【12月29日海外市況】
*29日のNY外国為替市場では、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」感染拡大に対する過度の警戒感が和らぐ中、115円近辺に上昇した。114円93銭~115円03銭。感染力が強いとされるオミクロン株をめぐっては、重症化リスクが低いとの報告が相次いでいる。景気回復への深刻な打撃となる可能性は小さいとの楽観的な見方が持続し、安全資産とされる円は売りが先行した。米長期金利の上昇もドル買いを後押しし、ドル円は早朝に約1カ月ぶりに115円台に上昇した。
*29日のNYダウは、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に対する楽観的な見方が広がる中、6営業日続伸した。3万6488.63ドル(+90.42)。11月8日以来約1カ月半ぶりに史上最高値を更新して終了。オミクロン株をめぐっては、感染力は強いとされているが、重症化リスクが他の変異株よりも低いとの報告が相次いでおり、投資家の過度の警戒感は後退している。年末の5営業日から新年の2営業日にかけては相場が上昇しやすくなる「サンタクロース・ラリー」が続いた。
*29日のNY金は反落。1805.80ドル(-5.10)。投資家のリスク選好姿勢を受けて、安全資産とされる金の売りが優勢だった。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急拡大する一方で、重症化リスクは低く、経済に与える影響は限定的との見方が広まっている。投資家のリスク回避姿勢の後退を受けて、安全資産とされる金は、一時1789.10ドルまで売られた。ただ、安値圏では押し目買いが入ったほか、外国為替市場でのドルの対ユーロでの下落もドル建て金の割安感からの買いを後押しし、下げ幅を縮小した。
金ETFは、975.66トン(+2.03)。
NY白金は反落。968.50ドル(-10.90)。
パラジウムも安い。1987.00ドル(-13.60)。約5週間ぶりの高値を付けたあとで、利益確定の売りなどが出た。
*29日のNY原油は、米原油・石油製品在庫の減少や対ユーロでのドル安を背景に、6営業日続伸した。76.56ドル(+0.58)。約1カ月ぶりの高値水準を維持している。米エネルギー情報局(EIA)が発表した米原油在庫は、24日までの1週間に360万バレル減少と、市場予想の310万バレルをやや上回る取り崩しとなった。これで5週連続のマイナス。また、石油製品在庫はガソリンが50万バレル増の予想に対して150万バレル減、ディスティレート(留出油)が20万バレル増の予想に対して170万バレル減となった。この結果を受けて需給引き締まり観測が強まり、買いが優勢となった。外国為替市場ではドルがユーロに対して軟化し、ドル建て原油の割安感につながったことも支援材料。ただ、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の急速な感染拡大への懸念は根強く、上値は重かった。
*29日のシカゴトウモロコシは小反発。605.50セント(+0.75)。アルゼンチンの天候への警戒感が相場の支援材料。ブラジルの一部の地域やパラグアイでは来週、引き続き天候ストレスが見込まれるという。
シカゴ大豆はまちまち。1356.50セント(-2.75)。調査機関などによると、乾燥気候が今季のブラジル南部の収穫量を下押しする見込み。
【30日】
17:00 (スイス) 12月 KOF景気先行指数 108.5 106.5
22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
23:45 (米) 12月 シカゴ購買部協会景気指数 61.8 62.0
*ストックボイス「FXフォーカス」出演
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