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【米連邦公開市場委員会(FOMC)終了、金相場への影響は?】
米連邦準備制度理事会(FRB)は、17日未明に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置き、少なくとも2023年いっぱいはゼロ付近の金利を維持すると示唆した。

期間平均で2%のインフレ率を達成し、中長期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、「緩和的な金融政策スタンスを維持する方針」を表明した。

パウエルFRB議長は、今回の声明に反映された新たな政策枠組みについて、「金融当局の強いコミットメントが明確になる」と説明した。

また、FRBが担う2大責務の一つである「最大限の雇用」について、「達成への道のりが非常に長いことが明白」と発言。失業率という数字では判断できない「広範で包括的な」労働市場の回復には、3年以上の月日を要するとみているとした。

金にとっては強材料となる内容だったが、いずれも想定内の内容だった。

材料出尽くし感から、17日の電子取引では利益確定売りが優勢となり、1945ドル台に下落している。

金相場の今後の見通しだが、長期に渡って金相場をサポートすると予想する。

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FRBはインフレ率の上昇をある程度容認する一方で、実質ゼロ金利政策を2023年まで維持するとしたが、これは実質金利(名目金利-インフレ率)の低下を意味している。

そのため利子を産まない金には上昇の環境が整えられているといえよう。

米国は依然として新型コロナの感染者、死者数ともに世界最大で経済活動の足かせになっており、このリスク要因も金相場をサポートしよう。

トランプ大統領は早期のワクチン投与を開始すると述べているが、米疾病対策センターは、16日の上院小委員会で、ワクチンを国民に広く提供できるのは2021年半ばになると証言した。

国民一般が接種可能になるには、ある程度の時間がかかるとのことで、当初の楽観的な見方は後退している。

こうした背景から、金ETFは高水準で高止まりしており、金への投資需要が寝強いことがうかがえる。CFTC建玉を見ると、ファンドの買い越しは8月の22万枚から9月に入って23万枚に増えている。

NY金は1900~2000ドルのレンジで推移しながら、年末に向けて2000ドル台に上昇すると予想する。

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*チャートの著作権は、㈱ミンカブジインフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、㈱ミンカブジインフォノイドは一切の責任を負いません。

【金ETF(スパイダー・ゴールド)9月11日】
  
*9月11日時点1248.00トン。

*週間増加率-0.16%。

*年初来最大1268.96トン(8月5日)。

*年初来(893.3トン)からの増加率+39.7%。

*前年同時期比+41.4%。

*過去最大保有量1353.35トン(2012年12月10日)。

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欧州中央銀行(ECB)理事会終了、ユーロ、金の動きは?】

欧州中央銀行(ECB)は10日、定例理事会を開き、新型コロナウイルスの流行による景気低迷を受けて導入した大規模な金融緩和策の維持を決定した。政策金利も据え置いた。

政策金利については、市中銀行から預け入れられた余剰資金に適用する中銀預入金利が過去最低のマイナス0.5%

ECBはコロナ危機対応で3月に新設した7500億ユーロ(約94兆円)の資産購入枠を、6月に1兆3500億ユーロに増額。国債や社債など金融資産を買い入れて金融機関に大量の資金を供給したほか、銀行に長期資金を貸し付ける際の金利などの条件も緩和して融資を促し、企業や家計の資金繰りを支援してきた。

ユーロ圏では、新型コロナ感染封じ込めのための措置が緩和され、景気回復が続いている。
しかし、域内各国で感染が再拡大する中、先行き不透明感は依然根強い。

ユーロ圏の消費者物価指数(速報値)は8月が前年同月比0.2%低下。
4年3カ月ぶりにマイナス物価に陥り、ECBが政策目標に掲げる「2%弱」を大幅に下回る状態が続いている。

ラガルドECB総裁は記者会見で、7月以降急速に進んだユーロ高について、物価上昇の勢いを抑える恐れがあり、注意深く見守る考えを示した。

同総裁は、ECBの金融政策は為替レートを目標としたものではないと説明したが、「為替レートを注意深く監視する必要がある」と述べた。ただ、明確なユーロ高対策については言及しなかった。

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明確なユーロ高への牽制発言がなかったことで、ユーロは理事会後に1ユーロ=1.19ドル台に急反発した。しかし、NY市場に入ってからは急落し、結局、”往って来い”となった。

NY金も、ユーロドルの動向に連れて上昇後に急落し、日足では上ひげを引く格好となった。

ユーロの急落は、8日から始まった英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉が難航していることが要因。

EU欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は10日、ロンドンで開いた英国との臨時会合で、英政府が下院に提出した国際条約「離脱協定」の主要部分を反故にしようとする法案について、「もし可決されれば、離脱協定と国際法への極めて深刻な違反となる」と警告した。
その上で英国に対し、遅くとも月内に違法な部分を法案から撤回するよう迫った。

さらに、義務違反の際の法的措置が離脱協定に盛り込まれている点を挙げ、「EUは行使することを遠慮しない」と強調した。EU側は、法案が英領北アイルランドをめぐる和平合意を守るものだとする英国の主張を「受け入れない」とも指摘した。

1月末に欧州連合(EU)を離脱した英国とEUは10日、ロンドンで臨時会合を開き、国際条約「離脱協定」の主要部分を反故にしようとする英法案をめぐって議論した。
EUは、法案が成立すれば「極めて重大な国際法違反だ」と訴え、月内の修正を要求。英国の対応次第で法的措置も辞さない構えを示したが、英国は法案修正を拒否し、対立が一段と深刻化した。

これが嫌気され、ユーロとポンドが対ドルで下落に転じ、ユーロドルに波及したようだ。

英国が国際法を無視してまで法案を成立させようとしているのは、このFTA交渉で英国が追い詰められているともいえる。ユーロポンドの動きを見るとユーロの上昇が顕著なことがわかる。

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さて、金相場の動きと関連の深いユーロドルの動向であるが、上昇トレンドは崩れていないだろう。
欧州中央銀行(ECB)関係者によると、10日の理事会で、ユーロの上昇は経済ファンダメンタルズとおおむね整合的と判断し、米国との「通貨戦争」が発生しないよう、ユーロ高を現時点では看過することで一致したという。

ECB理事会に関与している関係筋によると、今回の理事会で、政策当局者はユーロ高がインフレと経済成長に及ぼすマイナスの影響について認識したものの、ユーロ高は欧州経済が米経済よりも良好であることに加え、米連邦準備理事会(FRB)の緩和的な政策スタンスへの期待が出ていることを正確に反映したものとの全般的な見解の一致があった。

このほか、ユーロ加盟19カ国が新型コロナウイルス感染拡大にうまく対応したことで信頼感が増していること、11月の米大統領選挙を前に先行き不透明感が高まっていることもユーロ高の要因と認識しているようだ。
その上で1ユーロ=1.20ドルという水準は、現時点では均衡為替レートからそれほど乖離していないとしている。

ECBのドラギ前総裁は為替相場のボラティリティーを「不確実性の源」と強い表現で形容したが、今回の声明では、「為替相場の動向を含む入手可能な情報を注意深く検証する」とするにとどめた。

以上からすればユーロドルは再び1ユーロ=1.2ドルを目指す上昇となりそうだ。
またそれに連れて金も買われていくと予想する。
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【今夜は欧州中央銀行(ECB)定例理事会、金相場はどうなる?】

*NY金12月限は8月下旬以降、2000ドルを超えても一時的で戻り売りに上値は抑えられる一方で、下値も1900ドルを割り込むことはなく地合いは底堅い。1900~2000ドルのレンジでもち合っている。

10日には欧州中央銀行(ECB)定例理事会が開催され、金相場の動向に大きな影響を与えそうだ。

20:45   (欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利  0.00%    
21:30   (欧) ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見 


7月21日、欧州連合(EU)が、新型コロナウイルス感染拡大からの域内経済立て直しに総額7500億ユーロの「復興基金」を創設することに合意した。

市場はこれを好感してユーロドルは1.15ドル台と1年半ぶりの高値をつけた。
この日のNY金(12月限)は1870ドル台に上昇し年初来高値を更新した。

ユーロ圏の経済回復への期待からユーロドルは一段高が予想され、1ユーロ=1.2ドル、1.25ドルの予想が表明された。

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9月1日にユーロドルが節目の1.2ドルと2018年5月以来の高値に到達したことで、利益確定売りが拡大し、ユーロは対ドルで下落に転じたが、それに伴ってドル建て金も割高感から調整安を余儀なくされた。

ECB当局者も通貨高には危機感を募らせたようだ。レーンECB専務理事は、「ユーロドル相場は金融政策に大きく関わる」とユーロ高を牽制した。通貨高は輸出を阻害し、経済復興の足かせになる。

8月ユーロ圏消費者物価指数速報値は、前年比-0.2%と4年ぶりのマイナスとなった。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けたユーロ圏の深刻な景気後退によりデフレ懸念が高まった。

そのため、10日のECB理事会ではインフレ予測を引き下げ、追加の金融緩和に言及される可能性が指摘された。これはユーロが下落するとの思惑を強め、9日にユーロは1.175ドルの安値をつけた。

だが、ECBの一部政策当局者は、EU域内の景気回復見通しに自信を深めており、年内の追加緩和の必要性が後退する可能性があるとの報道が出た。

金融政策会合後に発表される最新経済予測では、6月時点の見通しから若干変更される程度で、今年の国内総生産(GDP)予測は上方修正される見込みとのこと。

ラガルドECB総裁の定例記者会見が注目されるが、これに沿った内容であればユーロは再び上昇基調を強め、金も2000ドルの大台を目指す展開になると予想する。


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逆に、追加緩和を示唆し、通貨高を牽制する発言をした場合、ユーロは急落し金もかなりの下落を強いられるだろう。もっとも、来週15、16日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、混乱は早期に収拾すると予想する。




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【金ETF(スパイダー・ゴールド)9月4日】
  
*9月4日時点1250.04トン。

*週間増加率-0.12%。

*年初来最大1268.96トン(8月5日)。

*年初来(893.3トン)からの増加率+39.9%。

*前年同時期比+39.5%。

*過去最大保有量1353.35トン(2012年12月10日)。


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【今夜は8月米雇用統計】
今夜(日本時間21時30分)は8月米雇用統計が発表される。

8月米雇用統計の事前予測は、非農業部門就業者数が140万人増(前月は176万3000人増)で、失業率が9.8%(同10.2%)。平均時給は前年比で4.5%増(同4.8%増)。

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いずれも前月を下回る内容であり、この予想通りであれば「ドル売り・株安・金上昇」という展開だろうか。

もっとも先行して発表された米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)の全米雇用報告では、非農業部門民間就業者数(季節調整済み)は前月比42万8000人増で、市場予想の95万人増を大幅に下回っていため、マーケットには悪化した場合の、”心の準備”はできているだろう。

サプライズとなるのは、雇用統計が労働市場の回復を示し、予想以上に良好な場合だろう。
この場合、「ドル買い・株高・金下落」が予想される。

7日は、米市場がレーバーデーのため休場となり、3連休前のポジション調整も重なるため、
ボラティリティの高い展開も想定される。

特に、ユーロドルの動向には注意が必要だろう。

ユーロは今週、一時節目の1.2ドルに上昇したが、その後は利益確定売りに現在は1.185~1.19ドル台に反落している。とはいえ、依然として高値圏にある。

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CFTC建玉ではファンドの買い越しは21万枚を超え過去最高水準にある。
ここでドルのポジティブな材料が出れば、「ユーロ買い・ドル売り」ポジションが巻き戻され、一気に売りが拡大する可能性がある。

その場合、ドルが上昇するためドル建て金は割高感が強まり大幅安の展開が想定される。

もっとも、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和政策の長期化を明言している以上、
金の上昇トレンドが崩れることはないと予想するが、高値買い玉はそれなりに調整を強いられるだろう。


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情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
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【金ETF(スパイダー・ゴールド)】
*8月28日時点1251.50トン。
*週間増加率-0.07%。
*年初来最大1268.96トン(8月5日)。
*年初来(893.3トン)からの増加率+40.0%。
*前年同時期比+41.8%。
*過去最大保有量1353.35トン(2012年12月10日)。

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【ジャクソンホール会議と金相場】
8月27日に行われたカンザスシティー連邦準備銀行主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、パウエルFRB議長は講演で、インフレ率が2%の目標を一時的に上回ることを許容する新たな政策方針を発表した。

これは、「期間平均で2%のインフレ率を目指す」とするもので、平均インフレ目標政策について言及した。さらに、インフレが2%を上回る期間については「ある程度(for sometime)」、またオーバーシュートの度合いについても「適度に(moderately)」許容されるとした。

この新政策方針が伝わると「株買い」、「債券買い」、「ドル売り」となった。

米長期債が売られ長期金利が上昇し、ドルを押し上げた。長期金利の指標である10年物米国債利回りは前日比0.07%ポイント上昇の0.76%。6月上旬以来約2カ月半ぶりの高水準となった。ドル円は一時105円61銭まで下落したが、株高に連れてドルが買い戻され106円台半ばに上昇した。

長期金利の上昇や米株高を受けて金も下落。前日比19.90ドル安の1932.60ドルで引けた。

東京時間の金電子取引は10~15ドル程度反発し1942~1948ドルレベルで推移している。

パウエル議長が示した新金融政策は、インフレ圧力が一時的に高まっても、雇用が回復するまで金融を引き締めないということで、利上げのハードルは一段と高くなったと見ていいだろう。

現在のゼロ金利政策が解除されるのは2023年以降になりそうで、従来の2022年末と見られていた時期が延長される可能性が高い。

「インフレ率2%」は2012年のバーナンキ議長時代に導入したもので、景気が回復し雇用が回復してインフレ率が高まれば、景気過熱を防ぐためにFRBは利上げを行い、インフレ率を2%に抑えると受け止められた。

だが、インフレ率は12年以降ほぼ2%以下で推移し、今年の新型コロナウィルスの影響により失業率や雇用状況は悪化している。

政策金利は実質ゼロ金利となって利下げ余地がなくなっている。FRBが6月に予測した22年末のインフレ率は1.7%にとどまる見込み。

結局、ゼロ金利を長期間続けることになるが、これは利子を産まない金には大きなサポート要因になるだろう。

NY金は1900ドル前半で値を固め、再度2000ドル台に上昇すると予想する。

「NY金は最高値後の調整場面、ジャクソンホール会合待ち」  

*NY金は8月6日にドル安を背景に買われ、10営業日連続で史上最高値を更新した。
新型コロナウイルスの感染者数増加が米国経済に打撃を与えるとの見方の中、追加金融緩和策への期待感が相場を押し上げた。外国為替市場ではドル安・ユーロ高基調が継続し、ドル建て金は割安感からも買われた。
7日には一時2089.20ドルに上昇し、史上最高値を更新した。

ただ、7月米雇用統計で失業率が3カ月連続で改善し、非農業部門就業者数もまずまずの内容だったことで、対ユーロでドル高が進行し、ドル建て金は割高感から売られた。金は史上最高値の更新が続いたこともあり、金融機関の夏季休暇を前にして利益確定売りも出やすかった。

*19日に7月米連邦公開市場委員会(FOMC)が公表された。議事要旨では、先行き不透明感の高まりを理由に追加金融緩和の必要性に言及していたことが明らかになったものの、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)については、導入に消極的な見解が多かったことも判明した。

6月までの議事要旨では、将来の政策金利の指針「フォワードガイダンス」を、早期にFOMCで明確化することに前向きになっている状況が示唆され、9月会合では明確化が行われると期待されていたが、今回の議事要旨では明確化の緊急性に関してやや消極的な姿勢が見られた。これを受けて米長期金利が上昇しドルが買い戻され、金は売りが優勢となった。

先週末21日は、8月米製造業購買担当者景況指数(PMI)が2019年1月以来の高水準に上昇し、さらに7月米中古住宅販売件数も過去最大の伸びとなったことが好感され、金は一時1916.60ドルまで下落した。ただ、売り一巡後は安値拾いの買いが入り1947.00ドル(+0.50)と小確りで引けた。先週の金相場は、週間下げ幅は2.80ドル(0.14%)にとどまり、地合いの強さを示した。

新型コロナウイルスの感染再拡大による景気失速への警戒感は根強く、安全資産としての金需要は引き続き堅調で、米低金利政策の長期化観測も金利を生まない金を支えているようだ。CFTC建玉を見ると、8月以降、ファンドは買い越しを縮小しており、利益確定売りを先行させていたことがわかる。

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*海外金市場に大物投資家やファンドが新規に参入してきている。投資の神様といわれるウォーレンバフェット氏が、金鉱株(カナダのバリック・ゴールド)に5.6億ドル(およそ600億円)を投資したことは驚きをもって見られた。同氏はかねてより“金嫌い”を公言していたが、最近になって、「銀行株売り・金鉱株買い」に動いた。ゼロ金利政策が長期化することで銀行の収益性が低下すると考えたようだ。また、レイ・ダリオ氏率いる世界最大のヘッジファンドのブリッジウォーターは金ETFを6月末時点で前期比52%増やした。著名投資家のブルース・コブナー氏が設立したヘッジファンドのキャクストン・アソシエーツも金ETFを6月末で前期比1400倍に増やしている。

これらのファンドは短期的な値上がりを狙っているわけではない。世界的な金融緩和が長期化し、インフレ率が急上昇すると目論んでいるからだ。FRBは7月のFOMCで、FF金利の誘導目標を0.00─0.25%に据え置き、景気回復に向け「あらゆる手段」を尽くすとし、必要な限り政策金利をゼロ%近辺にとどめると改めて表明した。低金利を受けてドル安が進みインフレ率が上がると考えれば、名目金利からインフレ率をマイナスした実質金利は一段と低下する可能性があり、利子を産まない金には追い風となる。こうした背景から欧米の大手金融機関の中には将来の金価格を2500~3000ドルに想定する見方も出ている。


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*今週27、28日に主要国の中央銀行首脳らが金融政策を議論する国際経済シンポジウム(通称ジャクソンホール会議)が開催される(今年はビデオ会議)。主催するカンザスシティー連銀は議題を「今後10年間の指針―金融政策への示唆」とし、パウエルFRB議長は、初日に「金融政策の枠組みの再点検」と題して講演する予定。ゼロ金利政策を長期間維持する政策方針に言及する可能性が高い。

7月のFOMC議事要旨では、ゼロ金利政策を長期にわたって維持すると公約する「フォワード・ガイダンス」を導入する考えを表明している。9月会合で導入される可能性が高く、市場はパウエル議長が具体的な手法に言及するのではないかと注目している。ゼロ金利政策が継続される公算は高いが、焦点はいつまで続けるかだろう。現時点では2022年末まで継続すると見られている。

FRBは「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の導入には消極的だが、フォワード・ガイダンスで中長期の金利も引き下げられると考えているようだ。政策金利の低水準が維持され、実質金利が低下することが予想されることから、ドルの上値は次第に重くなり、再び金相場を押し上げる展開になりそうだ。


*NY金の史上最高値更新に連れて大阪金は8月7日に7032円と上場来の最高値を更新した。その後は利益確定売りが拡大し6500円を下回った。ただ、6500円を下回った場面では下ヒゲが出現しており下げに抵抗を見せている。大阪金は500円幅でレンジを形成することがよくある。現在、6500~7000円のレンジの下限にあり、ジャクソンホール会合の結果を受けてレンジの上限を試すか、レンジの下限を割り込むか注目したい。

*6500円のサポートを下回った場合、6000~6500円のレンジに移行する可能性が高いが、金相場が長期上昇トレンドであることを考えれば、押し目のポイントになる可能性が高い。

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【中銀の金保有高が増加】
*金ETFの増加が顕著だが、世界の中銀が保有する金も増加している。

欧州では利息のつかない金を中銀が大量に持つことへの批判があり、90年代に売却が相次いだ。うしたことから99年に欧州中央銀行(ECB)と14カ国の中銀が年間の売却量を制限する協定を結んだ(第一次ワシントン協定)。


直近10年の動きを見ると、中銀の金保有高が増加している。目立つのはロシアと中国、トルコ等の新興国だ。し

かも米国と何らかの軋轢を有する国が多い。

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金の調査機関ワールド・ゴールド・カウンシルによると、ロシアの金保有量は20年6月時点で2299.87トンにのぼ

る。20年間で5.4倍に増えた。中国は1948.31トンと同期間で4.9倍となった。両国とも米国の国際金融・通貨制度に対抗する手段として、ドルに代わる資産である金を積極的に保有している。

2020年6月末時点での世界全体の中銀金保有量は35,017.8トン。前年同月比では+940.9トン(+2.76%)。


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