【ユーロ円今週の予想(7月31日)】
*予想レンジ:ユーロ円=152.00円~157.00円
ユーロドル=1.0850~1.1150ドル
*今週のユーロは、利上げ打ち止め感を背景に上値の重い展開になりそうだ。欧州中央銀行(ECB)は27日の理事会で、政策金利を0.25%引き上げた。利上げは9会合連続。中銀預金金利は3.50%から2000年以来の高水準となる3.75%に引き上げた。今回の引き締めで、昨夏以降の合計の利上げ幅は4.25%ポイントになった。
ユーロ圏の経済情勢は悪化しているが、インフレ抑制に向けた追加利上げの選択肢は温存した。ユーロ圏の6月のインフレ率は5.5%と、昨年10月以降、半分に低下したが、ECBの目標である2%をなお大きく上回っている。
同時に、インフレ高止まりと景気後退懸念のはざまで政策決定者の見解が割れる中、ラガルド総裁は「9月とその後の決定についてはオープンな考えだ。利上げをするかもしれないし、据え置くかもしれない」と発言。次回理事会で利上げを一時停止する可能性に含みも残した。
ECB理事会での討議内容については、これまではインフレ懸念が支配的だったが、現在は経済の軟化に対する懸念が優勢になっていると指摘があったという。9月の理事会で追加利上げを望む政策当局者がいる一方、ユーロ圏経済は景気後退に向かっているとの見方から、9月に利上げの一時停止することを支持している政策当局者もいるとした。
ECB理事会メンバーのストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は、ECBが9月に追加利上げを実施することは「考えにくい」と語った。ストゥルナラス氏はインタビューで「利上げ終了に極めて近いようだ」とした上で「私は難しいとみているが、仮に9月に利上げするにしても、そこで打ち止めになると思う」と語った。経済や物価の動向次第で、金利はあと数カ月高止まりするとの見方を示した。高金利がEU経済の足かせになっているため、追加利上げに関しては慎重になりそうだ。
*CFTC建玉:7月25日時点のファンドのユーロ買い・米ドル売りポジションは、+17万7230枚(前週比-1602枚)。
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