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カテゴリ: カナダドル

【カナダドル買い・豪ドル売り?】
オーストラリアとカナダはいずれも資源国である。主要な輸出品はオーストラリアが鉄鉱石、石炭であり、カナダが原油である。オーストラリアは中国が最大の貿易相手国であり、カナダも中国との貿易が大きな比重を占めている。

両国とも「ファイブアイズ」の一員であり、英米の外交政策に倣うことが多い。特に、新型コロナウィルスが世界に猛威をふるった今年は、対中国での政策が足並みが揃っている。

ところが中国のオーストラリア、カナダに対する姿勢が微妙に変化してきている。

オーストラリアのモリソン首相は、新型コロナウィルスの発生源として中国の武漢市の現地調査を主張したが、中国がこれに猛反発し、両国の関係は悪化している。

中国政府は11月に、オーストラリア産の少なくとも7種類の商品の購入を停止するよう業者に指示した。主要貿易相手国である豪州へのこれまでで最も大規模な報復措置で、同国との緊張が高まっている。

中国の業者が輸入できなくなるのは石炭と大麦、銅鉱石・精鉱、砂糖、木材、ワイン、ロブスターなど。中国政府は11月6日からの購入停止を命じたと語った。ただ、豪州の中国への最大の輸出品である鉄鉱石は購入の停止対象に含まれない見込み。

また、7日にはオーストラリア食肉会社メラミストから牛肉の輸入を停止した。中国向けの牛肉輸出が停止されたオーストラリア企業はこれで6社目となる。中国は今年、オーストラリアの食肉企業5社からの輸入を既に停止している。ラベル表示や健康証明書に関する問題が理由としているが、政治的な理由が背景にあるのは明らかだろう。

こうした一連の中国の措置に対してオーストラリアは貿易の落ち込みを警戒している。折から干ばつの長引く影響もあり、2020-21年度の農産物輸出額は7%減と、5年ぶりの低水準となる見通し。

さらにオーストラリア議会は外国と州政府が結んだ取り決めを拒否あるいは取り消す新たな権限をモリソン政権に付与した。豪州を巻き込む中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を念頭にした法整備だが、豪中関係が一段と悪化する可能性が高い。

一方、カナダは2018年に中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ、Huawei)」の孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)を拘束した。米国への身柄引き渡しをめぐって裁判で争っているが、この事件を機にカナダと中国の関係が悪化している。

しかし、12月3日、仁張米国とファーウェイが中国への帰国を可能にする司法取引の協議をしていることが分かった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、
孟氏がファーウェイがしたとされる違反行為に関連した詐欺と共謀の罪の一部を認めることになれば司法取引の一種「起訴猶予合意」が成立するという。米中双方はトランプ政権の任期終了前の合意成立を望んでいるという。

こうした緊張緩和の兆しのもと、中国が豪州産の燃料炭と原料炭の実質的な輸入を禁止した間隙を縫ってカナダの炭鉱会社は、中国向けの輸出を増やしている。

新型コロナウイルス危機から世界経済が回復する中、燃料炭の価格は上昇しているが、中国の禁輸措置を受けて豪州産原料炭の価格は低迷。短期的にはカナダの原料炭生産会社が、豪中貿易摩擦の大きな恩恵を受けることが確実視されている。

中国が豪東部の炭鉱ボーエン盆地の代替地を開発しようとすれば、長期的にもカナダ勢が恩恵を受けることになる。中国が今年、昨年と同程度となる約1億8500万トンの原料炭を輸入する見通しであり、豪州が失っている分がカナダを含む他の供給源からもたらされている。

新型コロナウィルスのワクチンが承認され実用段階に来ていることから原油価格が上昇基調に転じていることもカナダドルの追い風になろう。

こうした要因を踏まえて、「カナダドル買い・豪ドル売り」も面白いかもしれない。

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【カナダドルはレンジ相場が続きそう】
米ドルの先安観や、カナダ経済の回復がカナダドルをサポートしている一方で、カナダ国内で新型コロナ感染が再拡大している事が重石になっている。

最大都市トロントがあるオンタリオ州の公衆衛生当局者は、州内で新型コロナウイルス感染者が急増する見通しだと述べた。

10月消費者物価指数(CPI)は前年比+0.7%と予想を上回り、9月の+0.5%から伸びが加速した。

カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は26日、新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進めば個人消費が上向き、国内経済は想定よりも早期に回復するとの見通しを示した。

ただ、感染第2波により景気が悪化すれば、既に過去最低の政策金利をさらに引き下げる可能性があるとも指摘した。

カナダ中銀は10月下旬、新型コロナのワクチンは2022年半ばまでは多くの人に供給されることはないとの見方を示していた。ただ、それ以降、複数のワクチン候補で高い有効性が確認され、来年初めにも供給が始まる可能性が高まった。

総裁は下院財政委員会での質疑応答で「ワクチンが確保できれば、家計消費はわれわれの想定よりも増え、それに伴い景気もより急速に回復する」との見方を示した。また、最近のワクチンに関するニュースを受けて、今後が期待できるとした。

中銀は10月下旬、国内経済は2023年に入ってからでないと完全には回復しないと予測していたが、総裁はこの日の議会証言冒頭でもこの予測をあらためて示した。

回復への道のりにはリスクもあると指摘。現行の0.25%の政策金利について、マイナス金利を導入することなく若干引き下げることが可能だと説明。また、マイナス金利は有益ではないとの考えを再度示した。

以上のように、先行き不透明感が強い中で新型コロナに警戒しつつも、ワクチン開発への期待も出ている。

しかし、決め手となる要因に欠けるためカナダドルはレンジ相場から抜け出せそうにない。

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