テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2019年09月

9月30日(月)
【9月27日の海外相場および市況】
ny0927

*週末27日のNY外国為替市場のドル円は、米中貿易協議の進展に対する懐疑的な見方から107円台後半で堅調に推移した。107円88~98銭。米中両国が上旬に予定する閣僚級貿易協議の日程が10、11日に決まったと伝わったほか、中国が米産品の輸入拡大に前向きなどとの報が好感され、一時108円台前半で推移していた。8月米個人消費支出(PCE)物価指数は引き続きインフレ圧力の鈍さを示したほか、同月の耐久財受注統計では設備投資の先行指標とされる項目がマイナスに転じた。しかし、トランプ政権が米投資ファンドなどによる中国への投資規制を検討していると報じられると、安全資産とされる円を買い戻す動きが強まり、一時107円79銭まで軟化した。

CFTC建玉9月24日時点:ファンドのドル売り・円買いは1万2783枚(前週比-1万1079枚)と減少。総取組高は14万2026枚と前週比1万1086枚の増加。


*週末27日のNY金は反落。1506.40ドル(-8.80)。19日以来約1週間ぶりの安値となった。一時1493.30ドルと、心理的な節目の1500ドルを割り込んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)高官らが、今後の追加利下げについて慎重な姿勢を相次いで示したことも、金利を生まない資産である金の重石になった。ただ、市場のリスク警戒感は依然根強く、押し目買いが入り下げ幅を縮小、1500ドル台を回復した。米大手銀が公表した週間調査によると、25日までの1週間は、米中貿易協議をめぐる不透明感や米政局不安などを背景に安全資産としての金需要が拡大し、貴金属ファンドに過去2番目の規模の資金が流入したと伝わった。関係筋によると、トランプ米大統領による中国銘柄の米株式市場での上場廃止検討は、米国の対中投資を制限する取り組みの一環とみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)が10月に再び利下げをするかどうか疑念が生じる中、ドルは3週間ぶりの高値を付け、金相場は一時1.3%安となった。

CFTC建玉9月24日時点:ファンドの金買い越しは31万2444枚(前週比+2万9845枚)と増加。総取組高は65万8944枚と前週比2万7954枚の増加。


白金は下落。936.10ドル(-6.60)。
パラジウムは高い。1652.90ドル(+10.00)。

CFTC建玉9月24日時点:ファンドの白金買い越しは3万4979枚(前週比+1331枚)と増加。総取組高は9万1821枚と前週比6462枚の減少。


*週末27日のNY原油は4日続落。55.91ドル(-0.50)。ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は27日、関係筋の話としてサウジアラビアがイエメンで部分停戦に動いたと報じた。イエメンの反政府武装組織フーシ派は先週、イエメンでの一方的な停戦を表明していた。国連総会から帰国したイランのロウハニ大統領が、英仏独3カ国の首脳から「交渉に応じれば米国は制裁を解除する」と促されたことを明らかにしたことも、原油売りの材料となった。石油関連施設が攻撃を受けたサウジアラビアの産油量も予想より速いペースで回復した。ままた、ブルームバーグ通信は27日、トランプ政権が米投資ファンドなどによる中国への投資に対する規制を検討していると報道。米中貿易摩擦激化への懸念が強まり、米株価が下落したため、株式と並んでリスク資産である原油も売られた。国際エネルギー機関(IEA)は、景気が世界的に悪化した場合、2019、20両年の石油需要見通しを下方修正する可能性を示唆した。また、世界最大の原油輸入国である中国の工業企業利益は、8月に減少した。北海ブレント原油は、61.91ドル(-0.83)。


CFTC建玉9月24日時点:ファンドの原油買い越しは42万4162枚(前週比-2943枚)と減少。総取組高204万8088枚と前週比2万4953枚の減少。


*週末27日のシカゴトウモロコシは3日続落。371.50セント(-1.00)。米農務省が30日に公表する四半期の在庫報告を控えたポジション調整のため、テクニカルな売りが出た。天気予報によると、収穫が迫る米中西部の作物の収量減リスクは低下している。

CFTC建玉9月24日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは4万1921枚(前週比+3181枚)と増加。総取組高は161万5504枚と前週比1万0285枚の減少。


シカゴ大豆は3日続落。883.00セント(-5.50)。30日に米農務省が公表する四半期在庫報告を控えたポジション調整のため、テクニカルな売りが出た。米農務省は27日、民間の輸出業者が中国向けに2019~20年度産の米大豆12万6000トンを売却したと発表した。

CFTC建玉9月24日時点:ファンドの大豆買い越しは1235枚(前週比+1万1031枚)と買い越しに転じた。総取組高は69万0291枚と前週比2万0553枚の増加。


*週末27日のNYダウは、トランプ政権による対中証券投資制限の検討を嫌気し、続落した。2万6820.25ドル(-70.87)。米CNBCテレビが26日に米中両政府が来月10、11日にワシントンで閣僚級の貿易協議を開く予定だと報じ、交渉進展への期待からダウは一時120ドル超上昇した。しかし、ブルームバーグ通信が、トランプ政権が米国から中国企業への証券投資の制限を検討していると報道。米市場に上場している中国企業の上場廃止も検討しているとも伝えられた。報道を受けて、株式市場では一転して米中対立の激化の懸念が高まり、175ドル安まで下げ幅を拡大する場面もあった。米中貿易摩擦に加え、トランプ大統領の弾劾訴追をめぐる不透明感もあり、買いが続かない状態。


【30日の経済指標】
08:50   (日) 8月 小売業販売額 [前年同月比]  -2.0%   
08:50   (日) 8月 百貨店・スーパー販売額(既存店) [前年同月比]  -4.8% 
08:50   (日) 8月 鉱工業生産・速報値 [前月比]  1.3%   
08:50   (日) 8月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比]  0.7%   
09:00   (NZ) 9月 NBNZ企業信頼感  -52.3   
10:00   (中) 9月 製造業購買担当者景気指数(PMI)  49.5  49.6 
10:45   (中) 9月 Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)  50.4  50.2 
14:00   (日) 8月 新設住宅着工戸数 [前年同月比]  -4.1%   
15:00   (南ア) 8月 マネーサプライM3 [前年同月比]  8.28%   
16:00   (トルコ) 8月 貿易収支  -31.9億ドル
16:55   (独) 9月 失業率  5.0% 
17:30   (英) 4-6月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前年同期比]  1.2%  
17:30   (英) 4-6月期 四半期経常収支  -300億ポンド   
18:00   (欧) 8月 失業率  7.5% 
21:00   (独) 9月 消費者物価指数(CPI、速報値) [前年同月比]  1.4% 
21:00   (南ア) 8月 貿易収支  -29.0億ランド
22:45   (米) 9月 シカゴ購買部協会景気指数  50.4  50.0 


第227回
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【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は、横ばいで推移した。サウジアラビアの石油施設攻撃を受けてリスクオフモードが強まり、新興国通貨全般が売られた。ナレ・エネルギー相は18日、サウジアラビアの石油関連施設への無人機攻撃を受けて原油相場が急騰したことについて「一時的なものであり、続かない」と述べ、来年度予算に組み込まれている石油価格の修正は必要ないとの認識を示した。サウジアラビアのエネルギー相が攻撃で停止した石油生産が月内に復旧すると述べたことを受け、メキシコペソは堅調に推移した。

石油供給を巡る懸念が後退したことで、メキシコの主要株式指数も上昇した。格付け会社S&Pグローバル・レーティング(S&P)は13日、メキシコ政府が2020年の経済成長率を1.5~2.5%と予測しているのは楽観的すぎるとの見方を示した。政府の経済見通しは先週、来年の予算案の一環として発表された。S&Pは、メキシコ政府が来年の原油生産高を日量190万バレルと見積もっているが、達成できないリスクがあると指摘した。メキシコの現在の産油量は平均で日量約170万バレル。


*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開になりそうだ。今週は26日にメキシコ中銀会合が開催される。ロイター調査によると、メキシコ中央銀行は、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げて8.00%から7.75%にする見通し。インフレ圧力が緩和している上、米国の利下げと足並みをそろえることが背景。メキシコ経済が第1四半期にマイナス成長、第2四半期にゼロ成長となったのを受け、中銀は8月15日の会合で2014年6月以来初めて利下げを実施していた。8月の消費者物価指数が予想を下回り、約3年ぶりの低い上昇率となったため、中銀の利下げ余地は拡大している。

米連邦準備理事会(FRB)の利下げにより、メキシコ中銀も金融市場を不安定化させることなく景気を刺激できる余地を得たため、ほぼ確実に25bpの追加利下げを実施するとの見方が有力視されている。ペンス米副大統領は17日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」について、年内の議会承認を楽観しているとし、新協定が米経済の勢いを後押しするとの見方を示した。ペンス副大統領は、USMCAは「非常に進歩的かつ包括的」であり、英国や欧州連合(EU)、日本、さらには中国との将来の通商協定のひな形になり得るとの考えを示した。

【メキシコ経済指標】
24日火曜日
20:00 隔週消費者物価指数前年比前回3.29%、予想3.2%

25日水曜日
20:00 失業率前回3.7%、予想3.7%

26日木曜日
27:00メキシコ中銀政策金利前回8.00%、予想7.75%

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*予想レンジ:5.30円~5.60円


情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
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【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は上値の重い展開だった。サウジアラビアの石油施設攻撃を受けてリスクオフモードが強まり、新興国通貨全般が売られた。特にトルコは中東にありながらエネルギーの純輸入国で、原油価格の上昇は景気に下押し要因になることが嫌気された。6月失業率は13.0%になり前回12.8%と悪化した。若者層(15-24歳)の失業率が5.4%増加し24.8%になった。トルコ経済の足かせとなっており、シリアからの難民が職を奪っているようで、トルコ国民の不満が高まっている状況。難民が更に増えるようであれば、失業率が増加しエルドアン政権への不満が高まるとしてリラの売り要因になった。難民問題では、現在、シリア・アサド政府軍がイドリブを侵攻しようとしており、トルコへの難民が押し寄せる懸念が高まっている。

*今週のトルコリラ円は、保ち合いで推移しそうだ。トルコの政治経済状況を見ると、ロシア製ミサイルS400を巡る米国及びNATO同盟国との関係悪化懸念や、シリア北部を巡る地政学的リスク、外貨準備急減を背景としたリラ安防衛能力への不信感、トルコ経済を巡る先行き不透明感、エルドアン大統領による中銀への介入懸念、エルドアン政権の支持率低下など、不安材料は多い。にもかかわらず、連続利下げを経て堅調に推移しているのは、欧米が金融緩和を強める中、相対的に利回りが高いことが要因だろう。

今週は、ニューヨークで開催される国連総会にて、エルドアン大統領とトランプ大統領の首脳会談が予定されている。「ロシア製ミサイルS400」に関連した両首脳のやり取りに影響される可能性があるため注意が必要だろう。ただ、両国とも貿易を拡大することが本意のようで、ミサイル問題でトランプ大統領がトルコを厳しく非難することはないと予想している。トルコ中銀は各銀行にローン融資を促し、この融資額が目標に達成しない場合、各銀行が中銀に預けてる準備金の利息を支払わないという策を講じている。銀行に融資を強制させる方法で、景気を良くしようとする試みのようだが、格付け会社ムーディーズはこの件について、トルコ中銀の融資政策は不良債権を生むリスクが高まると述べた。国際通貨基金(IMF)は、トルコの2019年の成長率予測を-2.5%から+0.25%に大きく引き上げた。ただ、持続性については疑問視している。

【トルコ経済指標】
24日火曜日
時間未定:エルドアン・グテーレス国連事務総長会談(予定)
16:00トルコ9月景気動向指数前回102.1   
16:00トルコ9月設備稼働率前回76.6%

25日水曜日
時間未定:エルドアン・トランプ会談(予定)

27日金曜日
16:00トルコ9月経済信頼感前回87.1

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*予想レンジ:17.50円~19.50円

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【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は下落した。サウジアラビアの石油施設攻撃を受けてリスクオフモードが強まり、新興国通貨全般が売られた。しかし、米中通商摩擦回避への期待感が高まると、売りは長続きせず、7円前半を中心にもみ合いとなった。注目された8月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.3%、前回+4.0%、予想+4.2%。予想より高い内容となった。食品や飲料価格が上昇したことで、インフレが高まったようだ。中でも、穀物の価格が急上昇し、トウモロコシは18%近く高くなったという。

南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は19日、政策金利を6.50%に据え置いた。据え置きは予想通り。南ア中銀はインフレ率が目標レンジの中間近辺にとどまることを望むとし、2019年の経済成長率予想を0.6%に据え置いた。一方、インフレ率予想は20年は1.5%、21年は1.8%にそれぞれ下方修正した。経済の多くの部門が弱体化していることに懸念を示し、潜在成長率の押し上げには構造改革が必要との見解を改めて示した。

*今週の南アランド円は、保ち合いで推移しそうだ。南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は19日、政策金利を年6.5%に据え置くと発表した。据え置きは3会合連続。新興国通貨安で経常赤字国である南アの通貨ランドにも下落圧力がかかるが、インフレは落ち着いており、利上げの必要はないと判断したようだ。8月のインフレ率は前年同月比4.9%と、7月実績の5.1%から0.2ポイント縮小。SARBがインフレ目標と設定する3~6%の範囲に収まり、利上げの必要性は薄れていた。ただ、SARB総裁は会合後、「インフレのリスクが顕在化し続けている」と物価上昇に警戒感を示した。3人の委員が利上げを支持しており、市場では「近い将来、利上げに踏み切る」との観測も出ている。

しかし、南ア中銀は今年のインフレ予測と来年および再来年の経済成長予測を下方修正し、金融緩和の余地があることを示唆した。国営電力会社エスコム・ホールディングスの救済負担による財政リスクや、ムーディーズ・インベスター・サービスが格付けをジャンク級(投機的水準)に引き下げる可能性もあり、経済の不確実性が高い状況で南アランド円は上値の重い展開になりそうだ。

【南アフリカ経済指標】
25日水曜日
16:00 南ア7月景気先行指数前回103.4

26日木曜日
18:30 南ア8月生産者物価指数前年比前回+4.9% 予想+4.6%
19:30 南ア第2四半期非農業部門雇用者前年比前回+0.8%


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*予想レンジ:7.10円~7.40円

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【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。週明け23日のNY市場は、世界経済の減速懸念を背景に安全資産とされる円買いが継続し、107円台半ば近辺で推移した。米中両国は19日からワシントンで次官級貿易協議を開催したが、20日に中国の代表団が米農家の視察を中止して帰国。貿易協議の進展期待が後退し、リスクオフに傾いた。9月のドイツPMI速報値が49.1と、6年半ぶりに50を下回った。9月のユーロ圏総合購買担当者景況指数(PMI)速報値も50.4となり、2013年半ば以来の水準に低下した。ユーロ圏の景気減速が懸念されユーロが急落し、ドル円も連れ安となった。米国の総合PMIは、9月速報値が51.0と、8月確報値の50.7から小幅上昇したものの、米中貿易交渉の長期化に対する警戒感から世界経済の減速懸念が強まりドル円は107円台前半から半ばのレンジでもみ合った。

17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を0.25%引き下げ、年1.75~2.00%にすることを決めた。米中貿易摩擦や世界経済の減速を受けて不透明感が強まっていると判断、約10年半ぶりとなった7月に続き、利下げに踏み切った。声明では景気が「緩やかに拡大したものの、貿易摩擦や世界経済減速、インフレ率の2%目標未達など先行きに不確実性が残っていると警戒感を表明し、景気拡大の持続に向け適切に行動するとして10月以降の追加金融緩和に含みを残した。パウエル議長は「リスクに対する保険を掛ける措置」と説明。予防的な利下げとして小幅な金融緩和にとどめたとの考えを示した一方で、景気が悪化すればより積極的な利下げが適切との姿勢も示した。ただ、今回の政策決定では、投票権を持つ10人のうち3人が0.25%の利下げに反対。1人は0.5%の大幅利下げを主張し、2人が据え置きを求めた。反対が7月から1人増え、政策運営が難しくなっていることが判明した。

ダラス連邦準備銀行のカプラン総裁は20日、FRBの金融政策に関して、「年内の追加利下げ判断には傾いていない」と述べ、2020年に1回の追加引き下げを見込んでいると明らかにした。年内の追加利下げに関しては、やはり今後の経済指標次第になりそうだ。

今週発表される8月消費者信頼感指数や4-6月期国内総生産(GDP)確報値、8月個人消費支出などの経済指標は注目されよう。結果が市場予想を下回った場合、年内追加利下げ観測が再び広がりドルの上値は重くなろう。逆に、良好な内容であれば、ドル買いが強まろう。10月上旬頃に予定されている閣僚級の米中協議で貿易・通商分野での合意形成が期待されているものの、トランプ大統領は「選挙前に合意成立必要ない」、「知的財産権の問題が大きな課題」との見方を示した。

先週末、中国代表団が米国の農場視察を取りやめたことで市場の懸念は高まったが、これは米国の要請によるものだったようだ。中国の劉鶴副首相は協議のために再び訪米する。しかし、米中貿易摩擦が完全に解消されるとの期待が持てない以上、現状のドルの戻りは限定的だろう。トランプ大統領に非公式に助言しているハドソン研究所の中国戦略専門家マイケル・ピルズベリー氏は、貿易協定が迅速に合意されない場合、トランプ大統領には中国との貿易摩擦を激化させる用意があるとし「関税の引き上げは可能で、低水準の関税を50%や100%に引き上げる可能性がある」と述べた。

期待されていた日米通商交渉は24日、土壇場で難航したようだが、茂木外相は「日米貿易交渉は全て終了した」と述べ、閣僚間で貿易協定に合意したことを明らかにした。25日に予定されている日米首脳会談で最終合意し、文書に署名する方針で、共同声明も公表することになった。米国による自動車の追加関税については発動しないことを共同声明に明記する方針を示した。また数量規制を実施しないことも盛り込まれる見通し。


<今週の主な経済指標>
23日は独PMI、ユーロ圏PMI、米PMI、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会で証言、24日は米FHFA住宅価格指数、米消費者信頼感指数、独IFO企業景況感指数、25日はNZ中銀政策金利発表、米・国連総会で日米首脳会談、26日は工作機械受注(日本)、米GDP確報値(4-6月)、ECB経済報告、ドラギECB総裁講演、27日は米耐久財受注、米個人消費支出など。

*CFTC建玉9月17日時点:ファンドのドル売り・円買いは2万3862枚(前週比-8729枚)と減少。総取組高は13万0940枚と前週比2万0457枚の減少。

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*予想レンジ:105.50円~108.50円


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9月25日(水)
【9月24日の海外相場および市況】
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*24日のNY外国為替市場では、トランプ大統領に対する弾劾手続きの開始を求める動きをきっかけに円買い・ドル売りが進行し、ドル円相場は107円台前半に下落した。107円03〜13銭。24日、野党民主党のペロシ下院議長がトランプ大統領の弾劾手続き開始を支持する考えを表明した。これを受けて、米政局に不透明感が生じ、債券が買われて長期金利が低下し、円買い・ドル売りの動きが広がった。9月米消費者景気信頼感指数は125.1と、前月から低下した。市場予想の133.5も下回り、米景気先行きに警戒感が広がったこともドル売り・円買い要因となった。

*24日のNY金は、米イラン間の緊張の高まりなどを背景に買われ、3営業日続伸した。1540.20ドル(+8.70)。ムニューシン財務長官は23日、米中の閣僚級貿易協議が10月第2週にワシントンで開かれると明らかにした。両国による協議への期待感から安全資産である金には売りが強まった。ただ、トランプ大統領は24日の国連総会で一般討論演説を行い、イランに関し経済制裁を中心にした「最大限の圧力」で対話に導く方針への同調を各国に求めたほか、中国についても香港情勢や不公正な貿易慣行に触れ、牽制した。これを受けて、金は再び安全資産として買われた。トランプ米大統領に対する弾劾手続きを求める声が上がる中、株価が下落したほか、9月の米消費者景気信頼感指数が期待外れな内容になり、金相場を一段と押し上げた。

NY白金は4日続伸。955.40ドル(+1.50)。
パラジウムも高い。1646.40ドル(+20.80)。

*24日のNY原油は、需給の先行き不透明感や米中貿易協議への懸念などを背景にリスク回避の売りが優勢となり、反落した。57.29ドル(-1.35)。14日のサウジアラビア石油施設への攻撃で減少した原油生産の75%以上が回復し、来週初めには完全復旧するとの見通しが報道された。一方、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、産油量の完全復旧には当初の想定以上の時間を要する可能性があるとの政府筋の話を報じ、供給をめぐる情報が錯綜した。日欧の製造業関連指標や9月米消費者景気信頼感指数がそろって悪化したことは原油需要の先行き不透明感につながった。さらに、米中貿易協議をめぐる懸念が再燃し、相場は一時56.85ドルまで下落した。トランプ大統領は24日、国連総会の一般討論演説で、中国の不公正な貿易慣行を名指しで批判。米中閣僚級協議の日程が10月第2週に固まったとの報を受けて広がっていた楽観ムードを打ち消す格好となった。このため、米株価は下げ幅を拡大、株式と並んでリスク資産とされる原油にも一段の売り圧力がかかった。北海ブレント原油は、63.10ドル(-1.67)。

*24日のシカゴトウモロコシは続伸。374.75セント(+1.50)。テクニカルな買いが入り上げに転じた。ただ、米農務省が発表したリポートで、作柄が予想よりも良かったことが上げ幅を抑制した。9月22日時点の米トウモロコシの作柄は、優か良が占める割合が57%で、前週から2%ポイント改善し、横ばいにとどまるとの市場予想を上回った。

シカゴ大豆は続伸。894.25セント(+1.75)。中国の需要に関する楽観論が新たに広がった。中国は米国との閣僚級協議を前に友好的な姿勢を示すため、米国産大豆を購入する複数の輸入業者に対し、報復関税を免除した。

*24日のNYダウは、トランプ大統領に対する弾劾手続き開始を求める動きを嫌気して反落した。2万6807.77ドル(-142.22)。ムニューシン財務長官が23日、米中の閣僚級貿易協議が10月第2週にワシントンで開かれると表明。貿易戦争の緩和期待からダウは一時130ドル近く上昇した。その後、トランプ大統領が24日の国連総会での一般討論演説で、中国の不公正な貿易慣行を名指しで非難。「有害な合意は受け入れない」と強硬姿勢を示したことで楽観ムードは消散し、ダウは上げ幅を削り、マイナス圏に沈んだ。9月米消費者景気信頼感指数が大幅低下したことも嫌気された。また、大統領が野党民主党のバイデン前副大統領の次男に関係する疑惑を調査するようウクライナに圧力をかけたとされる問題で、民主党内では24日、大統領に対する弾劾手続き開始を求める動きが高まった。同党では有力議員が弾劾訴追に賛意を表明したほか、ペロシ下院議長が弾劾調査の開始を表明する見通しと報じられた。政治混乱への懸念から一時245ドル安まで下落した。


【25日の経済指標】
07:45   (NZ) 8月 貿易収支  -6.85億NZドル   
08:50   (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨 
08:50   (日) 8月 企業向けサービス価格指数 [前年同月比]  0.5%  0.5% 
11:00   (NZ) NZ準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利  1.00%  1.00% 
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  -0.1% 
23:00   (米) 8月 新築住宅販売件数 [年率換算件数]  63.5万件  65.3万件


第226回
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*マーケットスクランブル出演
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9月23日(月)
【9月20日の海外相場および市況】
nny0920

*週末20日のNY外国為替市場のドル円は、米中貿易協議の進展期待が後退してリスク回避の円買いが優勢となり、107円台半ばに下落た。107円50~60銭。米中は19日からワシントンで次官級の貿易協議を開催したが、20日には中国の代表団が来週の米農家視察を中止し、予定を切り上げて帰国すると伝わった。それまでの協議進展への期待が急速にしぼんで投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産としての円買いが台頭した。トランプ大統領は20日、米中協議について部分合意ではなく「完全な合意」を望むと述べ、中国が先週再開した米農産物の購入では不十分との見解も示した。中東情勢をめぐる地政学的リスクへの警戒も円高地合いを支えた。米政府は20日、新たにイラン中央銀行に対する制裁措置を発表。サウジアラビアの石油関連施設への攻撃を受け、米国などが関与を主張するイランへの圧力をさらに強化した。

CFTC建玉9月17日時点:ファンドのドル売り・円買いは2万3862枚(前週比-8729枚)と減少。総取組高は13万0940枚と前週比2万0457枚の減少。


*週末20日のNY金は、中東情勢の緊迫化への懸念や米中貿易協議をめぐる先行き不透明感から安全資産としての金が買われ、反発した。1515.10ドル(+8.90)。米政府は20日、新たにイラン中央銀行に対する制裁措置を発表した。サウジアラビアの石油関連施設への攻撃を受け、米国などが関与を主張するイランへの圧力をさらに強化した。これを受けて中東情勢が緊迫化するとのリスク警戒感が再燃し、「有事の安全資産」とされる金は買い戻しが活発化した。さらに米中貿易協議の先行き不透明感が浮上し、清算値確定間際に買いに拍車が掛かった。19日から開催の米中次官級貿易協議のためワシントンを訪れている中国代表団が、来週の農家視察を中止し、予定を切り上げて帰国するとの報道がきっかけ。米中の閣僚級貿易協議を10月上旬に控え、協議の進展期待に水を差された格好となった。

CFTC建玉9月17日時点:ファンドの金買い越しは28万2599枚(前週比+1万2874枚)と増加。総取組高は63万0990枚と前週比1万62387枚の増加。


白金は小幅続伸。942.60ドル(+0.20)。
パラジウムも続伸。1625.00ドル(+12.40)。


CFTC建玉9月17日時点:ファンドの白金買い越しは3万3648枚(前週比-1271枚)と減少。総取組高は9万8283枚と前週比3805枚の増加。


*週末20日のNY原油は、米中貿易協議の行方に警戒感が広がり、小反落した。58.09ドル(-0.4)。米中は19日から次官級の貿易協議を開催したが、中国の代表団が、来週予定していた米モンタナ州の農家視察を中止したと報じた。これを受けて、協議への懸念が再び台頭。米株式相場がマイナス圏に沈むなど投資家のリスク回避姿勢が強まり、原油にも売りが広がった。ただ、週末や納会を控えてポジション調整目的の買い戻しが入ったこともあり、下値は堅かった。熱帯低気圧「イメルダ」による洪水で一部の主要製油所の稼働が停止したと伝わり、供給不安が広がったことで原油が買われたとの見方もあった。米政府は20日、新たにイラン中央銀行に対する制裁措置を発表。サウジアラビアの石油関連施設への攻撃を受け、イランへの圧力をさらに強化した。サウジをめぐる地政学的リスクがくすぶっていることも相場を支えた。北海ブレント原油は、64.28ドル(-0.12)。

CFTC建玉9月17日時点:ファンドの原油買い越しは42万8205枚(前週比+4万4048枚)と増加。総取組高208万0994枚と前週比1421枚の減少。


*週末20日のシカゴトウモロコシは反落。370.75セント(-2.00)。大豆相場安に加え、生育に好ましい好天が弱材料となった。天気予報によると、米中西部で降霜の兆しはないという。作付け作業が遅れたトウモロコシは、生育上、時間に余裕ができることになる。大豆は、中国の代表団が米農家の視察中止を受け、反落した。


CFTC建玉9月17日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは3万8740枚(前週比+3万1262枚)と増加、売り越しに転じた。総取組高は162万5789枚と前週比418枚の増加。


シカゴ大豆は反落。882.75セント(-10.25)。世界最大の大豆輸入国である中国は、米中貿易戦争により、この1年間、米国からの購入を削減している。中国の代表団が米国のモンタナ州、ネブラスカ州の農家視察を中止したことが嫌気された。

CFTC建玉9月10日時点:ファンドの大豆売り越しは4万6627枚(前週比-2万1643枚)と減少。総取組高は66万9501枚と前週比2万7369枚の増加。


*週末20日のNYダウは続落。2万6935.07ドル(-159.72)。米中両政府は19日からワシントンで次官級貿易協議を実施。10月初旬の閣僚級協議に向け、両国の緊張緩和への期待が高まっている。この他、中国人民銀行(中央銀行)が景気刺激策を表明したことも支えとなり、株価は中盤までプラス圏を維持していた。ただ、中国の代表団が来週予定していた米国内の農家視察を中止し、予定より早く帰国することが報じられると、協議の先行きへの不透明感が広がった。ダウはマイナス圏に転落した後、小動きで推移した。トランプ大統領はこれに先立ち「対中協議が大きく進展している」との見方を表明。米政府はこの日、昨年発動した対中制裁関税第1~3弾のうち437品目を適用対象から除外すると通知した。一方トランプ氏は、部分的でなく完全な合意を望む考えも示し、来年の大統領選前の対中合意が不要とも語った。協議進展期待の後退で、中国市場への依存度が高い銘柄を中心に売りが膨らんだ。


9月20日(金)
【9月19日の海外相場および市況】
ny0919

*19日のNY外国為替市場では、日米の金融政策決定会合を受けて円買い・ドル売りが進み、108円台前半に軟化した。108円01〜11銭。米連邦準備制度理事会(FRB)は18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、前回7月の会合に続いて0.25%の追加利下げを決定。一方、日銀は19日に開いた金融政策決定会合で、現在の大規模な金融緩和の維持を決めた。市場では日米金利差の縮小観測を背景に、円を買ってドルを売る動きが活発化した。9月フィラデルフィア連銀の製造業景況指数は12.0と前月の16.8から低下。8月景気先行指標総合指数は112.1と前月比横ばいとなり、予想より弱めだったが、いずれもドル円への影響は軽微だった。

*19日のNY金は、米連邦準備制度理事会(FRB)による前日の金融政策発表を受けて反落した。1506.20ドル(-9.60)。FRBは、前日の清算値確定後に政策金利の0.25%引き下げを発表した。利下げは予想通りだったが、公表された経済・金利見通しでは、今回で利下げが打ち止めとなることが示唆された。これを受けて、市場予想よりもFRBが追加利下げに慎重との見方が広がり、金の売り材料となった。サウジアラビアの石油施設への攻撃をきっかけとした地政学的リスク懸念が後退し、「質への逃避買い」が一服したことも金の下押し要因。

NY白金は反発。942.40ドル(+7.80)。
パラジウムも高い。1612.60ドル(+30.40)。


*19日NY原油は、ほぼ横ばい。サウジアラビアの石油関連施設への攻撃で生じた供給不足が想定より長引くのではないかとの懸念から買いが先行したものの、次第に売り戻された。58.13ドル(+0.02)。ウォール・ストリート・ジャーナルは19日、石油施設への攻撃を受けて不足した供給量を補うため、サウジが原油や石油製品の購入をイラクなど他の産油国に持ち掛けていると報じた。これを受けて、サウジの生産回復ペースに懐疑的な見方が浮上し、買いが優勢となった。ただ、サウジによる供給要請を否定するイラク国営通信社の報道が伝わると、上げ幅を一掃した。一方、トランプ大統領は前日、サウジへの攻撃に関し、イランが関与しているとみて、新たな制裁措置を「48時間以内に発表する」と表明。成り行きに注目が集まっている。北海ブレント原油は、64.40ドル(+0.80)。

*19日のシカゴトウモロコシは続伸。372.75セント(+1.50)。米農務省が発表した週間輸出成約高が市場予想を上回った。ただ、米中西部では広い範囲で作物にとって好ましい気温になることが見込まれており、上値は抑えられた。ブラジルなど他の供給国との輸出競争が相場の重石。ブラジルのトウモロコシ収穫量は2019〜20年度、初めて1億トンを上回る可能性がある。

シカゴ大豆は反発。893.00セント(+4.25)。米農務省が公表した週間輸出成約高が市場予想を上回ったことや、米中協議の再開で両国が合意に向かっているとの期待が支援要因。ただ、米中西部の大半で初秋にかけ平年を上回る気温が見込まれており、上値は重かった。

*19日のNYダウは、米中貿易協議の開始に伴い様子見姿勢が広がる中、3日ぶりに反落した。2万7094.79ドル(-52.92)。米中両政府はこの日ワシントンで、次官級貿易協議を開始。10月初旬の閣僚級協議に向けた地ならしの意味合いがあり、両国の直接協議は7月末以来約2カ月ぶりとなる。今月1日に互いの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」の一部を発動して以降、初めての顔合わせで、緊張緩和の糸口を見いだせるかに注目が集まっている。


【20日の経済指標】
08:30   (日) 8月 全国消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  0.5%   
08:30   (日) 8月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比]  0.6%08:30  
            (日) 8月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く) [前年同月比]  0.6% 
15:00   (独) 8月 生産者物価指数(PPI) [前月比]  0.1%
23:00   (欧) 9月 消費者信頼感(速報値)  -7.1 


第225回
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9月19日(木)
【9月18日の海外相場および市況】
ny0918

*18日のNY外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した経済・金利見通しなどを受けて円売り・ドル買いが優勢となり、108円台前半に上昇した。108円39〜49銭。FRBはこの日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の0.25%引き下げを決めた。声明では「先行きに不確実性が残っている」と指摘。「景気拡大の持続に向け適切に行動する」と今後の利下げに含みを持たせた。一方で、FOMC参加者による経済・金利見通しでは、2019年の利下げ想定回数(中央値)が7月と今回の利下げを含めて「2回」で打ち止めとなり、FRBは市場が予想していたよりも金融緩和に慎重だとの見方が浮上し、一時108円50銭近くまで上昇した。

*18日のNY金は、対ユーロでのドル安などを背景に買われ、3日続伸した。1515.80ドル(+2.40)。ドルが対ユーロで弱含みに推移し、ドル建て金は割安感から買われやすかった。また、米イラン間の緊張の高まりも安全資産とされる金相場の支援材料。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策発表を控えて、様子見が強く、小幅なレンジ内で推移した。FRBは政策金利の0.25%引き下げを発表。米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の経済・金利見通しで2019年の利下げ想定回数(中央値)が7月と今回の利下げを含めて「2回」で打ち止めとなった。年内1回の追加利下げを見込むFOMCメンバーが17人中7人にとどまったことから、想定よりも追加緩和に慎重との観測が浮上し、引け後の電子取引は大幅下落となり、1500ドルを割り込んでいる。

NY白金は反落。934.60ドル(-9.60)。
パラジウムも安い。1582.20ドル(-15.50)。

*18日のNY原油は、サウジアラビアの原油供給が想定以上に迅速に復旧するとの見通しが圧迫材料となり、続落した。58.11ドル(-1.23)。サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は17日、無人機攻撃の影響で落ち込んだ国営石油会社サウジアラムコの産油量が月内に攻撃前の水準に回復するとの見通しを発表した。これを受けて過度の供給不安が後退した。石油施設への攻撃に対し、米・サウジ両国が軍事的選択肢も含めたイランへの報復措置の検討を本格化させる構えを示し、地政学的リスクへの警戒感が強まっているものの、需給面ではサウジの減産分は現在の過剰在庫で吸収できるとの見方が浮上しており、相場の下押し要因となっているようだ。米エネルギー情報局(EIA)が発表した13日までの1週間の国内原油在庫は前週比110万バレル増と、市場予想の250万バレル減に反して、5週ぶりに積み増しとなった。ガソリン在庫は80万バレル増(予想は50万バレル減)、ディスティレートは(留出油)在庫は40万バレル増(同50万バレル増)。サウジ国防省は、記者会見を開き、イランからの攻撃の「明白な」証拠として、ドローン(小型無人機)とミサイルの残骸を公開した。これを受け、中東の緊張状態が継続した。また、トランプ米大統領は18日、イランへの制裁を大幅に強化するように命じた。北海ブレント原油は、63.60ドル(-0.95)。原油相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による今年2度目の0.25%幅の利下げ決定の後も圧迫された。

*18日のシカゴトウモロコシは反発。371.25セント(+3.25)。前日の下落を受けたショートカバーと小麦相場高が支援材料。ただ、米中西部で平年より高い気温が月末まで続くとの予報が相場の上げ幅を抑えた。温暖な天候は作物の成熟を加速させ、霜によって作物が打撃を受けるリスクを減らすとみられている。

シカゴ大豆は続落。888.75セント(-5.00)。米国の生産地の好天候予想と、最近の中国による米国産大豆の買い付け量をめぐる失望感が強まった。今後2週間で米中西部の大半において平年より高い気温が予想されているため、霜による単収蹴減少懸念が後退した。


*18日のNYダウは、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が景気悪化の際には積極的に利下げに踏み切る考えを示したことで小幅続伸した2万7147.08ドル(+36.28)。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日の金融政策会合で、市場の予想通り、0.25%の利下げを決定。貿易摩擦や世界経済の減速、インフレ率の2%目
標未達などを背景に「先行き不透明感が残っている」と利下げの理由を説明した。FRBは「景気拡大持続のため適切に行動する」とし、今後の追加利下げも示唆。ただ、会合参加者17人による今後の金利見通しの中央値が、年内の利下げ打ち止めを示したことから、ダウの下げ幅は拡大し、一時約211ドル安まで下げた。しかし、パウエル議長が会合後の記者会見で、景気が一段と悪化すれば積極的に利下げに踏み切る考えを表明すると、NYダウは上昇に転じた。19日からワシントンで開かれる米中の次官級貿易協議を前に、協議進展期待に支えられ中国事業への依存度が高い銘柄の一角にも買い戻しが入った


【19日の経済指標】
未定   (日) 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表  -0.10%   
未定   (南ア) 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利  6.50%  6.50% 
07:45   (NZ) 4-6月期 四半期国内総生産(GDP) [前年同期比]  2.5%   
10:30   (豪) 8月 新規雇用者数  4.11万人 
10:30   (豪) 8月 失業率  5.2% 
15:30   (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見 
16:30   (スイス) スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値  -0.75% 
17:00   (欧) 7月 経常収支(季調済)  184億ユーロ
17:30   (英) 8月 小売売上高(除自動車) [前年同月比]  2.9%  
17:30   (英) 8月 小売売上高 [前年同月比]  3.3%  2.6% 
20:00   (英) イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表  0.75%  0.75% 
20:00   (英) 英中銀資産買取プログラム規模  4350億ポンド  4350億ポンド 
20:00   (英) 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
21:30   (米) 4-6月期 四半期経常収支  -1304億ドル  -1257億ドル 
21:30   (米) 9月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数  16.8  10.8 
21:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数  
23:00   (米) 8月 景気先行指標総合指数 [前月比]  0.5%  0.1% 
23:00   (米) 8月 中古住宅販売件数 [年率換算件数]  542万件  539万件 


第225回
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【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は上昇した。メキシコ政府は9日、2020年度の予算案を連邦議会に提出した。19年比で1.5~2.5%の経済成長を前提に、歳入が今年度予算より0.4%増えると見込み、歳出を同0.8%増やす。メキシコ8月消費者物価指数は前年比3.16%、前回3.78%、予想3.2%とインフレの低下が確認された。エブラルド外相は10日、ワシントンでペンス副大統領らと不法移民問題について会合を開いた。会合でエブラルド氏は、治安部隊を動員した不法移民対策の効果が出ていると主張し、米側が求める追加対策を拒否する姿勢を示したという。

今回の会合は6月7日に、メキシコが米からの関税発動の無期延期と引き換えに約束した不法移民対策の効果について、両国が90日間で検証するとしていた合意に基づいて開かれた。会合後の記者会見でエブラルド氏は「メキシコの対策は効果が出ており、不法移民の減少傾向は今後も続く」と話した。ロペスオブラドール大統領は11日朝の定例会見で、不法移民対策を巡る米国との会合を受けて「関税の危機や脅威は遠のいた」と話した。不法移民対策の成果が認められたとの考えを示した。

同時にカナダを含めた3カ国の関係強化のためにも北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の早期批准を求めた。すでにメキシコは批准に向けて議会の承認を得ているが、今後の選挙日程も絡んで、米とカナダでは作業が遅れている。

*今週のメキシコペソ円は、保ち合いで推移しそうだ。メキシコ政府が連邦議会に提出した2020年度の予算案は、19年比で1.5~2.5%の経済成長を前提に、歳入が今年度予算より0.4%増えると見込みで、歳出を同0.8%増やす。基礎的財政収支(プライマリーバランス)は国内総生産(GDP)比で0.7%の黒字を目指すとしている。11月15日までの可決を目指す。

エレラ財務公債相は予算案について9日の会見で、(1)社会福祉の拡充、(2)治安改善、(3)国営石油会社ペメックスの支援を大きな目標に掲げた。税収確保に向けて徴税方法を改善させていくとし、今年度に引き続き増税はしないと約束した。税収の柱の1つであるペメックスによる原油生産についても、「落ち込みはすでに止まっており、計画通り増産が見込める」とした。ただ、米ゴールドマン・サックス(中南米担当)は、経済成長率が政府予想よりも下振れる可能性などから「メキシコ政府は税収増に楽観的過ぎる」と指摘した。JPモルガンもこの予算では格下げ懸念を払拭できないと懸念した。格付け会社S&Pグローバル・レーティング(S&P)は、メキシコ政府が2020年の経済成長率を1.5~2.5%と予測しているのは楽観的すぎるとの見方を示した。

政府の経済見通しは先週、来年の予算案の一環として発表された。S&Pは「われわれの最新の予想はもっと保守的」と述べた。さらに、同国政府は来年の原油生産高を日量190万バレルと見積もっているが、達成できないリスクがあると指摘した。メキシコの現在の産油量は平均で日量約170万バレル。ロペスオブラドール政権になってから、メキシコシティ新空港の建設中止などによる混乱で民間投資は落ち込み、雇用や消費にも影を落としている。民間投資の回復が見通せない中で財政規律を維持しながら、景気刺激を含めた必要な施策をどう実行していくか政権のかじ取りが試されそうだ。

【メキシコ経済指標】
20日金曜日
20:00 個人支出前年比前回1.1%、予想0.9%

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*予想レンジ:5.45円~5.65円


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