テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

カテゴリ: ドル円

【ドル円、今週の予想(7月7日)】
*堅調に推移か。予想レンジ:106.50~108.50円。
*先週は、6月米ISM製造業景況指数と6月米雇用統計という重要経済指標が発表され、ともに好結果だった。また、月末・期末の資金需給要因によるドル買いも強かった。それらにもかかわらずドル上昇に弾みがつかなかった。新型コロナをめぐる情勢を背景にリスク選好モードになりきれなかったようだ。中国政府が7月1日から香港に国家安全維持法を導入したことで、トランプ政権は香港人権民主法やウイグル人権法などを根拠にした対中制裁措置の発動を示唆している。中国政府は内政干渉と反発しており、報復措置として、米国産農産物の中国への輸出に際して新型コロナウイルス感染の検査強化を米国の荷主に要求している。米中対立の激化懸念もリスクオフ要因で、市場心理の本格的好転は困難だろう。今週も107円台を中心に一定の値幅でのレンジ相場が予想される。新型コロナウイルスの感染再拡大に対する懸念が一段と強まればリスク回避のドル売り・円買いが、逆に不安感が後退すればドル上昇が見込まれる。米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、事実上のゼロ金利政策の維持を決めた6月9、10日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。政策運営の方向性を明示し金融緩和効果を高める追加策を「数カ月内」に示すべきとして早ければ7月28、29日のFOMCで具体策が公表される可能性がある。追加緩和を期待に株価が堅調に推移していることはドル買い要因になろう。

<強材料>
1.6月シカゴ景況指数(シカゴPMI)は36.6と前月の32.3(改定値)から上昇。
2.6月米消費者景気信頼感指数(1985年=100)は98.1と、前月の85.9(改定値)から上昇し、市場予想の91.8も上回った。新型コロナウイルスの感染拡大で制限していた経済活動を再開する動きが広がり、失業保険申請件数が改善したことなどが要因。
3.6月米ISM製造業景況指数は52.6と4カ月ぶりに景気拡大と縮小の節目とされる50を上回った。
4.6月米雇用統計は景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数が前月の269.9万人増から大きく改善し480万人増加となった。活動再開でレストランが148万人、ホテルは23.8万人それぞれ増え、全体を押し上げた。失業率は11.1%(前月13.3%)となり、経済活動の再開に伴い、戦後最悪だった4月から2カ月連続で改善した。
5.米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ所長は、トランプ政権による新型コロナウイルスワクチン開発加速に向けた「ワープ・スピード作戦」について楽観的な見方を示した。年末までに安全で効果的なワクチンが開発され、来年初めまでに3億人分の生産目標を達成できるだろうと期待を表明した。

<弱材料>
1.6月米第1~4週小売売上高は前月同期比0.7%減少。前年同期比では7.4%の減少。
2.米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は30日の議会下院での証言で、景気が「想定より早く重要な新段階に入った」と、新型コロナウイルスに伴う悪化局面が底入れした可能性を示唆した一方で「新たな試練」に直面していると言及し感染の拡大に警戒感を示した。
3.米議会予算局(CBO)は2日、2020年の実質GDP(国内総生産)伸び率をマイナス5.8%とし、5月(マイナス6.0%)から上方修正した。回復ペースは鈍く「新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻るには22年半ばまでかかる」と分析。失業率は30年まで年平均6.1%に高止まりすると想定した。経済は政府のコロナ対策に支えられ
4.3日時点の新型コロナウィルスによる死者は米国が世界最多の5万3213人。フロリダ州の1日あたり新規感染者は4日、1万1400人を超え、過去最多を更新した。
5.自動車メーカー主要6社の2020年4~6月期の米新車販売台数は、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した影響で、1~3月期から一段と販売を落とした。

yen0707

*CFTC建玉6月30日時点:ファンドのドル売り・円買いは2万3861枚(前週比-3597枚)と減少。総取組高は13万7362枚と前週比7187枚の減少。
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【ドル円、今週の予想(6月29日)】
*堅調。
*予想レンジ:106.50~108.50円。
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、「有事のドル買い」が優勢になりそうだ。
ユーロ圏の経済指標改善を受けたユーロ買い・ドル売りがドル円にも影響し、23日には106円割れ近くまで下落する場面があった。リスクオフ局面でドルが買われ、リスクオン局面でドルが売られるという動きも見られた。世界的にロックダウン(都市封鎖)が解除され経済活動の活性化が期待される反面、人やモノの往来の活発化に伴う新型コロナ「第二波」が懸念されている。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、世界の新型コロナウイルスの累計死者数は29日に50万人を超えた。経済活動の再開を急ぐあまり再び感染が広がる国もあり、依然として感染者・死者数ともに拡大ペースは続いている。国・地域別の累計者数では米国が12万5千人超と最も多く、世界全体の4分の1を占めている。ブラジル(約5万7千人)やメキシコ、(約2万6千人)、インド(約1万6千人)、イラン(1万人超)等新興国でも死者数は拡大しているが、米国内の新規感染者が過去最多を更新したことが憂慮されている。テキサス州では、新型コロナウイルス感染者の急増を受け、バーを閉鎖し、レストランの入店者数も50%に制限する知事令を出した。フロリダ州もバーでの酒類消費が停止になった。景気回復への阻害要因が大きくなっている事を背景に週末26日のNYダウは前日比730ドルも下落し、2万5015.55ドルで引けた。米中関係悪化も懸念される。米上院は25日、香港の自治侵害に関わった中国当局者らに制裁を科す「香港自治法案」を可決した。こうした不安要因が「有事のドル買い」を後押ししよう。今週末は独立記念日に伴う3連休に入るためドル需要は強まりそうだ。

<強材料>
1.米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は、物価安定の目標としている2%のインフレ率について、「引き下げを検討することさえも考えていない」と明確に否定。
2.シカゴ連邦準備銀行が発表した5月全米活動指数(CFNAI)はプラス2.61となり、前月のマイナス17.89(改定値)から大幅改善した。
3.5月米耐久財受注額(季節調整後、半導体を除く)は、前月比15.8%増の1944億1900万ドルとなった。伸びは2014年7月(23.2%増)以来5年10カ月ぶりの大きさ。
4.5月米個人消費支出(PCE)は前月比8.2%増と、1959年に集計を始めて以来最大の伸びとなった。4月は最大の下落幅だったが、新型コロナウイルス対策で政府が講じた世帯現金給付、失業手当拡充などを背景に急回復した。
5.ロス商務長官は日、新型コロナウイルスの感染者増加を受けてテキサス州が経済活動の再開を抑制したものの、米国の景気は今年下半期に引き続き力強い回復軌道を維持するとの見通しを示した。
6.米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は、米中通商合意は無傷であるばかりか、数々の分野で建設的に前進しているという考えを示した。ナ

<弱材料>
1.国際通貨基金(IMF)は24日、最新の世界経済見通しで、2020年の成長率をマイナス4.9%と4月時点の予測(マイナス3.0%)から下方修正した。新型コロナウイルス感染拡大が収束せず、景気回復が想定より鈍いと分析した。1930年代に深刻化した大恐慌以来の不況に陥り、米国の20年成長率はマイナス8.0%と予想。
2.米国では州間で失業率の格差が広がっている。中西部「ラストベルト」(さび付いた工業地帯)では高止まりしている。
3.経済再開を急いだ州では感染が再拡大している。1日当たりの新規感染者数の調査によると、アリゾナ、テキサス、フロリダは最近、過去最多を更新した。
4.ミネアポリス連邦準備銀行のカシュカリ総裁は、新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した景気の回復は「2~3カ月前に想定していたよりも長引くだろう」と語った。さらに、回復持ち直しが鈍いとの見方を示した。
5.5月米中古住宅販売件数(季節調整済み)は年換算で391万戸と、2010年10月(383万戸)以来9年7カ月ぶりの低水準となった。前月比は9.7%減と3カ月連続のマイナス。
6.6月第1~3週の米国小売売上高は季節調整済みで前月同期比1.4%減少。前年同期比では8.0%の減少。IHSマークイットが発表した6月のユーロ圏製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が市場予想を上回る一方、米製造業PMI速報値がさえない内容だった。
7.2020年1~3月期の税引き後企業利益(在庫評価・資本減耗調整済み)改定値は、季節調整後の年換算で前期比12.4%減の1兆6723億ドルとなった。前年同期比では6.6%減。

yen0629

*CFTC建玉6月23日時点:ファンドのドル売り・円買いは2万7458枚(前週比+5348枚)と増加。総取組高は14万4549枚と前週比1万7262枚の増加。


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【ドル円、今週の予想(6月23日)】
*もち合い、上値重い。
*予想レンジ:106.00~108.00円。
世界各国でロックダウン(都市封鎖)が解除され経済活動再開への期待から世界的に株価が上昇し、リスク選好が強まった。NYダウは6月8日に2万7580ドルに上昇した。しかし、新型コロナの感染「第二波」が懸念されると株価は反落に転じダウは一時2万5000ドルを割り込んだ。リスクオフモードが強まり、ドル円も107円を割り込んだ。ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の集計によると、新型コロナウイルスの世界の感染者は16日、累計800万人に達した。米国で210万人を超え、ブラジルが90万人に迫るほか、ロシアも50万人を上回っている。南半球は冬を迎え、新型コロナ流行が収まる気配はない。また、欧州連合(EU)加盟国の多くは今月15日に域内の国境を開放しており、感染「第2波」が懸念されている。世界の死者は43万人を超えており、米国は11万人以上と世界最多。中国でも北京市で感染が拡大している。米中関係に関してはハワイでの会談でやや落ち着きを見せた。朝鮮半島情勢は直接的な軍事行動がなければ大きな影響ななさそうだ。中印の国境を巡る問題一応の解決を見た。一方、米国では黒人男性の暴行死をきっかけとした抗議デモが全土に広がり、トランプ大統領の支持率低下もあって強硬策を取った場合、ドル売り要因になりそうだ。ただ、最近のリスクオフ局面では安全資産である円が買われると同時に基軸通貨であるドルも買われており一方的な円高には至っていない。米株価に関しては米金融大手バンク・オブ・アメリカが16日に公表したファンドマネジャー対象の月次調査によると、98%の投資家が株式相場について過大評価されているとみているという。ただ、不安が漂う中でも投資家の買い意欲は強いことから、下落場面では買いが期待されよう。そのためリスクオフなっても過度の弱気にはならないだろう。ドル円はマイナス材料に反応しやすいものの、下値には限界がありそうだ。

<強材料>
1.5月米小売売上高(季節調整済み)は前月比17.7%増の4855億4500万ドル(約52兆円)となり、比較可能な1992年以来で最大の増加率となった。個人消費は市場予想を大幅に上回り、最大の減少率を記録した4月(14.7%減)から急回復した
2.フィラデルフィア連銀製造業景況指数が総合でプラス27.5と、前月のマイナス43.1から上昇。市場予想のマイナス23.0を上回る大幅改善となった。
3.5月米景気先行指標総合指数(2016年=100)は99.8と、前月比2.8%上昇した。市場予想の2.3%上昇を上回った。
4.米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は、物価安定の目標としている2%のインフレ率について、「引き下げを検討することさえも考えていない」と明確に否定。
5.FRBはマイナス金利を明確に否定。
<弱材料>
1.全米経済研究所は今年2月にリセッション(景気後退)入りしたと正式に認定。4~6月期の成長率は2桁のマイナスが予想されており、消費と生産の本格回復には時間がかかるとみられる。
2.5月米鉱工業生産指数は前月比1.4%上昇と、過去最大の下げ(12.5%低下)となった前月から予想ほど上昇しなかった。
3.ダラス連邦準備銀行のカプラン総裁は、4~6月期の経済成長率が「歴史的に著しい」落ち込みを記録すると述べ、下げ幅は年率換算で35~40%との見方を示した。
4.米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、上院での議会証言で、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた景気の回復には「忍耐力が必要」とし、長引く恐れを警告した。
5.新型コロナの感染者・死者数はいずれも米国が世界最多。
6.州の間で失業率の格差が拡大。5月は経済活動の再開に前向きな与党共和党が知事を務める州で改善が目立ったが、秋の大統領選で注目される中西部「ラストベルト」(さび付いた工業地帯)などの激戦区では高止まりしている。

*CFTC建玉6月16日時点:ファンドのドル売り・円買いは2万2110枚(前週比+4648枚)と増加。総取組高は12万7287枚と前週比2万7872枚の減少。

yen0623

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【ドル円相場、今週の予想(6月16日)】
*もち合い、上値重い。
予想レンジ:106.50~108.50円。
今週は新型コロナウイルスの感染拡大第2波が警戒され、安全資産としての円買いが優勢となりそうだ。6月に入り経済指標の改善を受けて米株価は上昇し2万7000ドルを回復した。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)ではこうした楽観論を戒め景気回復には時間がかかるとされた。また、警官による黒人暴行死をきっかけに米国内のデモが拡大して不安感が増している。経済協力開発機構(OECD)が経済見通しを下方修正したこともあってリスクオンモードに冷や水を浴びせられた。ドル円の戻りも次第に重くなり、16日の日銀会合後には再び下落が強まる可能性がある。
米連邦準備制度理事会(FRB)は10日のFOMCで、事実上のゼロ金利と量的緩和の維持を決めた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気悪化で、失業率が高止まりするとのシナリオも公表。ゼロ金利を少なくとも2022年末まで継続するとし、金融緩和の長期化を見込んだ。声明では、感染拡大が「景気の中期見通しへの大きなリスク」と指摘。金利を年0~0.25%に保つ現行政策は「雇用最大化と物価安定という目標の達成が確信できるまで維持する」と改めて表明した。米国債なども「現行ペース」で買い入れ、量的緩和を続ける。パウエル議長は、5月雇用統計の改善を受けて、景気が一部で持ち直している兆しがあるとしたが、「人々が感染リスクの回避に安心感を持つまで景気は完全に回復しない」と強調。失業者の復職に数年かかるとし、「利上げを検討することさえも考えていない」と明言した。FRBによる四半期ごとの経済見通しでは、今年の成長率は-6.5%に落ち込み、21年に+5.0%に回復すると予測した。一方で失業率は、今年が9.3%、21年が6.5%、22年でも5.5%と緩やかな改善にとどまると想定した。さらに、感染「第2波」の発生などによる景気回復の失速を警戒し、リスクに備えて金融緩和効果を高める追加策を検討しているとした。

<強材料>
1.クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、米経済は約3カ月前に新型コロナウイルス感染拡大を受け突如として急激にリセッション(景気後退)に陥ったが、すでに転換点を迎えたとの認識を示した。
2.FRBは米国債等の資産買い入れは現行ペースを維持。
3.FRBは景気下支えへあらゆる手段を講じると表明。
4.FRB議長、低金利誘導策の導入効果に躊躇。
5.4-6月期GDPはさらに落ち込む可能性。
<弱材料>
1.FRBは事実上のゼロ金利と量的緩和の維持を決定。
2.ゼロ金利解除は23年以降を想定。
3.FRB議長、現在は「利上げを検討することすらない」
4.新型コロナ感染拡大は景気の中期見通しにリスク。
5.新型コロナウィルスによる企業破綻が懸念される。
6.ワシントン大の保健指標評価研究所(IHME)は、新型コロナウイルス感染の第2波が、米国では8月第4週から始まり、10月1日までの死者数が累計でおよそ17万人に上ると予想。

*CFTC建玉6月9日時点:ファンドのドル売り・円買いは1万7462枚(前週比-1万7462枚)と減少。総取組高は15万5159枚と前週比3584枚の減少。

yen0616

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◆ドル円◆
【今週の予想】
*上昇基調継続。予想レンジ:108~111円。
週末5日にNYダウは、2万7110.98ドル(+829.16)で終えた。終値での2万7000ドル台は3月4日以来約3カ月ぶりのこと。2月12日に付けた終値での史上最高値の2万9551.42ドルが視界に入ってきた。これは各経済指標に下げ止まりの兆しが出てきたことに加え、5月米雇用統計の内容が予想以上に良好だったことが背景にある。失業率は13.3%と前月(14.7%)から改善し、非農業部門就業者数も250万9000人増と前月(-2068万7000人)からプラスに転じた。予想に反して雇用が増加し、失業率も低下したことで、米経済の早期回復への期待が高まった。トランプ大統領が給与税減税を議会に求めると表明したことや、中小企業の給与費を肩代わりする雇用維持制度の拡充法案に署名したことも、支援要因になった。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」が、6日の会合で減産の1カ月延長を決定したことも株価には好材料。景気回復への期待から長期金利が上昇しドル買いが加速した。基本的にこの流れは続きそうで、ドル円は110円乗せをうかがう展開になろう。今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)が9、10日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。事実上のゼロ金利と量的金融緩和を維持する見通し。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の急激な後退で先行きの不確実性が払拭できないため、景気の長期停滞を回避するために、金融政策に加えて財政政策も重要として、追加経済対策に言及される可能性がある。その場合、株式市場には好感されリスクオンのドル高が強まりそうだ。

<強材料>
①.直近の米経済指標に改善が見られる。
 *5月米製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)39.8 (前回39.8)
 *4月米建設支出 [前月比] -2.9%(前回-6.0%)。
 *5月米ISM製造業景況指数  43.1(前回41.5)
 *5月ADP雇用統計 [前月比]  -276.0万人(前回-1955.7万人、予想-900.0万人)。
 *5月米サービスPMI改定値  37.5(前回36.9、予想37.3)。
 *5月米総合PMI改定値37.0(前回36.4)。
 *5月米ISM非製造業景況指数(総合) 45.4(前回41.8、予想44.0)。
 *4月米製造業新規受注 [前月比]  -13.0%(予想-14.0% )。
 最新新規失業保険申請件数 187.7万件(前回212.3万件)。

②.予想以上に良好だった5月米雇用統計。
*非農業部門就業者数は250万9000人増と前月(-2068万7000人)からプラスに転じた。
*失業率が13.3%と、戦後最悪だった前月(14.7%)から改善。

③.産油国による減産決定で原油価格にテコ入れ。

④.米連邦準備制度理事会(FRB)によるマイナス金利の否定。

⑤.トランプ大統領のドル高容認発言(5月14日)。

<弱材料>
①.米中関係の悪化。対中制裁措置の拡大。

②.米国デモの拡大でコロナ感染者数が増加。第二波への懸念強まる。

③.トランプ大統領の支持率低下。
マティス元国防長官、パウエル元国務長官がいずれもトランプ大統領を批判。

④.米連邦公開市場委員会(FOMC)でフォワードガイダンスの強化やイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の可能性がある。

*CFTC建玉6月2日時点:ファンドのドル売り・円買いは3万2579枚(前週比-2028枚)と減少。総取組高は15万8743枚と前週比1916枚の増加。

yen0609

【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円はもち合いが続きそうだ。週明け17日に発表された2019年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価の変動を除いた実質で前期比1.6%減、年換算で6.3%減と5四半期ぶりにマイナスとなった。昨年10月の消費税率引き上げで個人消費が低迷したことが背景。この結果を受けてドル円はややや売られた。

しかし、同日、中国人民銀行(中央銀行)が、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて金融機関に2000億元(286億5000万ドル)を供給した。金利は10ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.15%とした。 一段と金融緩和したことで景気は下支えされるとの期待もあり、ドル円は買い戻された。

新型肺炎コロナウイルスに関しては、4月頃までには終息するとの楽観的な見通しが示される一方で、日々の死者数や感染者数の増加などから悲観的な見方もあり、不透明感が強い。中国当局が集計基準の変更に伴う急増が要因と説明しているが、事態の終息に向けて確信が持てないため、市場は新型肺炎の拡大の影響による世界経済へのリスクを改めて懸念している。

先週、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は、新型肺炎をめぐり「中国政府の対応は透明性を欠いており、がっかり」「中国から正確な情報が来なければ影響を正しく評価できない」と語った。先週11、12日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、下院上院でそれぞれ証言した。金融政策に関して、米中貿易摩擦の緩和などに伴い、「現行の金融政策が適切であり続ける公算が大きい」として、当面は政策金利を現行の年1.50〜1.75%に据え置く方針を示した。

追加利下げ期待が後退して円売り・ドル買いが強まったが、コロナウィルスによる世界的な景気減速懸念からドル買いは限定的だった。ただ、コロナウィルスによる波及はあるものの米経済への影響は大きくないとした。ただ、議会証言後のCMEのFEDWATCHを見ると、今年半ば以降の利下げ見通しが高まっている。大統領選挙の年には金融政策の変更はないと言われてはいるが、コロナウィルスによる景気減速懸念が強まれば市場の利下げ見通しは一段と強まるだろう。

トランプ大統領は事あるごとに一段の政策金利引き下げとドル安に言及していることからも、利下げ圧力がかかりやすくなりそうだ。19日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28、29日開催分)が公表される。景気見通しについて慎重な意見が多く含まれていた場合、将来的な利下げ観測を見越してドルが売られる可能性はあるだろう。

<主な経済指標>
17日(月):本邦GDP速報値(10-12月)、鉱工業生産、設備稼働率、18日(火):NY連銀製造業景気指数、米NAHB住宅市場指数、19日(水):本邦貿易収支、コア機械受注、トルコ中銀政策金利、米住宅着工件数、米生産者物価コア指数、米FOMC議事要旨、20日(木):本邦工作機械受注、米景気先行指数、21日(金):本邦各種PMI・消費者物価コア指数、米各種PMI、米中古住宅販売件数。

*CFTC建玉2月11日時点:ファンドのドル買い・円売りは2万6188枚(前週比+4290枚)と増加。総取組高は19万3822枚と前週比3743枚の増加。

yen0217


*予想レンジ:107.50円~110.50円

情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
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【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は上寝の重い展開になりそうだ。中国における新型コロナウイルスの感染被害は日に日に拡大している。中国国家衛生健康委員会の10日の発表によれば、同国での感染症例は累計で4万件を越え、死者は908人に上った。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、中国への渡航歴がない人々から新型ウイルスが広がった懸念されるケースがあると指摘した。2020年における中国経済の減速は避けられないとの見方が強まっており、リスクオンにはなりにくい。米国経済は中国程には影響を受けなさそうだ。英調査会社オックスフォート・エコノミクスは7日、中国で発生した新型肺炎の感染拡大を受け、2020年の米経済成長率が0.1~0.2%押し下げられるとの試算を公表した。要因として、旅行業界への打撃、製造業のサプライチェーン(部品共有網)の混乱、マインドの悪化を挙げた。

ただ、「米経済への影響は限定的」との見解を示した。米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長も7日、中国を震源とする新型コロナウイルスの感染拡大が米経済に大きな打撃をもたらすとは想定していないと語った。米政権はこれまでの情報に基づき、「国内総生産(GDP)は0.2%ポイント程度押し下げられる可能性があると試算している」と明らかにした。いずれも米国経済の大きな落ち込みを想定していないが、投資マインドが改善するには時間がかかるだろう。2月11、12日に予定されているパウエル米連邦準備制度理事会(FRB))議長の議会証言が注目されよう。新型ウイルスの米国経済への影響を考慮し、景気見通しや利上げについて慎重な姿勢が改めて示されればドルの重石になりそうだ。

今週発表される1月消費者物価指数(CPI)や1月小売売上高が市場予想を下回った場合、リスクオフモードが強まり、ドルの重石になるだろう。1月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+2.2%と、インフレ率は12月実績を下回る見込み。1月小売売上高は前月比+0.3%と、伸び率は12月と同水準と予想される。1月米雇用統計は、非農業部門就業者数が22万5000人増加と市場予想の16万5000人増を大きく上回った。失業率は3.5%から3.6%に上昇した。平均賃金は前年同月比3.1%増と前回の3.0%から緩やかながら上昇が見られた。良好な雇用ながらインフレ率を押し上げる状況にはなく、現状の金融政策を変更するものではないだろう。

CMEのFEDWATCHによると、今年7月以降の利下げ見通しが高まっている。大統領選の年には金融政策の変更はないというジンクスがあるものの、トランプ大統領はドル安。利下げを志向している。新型肺炎によるマイナスの影響が見受けられた場合、利下げ見通しが高まり、ドルを押し下げていく可能性が高まるだろう。

*CFTC建玉2月4日時点:ファンドのドル買い・円売りは2万1898枚(前週比-1万4127枚)と減少。総取組高は19万0079枚と前週比5160枚の増加。

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*予想レンジ:107.50円~110.50円

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【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は上値の重い展開が続くだろう。世界保健機関(WHO)が30日に「緊急事態」を宣言し、新型肺炎の感染者が中国国内で1万人に迫る勢いになっていることから、リスクオフモードが強まり先週末のNYダウは600ドル以上も急落した。この流れを受けて、週明け3日の東京市場のドル円は108円を上回る円高進行が懸念されたが、中国人民銀行(中央銀行)が3日に、総額1兆2000億元(1738億1000万ドル)を緊急資金供給したことから安心感を生み、ドル円は108円50銭近辺で堅調に推移している。 しかし、中国国内で新型コロナウイルス感染による死亡者は2日時点で361人となり、感染者は1万7205人に達した。2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)感染者数を上回った。

世界保健機関(WHO)によると、中国でのSARSの感染者数は5327人だった。2003年のSARSコによる市場への影響は、ドル円が2002年12月高値125.73円から2003年5月安値115.10円まで10.63円、約8%下落し、日経平均株価は、2002年12月高値9320円から2003年4月安値7603円まで1717円、約18%下落した。3日に行われた中国人民銀行による緊急の資金供給だけで食い止められるか予断を許さない。米国家経済会議(NEC)と大統領経済諮問委員会(CEA)は新型コロナウイルス感染拡大の米経済への短期的および長期的な影響を予備的かつ予防的な観点から分析しているという。トランプ大統領は1月31日、中国を訪問し感染拡大のリスクがある外国人の入国を一時的に拒否する命令に署名した。米国市民や永住者の直系親族は例外となる。

米政府は中国から米国への到着便も7空港に限定した。新型コロナウイルス感染拡大による影響で中国の石油需要は消費全体の20%に相当する日量300万バレル程度減少した。この規模の落ち込みは恐らく2008年から09年の世界金融危機以降で原油市場が見舞われた最も大きな需要落ち込みなる。中国は16年に米国を抜いて世界最大の原油輸入国になっており、世界のエネルギー市場への影響は大きい。中国は日量約1400万バレルを消費しており、日本とフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、韓国の合計に匹敵する。今後は渡航や輸出入の制限により中国経済の成長鈍化が懸念されている。エネルギー関連株が押し下げられ、株式市場全体の重石になることが予想される。米国や中国の経済指標が予想を下回った場合、ネガティブな市場反応が予想される。リスクオフモードが継続し、今週のドル円は上値の重い展開になるだろう。

なお、トランプ大統領は4日、今後1年の施政方針を示す「一般教書演説」を上下両院合同会議で行う。上院ではウクライナ疑惑を巡り弾劾裁判が進められているが、11月の大統領選での再選をにらみ、これまでの経済面での成果を強調するとみられる。 上院の弾劾裁判ではトランプ氏に無罪評決が下されることはほぼ確実だろう。トランプ大統領の政策が国内のブルーカラー労働者や中間層を支援していると主張し、最近の中国との通商合意や北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の締結も強調。米国の軍事力を称賛し、明るい米国の未来像を語るという。 今週は米経済指標が多く発表される。1月ISM製造業・非製造業景気指数や1月雇用統計など。雇用統計では非農業部門雇用者数予想が前月比+15.6万人で12月の前月比+14.5万人から改善する見込み、平均時給予想も前年比+3.0%で12月の前年比+2.9%から上昇が見込まれている。

<今週の主な経済指標>
3日(月):本邦製造業PMI・自動車販売台数、米ISM製造業景況指数、米大統領選のアイオワ州党員集会(民主、共和)など、4日(火):トランプ大統領一般教書演説、5日(水):米貿易収支、米ISM非製造業景況指数、6日(木):米労働生産性、7日(金):本邦景気一致指数、米雇用統計など.。

*CFTC建玉1月28日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万6025枚(前週比-8676枚)と減少。総取組高は18万4919枚と前週比1万8660枚の減少。

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*予想レンジ:107.00円~110.00円

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【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は上値の重い展開になりそうだ。新型コロナウィルス感染拡大懸念や米上院でのトランプ大統領に対する弾劾裁判への懸念から、ドルは上値の重い展開になりそうだ。新型コロナウィルスによる新たな死亡者や罹患者数の増大が確認された。中国政府は春節に伴う海外出国の禁止を決めた。中国のみならず周辺諸国の観光産業への影響が危惧されて週明け27日のドル円はギャップダウンし、節目の109円を割り込んだ。中国政府の対応の早さを一応評価して下値を追う動きには至っていないが、今後も感染の拡大情報が出るたびにリスクオフモードが津四まりドルは売られるだろう。

中国のみならず日本や台湾、香港、米国、豪州、欧州にと患者が発見されている。新型コロナウィルスの治癒方法や感染拡大に歯止めがかからない限りは、どの程度の影響が現われるかが判断できない上に投資マインドは回復しないだろう。新型コロナウイルスの相場への影響を図る上で、市場は2002-2003年のSARSコロナウイルス時の動向を参考にしている。SARSコロナウイルスは、2002年11月16日の中国広東省で発生し、32の地域と国にわたり8000人余りの症例が報告された。2003年7月5日に世界保健機関(WHO)によって終息宣言が出された。

ドル円は、2002年12月の高値125.70円から2003年5月の安値115.10円まで10円強、およそ8%下落した。日経平均株価は、2002年12月の高値9320円から2003年4月の安値7603円まで1700円あまり約18%下落した。ただ当時と現在では中国経済のプレゼンスが違っているため市場は身構えているわけだ。訪日観光客数では当時の20倍以上増加している。

米上院でのトランプ大統領に対する弾劾裁判では、大統領罷免には、上院議員の3分の2である67議席の賛成が必要なため、否決される見通し。しかし、民主党は同大統領を弾劾裁判で追及してイメージを貶めて、11月の米大統領選挙や上院選挙につなげたいようだ。証人発言等も行われることからドルの重石になろう。

28-29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、現状の金融政策の維持が予想される。注目は、米連邦準備理事会(FRB)が昨年10月から開始している月額600億ドルの米財務省短期証券(TB)の購入「量的緩和の派生措置」が予定通りに今年6月で終了するのかどうかだろう、米中貿易協議の部分合意を受けたパウエルFRB議長の見解も要注意。

経済指標では、1月消費者信頼感指数が低下基調を続けるのかどうか、また、第4四半期国内総生産(GDP)速報値や、FRBがインフレ指標として注視している12月個人消費支出(PCE)価格指数にも注意したい。なお、トランプ大統領は22日、「ドルは非常に非常に強い」と述べ、それは良さそうに見え、多くの点で良いが、「製造業に関していえば、とてもまずい」と発言した。

トランプ大統領は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会( ダボス会議)におけるCNBCとのインタビューに応じ、「ドルが強いことを望む。だが金利を下げれば、とても多くの良いことが起きるだろう」と語り、ドル安志向を強調した。

<今週の主な経済指標>
27日(月):米新築住宅販売件数、1月28日(火):米耐久財受注・消費者信頼感指数、米FOMC(29日まで)など、29日(水):日銀金融政策決定会合における主な意見(1月20・21日分)、本邦消費者態度指数、米卸売在庫、米中古住宅販売成約指数、米FOMCが政策金利発表、パウエルFRB議長が記者会見など、30日(木):英中銀政策金利発表、米GDP速報値など、31日(金):本邦有効求人倍率・失業率・小売売上高・鉱工業生産・自動車生産台数・建設工事受注・住宅着工件数、中国各種PMI、ユーロ圏GDP速報値、米個人所得・個人消費支出、ミシガン大学消費者マインド指数、英欧離脱期限など。

*CFTC建玉1月21日時点:ファンドのドル買い・円売りは4万4701枚(前週比-1万3271枚)と増加。総取組高は18万3863枚と前週比2万1769枚の増加。
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*予想レンジ:107.50円~110.50円
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【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は底堅く推移しそうだ。先週は、米・イラン間の地政学的リスクの緩和に加え、米中通商協議の「部分合意」を背景に、NYダウが2万9000ドル台に上昇し、史上最高値を更新するなどリスクオンモードが強まった。これを背景にドル円は8カ月ぶりとなる110円台に上昇したが、110円台には輸出企業や利益確定の売りが入っており、111円への上昇には時間がかかりそうだ。米中通商協議に関しても、完全な関税の引き下げを確認することはできず、また、中国が是正を拒む産業補助金や国有企業改革などの構造問題を含む「第2段階」の交渉は難航が早くも予想されているため、リスク選好的なドル買い・円売りがさらに進むことは難しいだろう。一方、米国の経済指標は総じて好調で、先週発表された12月米小売売上高は底堅かった。インフレ鈍化の兆候も見られず、米国経済の拡大基調は維持されているようで、これがドルの下値をサポートしている。

今後の懸念材料としてはトランプ大統領に対する弾劾裁判があろう。2月4日に予定されている一般教書演説に向けて開催される。米上院100議席の内訳から罷免に必要な3分の2議席の賛成はほぼ不可能で否決が予想されているが、ボルトン前米大統領補佐官やジュリアーニ大統領顧問弁護士などの証言が警戒されるだろう。民主党は今年11月の米大統領選挙と上院選挙での過半数を獲得を目指しているため、攻勢を緩めることはなさそうだ。

フィラデルフィア連邦準備銀行のハーカー総裁は17日、「米経済は極めて好調」との認識を示した。インフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)の物価安定目標である2%に向かう「軌道に乗っている」と、楽観的な見通しを示した。今月28、29日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利が据え置かれる見込み。FRBは昨年、3会合連続で利下げをした後、12月に停止を決定。パウエルFRB議長は「見通しに重大な変更が生じない限り」金利を据え置く方針を明言している。ハーカー総裁は米景気の拡大局面は過去最長にあるとした上で、今年の成長率は「2%程度」と語った。雇用拡大のペースは毎月10万人程度に減速するものの、労働市場の拡大は維持するとの見通しを示した。貿易摩擦や地政学的などの不確実性を背景に企業の設備投資は回復が遅れていると述べた。ただ「労働市場の強さが保たれていることが消費者信頼感の押し上げにつながっている」と強調。米経済の約7割が個人消費を閉めていることから底堅い景気拡大が続くとのシナリオを示した。

<今週の主な経済指標>
20日(月):日銀金融政策委員会・金融政策決定会合(21日まで)、日・鉱工業生産、米・株式市場は祝日のため休場(キング牧師生誕記念日)、21日(火):日銀金融政策会合終了・黒田日銀総裁会見、スイス・世界経済フォーラム・ダボス会議、22日(水):カナダ中銀政策金利、米・中古住宅販売件数、23日(木):日・貿易収支、日・工作機械受注、豪・失業率、米・景気先行指数、24日(金):日・消費者物価コア指数、米・英・独・欧1月分PMI、中国市場休場(春節、30日まで)。

*CFTC建玉1月14日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万1430枚(前週比-1万9182枚)と増加。総取組高は18万3863枚と前週比2万1769枚の増加。

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*予想レンジ:108.50円~111.50円

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