【メキシコペソ円今週の予想(12月2日)】
*予想レンジ:7.40円~7.80円。
*メキシコペソ円は、米国との関係や追加利下げ見通しから上値の重い展開が続きそうだ。
トランプ次期米大統領は25日、就任初日にメキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税を課し、中国からの輸入品に追加で10%の関税を課すと表明した。不法移民や違法薬物取引を巡る懸念を理由に挙げた。メキシコとカナダがフェンタニルなどの麻薬や不法移民の米国への流入を取り締まるまで関税を維持するとした。トランプ氏が予告するメキシコとカナダへの追加関税は、1期目の政権で北米自由貿易協定(NAFTA)後継として発効させた米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に違反することになる。メキシコとカナダは米国にとって最大の貿易相手国。2023年にメキシコの輸出の83%以上を米国向けが占め、カナダの輸出は75%が米国向けだった。トランプ氏は大統領選で勝利すればUSMCAの再交渉を行うと選挙戦で述べてきた。USMCAは2026年7月に見直しが予定されている。
これに対し、メキシコのシェインバウム大統領は、トランプ次期米大統領がメキシコからの輸入品に関税を課す方針を示したことについて、メキシコ側も関税で対応する可能性を示唆。経済的に深刻な影響をもたらすことになると警告した。
しかし、メキシコのシェインバウム大統領は28日、27日に行ったトランプ次期米大統領との電話会談は友好的だったとし、良好な関係を維持することで合意したと語った。主要貿易相手国である両国の緊張緩和を模索したとみられる。トランプ氏は27日の電話協議後、シェインバウム氏が「メキシコ経由の移民流入を止め、実質的に米南部国境を閉鎖することに合意した」と発言。一方、シェインバウム氏は「国境閉鎖ではなく、政府間や両国民の間に橋を架けるのがメキシコの立場だ」と発言。この食い違いについて、シェインバウム氏は記者団に対し、コミュニケーションのスタイルの違いによるものだと説明した。
メキシコ中央銀行が28日公表した今月の金融政策決定会合議事要旨で、物価上昇率鈍化を背景に追加利下げを視野に入れつつも、拙速な行動は慎みたい、という政策委員らの認識が判明した。メキシコの11月前半の消費者物価指数前年比上昇率は、前月の4.69%から4.56%に減速。変動の大きいエネルギーと食品を除くコア物価上昇率は3.58%と市場予想を下回った。このため12月19日の次回会合で追加利下げされる公算が大きいとの観測が強まっている。米国とメキシコの二国間関係に絡む不確実性があるため、より大幅な利下げは手控えられるとの見方が強く、利下げの場合、0.25%になりそうだ。
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