【ポンドの底入れは遠い】
週明け26日、ポンドが対ドルで一時1.0278ドルと過去最安値を記録した。1985年の水準を下回り、変動相場制移行後の最安値を付けた。
イングランド銀行(英中銀)は22日の金融会合で政策金利を0.5%引き上げ、保有する英国債の市場での売却を始めると発表した。
しかし、23日にトラス新政権が大幅減税を柱にした金融政策を発表したことで市場の不信感が高まった。クワーテング英財務相が発表した物価対策の経済政策は、トラス首相の保守党党首選挙公約だった総額300億ポンドを上回る、総額450億ポンドもの「大バラマキ減税」で、財政負担は、すべて国債でまかなうという。中銀が金融引き締めを強化する一方で、政府が金融緩和を行うという矛盾した政策が市場の不信感を招いた。
イングランド銀行(英中銀)は22日の金融会合で政策金利を0.5%引き上げ、保有する英国債の市場での売却を始めると発表した。
しかし、23日にトラス新政権が大幅減税を柱にした金融政策を発表したことで市場の不信感が高まった。クワーテング英財務相が発表した物価対策の経済政策は、トラス首相の保守党党首選挙公約だった総額300億ポンドを上回る、総額450億ポンドもの「大バラマキ減税」で、財政負担は、すべて国債でまかなうという。中銀が金融引き締めを強化する一方で、政府が金融緩和を行うという矛盾した政策が市場の不信感を招いた。
28日、イングランド銀行は国債市場の崩壊と通貨ポンドの下落を防ぐため、英長期国債を無制限で購入すると表明し、期間20年以上の英国債を対象に購入を開始した。また、10月3日に予定されていた保有国債の売却(量的引き締め=QT)の開始を同月31日まで遅らせることも明らかにした。財政政策に対する金融政策の対応は11月に行う。
これを受けてポンドは反発に転じたが、トラス新政権は大型減税案を撤回する意図はないとしている。かといって中銀が大幅利上げを行えば、また政策の食い違いが標的にされてポンド売りが再燃する可能性がある。
これを受けてポンドは反発に転じたが、トラス新政権は大型減税案を撤回する意図はないとしている。かといって中銀が大幅利上げを行えば、また政策の食い違いが標的にされてポンド売りが再燃する可能性がある。
ポンド急落の際は、ポンド買い介入が噂されたが、英中銀の介入資金はさほど大きくない。英国の外貨準備高はおよそ1800億ドル程度(1ポンド=160円として26兆円弱)で日本の7分の1程度しかない。売るべきドルをそれほど保有していないため、有効な手段にはなりえない。
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安値圏にあるからといってポンド買いには注意したい。
情報提供:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
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