テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2019年08月

【ドル円相場、今週の予想】
*週のドル円は、上値が重く戻り売りが優勢となろう。米連邦準備制度理事会(FRB)が7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、およそ10年ぶりに利下げに踏み切ったが、新興国も相次いで利下げを実施している。先週は9日にニュージーランドが市場予想(0.25%)を上回る0.5%の利下げを行った。同日にはインド、タイも利下げを決めた。それ以前にもオーストラリア、トルコ、南アフリカ、ロシア、インドネシアが金利を引き下げた。トランプ大統領は再三、FRBに大幅な利下げを行うよう発言している。CMEのFED WATCHでは9月の利下げ確率が80%を超えた。欧州中央銀行(ECB)は9月会合で利下げを行う予定と観測されており、日銀も追加金融緩和姿勢を見せている。

問題は、相次ぐ世界各国の利下げにも関わらず株式相場が浮上しない点にあろう。相場の地合いが悪化しているわかで、その背景には米中貿易戦争の激化懸念がある。貿易交渉が進展しなければ、9月1日から中国製品のほぼ中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」を9月1日に発動する予定であるが、その交渉が順調でないとしている。中国を「為替操作国」とし、新たな制裁が課せられる可能性があり、人民元も市場予想ほどではないものの、じりじりと元安が進行している。

13日には、人民元の対ドル基準値(中間値)を1ドル=7.0326元と9営業日連続で元安に設定、基準値は11年ぶりの元安水準を更新した。こうしたリスクオフ要因が多い中、安全通貨である円が買われていく可能性は高いだろう。

CFTC建玉を見ると、ファンドは先週から円を買い越している。ドル円は105円の節目を前に下げ渋る可能性はあるが、戻りは売りが優勢となり、上値の重い展開が続くだろう。ドル円は年初来安値の104円台が視野に入りそうだ。

<今週の主な経済指標>
主な国内経済関連は、13日に7月国内企業物価指数、6月第三次産業活動指数、日米貿易協議事務レベル会合(14日まで、ワシントン)、14日に6月機械受注、決算発表。海外経済関連は、12日に米7月財政収支、13日に米7月消費者物価、14日に中国7月都市部固定資産投資、中国7月工業生産、中国7月小売売上高、ユーロ圏4-6月期GDP、米7月輸出入物価、15日に米8月NY連銀製造業景気指数、米8月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米7月小売売上高、米7月鉱工業生産・設備稼働率、米8月NAHB住宅市場指数、米6月企業在庫、16日に米7月住宅着工件数、米7月建設許可件数。

*CFTC建玉8月6日時点:ファンドのドル売り・円買いは1万0561枚(前週比+1万4779枚)と売り越しに転じた。総取組高は15万3338枚と前週比1万4496枚の増加。

yen0813

*予想レンジ:104.00円~107.00円


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8月14日(水)
【8月13日の海外相場および市況】
ny0813

*13日のNY外国為替市場では、米国による対中関税の一部延期の発表を受けてリスク回避姿勢が緩み、106円台後半に急反発した。106円70〜80銭。米通商代表部(USTR)はこの日午前、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」を9月1日に発動すると正式に発表。ただ、携帯電話やパソコン(PC)など一部の製品への適用は12月15日まで延期するとし、関税拡大に反発する中国に一定の歩み寄りを示した。市場では、トランプ政権が米国の消費者、ひいては景気に配慮する姿勢を示したと評価した。また、貿易摩擦の溝を埋めるため、両国が電話協議を継続する方針も明らかになった。市場には安堵感が広がり、リスク回避から買い進まれていた円は大きく売り戻された。ただ、米中貿易交渉の行方は依然として見通せないほか、逃亡犯条例改正案に抗議する香港のデモ拡大、アルゼンチンの政局不安を背景とした通貨ペソ安など、依然として安全資産である円の需要は強く、106円台半ばから後半のレンジで小動きとなった。

*13日のNY金は、米中貿易摩擦の緩和期待が膨らむ中で手じまい売りが台頭し、小反落した。1514.10ドル(-3.10)。米中貿易摩擦の激化に伴う世界経済の減速懸念のほか、逃亡犯条例改正案に抗議する香港のデモ拡大、アルゼンチンの政局不安を背景とした通貨急落などのリスク要因を背景に、「質への逃避」から金が買われ、一時1546.10ドルまで上昇した。しかし、米通商代表部(USTR)が、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」を9月1日に発動すると正式に発表した上で、携帯電話やパソコン(PC)など一部の製品への適用は12月15日まで延期する方針を表明し、2週間以内に再度電話協議を行う予定が明らかにされると、一転して金は急落し、一時1488.90ドルの安値を付けた。ただ、両国対立の構図に変化はないとの見方が広がるにつれ、その後は徐々に下げ幅を縮小し、1500ドルの節目を回復して引けた。

NY白金は4日続落。859.70ドル(-4.00)。
パラジウムは4日続伸。1451.50ドル(+20.70)。

*13日のNY原油は、米中貿易摩擦激化に対する懸念が和らぐ中で買い進まれ、大幅続伸した。57.10ドル(+2.17)。

米通商代表部(USTR)は13日、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」を9月1日に発動すると発表した。現在対象外となっている3000億ドル(約32兆円)相当に10%を上乗せする予定だったが、スマートフォンや衣類など一部製品への適用は12月15日まで延期する。これを受けてリスク姿勢が後退し、NYダウが大幅高となり、株式と並んでリスク資産とされる原油にも買いが入った。また、9日までの1週間で米原油在庫が280万バレル減少したとの予想も需給引き締まり観測を強め、原油買いを後押ししたようだ。北海ブレント原油は、61.30ドル(+2.73)。

*13日のシカゴトウモロコシは続落。376.50セント(-16.25)。米農務省が12日発表した収穫高予想の引き上げを受け、追随売りが出た。

シカゴ大豆は反発。889.00セント(+9.75)。トランプ政権が中国からの輸入品に課税する10%の追加関税措置について、一部製品への適用を延期するとの発表が好感された。

*13日のNYダウは、対中制裁関税の一部適用の延期発表を好感し、大幅反発した。2万6279.91ドル(+372.54)。米通商代表部(USTR)は13日午前、9月1日に発動予定の中国からの輸入品ほぼすべてに追加関税を拡大する制裁措置「第4弾」について、スマートフォンなど一部製品への適用を12月15日まで延期すると発表。米中貿易摩擦の激化への懸念が和らぎ、ダウは一時520ドル近く上昇した。iPhone(アイフォーン)の最終組み立てを中国で行うアップル株は急伸。適用延期対象はスマホのほか、ノートパソコン(PC)やビデオゲーム機、おもちゃ類、衣類、靴なども含まれることから、家電量販最大手ベストバイや玩具大手マテル、スポーツ用品大手ナイキなどにも買いが広がった。一方、中国国営新華社通信によると、中国の劉鶴副首相は13日の電話協議でライトハイザーUSTR代表らに対し、制裁関税の拡大を厳重に抗議。月内に再度電話協議を行うことで一致した。


【14日の経済指標】
未定   (トルコ) 休場
08:50   (日) 6月 機械受注 [前年同月比]  -3.7% 
09:30   (豪) 8月 ウエストパック消費者信頼感指数  96.5  
11:00   (中) 7月 小売売上高 [前年同月比]  9.8%   
11:00   (中) 7月 鉱工業生産 [前年同月比]  6.3%  
15:00   (独) 4-6月期 国内総生産(GDP、速報値) [前年同期比]  0.7%   
15:00   (独) 4-6月期 国内総生産(GDP、速報値、季調前) [前年同期比]  0.6% 
17:30   (英) 7月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  2.0%  
17:30   (英) 7月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比]  1.8% 
17:30   (英) 7月 小売物価指数(RPI) [前年同月比]  2.9%  ― 
17:30   (英) 7月 卸売物価指数(コアPPI) [前年同月比]  1.7%    
18:00   (欧) 6月 鉱工業生産 [前年同月比]  -0.5% 
18:00   (欧) 4-6月期 四半期域内総生産(GDP、改定値) [前年同期比]  1.1% 
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比] 
20:00   (南ア) 6月 小売売上高 [前年同月比]  2.2%   
21:30   (米) 7月 輸入物価指数 [前月比]  -0.9%   
21:30   (米) 7月 輸出物価指数 [前月比]  -0.7% 
 

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8月13日(火)
【8月12日の海外相場および市況】
ny0812

*週明け12日のNY外国為替市場のドル円相場は、米中貿易摩擦激化の長期化懸念が強まる中で安全資産として円が買われ、105円台前半に下落した。105円22〜32銭。トランプ大統領は前週末9日、中国との貿易協議で「合意する準備ができていない」と述べ、9月上旬に予定されている閣僚級の協議の開催が不透明となっていることを示唆した。これを受けて、リスク回避姿勢が高まり、安全資産としての円が買われ、一時105円12銭まで下落する場面もあった。米長期金利の低下が進んだことも円買い・ドル売りの流れを後押しした。ただ、急速な円高進行に対する警戒感も強まり、円は上げ幅を圧縮した。

*週明け12日のNY金は、米中貿易摩擦激化に対する懸念が強まる中、対ユーロでのドル安を背景に買われ、小反発した。1517.20ドル(+8.70)。トランプ大統領は9日、中国との貿易協議で「合意する準備ができていない」と述べ、9月上旬に予定されている閣僚級協議の開催が不透明となっていることを示唆した。これを受けて、米中「貿易戦争」に対する警戒感が広がり、週明けのNYダウは一時300ドル超下落し、金に「質への逃避」の買いが入った。また、外国為替市場では、ドルが対ユーロで下落し、ドル建て金に割安感が生じたことから、金が買われた。
市場は、政策金利の先行きを占う手掛かりとして、来週開かれる米連邦準備制度理事会(FRB)のジャクソンホール(米ワイオミング州)でのシンポジウムに注目している。

NY白金は3日続落。863.70ドル(-0.10)。
パラジウムは3日続伸。1430.80ドル(+11.50)。


*週明け12日のNY原油は、ドルの対ユーロでの下落に伴う割安感などから買われ、3営業日続伸した。54.93ドル(+0.43)。ドイツのIFO経済研究所は世界1200人近くの専門家を対象とした調査で、米中貿易戦争の影響などを背景に第3四半期の現行と期待の景況感指数がともに悪化していると指摘。景気減速が世界のエネルギー需要にも影響を与えるのではないかとの懸念が広がった。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスは今年1月から、1日当たりの産出量を120万バレル抑制することで合意している。クウェートのファディル石油相は12日、協調減産を「完全に順守している」と述べつつ、合意で割り当てられた量を上回る減産を進めていると付け加え、石油需要が2019年下半期に増加し、緩やかな在庫減少に寄与するとの見方を示した。外国為替市場でドルが対ユーロで下落しドル建て原油に割安感が強まったこともあり、相場は次第にプラス圏に浮上した。OPECのリーダーであるサウジアラビアが相場の下支えを図っている中、国営サウジアラムコは、世界最大規模とみられる新規株式公開(IPO)に向けて準備を整えつつある。サウジアラビアはIPOのために、原油相場の上昇を必要としている。北海ブレント原油は、58.57ドル(0.04)。

*週明け12日のシカゴトウモロコシはストップ安。392.75セント(25.00)。米農務省による収穫高予想の引き上げが嫌気された。5月24日以来の安値となり、下落率は2016年7月以来の大きさだった。米農務省は、米農家がこの秋、トウモロコシを139億0100万ブッシェル収穫するとの見通しを示した。7月時点の予想(138億7500万ブッシェル)から引き上げられた。

シカゴ大豆は反落。879.25セント(-12.50)。米農務省の報告で、収穫高見通しが予想を上回ったことを受けたトウモロコシ相場の急落が大豆に波及した。米農務省は2019〜20年度の大豆収穫高を36億8000万ブッシェルと予想。7月時点の見通し(38億4500万ブッシェル)から下方修正した。


*週明け12日のNYダウは、世界経済の先行きへの懸念が増す中、大幅続落した。389.73ドル安の2万5897.71ドル(-389.73)。トランプ大統領は前週末9日、中国との貿易協議で「合意する準備ができていない」と述べ、9月上旬に米ワシントンで予定される米中閣僚級協議が中止となる可能性を示唆した。ゴールドマン・サックスのエコノミストは11日に出したリポートで、来年の米大統領選前に米中が合意に至ることはないと予想。貿易摩擦の影響拡大を考慮し、10〜12月期の米国内総生産(GDP)見通しを1.8%増と、0.2%ポイント引き下げた。これに加え、香港のデモ活動が拡大し、同国際空港での発着便の欠航にまで発展したことや、アルゼンチンで11日実施された大統領選予備選で、中道右派の現職が敗北したことなども、世界的な先行き不透明感を強めた。


【13日の経済指標】
未定   (トルコ) 休場
08:50   (日) 7月 国内企業物価指数 [前月比]  -0.5%   
08:50   (日) 7月 国内企業物価指数 [前年同月比]  -0.1%   
10:30   (豪) 7月 NAB企業景況感指数  3 
13:30   (日) 6月 第三次産業活動指数 [前月比]  -0.2% 
15:00   (独) 7月 消費者物価指数(CPI、改定値) [前年同月比]  1.7% 
17:30   (英) 7月 失業保険申請件数  3.80万件 
17:30   (英) 7月 失業率  3.2%
17:30   (英) 6月 失業率(ILO方式)  3.8% 
18:00   (独) 8月 ZEW景況感調査(期待指数)  -24.5  
18:00   (欧) 8月 ZEW景況感調査  -20.3  
21:30   (米) 7月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  1.6%  
21:30   (米) 7月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比]  2.1% 
 

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8月12日(月)
【8月9日の海外相場および市況】
ny0809

*週末9日のNY外国為替市場のドル円は、米中貿易摩擦や世界経済の先行き不透明感の強まりを背景に円買い・ドル売りが優勢となり、105円台後半に下落した。105円59~69銭。トランプ大統領はこの日、中国との貿易協議について「当面、合意する用意はできていない」と述べ、9月上旬に米国で予定されている閣僚級協議の開催が不透明になっていることを示唆。9月1日には対中制裁関税「第4弾」の発動が迫っており、両国対立長期化が世界経済へ及ぼす影響への懸念が強まった。トランプ大統領はまた、米連邦準備制度理事会(FRB)に対して「1%かそれを少し超える利下げを望んでいる」と改めて大幅な政策金利の引き下げを要求。これが一段のドル売りを促し、一時105円27銭まで下落した。ただ、その後はNYダウが下げ幅を縮小し、米長期金利も横ばい圏で推移する中、105円台半ば付近に押し戻された。

CFTC建玉8月6日時点:ファンドのドル売り・円買いは1万0561枚(前週比+1万4779枚)と売り越しに転じた

。総取組高は15万3338枚と前週比1万4496枚の増加。


*週末9日のNY金は、利益確定の売りがやや優勢となり、小幅続落した。1508.50ドル(-1.00)。ただ、週間では3.5%上昇した。トランプ政権が中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)に対する制裁緩和を先送りしているとの報を受け、一時1521.10ドルの高値をつけた。しかし、週末を前に利益確定の売りが台頭し、マイナス圏で引けた。今週の金相場は、ニュージーランドやインド、タイの中央銀行が相次いで利下げを決め、世界的な金融緩和の流れが意識される中、約6年4カ月ぶりに1500ドルの節目を突破。この日も、トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)に1.0%の大幅利下げを要求する場面があり、金利を生まない資産である金への資金流入を支えた。

CFTC建玉8月6日時点:ファンドの金買い越しは29万2545枚(前週比+3万8157枚)と増加した。総取組高は

60万0317枚と前週比3万7019枚の増加。


白金は続落。863.80ドル(-3.70)。
パラジウムは続伸。1419.30ドル(+5.80)。

CFTC建玉8月6日時点:ファンドの白金買い越しは2万1944枚(前週比-3824枚)と減少した。総取組高は7万

5607枚と前週比739枚の減少。


*週末9日のNY原油は続伸した。54.50ドル(+1.96)。外国為替市場では、対ユーロでドル売りが優勢となり、ドル建て原油に割安感が生じた。石油輸出国機構(OPEC)がさらなる減産に踏み切るのではないか、との期待も相場を支えた。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが9日発表した統計で、同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数が前週比6基減の764基となったことも支援材料。国際エネルギー機関(IEA)は、景気減速と米中貿易戦争激化により、1~5月の需要の伸びが2008年以来の水準に鈍化したと発表した。北海ブレント原油は、58.53ドル(+1.15)。

CFTC建玉8月6日時点:ファンドの原油買い越しは37万5641枚(前週比-1万1650枚)と減少。総取組高207万0210枚と前週比1138枚の増加。


*週末9日のシカゴトウモロコシはまちまち。410.25セント(-0.75)。乾燥天候で米中西部の一部で単収が低下するとの懸念が支援材料。

CFTC建玉8月6日時点:ファンドのトウモロコシ買い越しは22万1620枚(前週比-2万0039枚)と減少した。

総取組高は181万4664枚と前週比3万2814枚の増加。

シカゴ大豆は3日続伸し、1週間半ぶりの高値をつけた。891.75セント(+8.75)。米中西部の乾燥天候をめぐる懸念が支援材料となった。

CFTC建玉8月6日時点:ファンドの大豆売り越しは2万5477枚(前週比+1万4194枚)と増加した。総取組高は

63万3067枚と前週比2万7071枚の増加。

*週末9日のNYダウは、米中貿易摩擦激化への懸念が重石となり反落した。90.75ドル安の2万6287

.44ドル(-90.75)。トランプ大統領はこの日、対中貿易協議について「まだ合意する準備ができていない」と発言。さらに、9月に予定する米中閣僚級貿易協議が「実現しなくても構わない」と述べた。中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)への制裁を続ける考えも強調した。両国の貿易摩擦激化への懸念が強まり、株価は下げ幅を拡大し、一時約280ドル安まで下落した。ただ、その後は安値を拾う動きが広がり、下げ幅を縮小。

8月9日(金)
【8月8日の海外相場および市況】
ny0808

*8日のNY外国為替市場のドル円相場は小幅下落し、106円台前半となった。106円02〜12銭。7月の中国貿易統計で輸出が予想外の増加となったことなどを受け、米株が上昇し、リスク回避姿勢が後退した。ただ、イタリアの政局不安などをきっかけに米長期金利が午後にかけて低下に転じると、円は買い戻された。

*8日のNY金は、前日に大幅高となった後を受けて利益確定の売りが出て反落した。1509.50ドル(-10.10)。米中貿易摩擦の長期化で世界経済の先行き不透明感が広がる中、安全資産とされる金の買いが活発化し、前日は6年4カ月ぶりに1500ドル台に乗せた。この日は上げ一服となり、利益確定の売りが先行。米欧をはじめ世界の株価が持ち直したため、リスク警戒感が幾分緩んだ。ただ、相場は底堅く、1500ドルを上回る水準を維持した。世界経済の成長減速を警戒し、各国中銀による金利引き下げが相次ぐ中、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の金融政策会合で追加利下げに動くとの観測が金利を生まない資産である金をサポートしている。金相場は、米中貿易摩擦や債券利回りの下落、世界各国・地域の中央銀行が金融緩和姿勢を強めていることを背景に、年初来で16%超上昇。この1週間では約100ドル上げ
た。

NY白金は反落。867.50ドル(-3.50)。
パラジウムは小反発。1413.50ドル(+3.20)。

*8日のNY原油は、エネルギー需要が先細りするとの過度な観測が後退する中、4営業日ぶりに反発した。52.54ドル(+1.45)。中国人民銀行(中央銀行)は8日の人民元の対ドル基準値を1ドル=7.0039元と市場予想よりも元高の水準に設定。また、中国税関総署が同日発表した7月の貿易統計では輸出が前年同月比3.3%増と、市場予想に反して増加した。これらを受けて、米中貿易戦争の激化を背景としたエネルギー需要の先行きに対する不安が後退した。石油輸出国機構(OPEC)盟主国であるサウジアラビアがこのところの原油安について他の産油国に協議を呼び掛けたとの報道や、世界の石油在庫を減らすため、サウジは8月と9月の輸出量を日量平均で700万バレル以下に抑える方針だとの当局者発言が伝わったことや、オクラホマ州クッシング(WTI受け渡し地点)の在庫が、6日までの1週間に約290万バレル減少したことも支援材料になった。北海ブレント原油は、57.38ドル(+1.15)。一時58.01ドルを付けた。

*8日のシカゴトウモロコシは続伸。411.00セント(+4.50)。100日移動平均線を突破したことで、テクニカルな買いが入った。米中西部の一部地域での乾燥天候により収量減少への懸念が高まっている。作付け期の過剰な降雨を受け、作柄は既に平年を下回っていることも強材料。

シカゴ大豆は続伸。870.25セント(+16.25)。今春の作付け時期に降った大雨で、作柄は既に平年を下回っている。一方、米中貿易戦争が長引くのではないかとの懸念により上値は限られた。


*8日のNYダウは、世界的な金利の急低下が落ち着いたことなどを背景に市場に安心感が広がり、大幅反発した。ドル高の2万6378.19ドル(+371.12)。前日はインド、ニュージーランド、タイで中央銀行が利下げを決めたことを機に債券に買いが殺到し、各国で金利が急低下。世界的な景気減速への懸念が強まり、株や原油などリスク資産を売る動きが広がった。この日は米長期債を中心に金利が落ち着きを取り戻したことから、リスク選好姿勢が回復し、ダウは全面高となった。さらに、中国人民銀行(中央銀行)が、この日の人民元の対ドル基準値を市場予想より元高水準に設定。中国当局の元安誘導による米中貿易摩擦悪化への懸念が後退した。中国の7月の輸出が前年同月比3.3%増と、市場予想に反しプラスとなったことも、株価を押し上げた。


【9日の経済指標】
未定   (南ア) 休場
08:50   (日) 7月 マネーストックM2 [前年同月比]  2.3%   
08:50   (日) 4-6月期 四半期実質国内総生産(GDP、速報値) [前期比]  0.6% 
08:50   (日) 4-6月期 四半期実質国内総生産(GDP、速報値) [年率換算]  2.2%  
10:30   (中) 7月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  2.7%   
10:30   (中) 7月 生産者物価指数(PPI) [前年同月比]  0.0%   
10:30   (豪) 豪準備銀行(中央銀行)、四半期金融政策報告 
15:00   (独) 6月 貿易収支  206億ユーロ   
15:00   (独) 6月 経常収支  165億ユーロ 
16:00   (トルコ) 6月 経常収支  1.5億ドル 
17:30   (英) 4-6月期 四半期国内総生産(GDP、速報値) [前年同期比]  1.8%
17:30   (英) 6月 鉱工業生産指数 [前年同月比]  0.9%   
17:30   (英) 6月 製造業生産指数 [前月比]  1.4%
17:30   (英) 6月 貿易収支  -23.24億ポンド
21:30   (米) 7月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比]  1.7%  
21:30   (米) 7月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前年同月比]  2.3% 
 

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8月7日(水)
【8月6日の海外相場および市況】
ny0806

*6日のNY外国為替市場のドル円相場は、米中「貿易戦争」に対する懸念がやや和らぐ中で円が売られ、106円台半ばに上昇した。106円42〜52銭。米財務省は5日に中国を制裁対象となる「為替操作国」に認定したが、中国人民銀行(中央銀行)は6日、取引開始の目安として示す人民元の対ドル基準値(中間値)を1ドル=6.9683元と、市場予想よりも元高水準に設定した。これを受けて、6日の上海外国為替市場の人民元相場が下げ止まった。米中両国の対立先鋭化への懸念が幾分和らぎ、これまで安全資産として買われてきた円が売り戻された。NYダウも急伸し、前日に急低下した米長期金利が上昇したことも、円売り・ドル買い要因となった。

*6日のNY金は、米中貿易摩擦を受けて世界経済の先行き不透明感が強まる中、3営業日続伸した。1484.20ドル(+7.70)。米財務省は5日、中国が輸出競争力を高めるため人為的に人民元相場を安く誘導しているとして、制裁対象となる「為替操作国」に認定した。これを受けて、市場のリスク回避姿勢が一段と強まり、金塊相場は5日夜に一時1486.80ドルまで上昇した。しかし、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の対ドル基準値(中間値)を市場予想よりも元高水準に設定したことで、6日の上海外国為替市場で人民元相場が下げ止まった。金相場は一時マイナス圏に沈んだが、米中両国の対立が急展開する可能性を市場は引き続き警戒し、金は押し目が買われ約6年4カ月ぶりの高値圏を維持した。

NY白金は3日ぶりに反落。853.20ドル(-4.70)。
パラジウムは続伸。1437.00ドル(+20.70)。

*6日のNY原油は、米中貿易戦争を背景としたエネルギー需要の先細りが懸念されて続落した。53.63ドル(-1.06)。6月17日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。今週発表される週間在庫統計で、原油在庫が8週連続で取り崩しとなる見通しであることなどが支援材料だったが、米中二大経済大国の対立が世界的なエネルギー需要に悪影響を与えるのではないかとの懸念が強まりマイナス圏に沈んだ。ドルが対ユーロで強含んだことも、ドル建て原油の割高感につながり、下押し要因となった。北海ブレント原油は、58.94ドル(-0.84)。60ドルを割り込み、約7カ
月ぶり安値を付けた。

*米エネルギー情報局(EIA)は6日発表の月報で、2019年の国内石油生産は日量1227万バレルとなり、前年比で日量128万バレル増加するとの見通しを示した。生産の伸びの従来予想を、7月時点予想(140万バレル)から下方修正した。


*6日のシカゴトウモロコシは反落。404.00セント(-1.25)。米中西部の乾燥地帯で雨が降り、今後も降雨が予想されることから、単収減への懸念が後退した。米中西部の北域は予想を上回る降雨となり、今後11〜15日間も雨が降る見通し。

シカゴ大豆は下落。847.75セント(-2.50)。米中西部で成育に好ましい降雨があったほか、米中貿易戦争の激化が重石となった。対米摩擦により、間もなく収穫される大豆の対中出荷が限定的な規模にとどまるとの懸念が広がった。


*6日のNYダウは、人民元相場の下げ止まりをきっかけに米中貿易摩擦激化への過度な警戒感が和らぎ、6営業日ぶりに反発した。2万6029.52ドル(+311.78)。中国人民銀行(中央銀行)はこの日、人民元の基準値を1ドル=6.9683元と、7元を上回る水準に設定。人民銀が元安誘導を抑えたことで、市場に安心感が広がった。前日5日は、人民元が約11年ぶりに対ドルで7元台まで下落。米財務省が中国を約25年ぶりに「為替操作国」に認定するなど、両国間の緊張が高まっていた。前日は、人民元相場急落をきっかけに767ドル安と年初来最大の下げ幅となったことから、この日は安値拾いの買いが入った。


【7日の経済指標】
11:00   (NZ) NZ準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利  1.50%   
15:00   (独) 6月 鉱工業生産 [前月比]  0.3%   
15:00   (独) 6月 鉱工業生産 [前年同月比]  -3.7%
28:00   (米) 6月 消費者信用残高 [前月比]  170.9億ドル


第221回
おしえて陳さん』 
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*マーケットスクランブル出演
https://www.mkt-s.com/past_video/

【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。ロペスオブラドール大統領は、同国の金利が減速しつつある景気にとって高過ぎるとしながらも、独自に金利を設定する中央銀行の独立性は尊重すると語った。ロペスオブラドール大統領は29日、米国への難民申請者に対する「安全な第三国」になることは受け入れられなかったと表明した。移民問題への最善の対応策は経済発展への協力で、メキシコは既にそれを実施してきたと述べ、「いわゆる安全な第三国の提案は受け入れていない。そのような合意に責任が持てなかった」と語った。

ペンス米副大統領は30日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は早急に批准する必要があると訴えた。ペンス副大統領は、民主党が多数派を占める議会下院が今秋、USMCAを可決することを期待していると語った。米国、メキシコ、カナダの首脳は昨年11月にUSMCAに署名。このうち、メキシコ議会は既に批准している。31日に発表されたメキシコの2019年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の季節調整済み速報値は前期(1~3月期)に比べて+0.1%だった。市場予想平均は-0.1%。サービス業などの第3次産業が+0.2%と牽引した。

*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開になりそうだ。メキシコ中銀は昨年4回の利上げを行った。1月(7.25%⇒7.50%)、6月(7.50%⇒7.75%)、11月(7.75%⇒8.00%)、12月(8.00%⇒8.25%)。その後は政策金利を8.25%で据え置いた。インフレ率を見ると今年に入って下落傾向を強め、直近では前期比+3.95%と中銀目標の上限である4%を下回っている。これを受けて、6月27日の中銀会合では、5人の政策メンバーのうち、1人が0.25%の利下げを主張した。また、据え置きに賛成した1人も、「インフレ率の鈍化が続けば比較的早期に利下げを行う必要がある」との見解を示した。

ロペスオブラドール大統領は先月29日、「経済成長を促すために利下げは重要だ」と話した。メキシコ経済は同政権誕生後、成長鈍化が目立っている。メキシコ銀行(中央銀行)の独立性は尊重するとしながらも、金融緩和による経済活性化を要望した。31日に発表されたメキシコの2019年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の季節調整済み速報値は前期(1~3月期)に比べて+0.1%だった。市場予想平均は-0.1%。サービス業などの第3次産業が+0.2%と牽引した。市場は前期に続くマイナス成長となり、景気後退局面に入ったと予想していたが、市場予想を上回る結果となった。1~6月期でも前年同期を上回った。ロペスオブラドール大統領は定例記者会見で「メキシコ経済は順調に成長している」と話したうえで、現状では今年の年間成長率の目標は2%増を維持するとの考えを示した。

18年12月に新政権が発足してから、新空港の建設中止や油田鉱区の入札無期延期などでメキシコの経済環境は混乱しており、投資の減少や消費低迷が続いているため、リセッション入りが予想されていたが、今回の数字は朗報となった。GDP発表前の29日、エレラ財務相は、総額250億ドル強の景気刺激策を発表した。インフラ整備や投資、民間消費を促進し、景気浮揚を図る。政府高官らによると、景気刺激策には税控除、モノとサービスへの政府支出の加速、インフラ基金の資金活用が含まれているという。エレラ氏は「インフラ事業の立ち上げを促進し、インフラ投資や民間消費を奨励する一連の措置に4850億ペソ(255億ドル)を投じる」と述べた。また、今年の政府支出を加速し、2020年以降に計画されていたモノとサービスの購入を前倒しすると語った。GDPはプラス成長となったものの辛うじてマイナス成長を逃れた状況ともいえる。市場では2019年後半には利下げに踏み切るとの見方が強まっている。今後は、景気刺激策や新NAFTA協定への期待からメキシコ経済の立ち直りが期待される。


【メキシコ経済指標】
5日月曜日
20:00 消費者信頼感前回107.5、予想106.7

8日木曜日
20:00 7月消費者物価指数前年比前回3.95%、予想3.8%

9日金曜日
20:00 鉱工業生産前年比前回-3.3%、予想-1.2%


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*予想レンジ:5.25円~5.65円

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【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は軟調だった。追加利下げへの思惑が重石となった。アルバイラク財務相は30日、同国の中銀がインフレ抑制に向けて追加的な大幅利下げを実施することを想定していると語った。同時に、中銀の政策決定は経済指標に基づくものと強調し、政府の介入を巡る懸念払拭に努めた。

トルコ中央銀行は先週、政策金利の1週間物レポレートを4.25%ポイント引き下げ、19.75%とすることを決定。利下げは約4年半ぶりで、利下げ幅は2003年以降で最大。市場では2.5%程度の利下げが見込まれていた。今回の利下げは、チェティンカヤ前中銀総裁がエルドアン大統領による利下げ要求をかたくなに拒み続けて今月上旬に解任された後、新総裁の下で決定された。 アルバイラク財務相は記者会見で、利下げサイクルに突入したと言明。その上で「中銀は一連の指標に基づき、金融政策と金利を巡る決定を行うことを明確にしたい」と強調した。

*今週のトルコリラ円は、追加利下げ見通しを背景に上値の重い展開になりそうだ。トルコ中銀は7月25日の会合で、政策金利を4.25%ポイント引き下げ24.00%から19.75%とした。トルコ中央銀行は31日、2019年のインフレ率予想を14.6%から13.9%に引き下げた。エルドアン大統領の利下げ要求を拒み続けたチェティンカヤ前総裁に代わり今月就任したウイサル中銀総裁は、金利の調整余地が「かなりある」としたものの、インフレ目標を達成する手段の利用において中銀は独立性を確保しているとも述べた。

年内の金融政策運営について質問されたウイサル総裁は、今後、行動する余地はかなりあるとしたうえで「やり方、タイミング、規模は、かねて言っているように、物価や金融の動向次第になる。データに基づき決定していく」と述べた。エルドアン大統領は、トルコとの国境付近のシリア北東部を攻撃することを表明した。シリアの北東部は、米国が支援しているYPG(クルド組織)がいる地域で、彼らはシリアの北西から北東にかけ独立国を作ろうとしており、トルコはこれに大反対している。現在、北東、北西のクルド勢力が勢力を広げ、東西が連結にしようとしている。地政学リスクの高まりが懸念されそうだ。


【トルコ経済指標】
5日月曜日
16:00 7月消費者物価指数前年比前回+15.72%、予想+16.90%
16:00 7月生産者物価指数前年比前回+25.04%

9日金曜日
16:00トルコ6月経常収支前回+1.5億USD、予想-2.0億USD


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*予想レンジ:18.50円~19.50円


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【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は下落した。格付け会社ムーディーズによる南ア国債の格下げ示唆やフィッチの見通し引き下げで、地合いが悪化している中、じり安となった。南アフリカの国営電力会社エスコムの損失は、過去最大の207億ランドだった。

ただ、予想よりも低かったようだ。とはいえ、年間損失が2017年の23億ランドから207億ランドと9倍に拡大しているため、市場の警戒感は強まった。南アフリカ第2四半期失業率は29.0%、前回27.6%より悪化した。ラマポーザ大統領は、2018年の就任時に27万5000人の雇用を約束していたが、この状況では難しいと見られ、今後の国内総生産(GDP)への影響が懸念された。また、米中通商協議の難航が予想されたことも南アランドには重石となった。

*今週の南アランド円は、上値の重い展開が続きそうだ。国営電力会社エスコムの損失額が市場予想よりも少なかったことは安心感を与えたが、依然として7月末に辞任したハデベ前最高経営責任者(CEO)の後任が決定していないことが市場の不安を高めている。今年に入り、南アフリカからの資金流失は債券市場を中心に進んでおり、南アランドを押し下げている。

ラマポーザ大統領を巡る違法献金問題で、大統領が来年には辞職に追い込まれる可能性があることも、市場の不透明感を高めている。週明け5日には中国の景気減速が鮮明になり、人民元が2008年の金融危機以降で初めて対ドルで7元台まで下落したことも南アランドには重石となろう。


【南アフリカ経済指標】
7日水曜日
15:00 7月外貨準備高[Net]前回439.4億USD、予想437.5億US18:30
       7月SACCI景況感指数前回93.3、予想93.0D

8日木曜日
20:00 6月製造業生産前年比前回+1.0%、予想+1.7%
 
9日金曜日
南アフリカ[休日]女性の日

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*予想レンジ:6.90円~7.20円

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【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、戻り売りが継続しよう。週明け5日の東京市場におけるドル円相場は、日経平均株価の下落と米中貿易摩擦の激化を背景にドル売りが進み、105円台に下落した。105円台は、海外市場で今年1月上旬に付けて以来ほぼ7カ月ぶりの安値となる。また、上海市場で人民元が対ドルで7元台まで下落し、2008年5月以来、11年3カ月ぶりに安値を付けたことも、リスクオフモードを強め、円買いを後押しした。

米中貿易摩擦の長期化を受け、中国当局は元安容認の姿勢に転じたようだ。中国人民銀行(中央銀行)は声明で「一国主義や貿易保護主義、米国の対中追加関税見通しなどの影響で、元相場はやや下落した」と説明。7元台は過去にもあり、変動は「正常なこと」と強調した。中国の景気減速を受けて日経平均株価は500円以上も下落視、ドル円は一時105円75銭の安値をつけた。7月30-31日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利は0.25%ポイント引き下げられた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「下振れリスクに対する保険」とし、長期にわたり緩和政策が続くとの観測に否定的な見解を示した。しかし、トランプ大統領が1日、中国からの輸入品のうち現時点で制裁関税の対象となっていない3000億ドル(約32兆2300億円)相当に10%の関税を課すと発表し、9月1日から賦課されるとした。大統領はまた2500億ドル相当の中国製品への25%関税は継続するとも述べた。これらを受けて市場のリスクオフモードが強まり、ドル売り・円買いが強まった。

7月31日に上海で中国との貿易協議を終えたムニューシン財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は交渉の進展を報告できなかったことが背景にあるようだ。双方は9月上旬にワシントンで次回協議を行うが、輸入関税発動の成否については、予断を許さない状態が続きそうだ。

、パウエルFRB議長は7月のFOMCで、利下げサイクル入りを否定したが、CMEのFED WATCHによると、5日時点で9月の会合で0.25%ポイントの利下げ確率は83%を超えており、市場は追加利下げを見込んでいるようだ。さらに、これから本格化する日米通商協議では、9月の日米首脳会談での合意に向けて、米農案物の関税引き下げや自動車輸出の数量規制か関税導入、そして為替条項の導入の可能性等が想定される。交渉がすんなりいかない場合には、トランプ大統領のツイッターも警戒され、円高モードが強まる可能性がある。ドル円は戻り売りが優勢となろう。


<今週の主な経済指標>
国内経済関連は、6日に6月景気動向指数、7日に7月29-30日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、8日に7月景気ウォッチャー調査、6月国際収支、9日に4-6月期国内総生産(GDP、速報値)。海外経済関連は、5日に米7月ISM非製造業景況指数、8日に中国7月貿易収支、9日に中国7月消費者物価、中国7月生産者物価。

*CFTC建玉7月30日時点:ファンドのドル買い・円売りは4218枚(前週比-5159枚)と減少した。総取組高は13万8842枚と前週比2597枚の増加。

yen0805


*予想レンジ:105.00円~109.00円


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