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カテゴリ: 原油

【原油相場、急落は一時的か】

石油輸出国機構(OPEC)加盟国は25日、ウィーンの本部で総会を開き、6月末で期限切れとなる現行の減産措置(日量180万バレル)を2018年3月までの9ヶ月延長とすることで合意した。

サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、OPECと非加盟国の合同閣僚会合後の記者会見で「6カ月、9カ月、12カ月のシナリオを検討し、9カ月が最善との結論に至った」と述べた。次回のOPEC会合は11月30日に開催される。

しかし、市場では9カ月以上の期間延長や減産幅の拡大などもう一段踏み込んだ措置を期待する向きもあったため、この合意内容が伝えられると、市場は一斉に利食い売りで反応した。

OPECはロシアなど非加盟国を交えた会合でも協調減産延長の支持を取り付けたが、市場は、需給逼迫をもたらす程ではないとの見方を強め、原油相場は発表前の52.00ドルから、一気に50ドル近辺の水準に急落し、さらに50ドルの節目を割りこんで、48.90ドルと前日比2.46ドル安と大幅下落して引けた。

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今年の1月以降、協調減産に参加した産油国各国は生産目標をおおむね順守し、相場の下支えに努めてきたが、価格が戻り始めると、米国のシェールオイルの生産が拡大したため、原油相場は、一時は合意前の水準に逆戻りする場面もあった。

減産中止となれば価格急落を招く恐れがあり、延長以外に取り得る選択肢はなかったのが実情だろう。

ただ、急落も一時的にとどまり、安値を模索する下落トレンドにはならないと可能性が高い。

来週29日のメモリアルデー(戦没者追悼の日)以降、米国のドライブシーズンが最盛期に入るため、ガソリン需要が盛り上がっていくため、この水準からショートしていくのは困難だろう。ガソリン需要が下値を支える展開が予想される。

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仮に、原油相場が45ドルを割り込むようであれば、米国のシェールオイル生産も停滞することが予想され、安値水準が長続きする可能性は低い。

一方、上値に関しては、年初来の高値水準である55ドルを超えることは難しくなった。


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【原油相場は上昇の可能性】

17日発表された米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計では、最新週の原油在庫が前週比180万バレル減となった。減少幅は市場予想の240万バレル減よりも小さかったが、6週間連続で在庫が減少したことが好感され、NY原油は買われた。季節要因的にも、今後はガソリン需要が増加する傾向にあり、在庫減少が続きそうだ。


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サウジアラビアとロシアは、協調減産について、9カ月間延長する必要性で意見が一致し、石油輸出国機構(OPEC)加盟国のクウェートとイラク、ベネズエラも、減産を、2018年3月まで延長することに支持を表明した。

19日に行われるイランの大統領選挙では、穏健改革派で現職のロウハニ師が優勢と伝えられているが、対立候補は現政権による経済回復の遅れを攻撃している。イランの穏健改革派は核開発放棄の見返りとして石油開発を柱とした経済復興を掲げており、以前は減産に対して消極姿勢だったが、現在の減産には合意している。

25日のOPEC総会では、減産延期が決定される見込みで、これが原油相場をサポートしよう。

国際エネルギー機関(IEA)の推定によると、4月の世界の石油供給量は日量9617万バレルだが、石油輸出国機構(OPEC)の推定産油量は日量3178万バレルだった。4月の産油量が継続した場合、今年第2四半期の世界の石油在庫は日量70万バレル減る計算になる。協調減産が延長されれば、第3四半期以降の在庫の減少幅は更に拡大する見通し。

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減産延期が決定されれば、NY原油は4月の高値53ドルを目指すと予想する。



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【NY原油は上値重くレンジ相場】

20日発表されたEIAの週間在庫統計で、原油在庫が100万バレル減と、市場予想の150万バレル減よりも小幅な取り崩しにとどまったこと、ガソリン在庫が前週比150万バレル増と、市場予想の190万バレル減に反して積み増しとなったことが嫌気されて、NY原油は下落に転じた。

これから本格的にドライブシーズンを迎えるものの、ガソリン在庫の増加は、予想外の弱材料となって50ドル割れ寸前まで下げた。

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石油輸出国機構(OPEC)は今年1月から日量120万バレルの削減を行い、ロシアなど非OPECも60万バレルの減産を行うことで合意している。

OPECの合意遵守率は高く、非OPECの遵守率も次第に上がってきている。しかし、減産合意を完全達成しても、世界の石油需給状況は均衡に達する程度で、相場には相当に織り込まれているといえるだろう。

現行の協調減産は相場のサポート要因だが、上値を突破していく強材料としては力不足で、しばらくは、3月中旬の安値47ドルが下値、上値は直近の高値53ドルがそれぞれの目安になりそうだ。

今後は、OPECが減産を延期するかどうかがポイントになろう。OPECは5月25日の総会で今年下半期の政策を協議する。その際、非加盟産油国との協議も行う予定。サウジアラビアなど多くの主要加盟国は、ロシアやその他非加盟国の合意があれば、減産延長を支持する考え。ただ、ロシアは、ノバク・エネルギー相が今月、国内石油会社と近く減産について協議すると述べたものの、減産を支持するかについては明らかにしていない。

また、イスラム教シーア派連立与党の指導者、アンマル・ハキム氏は19日、イラクは、原油価格の下支えを目的とした石油輸出各国による減産量の拡大を支持すると述べた。ただ、イラクは、過激派組織「イスラム国」(IS)と戦うため、石油収入が必要なことから、減産参加の免除を求める可能性があると警告した。

OPECC内部でも、減産延長についてはまだ意見がまとまっていないようだ。

ファンドの買い玉は一時39万8千枚まで減少したが、11日時点では43万7千枚まで増えている。弱い在庫統計を受けて、買いポジションが整理され、30万枚前半ぐらいまで減少すれば、内部要因的にも軽くなるだろう。

NY原油の日足チャートを見ると、53から55ドルが上値抵抗ゾーンだが、下値は200日移動平均線にサポートされそうだ。


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【 NY原油は下値確認、値固め局面へ 】
*先週のNY原油は、米国内の在庫増加を受けて一時47ドル割れに迫った。

米エネルギー情報局(EIA)が公表した週間在庫統計では、原油在庫が500万バレル増を記録し、10週ぶりに減少に転じていた前週から一転して市場予想(280万バレル増)を上回る積み増しとなった。

EIAの発表直後には、一時47.01ドルと2016年11月末以来約3カ月半ぶりの安値に急落した。

ただ、ガソリン在庫が280万バレル減(予想は200万バレル減)、ディスティレート(留出油)在庫が190万バレル減(同140万バレル減)といずれも予想を上回る取り崩しとなったため、安値からは反発した。

米シェールオイル生産者は掘削リグ数を増やし、3月10日までの1週間の生産量は日量約910万バレルと、昨年平均の890万バレルを上回った。

OPEC加盟・非加盟国の協調減産の実施状況を点検する閣僚級監視委員会は26日、協調減産期間の延長の是非を検討することで合意した。声明原案では「半年延長を勧告する」としていたが、ロシアがこれに賛同しなかったとみられ、最終的に声明内容が修正されたようだ。ノバク石油相は同日、減産を延長すべきかどうかについて言及するのは時期尚早と表明した。

OPEC主導による協調減産延長の可能性に懐疑的な見方が広がったが、為替市場でドルが対ユーロで軟調に推移し、ドル建て原油に割安感が生じたことから、47ドル台は維持された。

ロシアが減産継続に否定的な姿勢を見せたものの、NY原油は47ドルを維持して下げ渋っていることには注意したい。

29日のNY原油は続伸し、3週間ぶりに49ドル台を回復した。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計によると、24日までの1週間に国内の原油在庫は90万バレル増加。2週連続の積み増しとなったものの、市場予想(140万バレル増)を下回ったほか、石油製品もガソリンが370万バレル減(市場予想は190万バレル減)、ディスティレート(留出油)が250万バレル減(同120万バレル減)と、予想の約2倍に当たる規模の在庫取り崩しとなった。

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EIAの発表を受け、相場は48ドル台半ば近辺から一気に49ドルを突破した。また、リビア西部での油田封鎖に伴う供給混乱や、石油輸出国機構(OPEC)主導による協調減産の延長見通しも支援要因となった。

ガソリン在庫の減少が原油相場を押し上げてきている。
NY原油は47ドルで下げ止まり、値固め局面に入ったようだ。

ファンドの買い玉整理がまだ十分でないため、50ドルを上回った時点で、再び売り圧力が強まる可能性はあるが、4月になればドライブシーズンを迎えるため、ガソリン主導の相場展開になろう。

テクニカル的には、昨年8月の安値39.19ドルを起点とする上昇トレンドラインが機能しており、押し目が確認されたと見ていいのではないか。

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*CFTC建玉3月21日時点:ファンドの原油買い越しは41万8517枚(前週比-1万5283枚)と減少。総取組高は219万4206枚と前週比4万6055枚の減少。



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【NY原油は年初来高値更新、一段高の可能性】

石油輸出国機構(OPEC)は9月下旬、アルジェリアで開いた非公式会合で、総生産量を日量3250万~3300万バレルに凍結することで合意した。OPECの総生産量は月報によると9月時点で、日量3339万バレルと判明しており、凍結が決定されれば最大約2.6%の削減となる。

この動きに非OPECのロシアが賛同し、プーチン大統領は今月10日、トルコのイスタンブールで開催中の「世界エネルギー会議」で「OPECの減産に加わる用意がある」と発言した。OPECとロシアは年初から生産調整の可能性を探ってきたが、4月中旬にサウジアラビアの豹変で協議が物別れに終わって以降、距離を置いてきた。

そのため、ロシアは増産の凍結に加わるものの、減産に消極的とみられていた。ロシアの生産量は日量1100万バレルを上回り(旧ソ連の崩壊以降で最高水準)、OPEC分と合わせると世界の石油生産の半分を占める。こうした流れからNY原油は10日に51.60ドルまで上昇し、北海ブレント原油も同日、53.73ドルまで水準を切り上げた。しかし、いずれの原油相場もその日を境に下落に転じた。

今後の流れは、OPECと非OPECが6カ月間の生産調整の実施で効果を見極め、延長するかどうかを見直し、10月末の非OPECを含む協議で減産計画を詰め、11月30日にウィーンの本部で開く総会で、非OPECを含む枠組みで合意を目指すことになる。

OPEC内部では、生産量の割り当てについて、自己申告に基づくのか、民間情報会社からの2次情報に基づくのか、意見が分かれている。イラクやベネズエラは2次情報が同国の生産量を過小評価していると反発を強めている。イラクは足元で増産する姿勢を強め、減産の適用を除外されているリビアやナイジェリアが生産を増やす兆候も出ている。

減産に向け、早くもOPEC加盟国から不協和音がでたのに連れて、非OPECの協力も不透明だ。プーチン大統領は12日、減産は検討できるが、基本的に必要ないと慎重な姿勢を示し、10日の発言から軌道修正した。

市場は減産の実効性に懐疑的で、原油生産量が過去最高水準にある状況で、具体的な減産案が実施されなければ、需給状況が変わる可能性は少ないと見ている。しかし、OPECと非OPECが協調行動を取っているという事実が原油相場をサポートしている。

19日、米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計が強材料になり、NY原油は51.93ドルと年初来高値を更新し、1年3カ月ぶりの高値をつけた。

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EIAの統計によると、原油在庫は520万バレル減少し市場予想の270万バレル増加に反して大幅な取り崩しとなった。原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫も160万バレル減となった。また、先週の米国の原油輸入は日量647万バレルと91万2000バレル減少した。輸入は2015年11月以来の低さだった。

一方でガソリン在庫が250万バレル増と市場予想の160万バレル減に反して積み増しとなり、米国内の原油生産も前週比で日量1万4000バレル増の846万4000バレルと、強気一辺倒の内容ではなかった。それでも、原油相場は買いが優勢となり年初来高値を更新したことに注目したい。

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EIAが発表したリポートによれば、11月の米国のシェールオイル生産は前月比で日量3万バレル減の443万バレルと、12カ月連続のマイナスになるとの見込みも強材料だろう。

今週末には、ロシアのノバク・エネルギー相が、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相と、世界石油市場における協調行動の可能性について協議するとのことで、強気の期待が高まる可能性がある。NY原油は55~60ドルのレンジへ浮上する可能性が出てきた。



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【NY原油、レンジ相場から抜け出せない】

NY原油相場は、長期的な供給過剰見通しと足元の在庫増を受けて、下げ幅が拡大している。

13日に公表された国際エネルギー機関(IEA)による9月の市場月報で、2016年の世界の石油需要見通しを日量9610万バレルとし、前月の予想より同15万バレル下方修正した。2017年の需要予測に関しては日量9730万バレルと前回から同20万バレル下方修正した。石油の供給過剰状態が「少なくとも2017年前半まで続く」と予想し、中国やインドなど新興国の景気減速に加え、サウジアラビアなどの産油国が増産を続けていることから、原油安が長期化する可能性があるとの見方を示した。

また、IEA推定による8月の石油輸出国機構(OPEC)の産油量は日量3347万バレルで前月比で2万バレル増だった。

14日に発表された米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計では、前週比で原油在庫は60万バレル減と予想の380万バレル増に反して取り崩しとなったが、ディスティレート(留出油)在庫は460万バレル増と、市場予想の150万バレル増を大幅に上回った。また、ガソリン在庫も60万バレル増と予想の30万バレル増を若干上回る積み増しとなった。石油製品の供給過剰に対する懸念が強まった。

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ナイジェリアでは、7月以降パイプラインの原油漏れを背景に原油輸出に支障が出ていたが、設備の修復が終了し原油輸出が再開した。

石油輸出国機構(OPEC)はロシアも交えて、アルジェリアで26日から28日まで、増産凍結をめぐり非公式会合を開くが、市場は増産凍結合意について懐疑的に見ており、「結局、何もできない」との冷めた見方が強まっている。

弱材料が相次ぎ、NY原油は、先週の高値47.75ドル(9月8日)からおよそ9.1%下落している。ただ、目先、40ドルのサポートラインは維持される見通し。月末のOPECとロシアの会合が控えており、米国東海岸には熱帯性暴風雨ジュリアが停滞し、再び原油輸入の陸揚げに影響を与える可能性がある。更には、メキシコ湾でも低気圧が発達中で、こちらは海洋油田の操業に影響を与える可能性があるという。

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NY原油は依然として40~50ドルのレンジから抜け出せそうにない。



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【NY原油、レンジブレイクできるか?】

5日、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相とロシアのノバク・エネルギー相は、石油市場の安定化に向けて協力することで合意した。市場では、2大産油国が供給過剰問題の解決に向けて何らかの対策を講じるのではないかとの期待が浮上し、NY原油を押し上げた。

サウジアラビアとロシアが減産に踏み切れば、原油市場の需給が一段と改善し、世界中で積み上がった在庫も減少に向かうと考えられる。しかし、増産凍結ではフル生産を維持するという宣言に過ぎない。また、両国とも高水準の生産を維持し、自分たちが具体的に何かの対策を始めるという発表はしていない。なお、イランは、同国が市場シェアを経済制裁前の水準(日量400万バレル以上)に引き上げる権利を他の産油国が認めることを条件に、増産凍結に協力する意向。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシア等の非加盟国は、今月26~28日にアルジェリアで非公式会合を開き、増産凍結について協議する模様だが、市場は具体的な策は出ないだろうと、増産凍結への期待は萎んできている。

8日のNY原油は大幅続伸し、2週間ぶりの高値を付けた。

米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計が強材料になった。2日までの1週間の米原油在庫は前週比1450万バレル減と、市場予想の20万バレル増加と反対に大幅な取り崩しとなった。ガソリン在庫も急減し、米メキシコ湾岸の原油輸入は日量250万バレルと、1990年にデータ収集を始めて以来の低水準となった。輸入減については、ハリケーン「ハーマイン」の影響でテキサス州やルイジアナ州で荷降ろし作業が遅滞したことが要因のようだ。ハーマインは米国の石油生産や輸入、出荷に一部影響を及ぼしたが、施設に被害はなかった。ハリケーンの消滅と共に輸入の増加が予想されるため、今後のEIA在庫統計が強気の内容を維持できるかは疑わしい。

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この日は、エネルギー消費大国である中国の8月の原油輸入が前年同月比23.5%増となり、過去2番目の高水準に達したとの報も下支え材料となった。

EIAの9月短観によると、2016年の世界の石油需要見通しは日量9536万バレルで前月の予想に比べて同5万バレルの上方修正、2017年の需要予想は日量9678万バレルで前月より同2万バレルの上方修正。また、2016年の世界の石油供給見通しは日量9620万バレルで前月から同9万バレルの上方修正、2017年の供給予想は日量9679万バレルで前月より同20万バレルの上方修正。この結果、両年とも需給バランス予想は前月より緩み、2017年の予想は若干の供給過剰。

4月以降、NY原油相場はほぼ40~50ドルのレンジで推移しているが、これは、中長期の需給が均衡するとの見通しが下値を支える一方で、過去2~3年に積み上げられた在庫が上値を圧迫しているからだろう。

仮にOPECの生産調整によって原油価格が上昇しても、米国のシェール業者やカナダが増産に動き出す可能性が高く、需給緩和の解消には更なる時間がかかると予想され、レンジを上抜けるのは容易ではないだろう。

NY原油の日足チャートを見ると、年初来安値26.05ドル(2月11日)と年初来高値51.67ドル(6月9日)の0.5倍(半値)押しでサポートされて反発している。年初来安値を起点とする上昇トレンドが形成され、これを割り込まない限り、上昇基調は継続するだろう。その面からは、今月下旬の会合が強材料視されて、一気に年初来高値を更新する可能性はゼロではない。

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【原油相場見通し】

30日のNY原油は44.70ドルで引け、45ドルのサポートラインを割り込んで引けた。前日比では3.6%もの下落で、大幅安となった。

昨日発表された米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計によると、26日までの1週間に米原油在庫は230万バレル増加し、市場予想の90万バレル増を大幅に上回る積み増しとなった。また、ガソリン在庫も70万バレル減と予想の120万バレル減に比べて小さく、灯油などのディスティレート在庫は150万バレル増と、米国内の需給の緩みが再確認された内容だった。

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これが弱材料視され、NY原油は一時44.51ドルの安値を付けた。

9月下旬にナイジェリアで、石油輸出国機構(OPEC)による非公式の会談が行われるとの報道が出て、市場では増産凍結に向けての会合ではないかとの見方が強まった。これを受けてNY原油は40ドル台から48ドル台まで急伸した。

しかし、この上昇の過程でファンドは買いを広げる一方で、売りが買い戻される展開となった。8月9日と30日の売りの変化を見ると、33%も減少しており、8月の上昇相場は、ショートカバーが主導してきたと言えるだろう。しかし、売りが整理されたものの、買いは高止まりしており、ネットでの買い越しは過去14週間で最大となっている。内部要因的には、今度は買いが整理される可能性が高まっている。そうした状況で、EIAの週間在庫統計が弱材料だったため、買いが売り戻されて急落となったのだろう。

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さて、強材料視されてきた9月下旬のOPEC会合だが、当初の期待とは裏腹に増産凍結協議には至らない可能性が高くなってきた。

OPEC最大の産油国であるサウジアラビアの石油相は、「需給関係により原油価格が形成される」として、OPECによる大規模な市場介入に反対の意思を表明している。OPEC第二の産油国であるイラクのアバディ首相は、増産凍結に対して反対の意思を表明した。同国は、湾岸戦争やイラク戦争、近年ではイスラム国(IS)との戦闘により、思うように原油を生産できなかった。そのため、原油生産量の回復を希望している。市場が注目しているのが、OPEC第三位の産油国であるイランの動向だが、同国もまた原油生産回復のため、増産凍結は否定している。4月に行われたOPECとロシアの間で開かれた増産凍結協議では、イラン代表の突然の不参加を受けて合意に至らなかった。イランは、10年も続いた核開発疑惑に対する経済制裁により、原油生産が半分程度に激減した。今年1月に経済制裁が解除されたばかりで、経済制裁前の産油量である日量400万バレルを回復するべく、生産に励んでいる。8月には日量380万バレル程度まで回復したと予測されており、9月下旬頃には目安としている日量400万バレルまで回復する可能性はあるが、現時点では、増産凍結には否定的。ただ、400万バレルを回復すれば、増産凍結に賛成する可能性があると言われている。

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なお、OPEC加盟国の8月の産油量は日量3350万バレルと、7月の3346万バレル(改定値)を上回ったと推定されている。近年では例のない水準の生産量になるもよう。

また、直近の石油掘削リグ稼働数は計406基で、8週連続の増加に歯止めが掛かったものの、今後、原油価格が50ドルに近づけば再び増加していくだろう。

以上から、強材料に欠ける原油相場ではあるため、50ドルを超える展開は想定しにくい。しかし、9月に入りハリケーンの発生やメキシコ湾岸への襲来が懸念され、下値は40ドルでサポートされそうだ。

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東京中東産原油は、日足で一目均衡表の雲に抑えられて反落している。転換線を下回っているので短期的には売りが優勢だろう。年初来高値3万3460円(6月9日)と年初来安値1万8970円(1月21日)の0.38倍押し(2万7950円)が基準線にほぼ一致しており、2万8000円レベルが取り合あえずの下げの目安になるだろう。0.38倍押しを割り込めば、半値(0.5倍)押しの2万6000円台前半が下値の目安になるだろう。

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【NY原油、年初来高値更新は困難】

NY原油は8月に入ってから騰勢を強め、2日の安値39.26ドルから19日には49.36ドルまで26%もの上昇を見せた。50ドルを目前に上値が重くなったが、押し目を形成してから再上昇するかどうかの分岐点に来たと言えるだろう。

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今回の上昇相場は、9月下旬にアルジェリアで開催が予定されている石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合で、主要産油国が生産調整に向けて合意を図るのではないかとの期待が高まったことによる。

OPEC第3位の産油国であるイランは今年1月に経済制裁の解除を受けてからは増産を続け、今年に入ってからの主要産油国による増産凍結に向けた協議でも凍結に応じない姿勢を示してきた。

しかし、OPEC関係筋や業界筋の話として、イランが原油市場の安定化に向けた協調行動に足並みをそろえる可能性もあるという前向きなシグナルを送っているとのロイター通信の報道を受けて、増産凍結期待が一段と強まった。

イラン関係筋の話として、経済制裁以前の産油量である日量400万バレルを回復すれば、OPEC協議に協力できるとのことだが、7月の同国の産油量は日量355万バレルで、目標の400万バレルには達していない。

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24日の報道によると、原油生産量凍結に関してイラン当局はやはり消極的とのことだった。
「 Iran softens to oil production freeze? (Press TV) 」

制裁開始前の供給量回復が大前提という原則は譲れず、生産調整を論じる時期ではないということだろう。

また、米国の原油在庫も増加傾向にあり、原油相場の重石になっている。米エネルギー情報局(EIA)が24日発表した最新の週間在庫統計によると、原油在庫は前週比250万バレル増と、市場予想の50万バレル減に反して積み増しとなった。また、ガソリン在庫は予想の120万バレル減に対して横ばいで、ディスティレート(留出油)の在庫も増加した。

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加えて、米国の石油掘削リグ稼働数の増加からは、将来の供給増が懸念されている。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが19日に公表したデータによると、同日までの1週間に米石油掘削リグ稼働数は計406基と10基増加し、8週連続のプラスとなった。

結局、8月の原油相場の上昇は、年初来高値の51.67ドル(6月9日)と年初来安値の26.05ドル(2月11日)の半値押しの水準である38.86ドルまで下落し、テクニカル的なポイントに達したものの、ファンドのショートポジションが膨らんでいたため、ショートカバーが焙りだされたというところだろう。CFTC建玉明細を見ると、7月中旬から8月上旬にかけて、ファンドのショートが増加していることが見て取れる。16日時点で、ショートの減少が顕著になってきたため、上昇も一服してきた。

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イランが増産凍結に消極的で、米国の原油在庫が増加傾向にあることから50ドルを超えて年初来高値を更新するのは困難だろう。しかし、これからハリケーンシーズンに入ることも考えれば、下値もサポートされる可能性は高く、40ドル台は維持されると予想する。


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【ドーハの悲劇、原油増産凍結決裂】

17日、カタールの首都ドーハで開催された石油輸出国機構(OPEC)加盟国や非加盟の他産油国が参加した会合では、増産凍結で合意できなかった。増産を計画しているイランが欠席したため、サウジアラビアなどが不満を示し、最終合意に至らなかった。

原油市場はドーハ会合に期待していたため、NY原油は今月上旬の35ドル台前半から、13日には42.40ドル台までおよそ20%上昇した。先週末には、会合の結果を見極めようと利益確定売りが出て、週末には40.36ドルに反落した。


しかし、増産凍結で合意できなかったことを受けて、週明け18日のNY原油時間外(午前9:30)は39.47ドルと先週末比2.24ドル安と急落している。原油相場が再び大幅に下落する懸念が強まっている。

ロシアのノバク・エネルギー相は記者会見で、合意に至らなかったことはロシアにとって予想外だったと発言した。

2月にサウジとカタール、ベネズエラ、ロシアの4カ国は、増産凍結で暫定合意していたため、今回の結果は、当事国でさえ予想外となったようだ。

ただ、17日の会合前にイランは日量400万バレルに達するまで増産を続けると発言していた。また、サウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子は14日、「全ての主要産油国が足並みをそろえない限り、増産凍結に踏み切らない。凍結しない場合は、あらゆる機会を捉えて原油を売ることになろう」と語った。同副皇太子は同国が即時に原油生産を日量1150万バレルへと引き上げ、さらに6-9カ月後に1250万バレルまで増やす可能性があると述べた。なお、先月のサウジアラビアの原油生産量は日量1020万バレルだった。

原油相場の急落を受けて、市場はリスクオフ状態となり、為替市場はドル売り・円買いが進行し、ドル円は一時107円87銭まで下落した。日経平均株価も一時560円以上の急落となった。逆に、NY金相場は、リスク回避姿勢から買われ、一時先週末比7ドル高1241ドル台まで反発した。


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カタールのサダ・エネルギー相は会合終了後、OPEC加盟国は内部の話し合いと、他の産油国との協議を6月まで続けると述べた。次回のOPEC会合は6月2日に予定されている。

6月の会合までに再び産油国が供給を抑制するための意思を見せられなければ、原油相場は一段安の展開を強いられそうだ。

ただ、イランの強硬な増産姿勢が続く限り、原油相場上昇の可能性は大きくはないだろう。



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