【ドル円今週の予想(3月18日)】
*予想レンジ:ドル円=147.00円~152.00円
*今週のドル円は、日米の金融政策の会合を受けてドル買い・円売りが強まりそうだ。
日銀は18、19両日に金融政策決定会合を開く。春闘での賃上げを追い風にマイナス金利解除など政策修正を行うと報道された。それによると、23年10~12月期実質GDP成長率のプラス改定や連合が15日に発表した春闘の第1回回答集計の平均賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準となったことを受けて、日銀は賃金と物価がそろって上昇する好循環が実現する確度が十分に高まったとみている。
日銀はマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する方針で、事実上のゼロ金利政策に移行することを想定しているという。長期金利の急上昇を避けるため、解除後も国債の買い入れは続けるが、市場を安定させる目的で続けてきた上場投資信託(ETF)の新規購入は停止する方向ともは報じられた。
また、日本経済新聞によると、現在は-0.1%となっている短期の政策金利を0.1ポイント以上引き上げて短期金利を0-0.1%に誘導する案が有力となっている。マイナス金利政策の解除とあわせて大規模緩和の柱となってきた長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)も撤廃する方針という。
マイナス金利が解除されたとしても、その後の連続的な利上げは無く緩和状態が継続される事になるため、円買い要因にはなりにくいだろう。日銀の内田副総裁が2月に、金融政策について、金融環境は極めて緩和的で、「マイナス金利解除後でもどんどん利上げするパスは考えにくい」と述べたが、それに沿った展開となりそうだ。週明け18日の日経平均株価は、一連の報道を好感して1000円を超える大幅高となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)は19、20日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置く公算が大きい。2月の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)がともに予想を上回る伸びを示したことで、利上げ時期の後ずれ予想が強まった。18日の午前9時におけるCMEフェドウオッチによると、3月と5月は金利据え置き確率が90%を超えているが、6月の利下げ確率は53%となっている。
前回のFOMCでは、FRBは0.25%ずつ年3回の利下げを行う見込みだったが、今回の金利見通しをでFOMC参加者の政策金利見通し(ドットプロット)が、どう変化するか目される。WTI原油が中東の地政学リスクや米国在庫の減少を受けて1バレル=80ドル台に上昇しているが、米国でのインフレが再び高まる可能性もあり、市場が期待するほどには「ハト派」的にはならないかもしれない。利下げ見通しが年2回に低下した場合、ドル買いが強まり、節目の150円を突破するかもしれない。
*CFTC建玉:3月12日時点のファンドの円買い・ドル売りポジションは、-10万2322枚(前週比+1万6521枚)。
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