*週末27日のNY外国為替市場のドル円は、米中貿易協議の進展に対する懐疑的な見方から107円台後半で堅調に推移した。107円88~98銭。米中両国が上旬に予定する閣僚級貿易協議の日程が10、11日に決まったと伝わったほか、中国が米産品の輸入拡大に前向きなどとの報が好感され、一時108円台前半で推移していた。8月米個人消費支出(PCE)物価指数は引き続きインフレ圧力の鈍さを示したほか、同月の耐久財受注統計では設備投資の先行指標とされる項目がマイナスに転じた。しかし、トランプ政権が米投資ファンドなどによる中国への投資規制を検討していると報じられると、安全資産とされる円を買い戻す動きが強まり、一時107円79銭まで軟化した。
CFTC建玉9月24日時点:ファンドのドル売り・円買いは1万2783枚(前週比-1万1079枚)と減少。総取組高は14万2026枚と前週比1万1086枚の増加。
*週末27日のNY金は反落。1506.40ドル(-8.80)。19日以来約1週間ぶりの安値となった。一時1493.30ドルと、心理的な節目の1500ドルを割り込んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)高官らが、今後の追加利下げについて慎重な姿勢を相次いで示したことも、金利を生まない資産である金の重石になった。ただ、市場のリスク警戒感は依然根強く、押し目買いが入り下げ幅を縮小、1500ドル台を回復した。米大手銀が公表した週間調査によると、25日までの1週間は、米中貿易協議をめぐる不透明感や米政局不安などを背景に安全資産としての金需要が拡大し、貴金属ファンドに過去2番目の規模の資金が流入したと伝わった。関係筋によると、トランプ米大統領による中国銘柄の米株式市場での上場廃止検討は、米国の対中投資を制限する取り組みの一環とみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)が10月に再び利下げをするかどうか疑念が生じる中、ドルは3週間ぶりの高値を付け、金相場は一時1.3%安となった。
CFTC建玉9月24日時点:ファンドの金買い越しは31万2444枚(前週比+2万9845枚)と増加。総取組高は65万8944枚と前週比2万7954枚の増加。
白金は下落。936.10ドル(-6.60)。
パラジウムは高い。1652.90ドル(+10.00)。
CFTC建玉9月24日時点:ファンドの白金買い越しは3万4979枚(前週比+1331枚)と増加。総取組高は9万1821枚と前週比6462枚の減少。
*週末27日のNY原油は4日続落。55.91ドル(-0.50)。ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は27日、関係筋の話としてサウジアラビアがイエメンで部分停戦に動いたと報じた。イエメンの反政府武装組織フーシ派は先週、イエメンでの一方的な停戦を表明していた。国連総会から帰国したイランのロウハニ大統領が、英仏独3カ国の首脳から「交渉に応じれば米国は制裁を解除する」と促されたことを明らかにしたことも、原油売りの材料となった。石油関連施設が攻撃を受けたサウジアラビアの産油量も予想より速いペースで回復した。ままた、ブルームバーグ通信は27日、トランプ政権が米投資ファンドなどによる中国への投資に対する規制を検討していると報道。米中貿易摩擦激化への懸念が強まり、米株価が下落したため、株式と並んでリスク資産である原油も売られた。国際エネルギー機関(IEA)は、景気が世界的に悪化した場合、2019、20両年の石油需要見通しを下方修正する可能性を示唆した。また、世界最大の原油輸入国である中国の工業企業利益は、8月に減少した。北海ブレント原油は、61.91ドル(-0.83)。
CFTC建玉9月24日時点:ファンドの原油買い越しは42万4162枚(前週比-2943枚)と減少。総取組高204万8088枚と前週比2万4953枚の減少。
*週末27日のシカゴトウモロコシは3日続落。371.50セント(-1.00)。米農務省が30日に公表する四半期の在庫報告を控えたポジション調整のため、テクニカルな売りが出た。天気予報によると、収穫が迫る米中西部の作物の収量減リスクは低下している。
CFTC建玉9月24日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは4万1921枚(前週比+3181枚)と増加。総取組高は161万5504枚と前週比1万0285枚の減少。
シカゴ大豆は3日続落。883.00セント(-5.50)。30日に米農務省が公表する四半期在庫報告を控えたポジション調整のため、テクニカルな売りが出た。米農務省は27日、民間の輸出業者が中国向けに2019~20年度産の米大豆12万6000トンを売却したと発表した。
CFTC建玉9月24日時点:ファンドの大豆買い越しは1235枚(前週比+1万1031枚)と買い越しに転じた。総取組高は69万0291枚と前週比2万0553枚の増加。
*週末27日のNYダウは、トランプ政権による対中証券投資制限の検討を嫌気し、続落した。2万6820.25ドル(-70.87)。米CNBCテレビが26日に米中両政府が来月10、11日にワシントンで閣僚級の貿易協議を開く予定だと報じ、交渉進展への期待からダウは一時120ドル超上昇した。しかし、ブルームバーグ通信が、トランプ政権が米国から中国企業への証券投資の制限を検討していると報道。米市場に上場している中国企業の上場廃止も検討しているとも伝えられた。報道を受けて、株式市場では一転して米中対立の激化の懸念が高まり、175ドル安まで下げ幅を拡大する場面もあった。米中貿易摩擦に加え、トランプ大統領の弾劾訴追をめぐる不透明感もあり、買いが続かない状態。
【30日の経済指標】
08:50 (日) 8月 小売業販売額 [前年同月比] -2.0%
08:50 (日) 8月 百貨店・スーパー販売額(既存店) [前年同月比] -4.8%
08:50 (日) 8月 鉱工業生産・速報値 [前月比] 1.3%
08:50 (日) 8月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比] 0.7%
09:00 (NZ) 9月 NBNZ企業信頼感 -52.3
10:00 (中) 9月 製造業購買担当者景気指数(PMI) 49.5 49.6
10:45 (中) 9月 Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI) 50.4 50.2
14:00 (日) 8月 新設住宅着工戸数 [前年同月比] -4.1%
15:00 (南ア) 8月 マネーサプライM3 [前年同月比] 8.28%
16:00 (トルコ) 8月 貿易収支 -31.9億ドル
16:55 (独) 9月 失業率 5.0%
17:30 (英) 4-6月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前年同期比] 1.2%
17:30 (英) 4-6月期 四半期経常収支 -300億ポンド
18:00 (欧) 8月 失業率 7.5%
21:00 (独) 9月 消費者物価指数(CPI、速報値) [前年同月比] 1.4%
21:00 (南ア) 8月 貿易収支 -29.0億ランド
22:45 (米) 9月 シカゴ購買部協会景気指数 50.4 50.0
第227回
『おしえて陳さん』
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*マーケットスクランブル出演
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