【英・EU、最後の自由貿易協定(FTA)交渉開始】
*欧州連合(EU)を離脱した英国とEUによる自由貿易協定(FTA)交渉が、29日から始まった。
EU本部のあるブリュッセルで双方の首席交渉官が対面実施し、10月2日まで行われる。
すでに設定済みの協議としては今回が最後。
EU本部のあるブリュッセルで双方の首席交渉官が対面実施し、10月2日まで行われる。
すでに設定済みの協議としては今回が最後。
同日の英下院ではEU離脱協定の修正法案が通過する見通し。
EU側は9月末までの法案撤回を求めており反発している。協議は難航が予想されている。
英国がEU加盟国と同等の扱いを受ける移行期間は12月末まで。英国とEUは2021年1月のFTA発効を目指しているが、妥結のメドは立っていない。発効には双方の議会が合意内容を承認する必要がある。英国のジョンソン首相はEU首脳会議がある10月15日までに合意できなければ「EUとのFTAはない」を決断すると公言している。
英下院では29日、EU離脱協定の修正法案が通過する見通し。EU側は9月末までの法案撤回を求めており反発している。協議は難航が予想されている。法案が成立するには英上院も通過する必要がある。
EUは国際約束である修正法案に反発しており、9月末までに、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理を巡る法案の違反部分を撤回するよう強く求めている。ジョンソン首相は法案を「EUとの交渉が決裂した場合の『保険』」と主張している。
修正法案が英下院を通過すれば、EUの姿勢は厳しいものになることが予想されるが、交渉を打ち切ることはなさそうだ。
欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は28日、「EUからFTA交渉を打ち切ることは決してない」とも語り、英国との物別れはぎりぎりまで避けたいという思いをにじませた。
欧州では新型コロナウイルスの感染が再拡大しているため、両者はFTAを締結させ、物流の混乱を招かないようにしたいという点では一致している。
*一致点
1.関税ゼロの貿易合意を目指す。
2.年明け発効のために10月中の合意が必要。
*対立点
1.英:離脱協定修正法案は必要、EU:9月末でに撤回すべき。
2.英:産業政策のEUルールは過度、EU:EU市場へのアクセスには必要。
3.英:英海域におけるEUの漁業権は漁獲量等を毎年交渉すべき、EU:現状の漁業権を認めよ。
交渉をめぐって二転三転が予想され、ポンドはボラティリティの高い展開になりそうだ。
*英EU、今後の日程
9月29~10月2日 英EUのFTA交渉第9回会合
29日 EU離脱協定ほご法案の英下院採決
30日 EUが要求する英法案撤回期限
10月1~2日 EU首脳会議
15日 英政府が主張するFTA合意期限
15~16日 EU首脳会議
情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
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