【原油相場はレンジ相場が続きそう】
*国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は17日、大きな地政学的サプライズがなければ、今年の石油市場は「快適で、よりバランスの取れた状況」になるという見通しを示した。世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に参加しているビロル事務局長は、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船攻撃が世界の物流を揺るがしていることについて、現時点で石油生産への影響は見られないと指摘。主要産油国が紛争に直接巻き込まれない限り原油相場に大きな影響はなく、「市場には十分な原油があるため、原油価格に大きな変化はないと想定している」と述べた。
*大消費国の中国経済が冴えない状況にあるため需要の伸びが期待されていない。産油国の減産は見込めず、これらに加えて根強いインフレから米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)による利下げは、市場の見通しよりも後退しそうで、原油相場には重石になっている。
一方、イスラエルのガザ地区への軍事侵攻に絡んで、イスラムの武装組織フーシ派が紅海で英米の商船を攻撃したが、英米軍は報復攻撃に出た。ホルムズ海峡封鎖という最悪の事態が想定される中、原油相場を押し下げる展開にはなりにくい。当面は、上値も下値も限定的な展開が続きそうだ。
*NY原油予想レンジは70~75ドル。
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