テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

カテゴリ: テクニカル分析

【ドル円は調整安局面か】

ドル円は米長期金利の上昇に並行して上昇し、21日には111円40銭まで円安が進行した。
しかし、米長期金利が反落に転じると、ドル円も下落となった。

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日足の一目均衡表を見ると、ちょうど「雲」のねじれの日に反落しており、転換線を下回って基準線まで下落した。遅行線がまだ実体とデッドクロスしていないため、現在の下落は調整安に留まる可能性はある。

そのため、基準線のある109円50銭あたりで下げ止まる可能性はある。

しかし、一度ブレイクした200日移動平均線を下回ったことで、上値警戒感が強まる可能性はあり、戻り売りが強まるかもしれない。相対力指数(RSI)も高値圏から下落しており、それなりの下落が予想される。

基準線を下回った場合、100日移動平均線(現在108円32銭)、50日移動平均線(108円06銭)あたりが下落の目安になりそうだ。

調整一巡後は、「雲」が上昇していることから、再び下値を切り上げていくと予想する。


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※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

昨日は、日経平均株価の大幅下落を受けて、リスクオフモードが強まり、ドル円は下落の可能性が高いとレポートしたが、
本日は、まったく、真逆の展開となってしまった。

昨日の上海株は、中国当局が7日夜に発表した配当金の個人所得税免除などの株価下支え策が買い材料となって、上昇して引けた。
これを好感して、3連休明け8日のNYダウも大幅反発となった。本日の日経平均株価は、前日比1000円以上の上昇、率にして6%近い大幅反発を見せている。

ドル円もこれに連動して上昇した。


先週末4日に発表された8月米雇用統計を受けて、形成された118円56銭~119円62銭のレンジを上に抜けて、一時120円45銭まで上昇した。

ただ、日経平均株価の上昇率に比べて、ドル円の上昇率は鈍く、上値は重い。

4時間足を見ると、8月12日の高値125円28銭と直後の最安値116円14銭にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、高値から0.38倍押し=121円81銭、0.5倍押し=120円71銭、0.62倍押し=119円62銭となる。

現在、一目均衡表の雲を上抜いて、0.5倍押しのラインにトライするところ。MACDは上昇してゼロラインに接近しているため、戻り一杯となる可能性があり、ストキャスティックス(スロー12本)も90%台まで上昇しているため、天井圏が近い可能性がある。

0.5倍押しのライン(120円71銭)を上抜けるかどうかが重要なポイントになるだろう。
9月3日に、120円70銭まで上昇したものの、その後、跳ね返されているため、このラインは一層重視されるだろう。

120円71銭を上回れば、0.38倍押しラインにトライする展開になり、122円台が視野に入ってくるだろう。
その場合、全値戻しの可能性も高まるため、再び125円に向けて上昇する展開も想定される。

逆に、上抜けずに保ち合いとなれば、10日の午後8時頃に雲のねじれの時間帯を迎えるため、下落基調に転じる可能性が出て来るだろう。

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情報提供:(株)インベステック
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内閣府が8日発表した4-6月期国内総生産(GDP)は、前期比で0.3%減と速報値(0.4%減)から改定された。市場予想中央値は前期比0.5%減、年率1.8%減だった。全体の約6割を占める個人消費は同0.7%減と速報値(0.8%減)から小幅引き上げられた。個人消費と輸出の低迷を受けて3期ぶりのマイナス成長になり、市場は、7-9月期も楽観できないと、2期連続のマイナスを予想する見方も出ている。

これを受けて、午後1時時点の日経平均株価は1万7500円台まで下落し、下げ幅は300円を超えている。

為替市場では、リスクオフモードが強まり、ドルが対ユーロ、対ドルで下落している。

先週末4日の、8月米雇用統計を受けて、ユーロドル相場、ドル円相場はそれぞれ、上下にヒゲを引いて乱高下した。

これにより、ユーロドルは1.1088~1.1190ドルのレンジを形成し、ドル円は118円56銭~119円62銭のレンジを形成した。

しかし、日経平均株価の下落を受けて、ユーロドルは、レンジの上限(1.1190ドル)をブレイクして、1.12ドル台まで上昇した。ドル円相場は119円のサポートを割り込んだが、まだレンジの下限(118円56銭)には、達していない。

今夜の海外市場で、ドル円が118円56銭を下回るかどうか注目される。レンジの下限を下回った場合、8月24日の安値116円14銭がターゲットになってくるだろう。

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4日に発表された8月の米雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比17万3000人増となり、市場予想の21万7000人増を下回った。ただし、7月と6月の非農業部門就業者数の伸びは上方修正され、この2カ月間の上方修正幅は合計で4万4000人増となった。失業率 は5.1%と、2008年4月以来の水準に低下した。8月の平均時給は、前月比0.3%増。前年比では2.2%増となった。

NY外国為替市場のドル円相場は、米雇用統計の結果を受けて、発表直後は118円57銭に急落したものの、すぐ119円56銭まで急反発するなど乱高下した。結局、NYダウの下落を受けて、リスク回避の円買いが優勢となて、119円台前半で引けた。

週明け7日の東京市場のドル円相場は、118円台後半と円高基調で推移している。

ドル円の4時間足を見ると、8月25日に116円14銭まで急落し、長大下ヒゲを引いて引き戻しているため、下値の堅さが意識されているが、しかし、もう一度、116円台を見に行く可能性が高いだろう。

8月25日直前の高値は125円28銭(8月12日)であり、これと直後の最安値116円14銭にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、高値から0.38倍押し=121円81銭、0.5倍押し=120円71銭、0.62倍押し=119円62銭となる。

8月31日の高値は121円68銭で、ほぼ0.38倍押しに達したが、その後は反落し、現在は0.62倍押しのラインを下回っている。

そのため、全値戻しの可能性があり、もう一度、116円台まで下落することが予想される。

雇用統計の反応で、ごく短期的に118円57銭~119円56銭のレンジが形成されたが、118円57銭を下回った場合、レンジの下抜けとなり、下落基調が強まるだろう。

しかし、相場が上昇に転じ、121円68銭を上回った場合、この下落見通しは否定されると考える。


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【9月利上げはない?】
現在の金融市場の最大の関心事は、米国が9月16、17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げをするか、しないのかという事だろう。

8月26日、ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、中国発の世界的な株安を受けて、利上げを実施する論拠は数週間前に比べてやや弱くなっていると述べた。もっとも、9月のFOMCまでに、正常化の論拠が強まる可能性もあるとも付け加えており、9月利上げを否定したわけでもなかった。

8月27日~29日に開催されたワイオミング州ジャクソンホールでのシンポジウムで、フィッシャー副議長は、米テレビとのインタビューで、金融市場の不安定さにもかかわらず、9月の利上げ実施について結論を出すのは時期尚早であり、引き続き状況がどのように展開していくかを見極めていると発言した。一方で、利上げ実施に向けた論拠が圧倒的となるまで待っていては遅過ぎるとの見解も示した。なお、イエレン議長は、欠席している。

4日には8月の米雇用統計が発表される。2日時点での予想は、非農業部門就業者数が22.0万人(前回21.5万人)、失業率が5.2%(前回5.3%)。これに沿った数字で、平均時給が前月に引き続き上昇していれば、9月利上げへの見通しが強まりそうだ。

その場合、ドル買い・円売りが強まる可能性がある。

ドル円の日足チャートを見ると、一目均衡表は三役逆転しており、下落基調入りを示している。
主要な移動平均線である50日線、100日線、200日線をすべて下回っており、上昇基調にヒビが入った状態だ。

8月24日には116円14銭まで急落したが、長大下ヒゲを引いて反発に転じ、200日移動平均線を上回り、8月31日には121円68銭まで上昇した。しかし、昨日は大陰線を引いて、再び200日移動平均線を割り込み、戻り売りに遭っている。

上昇相場が崩れかけ、ドル円の状況は、9月の利上げはない、と言っているようだ。仮にあったとしても、相場には織り込まれており、ドル円相場を押し上げる力には欠けるだろう。

つまり、6月5日につけた年初来高値125円85銭を上回るのは困難で、上回る事があるとしたら、かなり先の事になるだろう。

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昨日夕刻、ドル円は200日移動平均線に接近し、RSI(14日)が30%割れとなっていることから、底値圏が近いとの見通しを示したが、見事に外れた。

昨日のドル円は、120円を割り込むと、断続的にストップロスがヒットし、NYダウの1000ドルを超える暴落もあって、パニック的な売りが強まり、116円14銭という安値をつけた。NY市場の引けは118円台に戻したが、チャートを見ても判るように、ダブルトップを形成している。

5月以降は、おおよそ120~125円のレンジを形成していたが、昨日の下落により、レンジの下限を下回ったため、115~120円のレンジに切り下がった可能性が高い。

今までサポートラインとして機能していた200日移動平均線は、今後、上値抵抗線として機能するだろう。

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ドル円の日足チャートには、50日移動平均線(赤線)と200日移動平均線(青線)が入れてある。

中国上海株の暴落に端を発した世界的な株安を受けて、市場にはリスクオフモードが強まり、安全通貨の円が買われている。

ドル円のチャートを見ると、200日移動平均線に接近している。

今年の5月以降のドル円相場は、高値125円85銭(6月5日)、安値120円39銭(7月8日)で形成されるレンジ内を推移しており、現在はレンジの下限に接近しているともいえる。

RSI(14日)は、30%割れまで下落しており、底値圏に入ってきた可能性が高いだろう。

50日移動平均線は依然として200日移動平均線の上にあり、上昇相場は継続している。
120円を割り込む可能性は高いが、安値圏から急反発する展開に注意したい。

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【金相場、1200ドルはあるか?】

19日に7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されたが、一部の委員が、利上げになお慎重な姿勢を見せていることが判明した。

昨日発表された前週までの新規失業保険申請件数は市場予想を上回り、4週連続の増加となった。コンファレンス・ボード発表の7月の景気先行指数は上昇するとの市場予想に反し5カ月ぶりに低下した。8月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想を上回り、米不動産業者協会(NAR)発表の7月の中古住宅販売件数は2007年2月以来の高水準となった。

経済指標は強弱入り混じる状況となって、市場は利上げを正当化できるだけの力強さが米経済に備わっていないと懸念している。そのため、NY株式相場は大幅続落し、終値は2014年10月29日以来、約10カ月ぶりに1万7000ドルの大台を割った。

利上げの後ずれは、株式市場には強材料となると思われたが、人民元切り下げや中国上海株の大幅安(前日比3.4%安)により、同国の景気減速が世界経済に与える悪影響が懸念されている。中国経済の減速懸念により商品市況が悪化し、資源安により新興国経済も落ち込んでいる。それは回りまわって米国の景気回復を妨げる要因になるだろう。

リスク回避姿勢の強まりからNY金は、年初来安値1078.6ドル(7月24日)から昨日の終値1153.0ドルまで7%近く上昇した。このまま1200ドルにトライするだろうか。

日足を見ると、一目均衡表の雲の下限に近付いている。また、年初来高値の1303.5ドル(1月21日)を起点とする下落トレンドライン(現時点でおよそ1166ドル)に接近している。年初来高値1303.5ドルと年初来安値1078.6ドルにフィボナッチリトレースメントを当てはめると、安値から0.38倍戻し=1164ドル、0.5倍(半値)戻し=1191ドルとなる。

テクニカル上の上値抵抗線となるポイントに接近している、過去のパターンから見ると、RSI(14日)が70%を超えると、天井圏を形成している場合が多い。

9月4日には8月の米雇用統計が発表されることを考えると、時間的には、その前にピークを迎える可能性があるが、価格的には1190~1200ドルの可能性もありそうだ。

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【NY原油テクニカル分析】

3日、NY(WTI)原油相場は、終値で1月5日以来の50ドルの大台を回復した。1月29日に43.58ドルと、2009年3月以来の安値をつけたが、この安値から3日の高値54.24ドルまで、わずか3営業日でおよそ20%も急騰した。先週末に米国内の石油掘削リグの稼動数が大幅減少したとの発表や、BPなど国際石油大手企業が原油安を受けて投資計画を縮小したこと、全米鉄鋼労組(USW)に加入している製油所の労働者がストライキを行っていることなどの強材料が重なってショートカバーが焙りだされたようだ。

しかし、4日は、週間在庫統計の発表を受けて世界的な供給過剰懸念が強まって急反落した。

米エネルギー情報局(EIA)によると、1月30日までの1週間に原油在庫は630万バレル増加し、戦略石油備蓄(SPR)を除く国内の在庫は4億1310万バレルに拡大した。これは、1982年の統計開始以来の高水準という。また、石油製品もガソリンが230万バレル増(市場予想は10万バレル増)、ディスティレート(留出油)が180万バレル増(同180万バレル減)と予想外の増加となった。

*EIA在庫統計
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NY(WTI)原油は、年明け後、底練りの展開が続いており、43.58~54.24ドルのレンジが形成されている。急騰後の急落という下値波乱の展開になり、昨日の下落でRSI(14日)=46.5%となって地合いはやや弱まったが、終値は25日移動平均線にサポートされている。問題は40ドル台が維持されるかどうかだろう。

石油掘削リグの稼動数は今後も減少する可能性が高いが、米国の在庫が今回でピークとなるのか、今後も増加するのかがポイントになるだろう。

また、イスラム国やヨルダンを巡る中東情勢の地政学的リスクも高まることが懸念され、突発的な強材料が出現する可能性もある。ヨルダンのアブドラ国王は4日、過激派組織「イスラム国」に拘束されていたヨルダン軍パイロットを檻の中で焼死させたとする動画が公開された事を受けて、同組織に容赦ない戦いを行うと宣言した。ヨルダンは米国から最大規模の金融支援を受けている国の一つで、米軍主導の対「イスラム国」空爆に他のスンニ派イスラム諸国と共に参加している。

この戦争が市場にどのような影響を与えるのか予断を許さない。限定的な地域に留まるのか、イラク全土に拡大するのか、また仮に、戦線がサウジアラビアに及ぶことになれば、原油市場には大きな波乱要因になるだろう。

短期的には43.58ドルが維持されるかどうかに注目したい。

*WTI原油日足

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【東京金テクニカル分析】

*昨日3日、欧州株価の上昇が米株式市場の押し上げ要因になった。

ギリシャ政府がユーロ圏諸国への債務減免要請を撤回し、代わりに既存の債務を同国の成長に連動する新発債と交換する提案を行ったことが好感されたと伝えられて、ギリシャ国債が上昇した。

ドイツはギリシャとの債務交渉について、既存のプログラムによる救済資金が払底する4~5月頃を想定していたようだが、この提案により、ギリシャの債務懸念が和らぐとの見方が強材料となった。

ユーロに関する不安要素がとりあえず取り除かれ、ユーロが対ドルで上昇した。通常、ユーロ高・ドル安は、ドル建て金にとっては割安感を強めるので、強材料となるが、昨日は、欧米の株価上昇によるリスクオン状態が重視され、リスクオフで買われていたNY金は売られた。

*ユーロドル日足

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昨日は、東京金はNY金相場に連動して軟調な展開となったが、ドル円が堅調に推移したため、下値は限定的だった。日足を見ると、一目均衡表の転換線を下回って上値重い状況だが、安値は基準線にサポートされている。上昇基調は維持しているが、レンジを形成しており、次の材料待ちというところだろう。

今週6日には、1月の米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数や失業率に加え、賃金状況が改善していれば、利上げ機運が高まり、「ドル上昇・円下落、NY金下落」の展開になるだろう。逆に、先月同様に内容が改善していない点があれば、「ドル下落・円上昇、NY金上昇」となる。

転換線をブレイクすれば年初来高値を目指す上昇となるが、基準線を下回れば、調整安局面に入るだろう。ただ、基準線の下には50日移動平均線(現在4658円)や雲があり、下落してもこれら複数のサポートラインにより下げ止まりそうだ。

*東京金日足
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さて、2015年になってから、オーストラリア、カナダ、ロシア、インド、ペルー、パキスタン、トルコ、エジプトが予想外の利下げを実施しており、昨日は、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)も利下げに踏み切り、政策金利を2.50%から過去最低となる2.25%へ引き下げた。

欧州中央銀行(ECB)は量的金融緩和に踏み切る決断をしたが、資産購入プログラムの規模は市場の予想を上回るものだった。利下げではないが、デンマークは預金金利を引き下げた。

原油安も要因となったインフレ率低下のもと、各国中央銀行は自国通貨を押し下げる政策をとっている。低金利状態は、金利を生まない金にとっては強材料になり、NY金相場の1300ドル回復には、こうした背景がある。また、金利を生じない通貨への不信感も金が選好される要因になっている。

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