テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2023年05月

【ドル円は調整安か、押し目買いが優勢と予想】
週明け29日のドル円は先週末の米大統領と下院議長の債務上限問題に関する基本合意などが改めて織り込まれてドル高が進行し、1ドル=140円台前半から後半へ上昇した。

しかし、30日に財務省、日銀、金融庁の三者会合を開催することが伝わると、金融政策の変更や介入警戒感が高まって利益確定売りに下落し、節目の140円を下回った。三者会合終了後に神田財務官が為替相場の過度な変動は好ましくないと円安進行を牽制する発言も出て、139円台後半まで下落した。

ただ、この日の参院財政金融委員会で、日本銀行の植田和男総裁は、当面の金融政策運営について、現行の金融緩和を継続していく姿勢を改めて示しており、急激な円安進行を牽制したに過ぎないだろう。

本日、米債務上限問題関連の修正法案が下院議会で採決される予定で、1日の上院議会採決も含めて両党議員の一部で反対が見込まれるため、6月5日までに可決されるのか不透明な状況が続くこともドルの重石になろう。

テクニカル的には、RSIが70%を超えたことで、買われ過ぎ感が強まったため、調整安になりやすいといったところ。

日足の一目均衡表では「三役好転」状態が続いているため、上昇相場が続いているものの、目先は、転換線のある139円10銭程度まで下落する可能性があろう。

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【プラチナは1000ドルで値固めか】
米経済指標が堅調な中、FRB高官らのタカ派寄りの発言もあって、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するとの見方が強まっている。金利高、ドル高を受けて、ドル建て貴金属には逆風が吹いており、NYプラチナは1050ドルを下回る水準で推移している。

1~3月期米実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比1.3%増と、速報値(1.1%増)から上方修正された。米労働省が発表した最新週の新規失業保険申請件数は前週比4000件増の22万9000件と3週ぶりの悪化となったが、市場予想は下回った。4月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇と、伸び率は3カ月ぶりに拡大。コアPCE物価指数は前年同月比4.7%上昇、前月比0.4%上昇と、伸びはいずれも市場予想を若干上回った。根強いインフレ圧力を示す内容を受け、31日時点のCMEのフェドウオッチによると、6月に0.25%の利上げは60%に上昇した。

白金業界団体のワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が5月中旬に報告した『プラチナ四半期レポート』によると、2023年のプラチナの供給不足は全体で30.6トンになり、前回の『プラチナ四半期レポート』で予測した数値(13.3トン)よりも17.3トン上回る見込み。

プラチナは需給の引き締まり観測もあって1000ドルは維持されよう。ただ、高値を目指していくには経済環境の好転が待たれる、当面は1000~1100ドルのレンジで推移しよう。

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【金は底堅い、1900ドルは維持か】
27日夜、ホワイトハウスと下院共和党の交渉担当者は、連邦政府の法定債務上限を実質的に引き上げることで原則合意した。

5月2、3日に開催されたFOMC議事要旨によると、インフレ高止まりのため物価目標上限に抑えるため今後も引き締め政策を緩めないとの意見で一致していたが、今後の経済指標の内容次第では6月の利上げ休止が示唆された。しかし、26日に発表されたインフレ指標の伸び率が3カ月ぶりに拡大したことで、。根強いインフレ圧力が示され、6月のFOMCでの追加利上げ観測が強まった。31日のCMEのFEDWATCHによると、6月会合で政策金利を0.25%引き上げる確率は、およそ60%。

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NY金には2つの逆風がいているものの、下値が堅いのは、FRBの利上げが続けば、年後半には景気後退に陥る可能性があるため、安全資産である金の支援要因になるからだろう。

米債券市場では、先週、3カ月短期国債利回りが10年物国債を上回る「逆イールド」が加速し、約42年ぶりの大きさとなった。米国経済後退局面に入るとの見方が増えているが、中長期的にFRB景気を下支えるために、利下げすると市場は予想しているようだ。

今週発表される米ISM製造業景況指数や雇用統計などの経済指標が強ければ、金融引き締めは長期化するとの見方が強まるだろう。しかし、米景気後退の懸念も強まることから、金相場には大きな下落要因にならず、1900ドル台を維持すると予想する。

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【5月30日海外市況】
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*連休明け30日のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利低下を眺めて円買い・ドル売りが強まり、円相場は1ドル=139円台後半に下落した。139円73~83銭。バイデン米大統領とマッカーシー下院議長(野党共和党)は28日、連邦政府の借入限度額である「債務上限」の引き上げで最終合意した。今後の議会の動向が注目される中で動きづらい状況となったが、米長期金利低下を受け、午前の円は総じて底堅い値動きを示した。米下院委員会が30日に債務上限引き上げ関連法案を審議する予定が伝えられる中、上限が6月5日までに引き上げられなければ、デフォルト(債務不履行)に陥るリスクが警戒されている。また、日本では財務省、金融庁と日銀が臨時会合を開催し、為替市場について意見交換したことも介入警戒から円買い要因となった。


*連休明け30日のニューヨーク株式相場は、米債務上限引き上げに向けた法案審議の先行きに懸念が広がり、反落した。前週末終値比50.56ドル安の3万3042.78ドル。バイデン大統領と野党共和党のマッカーシー下院議長は28日、債務上限の引き上げについて最終合意した。次の焦点は合意を踏まえた法案が議会を通過するかだが、共和党が多数派を占める下院での審議は難航も予想され、市場参加者は警戒を強めた。また、債務上限引き上げに伴い「財務省が財源確保のため大量の短期国債を発行し、市場から資金が一気に吸い上げられるのではないかという不安が広がった」といい、相場の重荷となった。


*連休明け30日のNY金相場は、対ユーロでのドル軟化や月末要因に伴う持ち高調整の動きを受けて買いが優勢となり、上伸した。前週末比14.00ドル(0.71%)高の1オンス=1977.10ドル。外国為替市場では未明からドルが対ユーロで下落。ドル建てで取引される金に割安感が広がり、レンジを切り上げた。一時1960ドル台まで上昇。米長期金利が低下に転じたことも、利子が付かない金の買い地合いを支えた。米連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題を巡り、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長(野党共和党)は28日、現行の債務上限適用を一時停止する措置を含む最終合意に達した。これを受けてデフォルト(債務不履行)回避への楽観的な見方が浮上し、安全資産としての金の魅力は幾分後退した。加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測や高金利の長期化への警戒感も根強く、金の重荷となっている。

金ETF、939.56トン(-1.73)。

*NY白金は反落。前週末比6.20ドル(0.60%)安の1オンス=1021.90ドル。
パラジウムは下落。前週末比28.60ドル(2.01%)安の1397.50ドル。


*連休明け30日のNY原油は、米与野党間で合意に達した債務上限に関する法案の審議を控えて警戒感がくすぶる中を反落した。前営業日比3.21ドル(4.42%)安の1バレル=69.46ドル。約4週間ぶりに70ドルを割り込んだ。米連邦政府の借入限度額である「債務上限」引き上げを巡り、バイデン大統領とマッカーシー下院議長(野党共和党)は28日の電話会談で最終合意し、原則合意の詳細を詰め法案化した。債務上限を2025年1月まで適用停止とする一方、引き換えとなる歳出見直しについては、24年度(23年10月~24年9月)と25年度における国防費以外の支出を抑制する内容。ただ、同法案の議会通過を巡っては難航も予想されている。米国がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性への根強い警戒感から、売りにさらされる展開となった。


*連休明け30日のシカゴトウモロコシは6日ぶりに反落。前週末比10.00セント(1.66%)安の1ブッシェル=594.00セント。米中西部で来月にかけて作物の成育を促すような降雨が予報されていることに加え、商品全般の需要に対する懸念や、月末要因に伴う売りなどが相場を圧迫した。


シカゴ大豆は反落。前週末比40.75セント(3.05%)安の1ブッシェル=1296.50セント。6月に米産地の天候が改善するとの見通しや、月末要因の売りが相場の重しとなった。



【31日】
08:50 (日) 4月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比] -0.6%
08:50 (日) 4月 小売業販売額 [前年同月比] 6.9%
10:00 (NZ) 5月 ANZ企業信頼感 -43.8
10:30 (中) 5月 製造業購買担当者景気指数(PMI) 49.2
10:30 (豪) 4月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 6.3%
16:00 (トルコ) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前年比] 3.5%
16:55 (独) 5月 失業者数 [前月比] 2.40万人
19:00 (日) 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
20:00 (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比] -4.6%
21:00 (南ア) 4月 貿易収支 69億ランド
21:00 (独) 5月 消費者物価指数(CPI、速報値) [前年同月比] 7.2%
21:30 (加) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比年率] 0.0%
22:45 (米) 5月 シカゴ購買部協会景気指数 48.6 47.0
23:00 (米) 4月 雇用動態調査(JOLTS)求人件数 959.0万件

【メキシコペソ円今週の予想(5月29日)】
*予想レンジ:7.80円~8.20円。
*今週のメキシコペソ円は、押し目買いが継続しそうだ。メキシコペソ円は週明け29日にドル円が140円台後半に上昇したことで、7.99円と上場来の最高値を更新した。メキシコの政策金利が11.25%あるため、付与されるスワップポイントの魅力から本邦個人投資家の買いが継続しているようだ。CFTC建玉を見ると、米国市場でもファンドは米ドルに対してもメキシコペソの買い越しを拡大させている。CFTC建玉によるち、5月23日時点のファンドのペソ買い・ドル売りポジションは、+7万6943枚(前週比+3308枚)で、2020年3月以来の高水準。

5月前半の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比で6.0%上昇し、4月前半の6.24%上昇から伸び率が縮小した。インフレの減速を受け、市場ではメキシコ銀行(中銀)が当面は政策金利を据え置くという見方が強まっている。メキシコ中銀は18日に、政策金利を11.25%に据え置くと決定した。メキシコ経済は堅調で、国際通貨基金(IMF)は2023年のメキシコ経済成長率を1.8%と、1月時点の1.7%から上方修正した。飲食業や観光業等のサービス業が好調だったほか、主力産業である自動車生産が回復している。米国の雇用状況が良好なため、海外からの送金も増加しており、ペソをサポートしている。

*メキシコの自動車生産が回復している。1-3月の自動車の生産台数は約92万と前年同期比で9%増えた。メキシコでは新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、自動車の生産規模が落ち込んでいた。半導体不足が解消し、生産体制が戻りつつある。3月生産台数は34万6124台と前年同月比で13%増えた。メキシコでは30万台が通常の生産規模の目安とされる。メキシコ自動車工業会(AMIA)は年間生産台数が23年には前年比7%増の約352万になると見込んでいる。


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【トルコリラ円今週の予想(5月29日)】
*予想レンジ:6.80円~7.10円
*今週のトルコリラ円は、大統領選選挙の結果を受けて上値の重い展開になりそうだ。トルコ大統領選の決選投票が28日実施され、即日開票の結果、現職のエルドアン大統領(69)が当選した。20年にわたりトルコを率いたエルドアン政権がさらに5年間続くことになる。

エルドアン氏は事前の世論調査では劣勢が伝えられ、体調を崩して選挙戦を中断することもあったが、根強い支持に支えられた。

28日に行われたトルコ大統領選挙決選投票で現職エルドアン氏が勝利宣言したことを受け、トルコ・リラの対ドル相場は下落し、史上最安値更新をうかがう動きとなった。

トルコ中央銀行は25日、政策金利を8.5%に据え置いた。据え置きは3カ月連続で予想通り。中銀は2月、甚大な被害を出した大地震後の経済を支援するため政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げた。昨年、85%を超えたインフレ率は低下し、4月は43.7%だった。中銀は、インフレの基調は引き続き改善したと指摘するとともに、地震による需給不均衡の影響を注意深く監視していると述べた。「金融環境を支援的な状態に保って工業生産の成長モメンタムと雇用の前向きなトレンドを維持することが一段と重要になっている」と述べた。トルコはインフレ再加速が懸念される。4月消費者物価指数(CPI)は前年同月比で43.68%上昇。伸び率は今年、一時85%を超えた昨年に比べて低下している。

エルドアン氏は、大統領選挙中に自身が政権を維持する限り金利は下がり、インフレは抑制されると訴えていた。大統領選に勝利したことで、少なくとも数カ月間は現行政策を維持する可能性がある。

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【南アフリカランド円今週の予想(5月29日)】
*予想レンジ:7.00円~7.30円
*今週の南アランド円は、南アフリカ中銀が利上げしたものの、国内経済の低迷を背景に上値の重い展開が続きそうだ。

南アフリカ統計局が24日発表した4月の総合消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.8%上昇と、3月の7.1%上昇から伸びが鈍化した。ただ中銀が目標とする3─6%はなお大きく上回っている。中銀はこの日に発表した新たな経済見通しで、2023年のインフレ率は平均6.2%で推移すると予想。従来の6.0%から引き上げた。声明で「コアの財・食品価格の短期的な上昇が予想されるため、23年の総合インフレ率(見通し)を上方修正した」とし、「インフレの上方リスク、国内外での資金需要の拡大、電力不足を受けた給電停止などを踏まえると、通貨安が一段と進む可能性がある」とした。

南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は25日の会合で、主要政策金利を0.50%引き上げて8.25%とした。今年と来年のインフレ見通しを引き上げ、リスクは上向きに傾いているとの見方を示した。今回の利上げは金融政策委員会(MPC)の5人の委員が全会一致で決定。ロイターが先週実施したエコノミスト調査では大部分が0.25%の利上げを予想していた。利上げは10会合連続。2021年11月の金融引き締め開始からの合計の利上げ幅は4.75%ポイントに達した。

南アフリカ経済の先行きに不透明感が強い。国営電力会社エスコムによる過去最大規模の計画停電を受けて3月景気先行指数は前回から低下した。インフレ率は高く、今年の総合インフレ率の見通しは上方修正されている。

1ー3月期失業率は一段と悪化しており、与党アフリカ民族会議の支持率低下から治安の悪化が懸念されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しが高まる中、南アランドは対ドルで売りが強まっている。ドル円上昇のサポートがあっても、南アランド円は戻り売りが優勢となろう。

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【ドル円の予想(5月29日)】
*予想レンジ:ドル円=138.00円~144.00円
*今週のドル円は、債務上限問題に解決の道筋が見えた事に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを行う可能性が高いことから、堅調に推移しそうだ。チャートからは、昨年11月21日の高値142円27銭が視野に入るだろう。ここを上抜けた場合、143円、144円と高値が意識されそうだ。

バイデン米大統領と野党共和党のマッカーシー下院議長は27日、連邦政府の債務上限を引き上げることで基本合意した。31日に議会で採決する見通し。これを受け、週明け29日は米株価指数先物が時間外取引で上昇する中、ドル円は140円80銭台に上昇し、年初来の高値を更新している。

米追加利上げ観測もドル円をサポートしている。5月2、3日に開催されたFOMC議事要旨によると、インフレ高止まりのため物価目標上限に抑えるため今後も引き締め政策を緩めないとの意見で一致していたが、今後の経済指標の内容次第では6月の利上げ休止も示唆された。しかし、
26日に発表した4月米個人消費支出(PCE)は前年同月比4.4%上昇と、伸び率は3カ月ぶりに拡大。コアPCE物価指数は前年同月比4.7%上昇、前月比0.4%上昇と、伸びはいずれも市場予想を若干上回った。根強いインフレ圧力を示す内容を受け、6月のFOMCでの追加利上げ観測が強まっている。29日のCMEのFEDWATCHによると、6月の会合で政策金利を0.25%引き上げる確率は67.7%に上昇している。

今週1日に発表される5月米ISM製造業景況指数や2日の5月米雇用統計などの主要経済指標が強ければ、金融引き締めの長期化の見方が強まり、ドル円は上値を試す展開が続く可能性が高いだろう。5月ISM製造業景況感指数や5月雇用統計では平均時間給が注目されよう。賃金上昇圧力は弱まっていないため、賃金の伸びが市場予想を上回った場合、金利高・ドル高に振れやすい展開が見込まれる。なお、5月米雇用統計の予想は、非農業部門就業者数は前月比+17.5万人、失業率は3.5%、平均時給は前年比+4.3%の見通し。

なお、日本銀行の植田和男総裁は4月の就任以来、国会などで緩和政策を当面継続するとの方針を繰り返し説明している。海外では当初、新体制下で政策修正を期待する声が多かったが、日銀が近く本格的に動くとの予想はほとんどなくなったようだ。そのため日米金利差が意識されており、ドル円は下げづらい状態が続くだろう。

また、債務上限問題の合意を受けて、週明け29日の日経平均株価は前週末終値に比べ600円超上昇した。3万1000円台を回復し、バブル期以来の最高値を更新した。海外投資家が保有する日本株が上昇しているため、手元の評価額が増えることから為替ヘッジを積み増す必要が生じ、円を売る動きが活発になりやすい。日本株高が今後さらに勢いづけば、結果的に円安もさらに進むだろう。

*CFTC建玉:5月23日時点のファンドのドル買い・円売りポジションは、8万0660枚(前週比+1万5869枚)。

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*英国市場はスプリングバンクホリデー
*米国市場はメモリアルデーでそれぞれ休場

【5月26日海外市況】
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*週末26日のニューヨーク外国為替市場では、米物価統計発表後の利上げ観測の高まりを受けて円売り・ドル買いが加速し、140円台後半に上昇した。140円56~66銭。4月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇と、伸び率は3カ月ぶりに拡大。コアPCE物価指数は前年同月比4.7%上昇、前月比0.4%上昇と、伸びはいずれも市場予想を若干上回った。根強いインフレ圧力を示す内容を受け、6月ないし7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測が強まり、円売り・ドル買いが優勢となった。29日のメモリアルデーの祝日を含む3連休を控え、米債務上限問題の動向への警戒感も根強い中、積極的な商いは控えられ、140円台半ば近辺で動意薄の展開が続いた。


*バイデン大統領と野党共和党のマッカーシー下院議長は27日、連邦政府の債務上限を引き上げることで基本合意した。31日に議会で採決する見通し。


*26日のニューヨーク株式相場は、米債務上限を巡る与野党協議が合意に向け進んでいるとの見方を背景に、6営業日ぶりに反発した。前日終値比328.69ドル高の3万3093.34ドル。債務上限協議では26日、バイデン米大統領と野党共和党のマッカーシー下院議長が2年間の引き上げで近く合意する見通しだと報じられた。まだ複数の論点で食い違いが残っているとみられるものの、市場では「来週までには合意にこぎ着けるのではないか」と安心感が広がった。これを受け、景気動向に敏感な一般消費財や資本財を中心に幅広い銘柄が買われた。


*週末26日のNY金は、米追加利上げを巡る思惑から売りが先行したものの、あと買い戻され、小幅ながら5営業日ぶりに反発した。前日比0.60ドル(0.03%)高の1オンス=1944.30ドル。週間では37.30ドル(1.88%)安。マイナスでの越週は3週連続となった。4月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇(前月4.2%上昇)と、伸び率は3カ月ぶりに加速。コアPCEの伸びは前年同月比、前月比ともに市場予想を小幅に上回った。根強いインフレ圧力を示す結果を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを行い、高金利が長期化するとの観測が台頭。利子の付かない資産である金の売りを促し、相場は一時1930ドル台に下落。ドル高・ユーロ安の進行もドル建ての金の重しとなった。

金ETF、941.29トン(変わらず)。

NY白金は4日ぶり反発。前日比1.80ドル(0.18%)高の1オンス=1028.10ドル。
パラジウムは続伸。前日比7.90ドル(0.56%)高の1423.50ドル。


*週末26日のNY原油は、米債務上限問題に対する楽観的な見方が広がり、反発した。前日比0.84ドル(1.17%)高の1バレル=72.67ドル。2週続伸。バイデン大統領は25日、連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題を巡る政権と野党共和党の協議について「進展している」と述べた。アデエモ米財務副長官も26日、米テレビのインタビューで、協議の行方に関して「確実に合意することを目指す」と強調した。協議が合意に近づいているとの見方が強まり、投資家らのリスク回避姿勢が幾分後退。米株式相場が上昇し、株式と並ぶリスク資産の原油も買いが優勢となった。


*週末26日のシカゴトウモロコシは日続伸。前日比13.25セント(2.24%)高の1ブッシェル=604.00セント。作物の生育に好ましくない干天が、作付けされたばかりの米国産を脅威にさらすリスクがあるとの懸念につながり、相場の重しとなった。

シカゴ大豆は反発。前日比13.25セント(1.00%)高の1ブッシェル=1337.25セント。米債務上限問題について楽観的な見方が広がったことを背景に商品や株式相場全般が上昇する中を、反発した。


【29日】
未定 (英、米休場)
14:00 (日) 3月 景気先行指数(CI)・改定値 97.5
14:00 (日) 3月 景気一致指数(CI)・改定値 98.7

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