テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2021年06月

【NYプラチナ、1000ドル割れは底値の可能性】
NY白金はドル高を反映して上値の重い展開が続いている。

週末2日に発表される6月米雇用統計が良好であれば、ドル高が進み、ドル建てプラチナには下押し圧力がかかるだろう。

雇用統計は、非農業部門就業者数が69.5万人増(前回55.9万人増)、失業率5.7%(前回5.8%)、平均時給は前年同月比+3.6%(予想+2.0%)が、それぞれ予想されている。

だが、雇用状況の改善は、経済の回復が順調ということでもあり、産業用貴金属であるプラチナの下げは長続きしないのではないか。

1000ドルを割り込む展開では、採算コストが意識され、実需筋の買いが期待されよう。

CFTC建玉を見ると、ファンドの買い越しは急減しており、買い玉の整理はかなり進んでいる。

プラチナ相場は、短期的には1000~1100ドルのレンジが想定されるが、将来に向けての値固め局面となろう。

nypt0630


情報提供:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
※上記ロゴのチャートの著作権は、ミンカブ・ジ・インフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。 提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、ミンカブ・ジ・インフォノイドは一切の責任を負いません。

【NY金は雇用統計次第の展開】
週末2日に発表される6月米雇用統計は、非農業部門就業者数が69.5万人増(前回55.9万人増)、失業率5.7%(前回5.8%)、平均時給は前年同月比+3.6%(予想+2.0%)が、それぞれ予想されている。

テーパリングの方法や時期をめぐる問題は、8月下旬のジャクソンホール会議まで持ち越される可能性が高い。

しかし、FRBはゼロ金利解除の条件として「完全雇用が回復するとともに、インフレ率が2%に達し、さらにしばらくの間は2%をやや上回る軌道に乗ること」と説明していることから、良好な雇用統計は、市場の利上げ期待を高めよう。

雇用統計の結果が、予想に沿った強い結果であれば、早期テーパリングへの思惑を強め、NY金は節目の1750ドルを下回り1700ドルに向けて下落しよう。逆に、弱い内容であれば1800ドルの上値抵抗線を越えて上昇しよう。

etf0630


CFTC建玉ではファンドの買い越しが急減している。金市場は早期利上げに備えて買い玉整理に入ったようだ。
一方、金ETF(上場投資信託)残高は、横這いに近い状態が続いている。

雇用統計の結果次第という面があるため、NY金は1720~1820ドルのレンジを想定する。

nyg0630


情報提供:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
※上記ロゴのチャートの著作権は、ミンカブ・ジ・インフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。 提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、ミンカブ・ジ・インフォノイドは一切の責任を負いません。

【6月29日海外市況】
ny0630

*29日のNY外国為替市場では、米雇用統計の発表を週末に控えて様子見が広がる中、110円台半ばで小動き。110円50~60銭。東南アジアなどでの新型コロナウイルス変異株感染拡大への警戒感から安全資産として円が買われる局面もあったが、7月2日発表の6月米雇用統計を控えて積極的なポジションは手控えられ、狭いレンジ内で浮動した。6月米消費者景気信頼感指数は127.3と、前月(120.0=改定)から上昇、市場予想の119.0も大幅に上回った。

*29日のNYダウは、良好な米経済指標を好感し小反発。3万4292.29ドル(+9.02)。6月米消費者景気信頼感指数は127.3となり、市場予想を上回った。新型コロナウイルス感染拡大前の昨年2月以来の高水準。米実質GDP(国内総生産)の7割を占める個人消費の好調さが裏付けられ、市場では、消費関連銘柄を中心に買い先行した。ただ、高値への警戒感から利益確定売りに押され、上げ幅を縮めた。


*29日のNY金は、ドル高・ユーロ安に伴う割高感などが重しとなり3営業日ぶりに反落。1763.60ドル(-17.10)。朝方は、米長期金利の上昇を受けてドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て金は、割高感の強まりから売られ、一時約2カ月半ぶりの安値となる1750.10ドルまで値を下げた。週末の米雇用統計が強い内容になれば金融緩和策の縮小が早まるとの思惑も、金利を生まない金を下押しした。ただ、金利の落ち着きを眺めてドルが軟化すると、じりじりと下げ幅を縮めた。この日発表された6月米消費者景気信頼感指数は127.3となり、予想を上回ったが、相場への影響は限定的だった。

金ETFは、1045.78トン(変わらず)。

NY白金は続落。1070.60ドル(-28.90)。
パラジウムも安い。2681.20ドル(-18.20)。


*29日のNY原油は、エネルギー需要拡大への期待が支えとなり小反発。72.98ドル(+0.07)。欧米各国で新型コロナウイルスのワクチンが普及する中、経済正常化に伴うエネルギー需要拡大への思惑が引き続き相場を支えた。また、石油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長が2021年は日量600万バレルの需要増加が予想され、うち500万バレル分は年後半に見込まれると述べたことも支援材料。ただ、東南アジアやオーストラリアの一部で新型コロナウイルスのデルタ株の感染が拡大。感染拡大地域での規制強化で景気回復が遅れることへの警戒感も強まっており、相場の上値は重かった。7月1日には、OPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の閣僚級会合が開催される。

*29日のシカゴトウモロコシは小幅続伸。548.50セント(+1.25)。北部と西部の生産地の一部で降雨が過度に不足している、または気温が高すぎるとの懸念がある。米農務省が28日発表した週間作柄報告によれば、米国のトウモロコシの作柄状況は「優」「良」の占める割合が前週から1ポイント低下し、64%。

シカゴ大豆は変わらず。1312.50セント(変わらず)米農務省が30日に発表する作付面積と在庫の統計を控えてポジション調整。6月1日時点の全米大豆在庫は7億8700万ブッシェルと、1年前の水準13億8100万ブッシェルを下回る見込み。


【30日】
08:50   (日) 5月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比]  15.8%  
10:00   (中) 6月 製造業購買担当者景気指数(PMI)  51.0  51.0  
15:00   (英) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前期比]  -1.5%  
15:00   (英) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前年同期比]  -6.1%  
15:00   (英) 1-3月期 四半期経常収支  -263億ポンド  
15:00   (南ア) 5月 マネーサプライM3 [前年同月比]  2.02% 
16:00   (トルコ) 5月 貿易収支  -30.6億ドル  
16:55   (独) 6月 失業率  6.0% 
18:00   (欧) 6月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比]  2.0%    
18:00   (欧) 6月 消費者物価指数(HICPコア指数、速報値) [前年同月比]  1.0% 
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  2.1%  
21:00   (南ア) 5月 貿易収支  512億ランド  
21:15   (米) 6月 ADP雇用統計 [前月比]  97.8万人  49.5万人  
22:45   (米) 6月 シカゴ購買部協会景気指数  75.2  70.0  
23:00   (米) 5月 住宅販売保留指数 [前年同月比]  53.5%  

*ストックボイス「FXフォーカス」出演

https://www.stockvoice.jp/vod_playlists/PL84385BD60AE8CDE1

【トルコリラ円今週の予想(6月28日)】
*予想レンジ:12.00円~13.00円。
*今週のトルコリラ円は、依然として不安定な値動きが続きそうだ。トルコ中央銀行は17日に行った金融政策会合で、政策金利を19%に据え置いた。据え置きは3会合連続。トルコ中銀は声明で「現状の高インフレと今後のインフレ見通しを踏まえ、厳しい金融引き締めを断固維持する」と述べた。また、インフレ率に「顕著な低下」が見られるまで利下げを行わないとした。

ただ、エルドアン大統領は金利が高い状態は投資に悪影響を与えるとして、利下げの必要性を繰り返し強調。6月1日のテレビ番組では、利下げのタイミングについて「7月か8月ごろ」と言及しており、次回会合での中銀の対応が注目される。

5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比16.59%の上昇で、インフレ率は高止まりしている。今回の中銀声明で、カブジュオール総裁はインフレピークが9月になると発表し、利下げ開始が第4四半期になる可能性もある。

14日に行われた米トルコ首脳会談は特に進展がなく、失望感が強まったようだ。エルドアン大統領は、バイデン大統領と初の首脳会談に臨み、融和をアピールしたが、安全保障や人権問題などで、具体的な合意や成果は得られなかった。

トルコは中国と36億ドル(約4000億円)相当の新たな通貨スワップ協定に調印し、スワップの上限を60億ドルに引き上げた。エルドアン大統領が13日にイスタンブールで発表した。

エルドアン大統領は26日、黒海と地中海を結ぶ巨大運河「イスタンブール運河」の起工式を開いた。総工費150億ドル(約1兆6600億円)に上る運河は並行するボスポラス海峡の混雑緩和が目的だが、反対意見も多く、国論を二分している。イスタンブール経済研究所の3月の調査によると、運河建設に賛成は42%、反対が58%だった。ボスポラス海峡の迂回路となる運河は全長45キロメートルあり、黒海と、地中海につながるマルマラ海を結ぶ。6年後の完成を目指す。

【トルコ経済指標】
6月29日火曜日
16:00トルコ6月経済信頼感前回92.6

6月30日水曜日
16:00トルコ5月貿易収支前回-30.6億USD、予想-41.0億USD

*トルコリラ円日足の一目均衡表は、「三役逆転」状態が続いており、下落相場が継続中。戻り売りが続きそうだ。ただ、12.50円あたりで下げ止まって反発していることもあり、下値に抵抗が出てきた可能性もある。


rira0629

情報提供 : TradingView Inc.
※上記のチャートの著作権の一切は、 TradingView Inc.に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、 TradingView Inc.は一切の責任を負いません。 

【南アフリカランド円今週の予想(6月28日)】
*予想レンジ:7.60円~8.0円
*今週の南アフリカランド円は、値固めのもち合いとなりそうだ。

先週発表された南アフリカ5月消費者物価指数(CPI)は、前年比+5.2%と前回+4.4%から上昇していた。現在の政策金利が3.5%なので、実質金利=政策金利-インフレ率=3.5%-5.2%=-1.7%となってマイナスに落ち込んでいる。

ただ、市場はインフレ率の上昇を受けて南アフリカ中銀が早い時期に、利上げを行うのではないかと期待しているため、南アランドは上昇した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で想定以上にタカ派的な姿勢を示したことと前後して、テーパリングの実施や利上げを示唆する中銀が増えている。先進国では英国、資源国通貨であるカナダはテーパリングを開始している。ノルウェー中銀は9月にも利上げを行う意向を見せており、ニュージーランドがこれに続く可能性が高い。

資源国であり新興国でもあるブラジルは、6月16日に政策金利を0.75%上げ、4.25%に引き上げた。3会合連続の利上げで、今年に入ってからの利上げ幅は2.25%に達した。インフレ率が上昇する中、金融引き締めを余儀なくされている。

原油価格に先高観が強い中、南アフリカでは輸入インフレ上昇が続く可能性が高い。経済の立ち直りは遅く、新型コロナ「第3波」の懸念は強いものの利上げ見通しは強まりそうだ。

南アフリカ中銀のクガニャゴ総裁は、5月20日の会合後の声明で「最近のインフレは一時的とみているが、もし続くようであれば金融引き締めを躊躇しない」と指摘した。

インドで最初に見つかった新型コロナウイルスのデルタ型変異株が、南アフリカで発生している感染第3波で主流になったとみられると、科学者らが26日指摘した。南アの感染者はアフリカ全体の3分の1、死者は40%を超え、アフリカ大陸で最悪となっている。これまでのワクチン接種ペースは鈍く、全人口6000万人のうち接種が完了したのは270万人程度にとどまっている。

南アフリカのワクチン接種の普及に期待がかかることは朗報だろう。世界保健機関(WHO)は21日、新型コロナウイルスワクチンの技術移転を促す拠点を南アフリカにつくると発表した。先進国の製薬会社の協力を得て地元メーカーなどに知識を伝え、アフリカで9~12カ月以内にワクチンを製造することを目標とする。接種の地域格差是正につながることを期待している。



【南アフリカ経済指標】
6月28日月曜日
17:00南アフリカ第2四半期BER消費者信頼感前回-9

6月29日火曜日
18:30南アフリカ第1四半期非農業部門雇用者前年比前回-5.8%

6月30日水曜日
21:00南アフリカ貿易収支 (5月)前回+512億ZAR、予想+462億ZAR

7月1日木曜日
18:00南アフリカ6月製造業PMI前回57.8、予想56.0

*南アランド円日足の一目均衡表は、転換線と基準線を下回っているが、雲にサポートされているため、上昇相場の調整局面といったところ。もち合い相場が続きそうだ。


zar0629

情報提供 : TradingView Inc.
※上記のチャートの著作権の一切は、 TradingView Inc.に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、 TradingView Inc.は一切の責任を負いません。 

【メキシコペソ円今週の予想(6月28日)】
*予想レンジ:5.45円~5.75円。
*今週のメキシコペソ円は、押し目買いに堅調に推移しそうだ。

メキシコ銀行(中央銀行)は24日の金融政策決定会合で、政策金利を4.00%から0.25%引き上げて4.25%にすると発表した。利上げは2018年12月以来、2年半ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で経済状況は楽観視できないものの、インフレが加速しているため利上げに踏み切った。金融市場では据え置きが予想されていたため、サプライズの利上げとなった。

5月消費者物価指数は前年同月比5.89%の上昇だった。メキシコ中銀の目標上限(4.0%)を3カ月連続で上回った。24日発表の6月前半の指数は前年同月比6.0%の上昇と、一段と加速したため、インフレへの警戒が強まった。

メキシコ中銀は24日公表した声明で「インフレ見通しへの悪影響を避けるために金融政策のスタンスを強めることが必要」と利上げに動いた背景を説明した。

メキシコ中銀が民間銀行など35機関の予測をまとめて1日に公表した調査では、21年末の物価上昇率は5.02%となった。21年の実質経済成長率見通しは5.16%と、5月公表(4.76%)からは上方修正となった。米景気回復の恩恵で輸出は堅調に推移しており、経済見通しは上方修正されてきていた。

ただ、新型コロナの感染拡大でメキシコ経済は回復が遅いため、利上げサイクルに入ったと見るのは早計だろう。

2021年1~3月期の実質国内総生産(GDP)の確定値は、前年同期比で2.8%減だった。前年同期比でのマイナスは7四半期連続となった。メキシコ経済の回復は遅れている。好調な米経済の恩恵で製造業は持ち直しているが、政府による新型コロナウイルス対策の財政出動は限られて内需が弱い。利上げを受けて個人消費が落ち込む可能性もある。今のところ、メキシコ経済は米経済の回復に依存している。メキシコの輸出の8割は米国向け。

メキシコでは国内消費が停滞する中、足元ではワクチン接種をすませた米国からの観光客の訪問も増加傾向にある。


【メキシコ経済指標】
6月28日月曜日
20:00メキシコ5月貿易収支前回$1.501B、予想$1.3B

6月29日火曜日
23:00米国6月消費者信頼感指数

7月1日木曜日
08:00メキシコ6月景況感 前回50.3、予想50
23:30メキシコ6月製造業PMI前回47.6、予想48

*メキシコペソ円日足の一目均衡表は、「三役好転」状態にあり、上昇相場が継続中。押し目買い基調が続きそうだ。

peso0629


情報提供 : TradingView Inc.
※上記のチャートの著作権の一切は、 TradingView Inc.に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、 TradingView Inc.は一切の責任を負いません。 

【ドル円今週の予想(6月28日)】
*予想レンジ:109.00~112.50円。
*今週のドル円は、週末2日に発表される6月米雇用統計の結果を見極めるべくもち合いとなりそうだ。雇用統計次第では上下に大きく振れる可能性がある。1日に発表される新規失業保険申請件数は予想38.2万件で、前週の41.1万件より改善する見込み。6月雇用統計は、非農業部門就業者数が69.5万人増(前回55.9万人増)、失業率 5.7%(前回5.8%)、平均時給は前年同月比+3.6%(予想+2.0%)が、それぞれ予想されている。予想に沿った内容となれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期金融縮小に動くのではないかとの思惑を強め、ドル買いが広がり、112円を超える展開になろう。逆に、予想を下回る低調な内容となれば、109円台前半まで急落する可能性もあろう。

23日にドル円は111円11銭と、2020年3月以来の円となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が23年に利上げを2回実施する可能性がある一方、日本銀行は緩和政策を長期間維持する意向から、日米の金利差拡大への見方からドル買いが強まった。
ただ、週を通じて111円台は維持されなかった。

これは米連邦準備制度理事会(FRB)の中でも、「タカ派」と「ハト派」が混在しており、市場の見方も定まっていないからだろう。

米連邦準備制度理事会(FRB)は15、16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒しした。また、テーパリング(量的緩和の縮小)に関連して経済状況の進展について討議した。テーパリングの方法や時期をめぐる問題は、8月下旬のジャクソンホール会議まで持ち越される可能性が高い。FRBはゼロ金利解除の条件として「完全雇用が回復するとともに、インフレ率が2%に達し、さらにしばらくの間は2%をやや上回る軌道に乗ること」と説明している。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日、米議会下院の新型コロナウイルス危機に関する委員会で証言し、「今年の秋には力強い雇用回復がみられるだろう」と語った。一方、最近のインフレ率上昇に関しては「予想以上」としつつも、「一時的なもの」とする従来の見方を堅持した。ただ、インフレ率の上昇が長引く可能性を指摘した。FRBは6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを1年前倒しし、2023年とした。そのうえで、バウエル議長はFOMC後の会見で、量的緩和の縮小の検討を始める意向を示した。ただ、22日の議会証言では、量的緩和縮小に関する直接的な言及はなかった。

ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は21日、景気は急速に改善し、中期的な見通しも良い。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)が、金融政策のスタンスを変更するのに十分な回復ではないと述べ、現行の大規模金融緩和を継続する姿勢を強調した。最近のインフレ率上昇にも、大部分は急速な経済活動の再開を反映したもので、「一時的」との見方を改めて示した。

一方、アトランタ連銀のボスティック総裁は、米金融当局が資産購入ペース減速を向こう数カ月に決定する可能性があると述べたほか、2022年の利上げ開始が望ましいとの見解を示した。ダラス連邦準備銀行のカプラン総裁も、FRBの新たな戦略枠組みに債券購入に関する規定はなく、債券購入を「早めに抑える」ことで金利の議論に一層柔軟性を持たせることができるかもしれないと述べた。また、ボストン連邦準備銀行のローゼングレン総裁は25日、景気回復が順調に進んだ場合、連邦準備制度理事会(FRB)が事実上のゼロ金利を解除する条件が「早ければ2022年末に整っても驚かない」と語った。21年の経済成長率は7%の高水準を予想していると語り、労働市場には緩みが残っているものの、「22年末までに完全雇用となる可能性は極めて高い」と指摘した。インフレ率の上昇は一時的とする一方、22年はFRBが物価安定の目標とする2%を幾分超える水準で推移すると予測した。

アトランタ連邦準備銀行が25日発表した4~6月期の米実質GDP(国内総生産)予想は、年率換算で前期比8.3%増となった。一方、ニューヨーク連銀が25日発表した同期のGDP予想は3.4%増で、18日時点の3.7%から下方修正となった。


*債務上限問題はドルの重石となろう。イエレン米財務長官は23日、連邦政府の債務上限を早急に引き上げるか上限適用を停止するよう議会に要請するとともに、このままでは8月中にも米国が債務不履行(デフォルト)に陥る深刻なリスクがあると警告した。金融市場の不確実性を回避するため、期限を迎える7月末までに財務省の借り入れ継続を認める新たな債務上限法案を議会で可決すべきだと訴えた。

*CFTC建玉:6月22日時点のファンドのドル買い・円売りポジションは、5万  3862枚(前週比+7012)。

*ドル円日足の一目均衡表は、「三役好転」状態が続き、上昇相場継続中。転換線お下回ると基準線までの反落も想定される。

yen0629




情報提供 : TradingView Inc.
※上記のチャートの著作権の一切は、 TradingView Inc.に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、 TradingView Inc.は一切の責任を負いません。 

【6月28日海外市況】
ny0629

*週明け28日のNY外国為替市場では、米長期金利の低下を背景に円買い・ドル売りが優勢となり、110円台後半に小幅下落した。110円57~67銭。米長期金利の低下を背景に日米金利差の観点から円買い・ドル売りの流れが強まった。ただ、米経済指標など手掛かり材料に乏しく、円相場は110円台半ばで伸び悩む展開となった。

*週明け28日のNYダウは、エネルギー、金融株などに売りが出て反落した。3万4283.27ドル(-150.57)。この日は主要経済指標などの新規の手掛かりに乏しい中、原油安を眺めてエネルギー株が軟調となったほか、前週末に買われた金融株に売りが広がった。前週のダウは計1000ドル超の上げを演じており、利益確定の売りも出たもようだ。

*週明け28日のNY金は、ドル買い・ユーロ売りの巻き戻しや、新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感などに支えられて小幅続伸。1780.70ドル(+2.90)。米長期金利の低下などを背景にドルが上げ幅を縮小すると、金は買い戻された。デルタ株によるコロナ感染が拡大し、アジアやオーストラリアの一部で規制強化が始まっており、安全資産としての買いも金相場を支えた。

金ETFは、1045.78トン(+2.91)

NY白金は6日ぶり反落。1097.60ドル(-6.00)。
パラジウムは高い。2699.40ドル(+62.20)。

*週明け28日のNY原油は、アジア・オセアニア地域での新型コロナウイルス感染拡大などを嫌気し、4営業日ぶりに反落した。72.91ドル(-1.14)。外国為替市場でドルがユーロに対して買われ、ドル建て原油に割高感が浮上し、利益確定売りが出やすかった。また、インドネシアやマレーシア、タイなど東南アジアやオーストラリアの一部で新型コロナの変異株であるデルタ株の感染が急速に拡大。これに伴う規制強化がエネルギー需要の回復ペースを鈍らせるとの懸念が強まった。一方、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が7月1日に開く会合の行方を注視。主要産油国は5~7月の産油量を段階的に計210万バレル増やしており、8月以降に一段の増産に踏み切る可能性があるとの警戒感もくすぶった。

*週明け28日のシカゴトウモロコシは反発。生産地の米中西部で降雨があったものの、今後数週間で熱波が到来した場合の土壌水分量は十分ではないとの懸念が強まった。

シカゴ大豆は反発。1312.50セント(+42.75)。大豆油相場の上昇になびいた。米ノースダコタ州など米北部の大豆生産地が今後数週間にわたり熱波にさらされるとの懸念も相場の押し上げ要因。


【29日】
08:30   (日) 5月 有効求人倍率  1.09  
17:30   (英) 5月 マネーサプライM4 [前年同月比]  9.1%   
18:00   (欧) 6月 消費者信頼感(確定値)  -3.3   
18:00   (欧) 6月 経済信頼感  114.5 
21:00   (独) 6月 消費者物価指数(CPI、速報値) [前年同月比]  2.5%   
22:00   (米) 4月 住宅価格指数 [前月比]  1.4%  1.7%  
22:00   (米) 4月 ケース・シラー米住宅価格指数 [前年同月比]  13.3%  
23:00   (米) 6月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)  117.2  118.5  


*ストックボイス「FXフォーカス」出演

https://www.stockvoice.jp/vod_playlists/PL84385BD60AE8CDE1

【金ETF(スパイダー・ゴールド)2021年6月25日】  
*6月25日時点1042.87トン

*週間増減率-0.97%

*年初来(1187.95トン)からの増加率-12.2%。

*前年同時期比-11.3%。

*2021年最大1187.95トン(1月4日)。

*2021年最小1017.04トン(4月30日)。

*2020年最大1278.82トン(9月18日)。

*過去最大保有量1353.35トン(2012年12月10日)

etf0628

【6月25日海外市況】
ny0628

*週末25日のNY外国為替市場は、110円台後半でもみ合い。110円74~84銭。5月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.9%上昇と、12年9カ月ぶりの高い伸びとなったが、ほぼ予想通りの内容。米金融緩和の早期縮小観測が後退し、ドル円は一時110円台半ばまで売られた。ただ、ドルの下値は限定的。米長期金利が上昇に転じるとドルは買い戻された。6月ミシガン大消費者景況感指数(確報値)は85.5と、暫定値86.4から下方修正され、市場予想(86.5)も下回ったが、ほとんど材料視されなかった。

*週末25日のNYダウは、金融株への買いが膨らむ中、続伸した。3万4433.84ドル(+237.02)。米連邦準備制度理事会(FRB)は24日、米国で事業を行う大手金融機関に対するストレステスト(健全性審査)の結果を公表。対象となった23社すべてが「健全」で、新型コロナウイルス感染拡大後に導入した配当制限などの株主還元策への規制を撤廃すると明らかにした。5月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.9%上昇し、12年9カ月ぶりの高い伸びを記録。インフレ警戒感は根強いものの、PCEコア指数は前月比0.5%上昇と、ほぼ市場予想に沿った内容だった。

*週末25日のNY金は堅調。1777.80ドル(+1.10)。週間では8.80ドル(0.50%)と、4週ぶりに反発した。米金融緩和策の早期縮小観測の後退などを受けて買い進まれたが、ドル安の流れが一服すると、上げ幅を縮小した。5月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比3.9%上昇と12年9カ月ぶりの高い伸びとなった。ただ、市場予想よりは弱めの内容だったため、量的緩和の早期縮小や利上げ前倒しへの懸念が後退し、金は一時、1791.00ドルまで買われた。ドル安の進行でドル建ての金に割安感が強まったことも支援材料。しかし、米長期金利が上昇し、為替がドル高方向に振れると値を削った。

金ETFは、1042.87トン(変わらず)。

NY白金は5日続伸。1103.60ドル(+9.70)。
パラジウムは安い。2637.20ドル(-6.70)。

*週末25日のNY原油は、米景気回復ペースに期待が広がる中で買われ、3日続伸した。74.05ドル(+0.75)。欧米を中心に新型コロナウイルスワクチンの普及が拡大。これに伴って経済正常化が進み、エネルギー需要も高まるとの期待から原油の買いが継続。需要の伸びが供給を上回るという見通しに加え、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」が8月からの減産規模縮小に慎重姿勢を取るとの見方が出ていることが背景。また、米国務省高官が24日、イラン核合意維持をめぐる協議で、焦点となっている米国の制裁解除などに関し、イランとの間で「深刻な相違」が残っていると認めた。これを受けて、イラン産原油が市場に流入するとの警戒感が後退したことも、支援要因。市場は、7月1日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の会合の行方に注目している。市場では、OPECプラスの減産緩和は小幅な規模にとどまるとの見方が多く、相場の支援材料となったとの見方があった。


*週末25日のシカゴトウモロコシは反落。519.25セント(-16.75)。米最高裁判所の判決を受け、米国内でのエタノール生産量減少に対する懸念が高まった。米最高裁は25日、化石燃料のバイオ燃料混合率引き上げを義務付ける連邦法をめぐり、法律の適用除外を求めた小規模製油業者の主張を支持した。

シカゴ大豆は続落。1269.75セント(-22.00)。週間ベースでは3.3%下げ、3週続落となった。バイオ燃料業界の大豆需要が減少する懸念が高まったことが背景。米最高裁判所は25日、化石燃料のバイオ燃料混合率引き上げを義務付ける連邦法をめぐり、法律の適用除外を求めた小規模製油業者の主張を支持した。


【28日】
17:00   (南ア) 4-6月期 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数  -9  
20:00   (メキシコ) 5月 貿易収支  15.01億ドル  

↑このページのトップヘ