テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

カテゴリ: ドル円

【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は上値の重い展開になりそうだ。週明け20日の東京市場は、トルコ問題が嫌気され110円台半ばに下落した。前週末の海外市場では、欧州時間は米国人牧師の拘束を続けるトルコに対し、米政府が追加制裁を辞さない構えを見せたことでリスクオフムードが強まり、ドル円は一時110円30銭前後に下落した。

その後、米中貿易摩擦の解消期待から110円台半ばに浮上した。今週は、中国経済の減速懸念やトルコ情勢、その他の新興国通貨の動向が注目されよう。これらの事態が悪化すればリスク回避の円買いが強まるだろう。

イタリアの財政やユーロ圏金融機関のトルコへの投資額に関する懸念もあり、ユーロ売りがクロス円に広がる可能性もある。

17日の米国市場の取引終了後にトルコに対する格付けが発表された。ムーディーズは、トルコの長期発行体格付けを「Ba2」から「Ba3」に引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」に変更した。S&Pグローバル・レーティングも、トルコの信用格付けを投機的(ジャンク)等級の「BBマイナス」から1段階引き下げ「Bプラス」とした。見通しは「安定的」で据え置いた。トルコリラの相場変動が非常に大きく、来年の景気後退が予想されると指摘した。 予想されていた格下げとはいえ、改めてこれが意識される可能性があり、今週もトルコリラが波乱要因となりそうだ。

米国とトルコの関係は、イスラム教指導者ギュレン師や米国人牧師ブランソン氏を巡って悪化しており、政治的問題だけに解決も難しく、トルコから他の新興国通貨へ危機の伝染も心配される。

先週の中国・人民元は下落基調が強まった。中国人民銀行は流動性を引き締め、売り持ちコストを引き上げるべく、オフショア人民元の預金と貸し出しで一部の銀行間取引口座の使用を禁止した。中国の1~7月の固定資産投資は1996年以降で最低の伸び率となった。

中国政府は「固定資産投資計画」を打ち出しているが、上海株価総合指数が16日に2016年3月以来の安値を付けた。中国の景気減速懸念から中国株や人民元の下げが拡大すればリスク回避が再燃し、円高圧力が強まる可能性もある。6月以降中断していた米中通商協議が22、23日に開催されるが、米国は23日に160億ドル分の中国製品を対象にした制裁関税の発動を予定している。

米中貿易摩擦が中国のみならず米国の景気にも影響し始めてきたようだ。フィラデルフィア地区連銀の8月新規受注指数は2016年9月以来の低水準となった。8月のミシガン大消費者信頼感指数は95.3まで低下し、2017年9月以来11カ月ぶりの低水準となった。生活費の上昇に対する懸念が示されており、消費が今後減速する可能性がある。

なお、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウム(23~25日)で24日に講演する予定。


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*CFTC建玉8月14日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万8368枚(前週比-4439枚)と減少した。総取組高は18万5834枚と前週比2068枚の減少。


<今週の主な経済指標>
22日は、7月米中古住宅販売件数、8月FOMC議事録公表、23日は米新規失業保険申請件数、24日は、7月米耐久財受注。

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*予想レンジ:109.50円~111.50円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は円高基調が強まりそうだ。週明け13日のドル円相場は急落し、一時110円10銭台まで円高が進んだ。前週の新興国通貨安や欧米株安を受けて日経平均株価が急落したことから、リスク回避モードが強まった。日経平均株価は300円以上下落し、1カ月ぶりに2万2000円を割り込んだ。

トルコリラショックが世界の金融市場を揺さぶっている。トルコは15%を越えるインフレ高進にもかかわらず利上げをする意向を見せていない。また、トルコ在住の米国人牧師を政権転覆を狙った2016年のクーデータに関係したとして拘束、トランプ大統領の釈放要求を無視した。そのため、トランプ大統領はトルコからの輸入品に対して関税を掛け、両国間の関係が悪化した。トルコリラの急落を受けてトルコ株式市場も大幅安となり、経済関係の深い欧州株が下落し、ユーロも大幅安となった。こうした背景からリスクオフモードが強まっている。

トルコの金融市場の混乱は今週も続きそうだ。エルドアン大統領は12日の演説で、米国と金融市場の通説に挑む姿勢を変えなかった。トルコの銀行規制監督庁(BRSA)は13日未明、外貨とリラとのスワップおよびスワップに類似する取引の総額が、銀行の法定自己資本の50%を上回ってはならないとする規制を発表した。これを受けて週明けのトルコリラはやや反発しているが、インフレを抑え、米国との関係を改善するという2つの根本的な問題を解決しない限り、リラ売りが止む可能性は小さいだろう。

市場のリスクオフモードが強まっている状況で、安全通貨である円が買われていく可能性は高いだろう。9日に行われた日米新貿易協議は、双方の立場の違いが明確になり、来月改めて協議を行うことになった。米国側はFTA(自由貿易協定)の締結を念頭に2国間の交渉を進めたい考えを示したのに対し、日本側は多国間の自由貿易体制を重視する方針を示し、意見の隔たりは埋まらなかった。貿易問題の拗れから、米国から為替相場への言及が出てくる可能性もあり、潜在的な円高圧力がつきまとう状況になったともいえよう。ファンドのドル買い・円売りポジションも頭打ちになっており、今後の動向が注目される。

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*CFTC建玉8月7日時点:ファンドのドル買い・円売りは6万2807枚(前週比-5650枚)と減少した。総取組高は18万7902枚と前週比9664枚の減少。

<今週の主な経済指標>
15日は米国7月小売売上高、米国7月鉱工業生産、16日は米国7月住宅着工件数、新規失業保険申請件数、17日は8月ミシガン大学消費者信頼感指数。

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*予想レンジ:109.00円~111.50円

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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は上値の重い展開になりそうだ。今週9日にワシントンで日米通商協議が開催されるため、動きにくくなろう。

西村官房副長官は1日、日米通商協議は米国側が求めている自由貿易協定(FTA)の予備協議との見方を否定し、日本はFTAを望んでいないと述べた。また、米国が自動車輸入に関税を課すための調査を実施中であることについて、日本として自動車関税を回避するよう議論していく方針を示し、輸出入において何らかの数値目標を設定することはないと断言した。

ただ、アメリカの日本に対する貿易赤字は、今年1月からの半年間で346億ドルと、前年同期と比べて1.9%増加した。トランプ政権は貿易赤字の削減に向けて、日本に対して自動車や農業分野の市場開放を迫ってくると見られ、交渉が難航するようであれば、為替について言及される可能性がある。トランプ大統領による為替に関する突然の発言も警戒される。

3日に発表された7月米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが15.7万人にとどまり予想外の弱さとなった。失業率は3.9%、賃金の伸びは前年比で2.7%と予想通りとなった。弱い雇用統計受けてドルが売られており、地合いは弱まっているようだ。とはいえ、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示されたように、9月の利上げは既定路線にあることに変わりはないだろう。

米中の貿易戦争激化懸念もドルの重石になっている。先週、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は、中国政府はトランプ大統領の通商を巡る問題に対処していく決意を過小評価してはならないと発言した。トランプ政権は前週、2000億ドル相当の中国製品に対して課す関税について、税率を当初発表の10%から25%に引き上げることを提案していると発表。これに対して中国財政省は3日、600億ドル相当の米国製品に追加関税を課す報復措置を講じる方針を発表した。

中国経済の減速懸念から人民元が対ドルで14カ月ぶりの安値を更新しているが、中国人民銀行(中央銀行)は3日、人民元相場の安定化に向け、市中銀行に義務付ける為替フォワード取引の準備金要件を6日から20%に引き上げる方針を示した。米国が中国に対して強硬姿勢を崩していないことや日米通商協議の結果が判明するまではドル買いに積極的にはなれないだろう。

日銀が7月31日に強力な金融緩和策の持続性を強化する措置を決定したものの、長期金利を「ゼロ%程度」に誘導する目標自体は維持しつつも変動幅の拡大を容認したことで、日本国債10年物利回りは一時0.145%まで上昇した。金利がさらに上振れするようであれば円高基調が強まりそうだ。

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*CFTC建玉7月31日時点:ファンドのドル買い・円売りは6万8457枚(前週比-5312枚)と減少した。総取組高は19万7566枚と前週比2861枚の減少。

<今週の主な経済指標>
9日21:30米国7月生産者物価指数、10日8:50日本第2四半期実質GDP、21:30米国7月消費者物価指数

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*予想レンジ:110.50円~112.20円

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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は堅調に推移しそうだ。今週は重要イベントが複数ある。30、31日は日銀金融政策会合、31、1日には米連邦公開市場委員会(FOMC)がそれぞれ開催され、3日には7月米雇用統計が発表される。週明け30日の東京市場におけるドル円は、日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとのムードから111円を挟んだレンジで保ち合いとなっている。

先週は、日銀が長期金利の誘導目標の柔軟化を検討していると報じられるなど大規模な金融緩和政策の副作用に関するニュースが出て、国内長期金利が上昇し、日米金利差縮小観測からドル安・円高が進んだ。31日の日銀決定会合では金融緩和の柔軟化が予想されているが、今後の連続的な利上げの端緒となる可能性は低く、日米金利差の持続的縮小につながるような展開にはならないと予想される。

ただ、物価上昇率の見通しを修正する可能性があり、金融緩和策は維持されよう。110円台では実需の買いもあってドル円は底堅く推移しよう。会合後に黒田日銀総裁が会見で、長期化する金融緩和政策の副作用について、どのような発言をするかが注目される。1日のFOMCでは、政策金利の据え置きが見込まれている。9月の会合で利上げが行われると予想されているが、トランプ大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げに不満を示したため、パウエルFRB議長がどのような見解を示すのか注目される。

27日に発表された第2四半期国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比4.1%増と、約4年ぶりの高い伸びを記録したことを踏まえて、ムニューシン財務長官は、米経済は今後4-5年に渡り、3.0%以上の成長率を維持するとの見通しを示した。3日に発表される7月米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比19万3000人増え、失業率は3.9%に低下する見込み。平均時給は年率2.7%増が見込まれており、今後の利上げを後押しする内容になりそうだ。総じてドル買い要因が多く、ドル円は反発する可能性が高いだろう。

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*CFTC建玉7月17日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万9832枚(前週比+1102枚)と増加した。総取組高は18万2066枚と前週比1万3706枚の減少。

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*予想レンジ:110.00円~112.50円

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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は円高が一段と進行する可能性が高いだろう。週明け23日の東京市場のドル円相場は下落し、1週間半ぶりに111円を割り込んだ。先週末にトランプ大統領が中国や欧州連合(EU)の為替政策に対して「通貨安誘導」と批判したことを受け、貿易戦争が通貨戦争に発展するとの懸念が強まり、ドル売りが強まった。ドル円一時は110円82銭まで下落し、7月11日以来の安値を更新した。

トランプ大統領は先週のツイッターへの投稿で、強いドルは米国を不利な立場に置くとし、中国人民元は底値を付けているなどと発言。米連邦準備理事会(FRB)の利上げについては「さほど喜ばしいとは感じていない」とした。さらに、米テレビは、トランプ大統領がFRBが年内あと2回の利上げを実施するのを懸念していると伝えた。

また、中国や欧州連合(EU)が金利を引き下げて自国通貨安に導いているとツイッターで批判し、ドル高が米国の「競争上の優位性」を鈍らせていると不満を表明した。円はドル以外の通貨に対しても上昇したが、円高の背景には日本銀行が月末の金融政策決定会合で金融緩和の副作用への対応を検討するとの観測が浮上していることもある。

CFTC建て玉によると、ファンドは17日時点でドル買い・円売りポジションを5万8650枚まで拡大させており、ドルロングが膨らんでいた。先週のトランプ大統領の発言はこのポジションに冷や水を浴びせた格好になった。111円を割り込んだことで、相応のストップロスが出ることが予想される。今週はドル円の下落基調が強まりそうだ。

なお、ムニューシン財務長官は22日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕に当たり記者会見し、通貨戦争が起きる可能性はないと言明した。また、日本の財務省当局者は21日、為替相場に関するトランプ米大統領の最近の発言に日本は注意する必要があり、日銀の金融緩和は通貨安ではなくデフレ対策が目的だと米政府にあらためて説明することが必要になるかもしれないとの認識を示した。

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*CFTC建玉7月17日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万9832枚(前週比+1102枚)と増加した。総取組高は18万2066枚と前週比1万3706枚の減少。


<主なイベント・経済指標>
23日は米6月中古住宅販売件数、24日は米7月製造業PMI、25日は米6月新築住宅販売件数、26日は欧州中央銀行(ECB)政策金利、0米6月耐久財受注、米新規失業保険申請件数、27日は米国第2四半期国内総生産(GDP)、7月ミシガン大学消費者信頼感指数 。

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*予想レンジ:109.50円~111.50円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は上昇基調が継続し、年初来高値を目指す展開が続きそうだ。先週11日、米国が中国製品2000億ドルを対象に追加関税を公表した直後はドル売り・円買いが進行したが、その日のNY市場ではドル買いが優勢となり、ドルの強い地合いが確認された。米中貿易戦争の激化が懸念され、市場のリスクオフモードが強まり、ドル売り・円買いが強まり円高が進むとの思惑が外れ、ドルの買い戻し画急速に進んだ。

生産者物価指数(PPI).消費者物価指数(CPI)の発表を受けてインフレ率の高進が確認され、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内あと2回の利上げを滞りなく決定できるとの見方が強まったことが背景にある。ここ数カ月間の上値抵抗線となっていた5月高値の111円40銭を突破したことから、ストップロスの買いも入り112円台が定着した。NYダウも2万5000ドルを回復したことから、リスクオンモードが強まり、ドル円は113円台をめざし、いずれ1月8日に付けた年初来高値113円40銭が視野に入るだろう。

さて、米中関税報復合戦の中で、なぜドル高が進んでいるのか。市場ではいくつかの見方がある。まず、関税引き上げで安い中国製品の輸入が細り、米国の国内物価には上昇圧力がかかり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを加速させるため、ドル高要因になるとの見方。また、米国による中国からの輸入額は年間約5000億ドルだが、中国による米国からの輸入額は約1300億ドルにとどまる。制裁関税合戦になれば輸入量で上回る米国の方が有利であり、最終的には米国が貿易戦争に勝ち、ドルの優位性が高まるとの見方。さらに今後、トランプ大統領が自動車への25%追加関税を発動すれば、日本の輸出に大きな打撃となり、貿易収支が悪化するため円安要因になるとの見方。

今週は、17日に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が注目される。米中貿易戦争が激化する様相を見せているが、物価見通しや利上げスケジュールに変化はないか確かめることになる。米経済の強さを再確認するようであれば、ドル高がさらに進みそうだ。


*CFTC建玉7月10日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万9832枚(前週比+1102枚)と増加した。総取組高は18万2066枚と前週比1万3706枚の減少。
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<主なイベント・経済指標>
16日はトランプ・プーチン会談(初正式会合)、7月NY連銀製造業景気指数、6月米小売売上高、18日は6月米住宅着工件数、19日は6月本邦貿易収支、米新規失業保険申請件数。

yen0717

*予想レンジ:111.00円~113.50円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は上値の重い状況になりそうだ。先週6日に発表された6月米雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数は季節調整済みで前月比21.3万人増と、市場予想の19.5万人増を上回ったものの、失業率は4.0%と前月の3.8%から悪化し、物価上昇の先行指数として注目される平均時給も前月比0.2%上昇、前年同月比で2.7%上昇と、いずれの伸びも予想を下回ったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定する「年内4回」の利上げ観測がやや後退した。

これに加え、6日には国と中国が互いに340億ドル相当の輸入品に対する関税を発動し、米中貿易戦争の激化が予想されている。米中が表面的な落ち着きどころを探るのか、関税合戦がさらに続くのかが不透明であるため、ドルを積極的に買いにくくなっている。米長期金利が高留まりしているため、ドル円の下値はサポートされようが、上値は重い展開になるだろう。

この他、中国株の動向も焦点となりそうだ。米中貿易戦争の激化懸念から中国景気が減速するとの見方から中国株が売られ、市場のリスクオフモードが強まっていた。しかし、先週末のNYダウは反発し、週明けの日経平均株価が大幅反発したことから、これが中国株に波及すれば、市場のリスクオフモードは後退し、ドル買いが優勢となる可能性があろう。一部では中国株は底値圏に達したとの見方を強めている。

また、今週は12日に6月米消費者物価指数(CPI)が発表される。コアCPIは前年同月比で+2.3%が予想されており、前回の+2.2%より上昇する見込み。予想通りであれば雇用統計で後退した利上げ見通しが強まる可能性があり、ドルを押し上げそうだ。

ユーロがドル円を押し上げる展開も想定される。先週は一部の欧州中央銀行(ECB)メンバーが2019年末の利上げは遅すぎると認識しているとの報道から、早期引き上げ観測が強まり、ユーロ円の上昇がドル円を押し上げた。ユーロ高がドル円を支える場面もありそうだ。

なお、米連邦準備制度理事会(FRB)は5日に6月12、13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。FRBは6月のFOMCで、金利を0.25%引き上げ、年1.75~2.0%とすることを決定。景気が巡航速度で拡大するのに適した金利水準を2.875%(中央値)と想定した。議事要旨によると、多くの参加者が、緩やかな利上げを続ければ「来年ごろ」にその水準に到達すると予想した。さらに、参加者は、2019年か20年に利上げをやめるのが適切との認識を示唆したことが分かった。FRBが利上げ打ち切りの時期に言及したのは初めて。

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*CFTC建玉7月3日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万8730枚(前週比+4509枚)と増加した。総取組高は16万8360枚と前週比1万4794枚の増加。ファンドはドル買いを進めている。

<主なイベント・経済指標>
*9日は日本5月国際収支(経常収支・貿易収支)、11日は6月米生産者物価指数(PPI)、12日は6月米消費者物価指数(CPI)、13日は7月ミシガン大学消費者信頼感指数。

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*予想レンジ:108.50円~111.50円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。


【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円はジリ高となりそうだ。週明け2日の東京市場のドル円は、一時5月22日以来となる111円台前半に上昇した。2日付の中国共産党機関紙・人民日報が中国の鍾山商務相の発言として、同国が市場アクセスを大幅に拡大するとともに、いかなる種類の保護主義にも反対する意向を伝えたことがドル買い・円売りにつながったようだ。市場では中国の市場アクセス拡大で、米中の貿易摩擦が回避されることへの期待感が広がったと見られている。

米国は今週6日、知的財産権侵害への制裁措置として340億ドル相当の中国輸入製品に追加関税を発動する予定。中国は米国の制裁関税への対抗措置として同額の米国輸入製品に報復関税を発動すると表明している。これを受けて世界の株式市場が不安定に推移しているが、中国の市場アクセス拡大を受けて、6日までに落としどころを見つけられる可能性が高まった。ドル円は堅調に推移しそうだ。トランプ大統領の保護主義的な通商政策に対する懸念が一時的に後退する可能性はあるが、中国の景気減速や米国の景気減速の兆しがドルの上値を抑える可能性があるだろう。

米中貿易摩擦の激化が中国経済に大きな悪影響をもたらす可能性が懸念され、人民元相場は月間ベースで記録的な下げとなる見込み。人民元は今月、対ドルで約3.4%下落し、資本流出の引き起こしを招くと懸念されている。これを受けて上海株は下落し、世界の株価にもネガティブ要因になっている。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は29日、米連邦準備制度理事会(FRB)が「非常にゆっくりと動くことを期待している」と明言した。クドロー委員長は、FRBが、雇用拡大と経済成長の加速はインフレを引き起こさないと理解することを望んでいると主張。FRBが景気過熱を回避する利上げを急がないよう注文した。政権高官が金融政策に言及するのは極めて異例で、利上げ牽制制発言とも受け止められている。背景としては、米国の景気減速懸念があるのではないか。フィラデルフィア地区連銀が発表した6月の連銀業況指数は19.9と、前月の34.4から大幅低下し、2016年11月以来約1年半ぶりの低水準となった。5月米耐久財受注では、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注が前月比0.2%減と落ち込んでいる。

週明け2日に発表された6月日銀短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は2期連続で悪化となった。2期連続の悪化は2012年12月以来、5年半ぶり。米国発の通商問題や資源価格上昇への懸念により景況感が悪化した。6日には6月米雇用統計が発表される。非農業部門就業者数予想は19.5万人(前回22.3万人)、失業率は変わらずの3.8%、平均時給は前回と同じく+0.3%が予想されている。予想通りであればドル買い要因となろう。



*CFTC建玉6月26日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万4221枚(前週比-1341枚)と減少した。総取組高は15万3566枚と前週比1075枚の減少。ファンドのドル買いは足踏みしているようだ。


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<主なイベント・経済指標>
2日は6月米ISM製造業景況指数、3日は5月米耐久財受注、4日は独立記念日で休場、5日は6月ADP雇用統計、6月FOMC議事録公表、6日は15:00南アフリカ6月外貨準6月米雇用統計。

yen0702

*予想レンジ:109.00円~112.00円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、米中間、米欧間の関税報復を背景に下落基調が強まりそうだ。週明け25日、米財務省は、中国資本が25%以上を占める企業に対し、「産業上重要な技術」を保有する米国企業の買収を禁じる規則を策定しているとのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を受けて、中国企業による米国のハイテク企業への投資が禁じられることが懸念され、リスクオフモードが強まり、ドル円は一時109円41銭まで下落した。

トランプ大統領は3月、ムニューシン財務長官に対し、米国にとって極めて重要な技術分野の投資を巡る懸念に対処するよう指示した。トランプ政権は国際緊急経済権限法(IEEPA)を発動して中国による投資を制限する見込みで、「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」で特定された航空宇宙やロボット工学、新エネルギー車などの分野が制裁で重点が置かれる見通し。米財務省は29日、中国による知的財産権侵害問題で、米通商法301条に基づき米政府が講じる措置の一環として、輸出規制強化に加え、中国の対米投資の制限を公表する予定。

7月6日には中国からの輸入品340億ドル(約3兆7300億円) 相当への関税を米国が発動させる見込み。さらに意見公募期間終了後に160億ドル相当の輸入品に追加関税が課される。中国が同額の計500億ドルの米産品への報復関税を課す意向を表明すると、トランプ大統領は米通商代表部(USTR)に対し、10%の追加関税を課す中国からの輸入品2000億ドル相当の品目を特定するよう命じた。米国が対中制裁関税を発動する7月6日までに双方が落としどころを見つけるのか警戒感が高まっている。

トランプ大統領は先週22日、欧州連合(EU)内で組み立てられた全ての自動車に対し20%の関税を課す考えを示したが、EUも報復激化を辞さない方針を示唆している。欧州委員会のカタイネン副委員長は、トランプ大統領が示唆した通り欧州の自動車に新たな関税を賦課した場合、EUは「対抗する以外に選択肢はない」とで述べた。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続見通しはドルの下値をサポートしよう。20日に欧州中央銀行(ECB)が開催した年次フォーラムで、パウエルFRB議長は、緩やかな利上げを継続するとして、先の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で明らかになった年4回の利上げ見通しについて改めて言及した。ファンドはこれを受けてドル買い・円売りポジションを拡大させている。

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*CFTC建玉6月19日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万5562枚(前週比+4万0614枚)と増加し、途転ドル買い越しとなった。総取組高は15万4641枚と前週比1万2236枚の減少。

<主なイベント・経済指標>
25日は米5月新築住宅販売件数、26日は米6月消費者信頼感指数、27日は米5月耐久財受注、米5月中古住宅販売成約、28日は米新規失業保険申請件数、米第1四半期GDP前期比年率、29日は米5月個人所得、0米6月ミシガン大学消費者信頼感指数。

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*予想レンジ:108.00円~110.50円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は13日、約3カ月ぶりの利上げを決定し、今年の利上げペースが年3回から年4回へ加速することが示された。14日には欧州中央銀行(ECB)が、量的金融緩和政策を年内に終了することを決めた。一方、日銀は15日の金融政策決定会合で、現行の大規模金融緩和策の維持を決めた。2.0%の物価上昇目標の達成が見通せない中、短期金利を-0.1%、長期金利を0.0%程度に抑え、景気を下支えする。景気の現状判断は「緩やかに拡大している」で据え置いた。日米欧の金融政策の方向性の違いが鮮明になった。これはドル円のサポート要因になるが、FRBによるタカ派的な姿勢は、新興国通貨の下落を招き、世界経済への不安定さを誘発することから、リスク回避の円買いを招く可能性がある。

6月24日はトルコ大統領選、7月1日はメキシコ大統領選があるため、新興国リスクが高まる可能性には注意しておきたい。

また、米国の通商問題が上値を抑えよう。米国は欧州連合(EU)、カナダ、メキシコに対し鉄鋼・アルミニウム関税を適用したが、これに対し国際通貨基金(IMF)は、輸入関税措置は世界の貿易体制への脅威となるほか、他国からの報復措置を招き、いずれ米経済に悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らした。IMFは米経済政策に関する報告書の中で、2018年の米成長率見通しについて、4月時点の予測である+2.9%を据え置いた。同年および2019年は力強い成長になると想定しつつも、税制改革や財政支出拡大によって2020年以降のリスクが高まる可能性があるとの見通しを示した。

これに加えて、米中貿易戦争が激化する様相を見せており、市場はリスクに対して敏感になりそうで、ドルの上値を抑えるだろう。7月に予定されているライトハイザー米通商代表部代表と茂木経済財政相による日米通商協議では、自動車輸入関税の導入が示唆されている。日米貿易不均衡是正圧力を反映して円高圧力が高まる可能性もある。

*CFTC建玉6月12日時点:ファンドのドル売り・円買いは5052枚(前週比+8489枚)と増加し、途転円買い越しとなった。総取組高は16万6877枚と前週比2万0429枚の増加。

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<主なイベント・経済指標>
20日は4月日銀金融政策決定会合議事要旨、米国第1四半期経常収支、米国5月中古住宅販売件数、21日は米国新規失業保険申請件数、22日は石油輸出国機構(OPEC)総会、日本5月全国消費者物価指数、米国6月製造業PMI。

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*予想レンジ:108.00円~111.00円


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