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商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

カテゴリ: ドル円

【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、下落基調が強まり円高が進行しそうだ。週明け15日の東京市場では、米国が対日通商交渉で「為替条項」を盛り込む構えにあることが警戒され、日経平均株価の下落もあって、一時111円90銭まで下落した。先週は、米国債入札が不調となり米金利が上昇したことが嫌気されてNYダウが大幅下落となって、リスク回避のドル売り・円買いが進行した。日米の株価が回復すればドルの上昇が予想されるが、上値は限定的だろう。

ムニューシン米財務長官は13日、日本と始める「物品貿易協定(TAG)」交渉で、通貨安誘導を阻止するための「為替条項」を協定に盛り込むよう求めることを明らかにした。トランプ政権は11月の中間選挙を前に貿易赤字拡大解消を目標とし、日本の輸出が有利になる円安・ドル高を防ぐ狙いがある。米国が利上げを進め、日本との金利差拡大から円安・ドル高が進行しており、TAG交渉の火種となる可能性がある。為替条項は、米国がメキシコ、カナダとの間で9月末にまとめた北米自由貿易協定(NAFTA)新協定に拘束力のある合意として明記された。ムニューシン財務長官は「米国は将来の貿易協定でも、為替条項の文言を取り込む」と主張。新NAFTAを「手本」として、日本や欧州連合(EU)と進める貿易協議などでも同条項を含める方針だと述べた。

これに加え、15日が提出期限の主要貿易相手国の為替政策を分析した半期報告書(為替報告書)、18日に発表される日本の9月貿易収支、19日に発表される7-9月期中国国内総生産(GDP)が警戒される。為替報告書では、前回4月の報告書では、大幅な対米貿易黒字を抱える日本や中国を引き続き「監視対象」に指定し、通貨安を牽制した。為替報告書では、1.対米財貿易黒字200億ドル超、2.経常黒字の対GDP比が3%以上、3.持続的で一方向の為替介入がGDP比2%以上という3つの点全てに当てはまる場合、「為替操作国」に指定される。前回4月は為替操作国指定はなかったが、2つの点に該当する国として中国、日本、韓国、ドイツ、スイス、インドが「監視リスト」に掲載された。とりわけ、 中国が為替操作国として名指しされるか注目されよう。

日本の貿易収支では、対米貿易黒字が警戒される。米国の8月対日貿易赤字は60億ドルと7月の55億ドルから拡大している。トランプ大統領が、日米貿易不均衡是正、ドル高・円安を牽制する可能性があろう。中国の第3四半期GDPは、市場予想で前年同期比6.6%増だが、これを下回った場合、米中貿易戦争の激化に起因する中国の景気減速懸念が現実化しているとして人民元が下落し、ドル円の押し下げ要因になりそうだ。米国は9月、2000億ドル相当の中国製品に新たな関税を発動、中国も報復関税を発動した。

米国の2018会計年度と2019会計年度の財政赤字が1兆ドル程度に拡大することが予想されており、米国の「双子の赤字」(=経常赤字+財政赤字)が問題視されれば、ドルの押し下げ要因になるだろう。

cftc1015

*CFTC建玉10月9日時点:ファンドのドル買い・円売りは11万5201枚(前週比+1155枚)と増加した。総取組高は25万3374枚と前週比1097枚の増加。


<今週の主な経済指標>
15日は米国9月小売売上高、16日は米国9月鉱工業生産、17日はFOMC議事録公表(9月25-26日分)、18日は新規失業保険申請件数、19日は日本9月全国消費者物価指数、米国9月中古住宅販売件数

yen1015

*予想レンジ:111.00円~113.00円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上値の重い展開になりそうで、株価動向次第ではリスク回避の円買いが進む可能性があろう。週明け8日の日米の外国為替市場はそれぞれ休場だった。ロンドン市場では、世界的な株安が嫌気されて安全資産とされる円が買われ、113円台前半に下落した。大型連休明けの中国市場で株価が急落し、イタリアでは財政不安が再燃したため、欧州の主要株価指数が軟調となり、リスク回避モードが強まった。

先週のドル円は、好調な米国経済を背景にした米10年債利回りが3.2%台に上昇し、政策金利が中立金利水準である3.0%を超える可能性が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長から示唆されたことから11ヶ月ぶりに114円50銭台まで上昇した。市場は、昨年11月の高値114円73銭を超えることができるかどうかに注目しており、明確に上抜ければ115円台定着が期待される。

しかし、上抜けできなければ従来の110─115円のレンジで推移することになるだろう。ここまでドルが上昇してきた背景には、FRBによる金融政策の正常化、米中貿易戦争に対するリスク回避のドル買い、トランプ政権の減税を受けた好調な米国経済と米国への資金還流(レパトリエーション)、堅調なNYダウ等がある。

米中貿易戦争に関しては長期化が予想される一方で、政策金利に関しては2020年でピークを迎えることが示唆された。米長期金利はすでに3日に2014年秋以降上限となってきた「3.25%の壁」を突破し、4年3カ月ぶり高水準へ上昇した。米金利の上昇はしばらく続くとの見方が強まってきたが、株価への影響が懸念される状況になってきた。株価下落の要因となれば、一転して円高圧力が強まるだろう。

さらに11月6日には米中間選挙が控えており、共和党が劣勢と伝えられる中、トランプ政権は通商協議で成果を求めている。トランプ大統領は7月中旬にドル円が113円半ばに上昇したときにドル高牽制をツイッターで発信したが、現状の水準ははるかに当時を上回っており、市場の警戒感は高まってくるだろう。トランプ大統領はかねてよりドル安・低金利が望ましいと主張してきた。トランプ大統領の脱税疑惑やロシアゲート疑惑の深刻化、カバノー連邦最高裁判事候補に対する米連邦捜査局の調査等はトランプ政権に対する懸念材料であり、ドルの重石となろう。

中国は、米中貿易戦争の激化を受けて米国債の売却に動き出しているようだ。7月の中国による米国債の保有残高は1兆1710億ドルと、半年ぶりの低水準まで減少した。また、人民元はこの半年間でドルに対して9%ほど下落し、アジア通貨の中でも下げが大きい。貿易を巡り米国との緊張が激化する中、中国当局が意図的に元安に誘導しているとの観測が強まっている。

米財務省は来週、半期に一度の為替報告書を来週公表する予定で、中国が為替操作国と認定される可能性が高まっている。この動きに関連してドル円も現状の水準はドル高と認識されそうだ。10日には3年債360億ドルと10年債230億ドル、11日には30年債150億ドルの入札が予定されている。好調であれば、金利低下・株価上昇・ドル高、逆に不調であれば金利上昇・株価下落・ドル下落という展開が想定される。

*CFTC建玉10月2日時点:ファンドのドル買い・円売りは11万4046枚(前週比+2万9327枚)と増加した。総取組高は25万2277枚と前週比3万6901枚の増加。

cftc1009

<今週の主な経済指標>
10日は米国9月生産者物価指数(PPI)、11日は米国9月消費者物価指数(CPI)、12日は10月ミシガン大学消費者信頼感指数。

yen1009

*予想レンジ:112.00円~114.00円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、高値圏で推移しそうだ。週明け1日は、日米の株価の上昇を受けて先週末からのドル買いが継続し、114円に接近する上昇となった。この日公表された日銀の9月全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業・製造業の業況判断DI(良い─悪い)はプラス19となり、前回6月調査から2ポイント悪化した。悪化は3四半期連続。同非製造業はプラス22で、前回調査から2ポイント悪化した。悪化は8四半期ぶりとなった。ただ、調査期間の7-9月期は西日本を中心とした台風被害や北海道で発生した地震の影響が考慮されたため、日経平均株価の上昇を受けてドル買いが優勢となった。

また、米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉における合意への期待もドル買い要因となった。午前11時には、米国とカナダの基本合意の報が流れ、ドル円は113円96銭まで上昇した。内外の株高でリスクオンモードが高まっており、ドル円は114円台乗せが視野に入ってきた。

先週25-26日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き上げ2.00-2.25%に設定することを決定した。利上げは今年に入って3度目。2019年も緩やかなペースで利上げを続ける方針をあらためて示した。貿易摩擦が深刻化する懸念があるものの、景気判断は前回声明から全く変わらず、前向きな内容を維持した。最新のドット・プロット(金利予測分布図)によると、年末までの追加利上げを予想した当局者は12人と前回予測の8人から増加し、12月の利上げもほぼ確実になった。来年は3回の利上げを想定している。これを受けて米長期金利に先高観が強まっておりドル円を押し上げていくだろう。

ただ、5日には9月米雇用統計が発表されるため、その前には利益確定売りが優勢となり、上値が重くなる可能性はある。昨年のの高値は114円半ばに限定されており、この水準は過去に3回も上値抵抗線となっていることから、ここをブレイクしていくには更なる強材料(米長期金利大幅上昇や米中通商協議の進展等)が必要だろう。テクニカル的にも相対力指数(RSI)が71%まで上昇していることから、115円は困難ではないか。

ドル円の下落リスクとしては、中間選挙を控えたトランプ大統領が日本への圧力を強めることが考えられる。トランプ大統領は27日の会合で「日本、中国、韓国は米国にガラクタばかり輸出している」と発言していたと、一部米紙が報じた。また、共和党候補の応援演説では、米国が同盟国の日本や韓国の軍事費を「補助」していることに不満を表明した。今年の7月中旬にはドル高への不満をツイッターで投稿し、ドル円が113円10銭台から111円前半まで急落した例があり、注意が必要だろう。

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*CFTC建玉9月25日時点:ファンドのドル買い・円売りは8万4719枚(前週比+2万0964枚)と増加した。総取組高は21万5376枚と前週比1万5155枚の増加。


<今週の主な経済指標>
1日は日本第3四半期日銀短観、9月米ISM製造業景況指数、2日はパウエルFRB議長講演、3日は9月米ADP雇用統計、4日は8月米耐久財受注、5日は9月米雇用統計。


yen1001

*予想レンジ:112.00円~115.00円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上昇基調が継続するかどうかの分岐点になるかもしれない。週明け24日のNY市場は、米中間の貿易摩擦激化に対する警戒感が後退し、安全通貨である円が売られ、ドルを買う動きが優勢となった。25日に公表された7月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨では、金利急騰時には国債買い入れによって金利の安定を図ることが適切との認識が複数の委員から示された。また、「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」としたフォワードガイダンス(指針)については、多くの委員が「2%の実現に向けたコミットメントを強化し、政策運営に対する信認を確保する観点から適切」と支持された。

今週は重要イベントが2つある。25、26日に行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げが確実視されている(2.00%⇒2.25%)。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年4回目の利上げについてタカ派的な姿勢を強めるかどうか注目している。CMEのFED WATCHによると24日時点での12月の利上げ確率見通しは75%に達している。利上げ見通しの高まりを受けてドル高が進行する可能性がある。25日の東京市場では一時112円98銭に上昇し、7月19日以来2カ月ぶりも高値をつけた。7月高値の113円18銭を上抜けば、次の上値は1月8日につけた年初来高値の113円40銭が目安となる。米国の株高基調に変化がなければ、リスクオンを背景にドル高が続きそうだ。

しかし、一方で日米通商協議(FFR)が懸念される。FERは当初予定の24日から25日に延期された。26日には日米首脳会談が行われる。貿易協議の折り合いがつかない場合、ドル高・円安基調が牽制される可能性が高い。米長期金利動向も気になるところ。米30年債利回りは、現在3.0%台で推移しているが、2014年秋以降、上限となってきた「3.25%の壁」を突破るかどうかが注目されている。ちなみに今年は2月に3.23%、3月に3.17%、4月に3.21%をつけた。仮に3.25%を超えた場合、金利高を嫌気して株価が下落すれば、リスク回避の円買いが活発化する可能性がありそうだ。

ドル円が上昇基調を継続して、このまま年初来高値を更新するのか、あるいは113円台でピークアウトして従来のレンジに回帰するのか、注目される。

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*CFTC建玉9月18日時点:ファンドのドル買い・円売りは6万3755枚(前週比+9869枚)と増加した。総取組高は20万0221枚と前週比6793枚の増加。


<今週の主な経済指標>
25日は7月日銀金融政策決定会合・議事要旨、米国9月消費者信頼感指数、26日は米国8月新築住宅販売件数、FOMC政策金利、27日は米国8月耐久財受注、米国第2四半期GDP、米新規失業保険申請件数、28日は日本8月鉱工業生産、米国8月個人所得、米国8月個人支出、9月ミシガン大学消費者信頼感指数

yen0926

*予想レンジ:110.50円~113.50円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、堅調に推移しそうだ。週明け17日のNY市場では、トランプ大統領が「マーケット終了後に対中貿易関税についてアナウンスする」との考えを示したと伝わると、ドル円は一時111円76銭まで下落した。3連休明け18日の東京市場では、トランプ政権が2000億ドル相当の中国製品への第3弾の追加制裁措置を24日に発動すると発表したことが伝わると、リスクオフモードが強まりドル円は一時111円61銭まで下落した。

中国は米政権が新たな制裁措置を決定するなら、米国との貿易協議を拒否することを検討すると表明していたが、今回の発表は織り込まれている部分も大きく、ドル円は安値から引き戻し112円を回復した。米中貿易戦争の激化懸念や今後開催予定の日米貿易協議への不安もあるが、NYダウが2万6000ドル前後で堅調に推移し、米長期金利が3.0%近い水準にあることから、今週のドル円相場は、底堅く推移すると予想する。

米中貿易戦争は、トランプ政権による7月の対中制裁関税第1弾(340億ドル)、8月の第2弾(160億ドル)に続き、今月は第3弾(2000億ドル)、第4弾(2670億ドル)の発動が示唆されている。トランプ政権が米中通商協議を再開すると報道されているものの、中国は米政権が新たな制裁措置を決定するなら、米国との貿易協議を拒否することを検討すると表明した。トランプ米政権は17日、米通商法301条に基づき、中国による知的財産権侵害に対抗した制裁関税の第3弾を今月24日に発動すると発表した。中国からの約2000億ドル(約22兆円)相当の輸入品に10%の追加関税を課す。中国の強い反発は必至で、二大国間の「貿易戦争」は一層深刻さを増しそうだ。

米中両国は6月初旬までに閣僚レベルで計3回話し合ったが「貿易戦争」回避で折り合えず、制裁関税と報復を繰り返した経緯があり、摩擦緩和で互いに歩み寄れるかどうか懐疑的な見方が依然として根強い。

今週は18、19日の日銀の金融政策決定会合や20日の自民党総裁選挙、21日の日米貿易協議(FFR)などが注目される。日銀の政策変更は今回見込まれていないが、安倍首相が金融緩和の正常化に言及したこともあって、黒田総裁が記者会見でどのような見解を示すか注目される。日米の貿易不均衡是正に関しては、21日の第2回FFRから協議が再開される見通しで、11月の米議会中間選挙に向けて、農産物輸出や自動車関税が警戒されており、さらには貿易赤字削減からドル安・円高圧力が強まる可能性も想定される。


*CFTC建玉9月11日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万3886枚(前週比+1954枚)と増加した。総取組高は19万3428枚と前週比8081枚の増加。


cftcyen

<今週の主な経済指標>
17日は9月NY連銀製造業景気指数、19日は9月日銀金融政策決定会合終了、黒田日銀総裁会見、米国第2四半期経常収支、20日は米新規失業保険申請件数、8月米中古住宅販売件数、8月米景気先行指標総合指数、21日は9月米製造業PMI。


yen0918

*予想レンジ:110.00円~113.00円

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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。週明け10日の東京外国為替市場のドル円相場は、110円台後半で推移している。先週末発表された8月米雇用統計が良好だったことからドル買い・円売りが先行して始まったが、米通商政策の行方が懸念されて上値が重くなった。

8月米雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月から20.1万人増加し、市場予想の19.1万人増を上回った。また、物価上昇の先行指標として注目される平均時給が、前年同月比で2.9%増と2009年6月(2.9%増)以来の大きな伸びとなったことが好感された。インフレ率の上昇から米国の利上げペースが加速するのではないかとの見方が強まり、週明けの東京市場でも111円10銭前後まで上昇した。

ただ、トランプ大統領は7日、中国からの輸入品2670億ドル(約30兆円)相当に制裁関税を課す用意があると明らかにしたほか、日本に対しても貿易赤字の削減を強く迫る姿勢を示していることが懸念されている。先週のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、トランプ大統領は対日貿易赤字を問題視し、日本は米国に対価を払わなければならないと発言し、貿易を巡る戦いが次は日本が対象になる可能性があることを示唆した。これを受けてドルは対円で下落した。トランプ大統領は7日、日本と貿易交渉を始めたとし、仮に物別れに終われば、日本側が「一大事になることを認識している」と語った。

市場は、今月25日に行われる日米首脳会談と、それに先立つ日米通商協議(FFR)で、日本が米国に貿易赤字削減の具体策などを求められるのではないかとの警戒感が強まっている。日本の対米貿易黒字の削減は、国内景気減速や株安への懸念、市場心理の冷え込み、それに伴う国内大手投資家の海外投資手控えなどが連想されるため、円高要因になる。

貿易摩擦に加え新興国通貨の動向も依然としてリスクオフ要因になりうる。新興国ではトルコ中央銀行が13日に開く政策決定会合が注目される。トルコ中銀は3日に声明を発表し「金融スタンスは最近の動向を踏まえ、9月の金融政策委員会で調整される」と明言した。すでに市場では利上げ予想を織り込んでいるが、利上げ幅の見通しはまちまちで、実際の利上げが小幅にとどまればリラ安となり、円高へ波及する可能性もある。

また、トランプ大統領の元顧問弁護士、大統領選挙対策本部長、トランプ一族の金庫番らの証言でロシアゲート疑惑が深刻化する可能性も高まっており、トランプ政権への不透明さもドル売り要因になろう。


cftcyen

*CFTC建玉9月4日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万1932枚(前週比+5891枚)と増加した。総取組高は18万5347枚と前週比265枚の増加。


<今週の主な経済指標>
10日は日本第2四半期実質GDP、12日は8月米生産者物価指数(PPI)、13日は木8月米消費者物価指数(CPI)、14日は8月米小売売上高、8月米鉱工業生産、9月ミシガン大学消費者信頼感指数


yen0910

*予想レンジ:109.00円~112.00円


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【ドル円相場、今週の展望】
今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。新興国通貨の不安定な地合いと米中貿易摩擦の激化懸念や北米自由貿易協定(NAFTA)先行き等のネガティブ要因が多く、リスク回避的な見方が強まり、ドル円の上値を抑えそうだ。アルゼンチンペソやトルコリラの下落基調が止まらない。アルゼンチン中央銀行は30日、政策金利を45%から60%に引き上げたが、アルゼンチンペソは一時約20%下落し、最安値を更新した。トルコは通貨リラの下落を食い止めるためにいくつもの手段を講じたが効果がない。リラの急落でインフレが押し上げられ、食品やガソリン価格は高騰、国内経済全体や銀行への影響が懸念されている。3日に8月消費者物価指数(CPI)が発表されるが、前月の15.85%から17.60%への上昇が予想されている。リラ安が進む可能性が高く、新興国通貨不安が高まりそうだ。

トランプ大統領は今週6日のパブリックコメント期間終了後、2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税を発動させる意向を示した。新たな関税案では、住宅建材やテクノロジー製品、自動車、衣服など消費者向け商品に影響が及ぶ。トランプ政権は、7月の対中制裁関税第1弾(340億ドル規模)、8月の第2弾(160億ドル規模)に続き、9月に第3弾(2000億ドル規模)を発動するとしている。中国も報復関税措置を示唆していることで、米中貿易戦争は激化する可能性が高まっている。さらに、中国を為替操作国と認定するとほのめかしたことも、通商協議を難航させる要因となっている。7月の対中貿易赤字が拡大していた場合、第4弾(3000億ドル規模)が早期に発動されることも考えられる。

また、自動車関税をゼロにするという欧州連合(EU)の提案を拒否し、貿易摩擦に対する懸念も強まっている。さらに8月31日を期限としていた米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉はまとまらず、9月5日に再開されることになったが、カナダを除外する考えもちらつかせた。トランプ大統領の不規則発言や予測不能なツイッターなど『トランプリスク』が想定されるため、ドル買いが抑えられており、リスクに焦点があたりやすくなっている。

トランプ大統領の元顧問弁護士、大統領選挙対策本部長、トランプ一族の金庫番らの証言でロシアゲート疑惑が深刻化するならドル売りとなりそうだ。なお、7日には8月米雇用統計が発表されるが、非農業部門就業者数は+19.1万人(+15.7万人)、失業率は3.8%(3.9%)、平均時給は+2.7%(+2.7%)がそれぞれ予想されている(カッコ内は前回)。仮にポジティブサプライズとなれば、利上げ観測が強まりドル買いが優勢となる可能性がある。

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*CFTC建玉8月28日時点:ファンドのドル買い・円売りは4万6041枚(前週比-1365枚)と減少した。総取組高は18万5082枚と前週比4616枚の減少。


<今週の主な経済指標>
3日の米市場は休場(レイバーデイ)、4日は8月米ISM製造業景況指数、5日は7月米貿易収支、6日は8月ADPP雇用統計、7日は8月米雇用統計。

yen0903

*予想レンジ:109.00円~112.00円


情報提供:(株)みんかぶ
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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。週明け27日の東京市場のドル円は、111円20銭台で推移している。前週末の米国市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がジャクソンホールでの講演で、「さらなる利上げが適切」と語り、次回9月会合での利上げを示唆した。一方、「インフレ率が2%を超えて加速し、物価が過熱するリスクの明確な兆候はない」とも説明した。パウエル議長の講演を受けて、市場では「利上げ局面が近く終わりを迎える可能性が意識された」ことでドル売りが優勢となった。

今週は、政治経済リスクが意識されてリスク回避姿勢が強まりそうだ。政治面では、米国で、トランプ大統領の元選対本部長マナフォート被告が有罪判決を受けたほか、トランプ大統領の元顧問弁護士コーエン被告が不倫関係を主張する女性に口止め料を支払ったことを認めた。トランプ大統領は23日、「自分が弾劾されれば、市場はクラッシュする」と警告した。先週のオーストラリアでは、与党自由党でターンブル首相の求心力低下を受けて党首選が行われ、モリソン財務相が勝利した。首相と対立していたダットン前内相が敗れたことで、大きな政策変更はないとの期待感から豪ドルには買い戻しが入ったものの、連立政権や過半数を占める議席数を維持できるかなど不安材料が残る。先週トルコはイスラム教の祝日で休場だったため、緊迫した情勢が一服していたが、連休明け後にどう動き出すか注目される。トルコのエルドアン大統領は、米国が経済戦争を仕掛けてきたと非難している。欧州ではイタリア情勢が不安視されている。同国の来年度予算で財政支出の拡大が懸念されている。フィッチは31日に格付けの見直しを発表する。ムーディーズは引き下げ方向で見直しを進めている。

経済面では、米中貿易戦争が今後、一段と悪化することの懸念がある。先週ワシントンで開かれた米中次官級通商協議は、摩擦解消に向けた明確な進展がほとんど見らず、中国からの年間2000億ドル(約22兆3000億円)相当の輸入品への追加関税と中国の報復措置が懸念されている。オバマ政権時代に財務省の中国駐在財務公使を務めたブルッキングズ研究所のデービッド・ダラー氏は、「向こう数カ月、貿易戦争の激化に直面する」と述べた。

現在、米国は産業補助金や知的財産権侵害の取りやめなど、ライトハイザー通商代表部(USTR)代表やナバロ国家通商会議(NTC)委員長らのタカ派が主導しており、強硬姿勢が顕著になってきた。トランプ大統領は、ドル高要因となっているFRBの利上げに不快感を示し、欧州や中国が為替操作をしていると批判した。市場ではトランプ政権が通貨安戦争に乗り出すのではないかとの警戒も出ている。ただ、米国景気の拡大を背景に米国株は堅調に推移しており、貿易戦争の激化を背景に有事のドル買い等が下値を支えているため、ドルの下落幅も限定的だろう。

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*CFTC建玉8月21日時点:ファンドのドル買い・円売りは4万7406枚(前週比-1万0962枚)と減少した。総取組高は18万9698枚と前週比3864枚の増加。

<今週の主な経済指標>
28日は6月ケース・シラー米住宅価格指数、8月米消費者信頼感指数、29日は第2四半期米GDP、7月米中古住宅販売、30日は7月米個人所得、31日は8月ミシガン大学消費者信頼感指数。

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*予想レンジ:109.50円~112.00円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は上値の重い展開になりそうだ。週明け20日の東京市場は、トルコ問題が嫌気され110円台半ばに下落した。前週末の海外市場では、欧州時間は米国人牧師の拘束を続けるトルコに対し、米政府が追加制裁を辞さない構えを見せたことでリスクオフムードが強まり、ドル円は一時110円30銭前後に下落した。

その後、米中貿易摩擦の解消期待から110円台半ばに浮上した。今週は、中国経済の減速懸念やトルコ情勢、その他の新興国通貨の動向が注目されよう。これらの事態が悪化すればリスク回避の円買いが強まるだろう。

イタリアの財政やユーロ圏金融機関のトルコへの投資額に関する懸念もあり、ユーロ売りがクロス円に広がる可能性もある。

17日の米国市場の取引終了後にトルコに対する格付けが発表された。ムーディーズは、トルコの長期発行体格付けを「Ba2」から「Ba3」に引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」に変更した。S&Pグローバル・レーティングも、トルコの信用格付けを投機的(ジャンク)等級の「BBマイナス」から1段階引き下げ「Bプラス」とした。見通しは「安定的」で据え置いた。トルコリラの相場変動が非常に大きく、来年の景気後退が予想されると指摘した。 予想されていた格下げとはいえ、改めてこれが意識される可能性があり、今週もトルコリラが波乱要因となりそうだ。

米国とトルコの関係は、イスラム教指導者ギュレン師や米国人牧師ブランソン氏を巡って悪化しており、政治的問題だけに解決も難しく、トルコから他の新興国通貨へ危機の伝染も心配される。

先週の中国・人民元は下落基調が強まった。中国人民銀行は流動性を引き締め、売り持ちコストを引き上げるべく、オフショア人民元の預金と貸し出しで一部の銀行間取引口座の使用を禁止した。中国の1~7月の固定資産投資は1996年以降で最低の伸び率となった。

中国政府は「固定資産投資計画」を打ち出しているが、上海株価総合指数が16日に2016年3月以来の安値を付けた。中国の景気減速懸念から中国株や人民元の下げが拡大すればリスク回避が再燃し、円高圧力が強まる可能性もある。6月以降中断していた米中通商協議が22、23日に開催されるが、米国は23日に160億ドル分の中国製品を対象にした制裁関税の発動を予定している。

米中貿易摩擦が中国のみならず米国の景気にも影響し始めてきたようだ。フィラデルフィア地区連銀の8月新規受注指数は2016年9月以来の低水準となった。8月のミシガン大消費者信頼感指数は95.3まで低下し、2017年9月以来11カ月ぶりの低水準となった。生活費の上昇に対する懸念が示されており、消費が今後減速する可能性がある。

なお、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウム(23~25日)で24日に講演する予定。


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*CFTC建玉8月14日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万8368枚(前週比-4439枚)と減少した。総取組高は18万5834枚と前週比2068枚の減少。


<今週の主な経済指標>
22日は、7月米中古住宅販売件数、8月FOMC議事録公表、23日は米新規失業保険申請件数、24日は、7月米耐久財受注。

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*予想レンジ:109.50円~111.50円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は円高基調が強まりそうだ。週明け13日のドル円相場は急落し、一時110円10銭台まで円高が進んだ。前週の新興国通貨安や欧米株安を受けて日経平均株価が急落したことから、リスク回避モードが強まった。日経平均株価は300円以上下落し、1カ月ぶりに2万2000円を割り込んだ。

トルコリラショックが世界の金融市場を揺さぶっている。トルコは15%を越えるインフレ高進にもかかわらず利上げをする意向を見せていない。また、トルコ在住の米国人牧師を政権転覆を狙った2016年のクーデータに関係したとして拘束、トランプ大統領の釈放要求を無視した。そのため、トランプ大統領はトルコからの輸入品に対して関税を掛け、両国間の関係が悪化した。トルコリラの急落を受けてトルコ株式市場も大幅安となり、経済関係の深い欧州株が下落し、ユーロも大幅安となった。こうした背景からリスクオフモードが強まっている。

トルコの金融市場の混乱は今週も続きそうだ。エルドアン大統領は12日の演説で、米国と金融市場の通説に挑む姿勢を変えなかった。トルコの銀行規制監督庁(BRSA)は13日未明、外貨とリラとのスワップおよびスワップに類似する取引の総額が、銀行の法定自己資本の50%を上回ってはならないとする規制を発表した。これを受けて週明けのトルコリラはやや反発しているが、インフレを抑え、米国との関係を改善するという2つの根本的な問題を解決しない限り、リラ売りが止む可能性は小さいだろう。

市場のリスクオフモードが強まっている状況で、安全通貨である円が買われていく可能性は高いだろう。9日に行われた日米新貿易協議は、双方の立場の違いが明確になり、来月改めて協議を行うことになった。米国側はFTA(自由貿易協定)の締結を念頭に2国間の交渉を進めたい考えを示したのに対し、日本側は多国間の自由貿易体制を重視する方針を示し、意見の隔たりは埋まらなかった。貿易問題の拗れから、米国から為替相場への言及が出てくる可能性もあり、潜在的な円高圧力がつきまとう状況になったともいえよう。ファンドのドル買い・円売りポジションも頭打ちになっており、今後の動向が注目される。

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*CFTC建玉8月7日時点:ファンドのドル買い・円売りは6万2807枚(前週比-5650枚)と減少した。総取組高は18万7902枚と前週比9664枚の減少。

<今週の主な経済指標>
15日は米国7月小売売上高、米国7月鉱工業生産、16日は米国7月住宅着工件数、新規失業保険申請件数、17日は8月ミシガン大学消費者信頼感指数。

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*予想レンジ:109.00円~111.50円

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