う石油需要の下振れ懸念が後退した。4月米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比26万3000人増と大幅に伸びたほか、失業率は1969年12月以来の低水準である3.6%まで低下した。米国はガソリン需要期に入っており、消費拡大が期待されている。今週の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、ガソリン需要は前年の水準を上回って推移している。ドル安や株高も原油の支援要因。ただ、米国がイランに対する石油制裁を強化した後の供給逼迫懸念が限定的であるとの見方が重石になっている。米国はイランから原油を輸入することを制裁の対象とし、イランの原油収入を絶とうとしているが、他の産油国が増産することで供給は維持可能とみられている。サウジアラビアは、協調減産における生産枠を維持しつつ増産する見通し。

CFTC建玉4月30日時点:ファンドの原油買い越しは52万4103枚(前週比-2万3256枚)と減少。総取組高214万4648枚と前週比5435枚の増加。


*週末3日のシカゴトウモロコシは、ほぼ変わらず。370.75セント(+0.25)。降雨のため米中西部で作付けが遅れていることが支援要因。

CFTC建玉4月30日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは20万8292枚(前週比-3万5150枚)と減少した。総取組高は163万6675枚と前週比20万4102枚の減少。


シカゴ大豆は続落。842.25セント(-1.00)。米国産大豆の中国向け輸出をめぐる警戒感が重石。降雨によってトウモロコシの作付けが遅れている米中西部の農家が、大豆にシフトする可能性も意識された。

CFTC建玉4月30日時点:ファンドの大豆売り越しは11万8335枚(前週比-3万1835枚)と減少。総取組高は72万7156枚と前週比8万4180枚の減少。


*週末3日のNYダウは反発。2万6504.95ドル(+197.16)。4月米雇用統計は、景気動向を示す非農業部門就業者数は前月比26万3000人増と市場予想の18万5000人増を大幅に上回った。失業率も3.6%と49年4カ月ぶりの低水準を記録。物価上昇の先行指標として注目される平均時給が前月比0.2%増と市場予想の0.3%増を下回ったことも好感された。米景気が堅調さを維持する一方、インフレの圧力は弱いために連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは見送られるとの期待が広がった。米景気の先行きに対する楽観的な見方も強まって、株式相場は買いが優勢となった。

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